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第3章 黒竜と歴史
老人驚愕
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『……ということがあったんじゃよ』
「…そうか…中々面白い話だった」
『それはなによりじゃ』
「ところでクロノス。これについて何か知っているか?」
亮太はステータスプレートを掲げてクロノスに見せる。
『ほぅ。やはりもっておったか』
「やはりってことはこの世界の住人は全員持ってるのか?」
『うむ。簡易版で性能は段違いじゃがの』
「どう違うんだ?」
『そうじゃのう。大きな違いはこの世界の住人のステータスプレートは自身のステータスしか表示できなかったはずじゃ』
「そうなのか。なぜだか分かるか?」
『それなら知っておる。異世界人がこの世界に迷い込むことは昔から稀にあっての。その誰もがそのプレートをもっておった。』
「昔からなのか…」
『うむ。それでの、当時はプレートを持つ者は異世界人以外おらなんだ。そこでそのプレートの利便性に目を付けた技師が複製出来ないかと試行錯誤して生まれたのがステータスのみを表示するプレートじゃ』
「性能を全て再現出来なかったってことか?」
『その通りじゃ。ステータスのみを表示するのが限界じゃった。じゃが、これは身分を示すのには最適じゃからの。今では普及して誰もがもっておるはずじゃ』
「なるほど。よく知ってたな」
『これは先代の黒竜の知識じゃ』
「そうか、知れて良かった」
『それはなによりじゃ。……そういえば異世界人のプレートには偽装の技能も付いておったはず』
「偽装?そんな機能あったのか…」
『簡易版のプレートはステータスを未表示にすることは出来ても数値を変えることは出来ん。じゃがお主のプレートなら数値すら変えることが出来たはずじゃ。とはいっても実際にステータスが変わるわけではないがの』
「そんな機能必要あるのか?」
『自身のステータスを隠すためじゃ』
「隠す必要性がこの世界ではあるということか」
『そうじゃ。異世界人はこの世界の住人よりもステータスがかなり高いとされておるからの。プレートを見せればそのものの全てが分かってしまう』
「なるほど…強い力は時として畏怖の対象にもなるというからな」
『悲しいことじゃがの…お主も人里に行くときは偽装した方が良いじゃろう』
「それはわかったけど…今の俺がどれほどの強さなのかはイマイチ掴めていない」
亮太はステータスプレートに触れながら数値が変わるように念じると本当に変わった事に少し驚きながら疑問を投げかける。
『ふむ。お主のステータスを見てもいいかの?』
「あぁ。もちろん」
亮太は変化した数値を元に戻してクロノスにプレートを渡す。
名前 佐伯亮太
年齢 22
職業 上級鍛治師
レベル 56
体力 B
魔力 F
筋力 A
耐久 C
敏捷 C
器用 A
精神 A
技能
生存本能、超記憶、異常状態耐性、自然治癒、隠密、鑑定
称号
異世界人、麒麟児、幸運、大物喰い、???
『ほぅ、どれどれ…………………………なぬっ!?』
まじまじとプレートを見つめていたクロノスが目を丸くして叫び声をあげる。
老人が驚き目を丸くする姿は絵的に少しマズイ気がする。
「どうかしたのか?」
しかしクロノスからの返事は返ってこない。それどころか先程とは打って変わって真剣な表情で何かを考えているように見て取れる。
「おい!クロノス!」
亮太が少し声を張ると、はっとしたのかクロノスがこちらに向き直る。
『おぉ、すまぬな。少し驚いた』
「どこがだ?」
『お主の雰囲気からしてレベル80はあると思っとったんじゃが……まだ56とはの。それにこの技能や称号も珍しいものばかりじゃ』
「異世界人だからじゃないのか?さっきクロノスも言ってただろ?異世界人はステータスが高いと」
『これは高すぎじゃ。この世界の住人がレベル56ならステータスはおそらくDがひとつ、異世界人でもBが1つあればいい方じゃと記憶しておる。じゃがお主はすでにAのステータスが3つもある』
「まぁ低いよりはいいんじゃないか?」
『まぁそうじゃがのぅ。お主はすごい才能を秘めておるようじゃ』
「それは嬉しい限りだな。けどずっと謎だったんだがなぜ魔力だけ低いんだ?」
『お主は魔法を使えるのか?』
「いや全く。俺の世界じゃ魔法なんてなかったしな」
『それが原因じゃろう。魔力は他のステータスと同じように使えば使うほど、鍛えれば鍛えるほど伸びる。お主がいずれ魔法を使うようになれば自然と上がるじゃろう』
このクロノスの言葉に亮太は柄にもなく興奮した。
魔力が上がることに対してではなくいずれ自分は魔法が使えるようになると、クロノスの言葉で確信したからだ。
