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第3章 黒竜と歴史
奇想天外
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今亮太がいる場所は砂漠ではない。
戻ってきたのだ。
人生で初めて死を感じたあの場所に。
亮太の視界には巨大なクレーターとどこからでも必ず視界に入るほど巨大な木が見える。
そう…あの黒竜の元へと…
あの時よりはかなり強くなった自信がある。
レベルも相当上がったが、何より多くの経験をしてきた。
生存本能の感覚もより鋭くなり、遥か上にいる黒竜の気配も感じ取れる。
その気配はやはり今まで感じたどの気配よりも存在感がある。
今まで倒した魔物で一番強かったのはタイラントグリズリーだ。
だが生存本能によってタイラントグリズリーよりも強い魔物がこの森にゴロゴロいることはわかっていた。
今までは勝てないので避けていたが今の実力だと避ける必要はなさそうだ。
だがやはり黒竜は別格だ。
しかし、避けるわけにはいかない。
黒竜を倒して大木に登り、地平線まで見渡して、新たな情報を得なければならない。
もう1年以上この森にいるのだから。
意を決して大木の根元まで亮太は走る。
ドォォーン
亮太が根元まで来たからなのか黒竜が降りて来た、否、降って来たというべきか。
漆黒の鱗を纏い、鋭い牙と鋭い爪、羽ばたくだけで強風を巻き起こす大きな翼を持った生き物。
間違いなくあの黒竜だ。
愛刀の村正を鞘から抜き構えを取る。
ボロ小屋で見つけたアダマンタイトとオリハルコンで武器を作れればさらに強くなれただろうが生憎亮太にはまだその2つの鉱石を扱う技術はまだない。
しかし、村正とはずっと共に戦って来たのだ。
愛刀であり、亮太にとっては最も頼りになる相棒だ。
「絶対負けん…」
村正を強く握りしめ黒竜を睨みつける。
そして…亮太は黒竜に向かって走り出す。
肝心の黒竜は微動だにしない。
「俺を敵とも思ってないのか?」
疑問に思いながらも距離を詰めていく。
そして斬りかかるために足に力を入れた時…
『お主は何者だ』
頭の中に声が響いた。
「だ…だれだ?…どこから…」
頭の中で声がしたのが衝撃的すぎて黒竜の前にも関わらず立ち止まってしまった。
『お主の目の前におるじゃろう…儂じゃ』
「………………は?」
亮太は目が点になる。
「…この声は…ドラゴン?」
『ドラゴンなどの下等生物と一緒にするでないわ…儂は誇り高き黒竜じゃ』
「………ここの魔物は……喋れるのか?」
『声を発することは出来ぬが…お主の頭に直接話しかけておるのじゃ』
「あ…そう……えーと……俺…あんたを倒しにきたんだけど……」
『ほっほっほっ…その必要はないわぃ…お主の目的は恐らくこの木に登ることじゃろう…それは好きにするがよい…ただし…儂の質問に答えてもらうがの』
「…質問?…」
『先ほども言ったが…お主は何者だ』
「何者って言われても……人間としかいいようがねぇ…」
(なんだこの状況…意味わからん)
疑問に思いながらも黒竜と会話をする亮太であった。
『お主はもしや異世界の者か?』
「!!!」
亮太は大きく目を見開いた。
『その反応を見る限り当たりのようじゃの』
パーカーフェイスは得意だったが流石に驚いた後、しまったと思い直す。
仮にこの世界で異世界人が異端者として煙たがられていた場合、面倒ごとになるのは目に見えている。
「…なんで…知ってるんだ?」
『ニオイじゃよ』
「…ニオイ?」
『そうじゃ、異世界の者とこちらの者とではニオイが違うと記憶していたもんでな』
「…へー、ってことは…俺以外にもやっぱ異世界から来た人間がいるのか」
『そうじゃ……ところで…立ち話もなんじゃから儂の家にこんか?…茶でも出そう』
「…家?」
(如何してこうなった……それに茶でも出そうだつったって竜だろこいつ)
疑問には思いながらも、なぜか黒竜に気に入られたらしい亮太は頷いた。
竜とのお茶会…こんな事誰もした事ないだろう。
「あんたの家は…どこにあるんだ?」
『この世界樹の上じゃ』
「世界樹?…あぁこの木か…ここに住んでたのか…まぁいい…登るか」
『その必要はあるまい…背に乗れ』
そういうと黒竜は体勢を低くする。
「…まじか?…」
『大まじめじゃ。早うせんか』
「…あ…あぁ…」
亮太は恐る恐る黒竜の背に登った。
その背の鱗はとても硬く村正でも傷1つ付ける事は出来ないと瞬時に悟った。
黒龍は力を隠していたわけだ。
『では行くぞ…しっかりつかまるのじゃ』
そういうと漆黒の翼を広げ世界樹の上に向かって羽ばたいた。
それも…凄まじいスピードで垂直に…
(…ぐっ!……なんちゅう速さだよ…背につかまるので精一杯か……こりゃ俺じゃあ勝てるわけねぇな…)
