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第011部 イレギュラー過ぎる召喚は神々も知らない内に/500年の孤独と独夜と独りと到達に至る導 回顧録

第06話 ランクとガチギレナビ/はぁ…

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【第06話 ランクとガチギレナビ】

「では、分かった事を幾つか説明します」
壁の魔方陣と術式を読み解き説明を始める、皆、神々も事態の整理が追い付いていないが話しに耳を傾けた。
「まず、彼は現在存在する《アタラクシア》最強の生物です、人でも魔王でも魔神でも神でもない。魔王は勿論神殺しも行える生物ですね、討伐不可が出ると思いますが」
「お前よりもか?」
「さぁ?」
蒐集家の愉快そうな説明に大河が聞けばはぐらかす、随分ご機嫌なようだ。
「続けます、千年以上前にとある賢者が提唱したランクに応じた名称があり、この大陸ではあまり使われていませんが、伝説級(でんせつきゅう)、禍蚪級(まがつきゅう)、疵渦級(ざいかきゅう)の3種類のランクが存在します。魔王、魔人古代種は疵渦級です。禍蚪級はドラゴン、タータイルクッガ、ゲーターダイルラフテス等がこのランクです。伝説級は妖精、精霊、蟲人、勇者等希少種です。あくまでも人間が付けたランクです、気にしないで良いです。問題は約200年前に千華の魔王を封印した《ロメンスギル》の王族アシュア・デイル・アストリガーを魔王以上と当時の賢者が判定し、新たなランクが制定されました、それが到達者級(とうたつしゃきゅう)この200年ただ1人の筈、それに人が制定したランクですが彼にもそれが付いている…」
『……不明点が増えていきますね』
「勇者?勇者がいるんだ?」
「おーいるいる、数は少ないけどな、30年以上前に会ったぞ」
「ステータスに生まれつき付いてくる物のようですよ」
頭を悩ませる神々、晴海が勇者に反応すればジラとラジカが教えてくれる、そしてアシュア・デイル・アストリガー…彼もまた所在不明だった、蒐刻魔王とあの少年にも会わなければと再度気を引き締める。
「人が定めたランクだから、僕達の知識にないんですね。連絡はとれないんでしょうか?」
「此方からは無理ですね」
『皆様、行方不明の方の使者から連絡が来ました。私達と同型のようです、通しても構いませんか』
「来ましたね」
「風早、お願いします」
風早からの連絡に蒐集家と綴が反応し、綴が許可し…ちょっとイライラした声が響いた。
【あーやっと連絡がついた!500年!長かったー!】

【第06話 はぁ…】
彼は悩んでいた…別に日本が恋しいとか日本で食べていた物が食べたいとか、ネットがしたいとかてばない、着替えが欲しいそれを手に入れる為に人に会い服を買う…IN異世界、それが嫌なのだ。
家もある、食事は健康的に茹でた草または鍋も作ったので炒めた草、充分だ。
だがとても原始的だ、誰とも会わなくても済むならばそれに越した事はない。
「服とか出る魔法があれば完璧……はぁ」
既に鑑定がこの先に町があると教えてくれた、金は草を売れば良い……。
「明日にしよう…」
風呂に入る事にする、食事、睡眠、生活雑貨作り(土と水魔法で作れる物)採取だけだ、日本で引きこもっていた時よりは動いていた…。

【第06話 ランクとガチギレナビ】
【はじめまして皆様、俺はナビゲーターのナビと言います。主にマスターの補佐をしています。よろしくお願いします】
「よろしくー」
【すみません、先に神々に多々報告をしなければなりません。今現在マスターはこの大陸の裏で活動し…色々していてすぐに来られる状態ではありませんが元気…………です】
『隠蔽と遮断をしていますよね、貴方が来ている跡を視ても居場所がわかりません』
【はい、マスターは目立つのが好きではなく静寂を好む方なので………徹底的に存在を遮断しています】
歯切れが何処か宜しくないナビ、神々からの質問にも歯切れは悪い。
【先に報告をさせて欲しいのですが…ゲーテ…俺の代わりにマスターを…ゲーテ?おい!ゲーテ!】
【ん?あ、はーいゲーテでーす!ナビの補助してまーす!】
【呼んだら1回で来いよ、今から神々にこの500年の報告上げるからマスターに変な依頼受けないようにしておけ】
【えーむりーもう受けてるよー】
【はあ?てめ!何受けたんだよ!】
【えーとテンペスト級の依頼】
【はあ?おい!ふざけんなよ、あのクソマス!どーすんだよ!俺は報告したいんだよ!】
【え~すれば良いじゃーん、神様達ボク達元気です~】
【ざけんなよ!俺は神々に会ったら苦情!クレームを言うつもりなんだよ!500年だぞ!あんなイカれたクソマスの……ヤバい!ワン!おい!出ろ】
【はい、此方はワンです…只今留守にしています…ご用件がある方はまた後程連絡下さい…ぷつ…】
ナビと間延びした声のゲーテの押収が続く、神々はひきつっているがお構い無しにナビが他を呼ぶが何故か居留守を使われてしまう。
「テンペスト級とか本気かよ」
「何それ?」
「この大陸では馴染みはありませんが、冒険者の依頼ランクのかなり上位の難易度です」
「テンペスト級ってのはS級の冒険者パーティーが国から年単位で受けるかまたは軍で行うやつだな、依頼するやつもやつだが受けるやつも受けるやつだぞ」
【普通にうけるんだよ~うちのマスター狂ってるでしょー?】
晴海が尋ねればラジカと呆れたジラが教えてくれ、ゲーテの笑い声が響く。
【ツー、出ろ!俺が神々の所にいる間マスター止めとけ】
【こちらツーでーす、あーごめんなさーい、今皆で山にいるからあー通信がー…ぷつ…】
【くそ!スリー出ろ!】
【げ、あー今海なんでぇーあー貝がーあー…ぷつ…】
【ふざけんな、おいフォー!ちょっとマスター見てろ!】
【は?無理…ぷつ…】
【あー!ファイブ!】
【……………ぷつ】
【………訴えてやる!仕方ない1度戻ってレポートに…】
もう聞いているだけで悲しくなる、聞くに耐えかねた風早が名乗りを上げた、そして後に盛大に……する事になる。
『あの、私が其方のサポートに入りますよ。綴様宜しいですか?』
「お願いします、風早…」
『承知しました、ナビさん不在の間私が補佐します』
【い、いやー流石に悪いんで…あのイカれたマスターヤバいんで】
【え~お願いしたら?もう向かっちゃったよ】
【クソマス!ゲーテ、お前も行け!】
【分かった~よろしくお願いしまーす】
『…よろしくお願いします』
【あのクソマスに面倒な依頼を受けさせないように、食事は1日2食は食べさせるように…むやみやたらと解体しないようにして貰えれば大丈夫です】
『……はい』
【ボクもこっちに遊びにこよっと、可愛いしみんな】
『はぁい、みんな可愛いわよぉー』
【俺だってあんな人間止めたマスターよりこっちがいい!】
ナビの嘆きを聞きつつ、ゲーテが風早を連れて行く、一先ず元気だと分かり全員、特に燈火がほっとした…。
「ま、元気だし、いんじゃない」
「そうですね、風早が戻ったら話しを聞きましょう」
懐記と綴で話しを切り上げ、各々明日の準備の為に移動した。
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