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番外編11:近衛騎士団長は王族の青年に愛される【一夜だけ 前】
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……本当に、リナルド様の腕をとって良いのか。
私は、まだその勇気が出なかった。
「ガルディア、今ここで聞いているのは、私だけだ。それでもあなたは、本心を言ってくれないのか?」
リナルド様は、真剣な瞳で私を見つめていた。
リナルド様は私と二人きりの時だけと言っていた。
つまり、ここに来た時だけの「秘めた恋」ということか。
再会したリナルド様は、私の思いに気付かれた。
親のように慕っていたものが自分に懸想しているなど、ひどく驚いたに違いない。
王族にとって、騎士の想いなど、重荷でしかないはずだ。
それでも。
リナルド様はお優しいから。
命を助けた私のために、思い出をくれようとしているのかもしれない。
なんて慈悲深いのだろう。
私は、リナルド様の優しさに付け込んでもよいのだろうか。
でも、今だけ。
王宮を離れた今だけ。
たった一度だけなら、許されるかもしれない。
私とリナルド様、二人だけの秘密として。
ひと時の思い出として、口にしてもよいのなら。
そんな甘い囁きが私の心の中から湧き上がる。
自分にこんなずるさがあるなんて、恋をするまで知らなかった。
そう思っても、もう、その悪魔の囁きに抗うことはできなかった。
「わ、私は、ずっとリナルド様のそばに居られて、本当に幸せでした。
リナルド様、お慕いしております」
「やっとだ。やっと、君の口から君の気持ちが聞けた。
私も好きだよ」
リナルド様の優しさに私は唇が震える。
私の情けない顔を見ても、リナルド様は優しく微笑み、さらには私に口づけを施してくださる。
その唇は、とても熱い。
ふと、シャルロット様の笑顔を思い出されて、胸がちくりとする。
すみません。
シャルロット様、今だけ。
今だけリナルド様をお貸しください。
私は、今だけの思い出を胸に、もうリナルド様の前に現れませんから。
そっと触れた唇がそのまま離れていくことが寂しくて、ついリナルド様の唇を見つめる。
「ふふ、そう煽るな。
こんな外で、あなたのかわいらしい表情を見せたら、誰かに見られてしまうかもしれないだろう?」
それから、リナルド様は私の耳元で囁く。
「ねえ、あなたの寝室に案内してくれないか?」
その意味が分からないほど、私も初心ではない。
これから起こることを想像し、身体がぞくりとする。
それは、恐怖ではなく、甘いしびれを伴うものだった。
私は顔を熱くさせながら、リナルド様を案内する。
私が歩き出すと、リナルド様は「ふふっ」と微笑まれ、「かわいいなあ」と呟く。
私はその言葉に動揺し、歩調が乱れた。
きっと今の私は、耳まで真っ赤だろう。
私の寝室につくと、とたんにリナルド様が私を壁際に寄せ、私を囲う。
まっすぐ私を見つめ、視線だけで私の自由は絡めとられた。
「ねえ、リナルド。あなたを抱きたい」
真剣な物言いに、私は少しだけたじろぐ。
けれど、今頷かなければ、リナルド様の熱を感じることは一生ないのだ。
私は自分の勇気をかき集め、小さく頷いて見せた。
リナルド様は笑顔を浮かべ、そのまま私と口づけをしてきた。
先ほどの口づけよりも長く、深い。情熱的な口づけだった。
侵入してきたリナルド様の舌は、私の口腔内を思う存分動き回る。
上あごをなぞられた時には、私はびくりと身体が震えてしまった。
リナルド様がそれに気づき、さらに上あごを執拗になぞる。
私は、とうとう膝が崩れ落ち、立っていられなくなった。
自分の反応が、恥ずかしくてたまらない。
なぜ、自分の身体なのに、こうも思うように動かせなくなってしまうのか。
剣をふるう時、指先一つでも自分の思うように動かすことができた。
そんな私が、口づけ一つで動けなくなるなんて、思いもしなかった。
戸惑う私をよそに、リナルド様は、軽々と私を支える。
すらりとした身体のどこに、それだけの力があるのだろう。
