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第6章 新天地と冒険者
多事多難
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B級昇格から1週間後、ギルド〈イマジナリー〉の建設が始まった。
「このギルドが完成するのは一月後だな!」
そう答えてくれたのはギルド〈イマジナリー〉を建設している職人さんだ。
「そうですか」
「ギルドに用か?」
「えぇまぁ」
「そうかい。まぁもうしばらく待つこったな」
どれほどの規模のギルドが出来るかは定かではないが建物を一月足らずで作れるのは驚きだ。恐らく建設に適した魔法を使ったり、身体能力が高いのが理由だろう。
「一月か…ま、気長に待つか」
咲良の考えではギルドが完成すれば、コーチンからギルドメンバーが来る。そのメンバーとは恐らく異世界人の筈だ。
後々〈明けの明星〉の受付嬢に聞いてみると、完成しても手続きやらなんやらで時間が掛かり、メンバーが来るのは完成から更に1週間後らしい。
待つ時間がかなり伸びたが咲良にとっては長く感じなかった。
理由は明白。B級になったことで受けられる依頼の種類がかなり増え、未だ遭遇したことのない魔物の討伐依頼は刺激で満ち溢れていた。
特にある魔物との遭遇は咲良にとってはかなり刺激的だった。刺激的すぎたぐらいだ。
あるB級依頼を受けた時のことだ。
受けた依頼は王都から5日程南下した所にあるマラ荒野にてアンデッド100体の討伐だ。アンデッド数体を放置してしまった結果、大量発生したらしい。
一体だけならE級だが100体も集まればB級になってもおかしくない。
「マラ荒野まではかなりの日数が掛かりますがよろしいですか?」
受付嬢が咲良に問いかける。
「大丈夫です」
「分かりました。マラ荒野は生態系が未だハッキリしていませんので、想定外な事が起きればすぐに撤退して下さい。その場合の違約金は発生しませんので」
「分かりました」
マラ荒野は植物は一切育たない不毛の地で、アンデットや悪霊などがよく生まれる。そういう魔物が生まれる土地は過去に戦争やら虐殺などがあった場合が多いが、文献には記されておらず原因は未だ分かっていない。
王都から5日という事はかなりの距離があるので咲良は王都を出てしばらくすると黒竜化で一気に向かう。
そしてマラ荒野に付いて驚いた。
アンデッドは100体どころではなかった。マラ荒野を埋め尽くすほどのアンデッドが居たのだ。
その数凡そ1000体…報告の10倍だ。
よくここまで増えたものだ。
それに妙な気配も感じ取れる。
「久々本気で行くか…」
抑制の首飾りの効果を消してステータスを万全にする。
あまり長時間ステータスを抑えると元に戻した時に力が溢れすぎて感覚を取り戻すのに時間が掛かるため、定期的に全力で動く必要がある。
「さて…いくか」
咲良は村正を抜くと暁流肆ノ型 鬼哭を放つ。
ガガガガガガガガガガガガッ
その鬼哭はオークの群れに放った時とは比べ物にならないほど速く遠くに伸びていく。
鬼哭で約50体以上のアンデッドの頭を貫いた。
さらに咲良は鬼哭で刀身を伸ばしたまま横に薙ぎ払う。
それによってさらに100体ものアンデッドが真っ二つになった。
そのまま鬼哭を連発すればすぐに終わるのだが、訓練を兼ねて一体ずつ確実に葬っていく。
ただ、速すぎて側から見ると一瞬で数体のアンデッドが切られているように見えるだろう。
「ふっ!…はっ!」
切れば切るほど感覚がどんどん戻っていき、アンデットを葬るスピードが増していく。
「弐ノ型 飛翔」
ドドドドドドッ
ドガァーン
たまに暁流の型も混ぜつつ、剣舞を舞うかのように鮮やかにアンデッドを斬り伏せていく。
戦闘を始めてから約30分…全てのアンデッドを討伐した。しかし咲良は警戒を緩めはしない。
初めからずっと強大な気配を感じていたからだ。それもマラ荒野自体が魔物かのような気配を…
「アンデッドのボスってわけでは無さそうだな」
その時…
アンデッドの死体が全て地面に沈んでいく。
「おいおい…なんだこりゃ」
咲良が読んだ魔物図鑑にもこんな現象を起こす魔物は載っていない。
「新種か?」
そして荒野の一部が盛り上がり、徐々に形を作り上げていく。
「…ゴーレム?…いや違うな」
ゴーレムは土が魂を持った魔物だが、アンデッドが出る場所には生息しないとされている。
「ならあれはなんだ?」
そのゴーレムらしき魔物は見た目はゴツゴツとした人の形をしている。だが大きさはゆうに5倍はあり、高さ約50mはある。さらに一般的なゴーレムは灰色か茶色だがこいつは色が黒い。
そしてなによりその表皮から生えてくるようにアンデッドが生み出されている。
「アンデッドを生み出すゾンビってなんだよ」
黙って見ているわけにもいかないので黒いゴーレムに向かって鬼哭を放つ。
ガキンッ!!
