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第3章 黒竜と歴史
鍛治才能
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『ところで亮太とやら…その腰の刀は…』
クロノスが急に話を変えたかと思えば亮太の愛刀村正を興味有り気に見つめている。
伝説の鍛治師だけあって他人が作る武器に興味があるのかもしれない。
「あぁ…これは俺が作った刀だ」
(まぁクロノスを倒すために作ったようなもんだけどな)
心の中でそう思う亮太だが口に出すことはなかった。
『少し見せてくれんか?』
亮太は伝説の鍛治師と呼ばれていたクロノスに自分の鍛治師としての評価をされるのも悪くないと思い、村正をクロノスに手渡す。
『…ほぉ……玉鋼を主体にして翡翠晶とウーツ鋼を使っておるのか…ふむふむ…技術はまだ発展途上だが…ほほぉ』
「見ただけで素材が分かるのか」
鑑定の技能を持つ亮太でさえ、見ただけでどの素材が使われているかを知ることはできないため、素直に凄いと思った。
『まぁの…だがお主もなかなかだのぅ…いい刀だ…して名前はつけたのか?』
「あぁ、村正だ」
『!!!…まさか真名までわかるほどとは思わなんだ…お主には驚かされたばかりじゃな』
「…真名?」
『そうじゃ…なんとなく名前がわからんかったか?』
「確かに…なんか自然に頭に浮かんできた様な…」
『武器や防具にはの、丹精込めて作ると名前が付くのじゃよ。初めから名前は決まっていたとも言えるの』
「その…名前があるのはわかったけどよ…それがなんだってんだ?」
亮太の疑問にクロノスは丁寧に答えてくれた。
『真名を知ることができればその武具は真の力を発揮できるのじゃ…ほとんどの武具は名無しであったり、真名ではない違う名前で呼ばれることが多い……それらの武具は性能を完全に発揮することはできん』
「なるほど…真名のある武具はそれを分かってあげることで初めて完成ということか」
『その通りじゃ…真名が分かるものなどここ数百年見た試しがないわい』
「俺って鍛治師の才能があったりして?」
『もちろんじゃ。真名を知るには技術は関係ない。お主はこれからさらに伸びるだろうが』
「なら真名がわかる条件はあるのか?」
『それはお主も薄々分かっておるのではないか?』
「……どうだろうな」
『武具との信頼関係はもちろんだが…武具を大切にする気持ちが鍵なんじゃ…それがとてつもなく難しいのじゃ』
「信頼関係か…意思でもあるみたいだな」
『もちろんあるわい……真名を知るには武具と己が1つになって長い時間をかけて知るか、鍛治師として本当の意味で丹精込めて作る他ない……お主は大切に扱ったんじゃろうな』
クロノスは亮太をかなり評価してくれた様だ。
「まぁあの時は武器がなければ生きていけなかった。使うたびに武器の偉大さ、有り難みはしみじみ感じた。それに……」
亮太は村正を撫でながら言葉を続ける。
「こいつを打っていた時は、本当に自分の分身のように感じていたし、色んな思いや願いを込めていた。それにこいつが答えてくれたのかもしれないな」
その言葉にクロノスも嬉しそうに頷く。
その後は亮太が今一番知りたいこの世界について教えてもらった。
話が色々と盛り上がり、かなりの時間が経過して忘れていたが、亮太の本来の目的は世界樹から辺りを見渡して街を探すことなのだから。
クロノスが急に話を変えたかと思えば亮太の愛刀村正を興味有り気に見つめている。
伝説の鍛治師だけあって他人が作る武器に興味があるのかもしれない。
「あぁ…これは俺が作った刀だ」
(まぁクロノスを倒すために作ったようなもんだけどな)
心の中でそう思う亮太だが口に出すことはなかった。
『少し見せてくれんか?』
亮太は伝説の鍛治師と呼ばれていたクロノスに自分の鍛治師としての評価をされるのも悪くないと思い、村正をクロノスに手渡す。
『…ほぉ……玉鋼を主体にして翡翠晶とウーツ鋼を使っておるのか…ふむふむ…技術はまだ発展途上だが…ほほぉ』
「見ただけで素材が分かるのか」
鑑定の技能を持つ亮太でさえ、見ただけでどの素材が使われているかを知ることはできないため、素直に凄いと思った。
『まぁの…だがお主もなかなかだのぅ…いい刀だ…して名前はつけたのか?』
「あぁ、村正だ」
『!!!…まさか真名までわかるほどとは思わなんだ…お主には驚かされたばかりじゃな』
「…真名?」
『そうじゃ…なんとなく名前がわからんかったか?』
「確かに…なんか自然に頭に浮かんできた様な…」
『武器や防具にはの、丹精込めて作ると名前が付くのじゃよ。初めから名前は決まっていたとも言えるの』
「その…名前があるのはわかったけどよ…それがなんだってんだ?」
亮太の疑問にクロノスは丁寧に答えてくれた。
『真名を知ることができればその武具は真の力を発揮できるのじゃ…ほとんどの武具は名無しであったり、真名ではない違う名前で呼ばれることが多い……それらの武具は性能を完全に発揮することはできん』
「なるほど…真名のある武具はそれを分かってあげることで初めて完成ということか」
『その通りじゃ…真名が分かるものなどここ数百年見た試しがないわい』
「俺って鍛治師の才能があったりして?」
『もちろんじゃ。真名を知るには技術は関係ない。お主はこれからさらに伸びるだろうが』
「なら真名がわかる条件はあるのか?」
『それはお主も薄々分かっておるのではないか?』
「……どうだろうな」
『武具との信頼関係はもちろんだが…武具を大切にする気持ちが鍵なんじゃ…それがとてつもなく難しいのじゃ』
「信頼関係か…意思でもあるみたいだな」
『もちろんあるわい……真名を知るには武具と己が1つになって長い時間をかけて知るか、鍛治師として本当の意味で丹精込めて作る他ない……お主は大切に扱ったんじゃろうな』
クロノスは亮太をかなり評価してくれた様だ。
「まぁあの時は武器がなければ生きていけなかった。使うたびに武器の偉大さ、有り難みはしみじみ感じた。それに……」
亮太は村正を撫でながら言葉を続ける。
「こいつを打っていた時は、本当に自分の分身のように感じていたし、色んな思いや願いを込めていた。それにこいつが答えてくれたのかもしれないな」
その言葉にクロノスも嬉しそうに頷く。
その後は亮太が今一番知りたいこの世界について教えてもらった。
話が色々と盛り上がり、かなりの時間が経過して忘れていたが、亮太の本来の目的は世界樹から辺りを見渡して街を探すことなのだから。
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