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26 観光客向け 地元民向け

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朝…昨日の読書が尾を引き遅めの起床、ゆっくりと起き出し目覚めの冷えた果実水を飲む。
今日は街の散策をする、本を読む、食事や小物作りや石鹸作りを行う以上だ。
昨日作った壺で焼いたおやきとスープを食べ、果物を多めに食べ身支度を整えテントの外に出た。

昨日も訪れた観光客向けの市場を歩く、服屋でシンプルな刺繍が施されたシャツを買い、草花の緻密な刺繍が鮮やかなタペストリーとクッション用にも布を買い足す。
工芸品や民芸品が並ぶ露店もあり、綺麗に彫られた木のドラゴンの置物に目が留まる。
「お、どうだいお兄さん」
「……これを1つ」
今にでも空に飛び立とうとする木彫りに見惚れてしまう、5,000ログ…安いのか高いのか分からないが購入する、こういうのを飾る棚でも造ろうかと思いながら進んだ。

暫くあるけば店屋が建ち並ぶ、肉屋の看板を見つけ中に入れば涼しく肉こ下には葉と氷も敷かれていて温度管理がされているようだ。
「いらっしゃい」
元気な声に筋骨隆々の店主が捌き立ての肉を棚に並べていく、鮮やかな色味…魚は川で獲ったが肉もまた自分で捌きたい…明日は狩りと採取をしようと決めて、肉と腸詰めとを何種類か買う、腸詰めは太さや珍しく香辛料が混ざっているものがあり両方購入した。
「ありがとうよ」

すぐ隣は香辛料の店で中に入れば棚に香辛料が入った瓶が並ぶ、値段は高めだ。
「いらっしゃいませ、何か好みはありますか?」
「………特には珍しい物を…」
にこやかな笑みで出迎えてくれる中年の女性定員に尋ねられ、ぼそぼそと話す、こういった場所で話しかけられるのはやはり慣れない。
「でしたらこちらの塩は香りの良い香草を混ぜていて肉に会いますよ、こちらは果実の皮を細かくした塩です、明日を良ければ」
「ありがとうございます…」
ハーブ塩と果実の皮の塩…良い、家で混ぜよう、味も美味しいので塩といくつか香辛料を買い……結構良い値段がする、にこやかな笑顔で見送られ、店を後にした。

暫く歩くと再び露店が立ち並ぶエリアに入る、どうやら地元民向けのようで安いが、野菜等の質は下がるが安いようだ。
「スープどうだいー」
「肉くしー」
鑑定に掛ければくず野菜のスープ、廃棄手前の肉等出るが人はこちらの方並んでいる、身なりも質素だ…こうして住み分けがされているのかと感心する。
露店を眺めながら進めば変わった野菜や果物が置かれているので買ってみればオマケもしてくれる、香辛料もあるが目に見えて質が悪い。
今日はこんな感じでいいかと引き上げる事にする、テントに戻れば木札がテントの入り口に置かれ1度冒険者ギルドへとあり、行きたくないが向かう事にした、どうせろくでもない事だろう。

「他の街のギルドとここのギルドのルールは違います、区画を借りる以上ダンジョンに行くか依頼を必ずし1回以上受けて下さい、依頼の掲示板はそちらです」
「わかりました」
気難しそうな受付嬢が木札を見せるなりそう言うので指差す方へ足を向ける、ギルドは読書と小物作りをしようと思ったのに…『ダンジョンにて第3階層のボスドロップ品10万ログ』『以下の表の薬草買い取り』『薬草ダンジョンの荷物持ち:出来高』『食堂での皿洗い:早く終わっても3,000ログ保証』『オーズン討伐:討伐部位と交換30万ログ』『荷物運び:1日1万ログ』…………人と関わるのが嫌だな皿洗いか薬草にしよう………。
「これを」
「はい、では採取出来次第お持ち下さい。一番下のクラスの冒険者の方なので関係はありませんが降格処分等になりますので気を付けて下さい。薬草はこちらで買い取ります」
「わかりました」
結局無難な物を選んでしまう、山や森等が生息地の植物らしくどの辺りに咲いているか書いてあるのでテントに戻り転移して採取して明日提出する事に決めた。

「……森…」
手頃な森に転移し鑑定をしつつリストにある薬草やキノコを採取していく、静かだ……果物や食べられる莢豆、木苺や小さいキンカンよ様な果物も見つけていく。
「受けてよかった……」
とほくほく(無表情)していればバキバキ…フゴオと少し先で木が倒される音と鳴き声、鑑定すればオーズン:肉は美味、石投げれば倒せますと鑑定が出るので、怪鳥を倒す時の要領で石礫を弾けばフゴ!と悲鳴を上げてバキバキと倒れたので用心して向かえば3mを越える巨体な獣が脳天を貫かれ絶命していた。
「……………解体しよ」
怪鳥を捌いた要領と応用でまず血抜きを行う、浄化魔法を掛け水魔法と風魔法で冷やす、ナイフと風魔法で皮を剥ぎ……皮は加工すれば何かに使えるかと思い浄化魔法で綺麗になっているので、収納にしまい解体していく。
内臓と腸や肛門を破かない様に取り除き骨を取り除き、水で洗い流しながら肉ごとになるべく綺麗に捌いていく、所詮は素人だが無駄にはしないようにしていった。
不必要な内臓と肛門は焼き払いそれ以外はなんとなく葉に包んで収納にいれ、骨もスープの出汁にと1本残さず持ち帰る、気が付けば辺りは位ので自分にも浄化魔法を掛けてテントに転移した。
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