地球の人間ならば誰しも一度は魔法に憧れを持ったことだろう。
亮太もそのうちの一人だったようだ。
「…そうか…中々面白い話だった」
『それはなによりじゃ』
「ところでクロノス。これについて何か知っているか?」
亮太はステータスプレートを掲げてクロノスに見せる。
『ほぅ。やはりもっておったか』
「やはりってことはこの世界の住人は全員持ってるのか?」
『うむ。簡易版で性能は段違いじゃがの』
「どう違うんだ?」
『そうじゃのう。大きな違いはこの世界の住人のステータスプレートは自身のステータスしか表示できなかったはずじゃ』
「そうなのか。なぜだか分かるか?」
『それなら知っておる。異世界人がこの世界に迷い込むことは昔から稀にあっての。その誰もがそのプレートをもっておった。』
「昔からなのか…」
『うむ。それでの、当時はプレートを持つ者は異世界人以外おらなんだ。そこでそのプレートの利便性に目を付けた技師が複製出来ないかと試行錯誤して生まれたのがステータスのみを表示するプレートじゃ』
「性能を全て再現出来なかったってことか?」
『その通りじゃ。ステータスのみを表示するのが限界じゃった。じゃが、これは身分を示すのには最適じゃからの。今では普及して誰もがもっておるはずじゃ』
「なるほど。よく知ってたな」
『これは先代の黒竜の知識じゃ』
「そうか、知れて良かった」
『それはなによりじゃ。……そういえば異世界人のプレートには偽装の技能も付いておったはず』
「偽装?そんな機能あったのか…」
『簡易版のプレートはステータスを未表示にすることは出来ても数値を変えることは出来ん。じゃがお主のプレートなら数値すら変えることが出来たはずじゃ。とはいっても実際にステータスが変わるわけではないがの』
「そんな機能必要あるのか?」
『自身のステータスを隠すためじゃ』
「隠す必要性がこの世界ではあるということか」
『そうじゃ。異世界人はこの世界の住人よりもステータスがかなり高いとされておるからの。プレートを見せればそのものの全てが分かってしまう』
「なるほど…強い力は時として畏怖の対象にもなるというからな」
『悲しいことじゃがの…お主も人里に行くときは偽装した方が良いじゃろう』
「それはわかったけど…今の俺がどれほどの強さなのかはイマイチ掴めていない」
亮太はステータスプレートに触れながら数値が変わるように念じると本当に変わった事に少し驚きながら疑問を投げかける。
『ふむ。お主のステータスを見てもいいかの?』
「あぁ。もちろん」
亮太は変化した数値を元に戻してクロノスにプレートを渡す。
名前 佐伯亮太
年齢 22
職業 上級鍛治師
レベル 56
体力 B
魔力 F
筋力 A
耐久 C
敏捷 C
器用 A
精神 A
技能
生存本能、超記憶、異常状態耐性、自然治癒、隠密、鑑定
称号
異世界人、麒麟児、幸運、大物喰い、???
『ほぅ、どれどれ…………………………なぬっ!?』
まじまじとプレートを見つめていたクロノスが目を丸くして叫び声をあげる。
老人が驚き目を丸くする姿は絵的に少しマズイ気がする。
「どうかしたのか?」
しかしクロノスからの返事は返ってこない。それどころか先程とは打って変わって真剣な表情で何かを考えているように見て取れる。
「おい!クロノス!」
亮太が少し声を張ると、はっとしたのかクロノスがこちらに向き直る。
『おぉ、すまぬな。少し驚いた』
「どこがだ?」
『お主の雰囲気からしてレベル80はあると思っとったんじゃが……まだ56とはの。それにこの技能や称号も珍しいものばかりじゃ』
「異世界人だからじゃないのか?さっきクロノスも言ってただろ?異世界人はステータスが高いと」
『これは高すぎじゃ。この世界の住人がレベル56ならステータスはおそらくDがひとつ、異世界人でもBが1つあればいい方じゃと記憶しておる。じゃがお主はすでにAのステータスが3つもある』
「まぁ低いよりはいいんじゃないか?」
『まぁそうじゃがのぅ。お主はすごい才能を秘めておるようじゃ』
「それは嬉しい限りだな。けどずっと謎だったんだがなぜ魔力だけ低いんだ?」
『お主は魔法を使えるのか?』
「いや全く。俺の世界じゃ魔法なんてなかったしな」
『それが原因じゃろう。魔力は他のステータスと同じように使えば使うほど、鍛えれば鍛えるほど伸びる。お主がいずれ魔法を使うようになれば自然と上がるじゃろう』
このクロノスの言葉に亮太は柄にもなく興奮した。
魔力が上がることに対してではなくいずれ自分は魔法が使えるようになると、クロノスの言葉で確信したからだ。
地球の人間ならば誰しも一度は魔法に憧れを持ったことだろう。
亮太もそのうちの一人だったようだ。
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