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第3章 黒竜と歴史
竜ノ昔話
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クロノスの話は中々面白かった。
要約するとこうだ。
数百年以上も前に、クロノスは人類の文化に興味を持ち、人化して発展途中の都へと降りたそうだ。
そこで多くの人間と関わり文化を学んだ。
クロノスは千年以上生きており、黒竜は各時代ごとに一体ずつしか存在しないらしく、新たな時代が来ることを感じると、その時代に適した力を持つ黒竜へと生まれ変わる。
その黒竜が目覚める時、今までの黒竜の知識のみ移行し、経験して来た記憶は移行しない。そうして黒竜は生き永らえてきた。
新たな時代とは何なのか亮太は疑問に思ったが、クロノス自身完全には理解できておらず、話すのは難しいそうだ。亮太は1つの文明が終わり、新たな文明が誕生する事を新たな時代なのではないかと勝手に解釈した。
話を戻すと、千年以上生きているとすることがない…つまり暇なのだ。
そこでクロノスは時間潰しの一環として物作りを始めた。
作るものと言えば、魔武器、魔道具と呼ばれる不思議な力を宿した道具や武器、さらには薬草などを使い薬も作った。
人里に降りてからしばらくして、クロノスは伝説の鍛治師や医神と呼ばれるようになった。それは当然のことだろう。数十年、数百年と武器や防具、薬など様々な物を作り続けたのだから。
今現存する多くの伝説の武具はクロノスが精製したらしい。
クロノスは話しながら今まで使った数々の武具を見せてくれたが、どれも異様な雰囲気を纏っていた。
亮太が作った村正など足元にも及ばない。それどころか武具という次元そのものを超えているようにも感じた。
人里からこの世界樹に戻ってからも、百年に一度程度の割合でこの世界樹の住処まで登ってくる者がおり、クロノスはその者に話し相手になってもらい、そのお礼として武器や防具などを渡した。
この漆黒の外套もその1つだ。
人里に降りていたクロノスだが、その正体を黒竜だと知っている者はいない。
人化したクロノスは長い白髪の老人にしか見えない。話し方についても念話でしか話さないが、念話という魔法は一般的にも知られており、話すことが出来ない、もしくは苦手なんだと思われていたのだろう。
しかし、クロノスの鍛治師、医神としての噂は世界中に広まっていき、世界樹に戻ってからも、かつて人里でうっかり世界樹が住処だと言ってしまった故か、優れた武器欲しさにこの森を目指す者が絶えなかったそうだ。
うっかり漏らしてしまったのは、どうやら酒の所為らしい。流石のクロノスも初めてのアルコールは堪えたそうだ。
この森は凶暴な魔物の巣窟で、魔物の平均ランクがB級であり、奥に進めば進むほどA、S級、果てには災害級も棲息しているため世界樹までたどり着けたものは多く無い。
亮太は自分はとても運が良かったと実感した。クロノスの話では災害級が魔物の中で2番目に高い階級というのも驚いたが、亮太が森にいたのは実に1年半。その間、その話に出てくる災害級の魔物と出会わなかったのは幸運としか言いようがないだろう。
これもやはり、技能の生存本能と称号の幸運のおかげなのかもしれない。
実際は、災害級の魔物達はクロノスが珍しく活発に行動していたのに恐れて身を隠していただけなのだが、それを亮太は知る由もなかった。
そして、この森は元々世界樹の森と呼ばれていたが伝説の武具欲しさに多くの強者が挑み、命を落としたため「強者の墓場」と呼ばれるようになった。
要約するとこうだ。
数百年以上も前に、クロノスは人類の文化に興味を持ち、人化して発展途中の都へと降りたそうだ。
そこで多くの人間と関わり文化を学んだ。
クロノスは千年以上生きており、黒竜は各時代ごとに一体ずつしか存在しないらしく、新たな時代が来ることを感じると、その時代に適した力を持つ黒竜へと生まれ変わる。
その黒竜が目覚める時、今までの黒竜の知識のみ移行し、経験して来た記憶は移行しない。そうして黒竜は生き永らえてきた。
新たな時代とは何なのか亮太は疑問に思ったが、クロノス自身完全には理解できておらず、話すのは難しいそうだ。亮太は1つの文明が終わり、新たな文明が誕生する事を新たな時代なのではないかと勝手に解釈した。
話を戻すと、千年以上生きているとすることがない…つまり暇なのだ。
そこでクロノスは時間潰しの一環として物作りを始めた。
作るものと言えば、魔武器、魔道具と呼ばれる不思議な力を宿した道具や武器、さらには薬草などを使い薬も作った。
人里に降りてからしばらくして、クロノスは伝説の鍛治師や医神と呼ばれるようになった。それは当然のことだろう。数十年、数百年と武器や防具、薬など様々な物を作り続けたのだから。
今現存する多くの伝説の武具はクロノスが精製したらしい。
クロノスは話しながら今まで使った数々の武具を見せてくれたが、どれも異様な雰囲気を纏っていた。
亮太が作った村正など足元にも及ばない。それどころか武具という次元そのものを超えているようにも感じた。
人里からこの世界樹に戻ってからも、百年に一度程度の割合でこの世界樹の住処まで登ってくる者がおり、クロノスはその者に話し相手になってもらい、そのお礼として武器や防具などを渡した。
この漆黒の外套もその1つだ。
人里に降りていたクロノスだが、その正体を黒竜だと知っている者はいない。
人化したクロノスは長い白髪の老人にしか見えない。話し方についても念話でしか話さないが、念話という魔法は一般的にも知られており、話すことが出来ない、もしくは苦手なんだと思われていたのだろう。
しかし、クロノスの鍛治師、医神としての噂は世界中に広まっていき、世界樹に戻ってからも、かつて人里でうっかり世界樹が住処だと言ってしまった故か、優れた武器欲しさにこの森を目指す者が絶えなかったそうだ。
うっかり漏らしてしまったのは、どうやら酒の所為らしい。流石のクロノスも初めてのアルコールは堪えたそうだ。
この森は凶暴な魔物の巣窟で、魔物の平均ランクがB級であり、奥に進めば進むほどA、S級、果てには災害級も棲息しているため世界樹までたどり着けたものは多く無い。
亮太は自分はとても運が良かったと実感した。クロノスの話では災害級が魔物の中で2番目に高い階級というのも驚いたが、亮太が森にいたのは実に1年半。その間、その話に出てくる災害級の魔物と出会わなかったのは幸運としか言いようがないだろう。
これもやはり、技能の生存本能と称号の幸運のおかげなのかもしれない。
実際は、災害級の魔物達はクロノスが珍しく活発に行動していたのに恐れて身を隠していただけなのだが、それを亮太は知る由もなかった。
そして、この森は元々世界樹の森と呼ばれていたが伝説の武具欲しさに多くの強者が挑み、命を落としたため「強者の墓場」と呼ばれるようになった。
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