「……なっ!!」
なんと黒いゴーレムを貫くことが出来なかった。
咲良が放ったのはステータスが万全な状態での鬼哭だ。
それを弾いたという事は…
「間違いなく災害級だな」
異世界で始めての災害級との遭遇だ。
神級の次に強い災害級。もしこの依頼を咲良以外が受けたとすれば間違いなく死んでいただろう。そもそもB級では1000体のアンデットにすら勝てない。
なぜ、こんな場所に災害級がいるのか。そして、なぜこのタイミングで出現したのかと、謎は多いが放置はできない。
咲良は気を引き締めて、村正を握る拳にギュッと力を込めた。
「このギルドが完成するのは一月後だな!」
そう答えてくれたのはギルド〈イマジナリー〉を建設している職人さんだ。
「そうですか」
「ギルドに用か?」
「えぇまぁ」
「そうかい。まぁもうしばらく待つこったな」
どれほどの規模のギルドが出来るかは定かではないが建物を一月足らずで作れるのは驚きだ。恐らく建設に適した魔法を使ったり、身体能力が高いのが理由だろう。
「一月か…ま、気長に待つか」
咲良の考えではギルドが完成すれば、コーチンからギルドメンバーが来る。そのメンバーとは恐らく異世界人の筈だ。
後々〈明けの明星〉の受付嬢に聞いてみると、完成しても手続きやらなんやらで時間が掛かり、メンバーが来るのは完成から更に1週間後らしい。
待つ時間がかなり伸びたが咲良にとっては長く感じなかった。
理由は明白。B級になったことで受けられる依頼の種類がかなり増え、未だ遭遇したことのない魔物の討伐依頼は刺激で満ち溢れていた。
特にある魔物との遭遇は咲良にとってはかなり刺激的だった。刺激的すぎたぐらいだ。
あるB級依頼を受けた時のことだ。
受けた依頼は王都から5日程南下した所にあるマラ荒野にてアンデッド100体の討伐だ。アンデッド数体を放置してしまった結果、大量発生したらしい。
一体だけならE級だが100体も集まればB級になってもおかしくない。
「マラ荒野まではかなりの日数が掛かりますがよろしいですか?」
受付嬢が咲良に問いかける。
「大丈夫です」
「分かりました。マラ荒野は生態系が未だハッキリしていませんので、想定外な事が起きればすぐに撤退して下さい。その場合の違約金は発生しませんので」
「分かりました」
マラ荒野は植物は一切育たない不毛の地で、アンデットや悪霊などがよく生まれる。そういう魔物が生まれる土地は過去に戦争やら虐殺などがあった場合が多いが、文献には記されておらず原因は未だ分かっていない。
王都から5日という事はかなりの距離があるので咲良は王都を出てしばらくすると黒竜化で一気に向かう。
そしてマラ荒野に付いて驚いた。
アンデッドは100体どころではなかった。マラ荒野を埋め尽くすほどのアンデッドが居たのだ。
その数凡そ1000体…報告の10倍だ。
よくここまで増えたものだ。
それに妙な気配も感じ取れる。
「久々本気で行くか…」
抑制の首飾りの効果を消してステータスを万全にする。
あまり長時間ステータスを抑えると元に戻した時に力が溢れすぎて感覚を取り戻すのに時間が掛かるため、定期的に全力で動く必要がある。
「さて…いくか」
咲良は村正を抜くと暁流肆ノ型 鬼哭を放つ。
ガガガガガガガガガガガガッ
その鬼哭はオークの群れに放った時とは比べ物にならないほど速く遠くに伸びていく。
鬼哭で約50体以上のアンデッドの頭を貫いた。
さらに咲良は鬼哭で刀身を伸ばしたまま横に薙ぎ払う。
それによってさらに100体ものアンデッドが真っ二つになった。
そのまま鬼哭を連発すればすぐに終わるのだが、訓練を兼ねて一体ずつ確実に葬っていく。
ただ、速すぎて側から見ると一瞬で数体のアンデッドが切られているように見えるだろう。
「ふっ!…はっ!」
切れば切るほど感覚がどんどん戻っていき、アンデットを葬るスピードが増していく。
「弐ノ型 飛翔」
ドドドドドドッ
ドガァーン
たまに暁流の型も混ぜつつ、剣舞を舞うかのように鮮やかにアンデッドを斬り伏せていく。
戦闘を始めてから約30分…全てのアンデッドを討伐した。しかし咲良は警戒を緩めはしない。
初めからずっと強大な気配を感じていたからだ。それもマラ荒野自体が魔物かのような気配を…
「アンデッドのボスってわけでは無さそうだな」
その時…
アンデッドの死体が全て地面に沈んでいく。
「おいおい…なんだこりゃ」
咲良が読んだ魔物図鑑にもこんな現象を起こす魔物は載っていない。
「新種か?」
そして荒野の一部が盛り上がり、徐々に形を作り上げていく。
「…ゴーレム?…いや違うな」
ゴーレムは土が魂を持った魔物だが、アンデッドが出る場所には生息しないとされている。
「ならあれはなんだ?」
そのゴーレムらしき魔物は見た目はゴツゴツとした人の形をしている。だが大きさはゆうに5倍はあり、高さ約50mはある。さらに一般的なゴーレムは灰色か茶色だがこいつは色が黒い。
そしてなによりその表皮から生えてくるようにアンデッドが生み出されている。
「アンデッドを生み出すゾンビってなんだよ」
黙って見ているわけにもいかないので黒いゴーレムに向かって鬼哭を放つ。
ガキンッ!!
「……なっ!!」
なんと黒いゴーレムを貫くことが出来なかった。
咲良が放ったのはステータスが万全な状態での鬼哭だ。
それを弾いたという事は…
「間違いなく災害級だな」
異世界で始めての災害級との遭遇だ。
神級の次に強い災害級。もしこの依頼を咲良以外が受けたとすれば間違いなく死んでいただろう。そもそもB級では1000体のアンデットにすら勝てない。
なぜ、こんな場所に災害級がいるのか。そして、なぜこのタイミングで出現したのかと、謎は多いが放置はできない。
咲良は気を引き締めて、村正を握る拳にギュッと力を込めた。
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