こんな化け物に勝つ気でいた自分を恨み、戦いにならなくてよかったと心から思った。
戻ってきたのだ。
人生で初めて死を感じたあの場所に。
亮太の視界には巨大なクレーターとどこからでも必ず視界に入るほど巨大な木が見える。
そう…あの黒竜の元へと…
あの時よりはかなり強くなった自信がある。
レベルも相当上がったが、何より多くの経験をしてきた。
生存本能の感覚もより鋭くなり、遥か上にいる黒竜の気配も感じ取れる。
その気配はやはり今まで感じたどの気配よりも存在感がある。
今まで倒した魔物で一番強かったのはタイラントグリズリーだ。
だが生存本能によってタイラントグリズリーよりも強い魔物がこの森にゴロゴロいることはわかっていた。
今までは勝てないので避けていたが今の実力だと避ける必要はなさそうだ。
だがやはり黒竜は別格だ。
しかし、避けるわけにはいかない。
黒竜を倒して大木に登り、地平線まで見渡して、新たな情報を得なければならない。
もう1年以上この森にいるのだから。
意を決して大木の根元まで亮太は走る。
ドォォーン
亮太が根元まで来たからなのか黒竜が降りて来た、否、降って来たというべきか。
漆黒の鱗を纏い、鋭い牙と鋭い爪、羽ばたくだけで強風を巻き起こす大きな翼を持った生き物。
間違いなくあの黒竜だ。
愛刀の村正を鞘から抜き構えを取る。
ボロ小屋で見つけたアダマンタイトとオリハルコンで武器を作れればさらに強くなれただろうが生憎亮太にはまだその2つの鉱石を扱う技術はまだない。
しかし、村正とはずっと共に戦って来たのだ。
愛刀であり、亮太にとっては最も頼りになる相棒だ。
「絶対負けん…」
村正を強く握りしめ黒竜を睨みつける。
そして…亮太は黒竜に向かって走り出す。
肝心の黒竜は微動だにしない。
「俺を敵とも思ってないのか?」
疑問に思いながらも距離を詰めていく。
そして斬りかかるために足に力を入れた時…
『お主は何者だ』
頭の中に声が響いた。
「だ…だれだ?…どこから…」
頭の中で声がしたのが衝撃的すぎて黒竜の前にも関わらず立ち止まってしまった。
『お主の目の前におるじゃろう…儂じゃ』
「………………は?」
亮太は目が点になる。
「…この声は…ドラゴン?」
『ドラゴンなどの下等生物と一緒にするでないわ…儂は誇り高き黒竜じゃ』
「………ここの魔物は……喋れるのか?」
『声を発することは出来ぬが…お主の頭に直接話しかけておるのじゃ』
「あ…そう……えーと……俺…あんたを倒しにきたんだけど……」
『ほっほっほっ…その必要はないわぃ…お主の目的は恐らくこの木に登ることじゃろう…それは好きにするがよい…ただし…儂の質問に答えてもらうがの』
「…質問?…」
『先ほども言ったが…お主は何者だ』
「何者って言われても……人間としかいいようがねぇ…」
(なんだこの状況…意味わからん)
疑問に思いながらも黒竜と会話をする亮太であった。
『お主はもしや異世界の者か?』
「!!!」
亮太は大きく目を見開いた。
『その反応を見る限り当たりのようじゃの』
パーカーフェイスは得意だったが流石に驚いた後、しまったと思い直す。
仮にこの世界で異世界人が異端者として煙たがられていた場合、面倒ごとになるのは目に見えている。
「…なんで…知ってるんだ?」
『ニオイじゃよ』
「…ニオイ?」
『そうじゃ、異世界の者とこちらの者とではニオイが違うと記憶していたもんでな』
「…へー、ってことは…俺以外にもやっぱ異世界から来た人間がいるのか」
『そうじゃ……ところで…立ち話もなんじゃから儂の家にこんか?…茶でも出そう』
「…家?」
(如何してこうなった……それに茶でも出そうだつったって竜だろこいつ)
疑問には思いながらも、なぜか黒竜に気に入られたらしい亮太は頷いた。
竜とのお茶会…こんな事誰もした事ないだろう。
「あんたの家は…どこにあるんだ?」
『この世界樹の上じゃ』
「世界樹?…あぁこの木か…ここに住んでたのか…まぁいい…登るか」
『その必要はあるまい…背に乗れ』
そういうと黒竜は体勢を低くする。
「…まじか?…」
『大まじめじゃ。早うせんか』
「…あ…あぁ…」
亮太は恐る恐る黒竜の背に登った。
その背の鱗はとても硬く村正でも傷1つ付ける事は出来ないと瞬時に悟った。
黒龍は力を隠していたわけだ。
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それも…凄まじいスピードで垂直に…
(…ぐっ!……なんちゅう速さだよ…背につかまるので精一杯か……こりゃ俺じゃあ勝てるわけねぇな…)
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