そんなことを想っていると、リナルド様は軽々と私を横抱きする。
「はっ、離してくださいっ。
私はか弱い女性ではありませんからっ」
「そんなことは関係ない。
ガルディア、あなたに私は格好つけたいのだ。大人しく抱き上げられててくれないか」
そう言われては、私はどうしようもなかった。
リナルド様のご負担にならぬよう、リナルド様に身体を極力近づけるしかできなかった。
「ふふっ、ここで私にすり寄ってくるなんて、ガルディアも大胆だね。
ベッドまでの距離が近いことが残念だ」
そう冗談めかしながら、リナルド様は私を軽々とベッドまで連れて行ったのだった。
私は、まだその勇気が出なかった。
「ガルディア、今ここで聞いているのは、私だけだ。それでもあなたは、本心を言ってくれないのか?」
リナルド様は、真剣な瞳で私を見つめていた。
リナルド様は私と二人きりの時だけと言っていた。
つまり、ここに来た時だけの「秘めた恋」ということか。
再会したリナルド様は、私の思いに気付かれた。
親のように慕っていたものが自分に懸想しているなど、ひどく驚いたに違いない。
王族にとって、騎士の想いなど、重荷でしかないはずだ。
それでも。
リナルド様はお優しいから。
命を助けた私のために、思い出をくれようとしているのかもしれない。
なんて慈悲深いのだろう。
私は、リナルド様の優しさに付け込んでもよいのだろうか。
でも、今だけ。
王宮を離れた今だけ。
たった一度だけなら、許されるかもしれない。
私とリナルド様、二人だけの秘密として。
ひと時の思い出として、口にしてもよいのなら。
そんな甘い囁きが私の心の中から湧き上がる。
自分にこんなずるさがあるなんて、恋をするまで知らなかった。
そう思っても、もう、その悪魔の囁きに抗うことはできなかった。
「わ、私は、ずっとリナルド様のそばに居られて、本当に幸せでした。
リナルド様、お慕いしております」
「やっとだ。やっと、君の口から君の気持ちが聞けた。
私も好きだよ」
リナルド様の優しさに私は唇が震える。
私の情けない顔を見ても、リナルド様は優しく微笑み、さらには私に口づけを施してくださる。
その唇は、とても熱い。
ふと、シャルロット様の笑顔を思い出されて、胸がちくりとする。
すみません。
シャルロット様、今だけ。
今だけリナルド様をお貸しください。
私は、今だけの思い出を胸に、もうリナルド様の前に現れませんから。
そっと触れた唇がそのまま離れていくことが寂しくて、ついリナルド様の唇を見つめる。
「ふふ、そう煽るな。
こんな外で、あなたのかわいらしい表情を見せたら、誰かに見られてしまうかもしれないだろう?」
それから、リナルド様は私の耳元で囁く。
「ねえ、あなたの寝室に案内してくれないか?」
その意味が分からないほど、私も初心ではない。
これから起こることを想像し、身体がぞくりとする。
それは、恐怖ではなく、甘いしびれを伴うものだった。
私は顔を熱くさせながら、リナルド様を案内する。
私が歩き出すと、リナルド様は「ふふっ」と微笑まれ、「かわいいなあ」と呟く。
私はその言葉に動揺し、歩調が乱れた。
きっと今の私は、耳まで真っ赤だろう。
私の寝室につくと、とたんにリナルド様が私を壁際に寄せ、私を囲う。
まっすぐ私を見つめ、視線だけで私の自由は絡めとられた。
「ねえ、リナルド。あなたを抱きたい」
真剣な物言いに、私は少しだけたじろぐ。
けれど、今頷かなければ、リナルド様の熱を感じることは一生ないのだ。
私は自分の勇気をかき集め、小さく頷いて見せた。
リナルド様は笑顔を浮かべ、そのまま私と口づけをしてきた。
先ほどの口づけよりも長く、深い。情熱的な口づけだった。
侵入してきたリナルド様の舌は、私の口腔内を思う存分動き回る。
上あごをなぞられた時には、私はびくりと身体が震えてしまった。
リナルド様がそれに気づき、さらに上あごを執拗になぞる。
私は、とうとう膝が崩れ落ち、立っていられなくなった。
自分の反応が、恥ずかしくてたまらない。
なぜ、自分の身体なのに、こうも思うように動かせなくなってしまうのか。
剣をふるう時、指先一つでも自分の思うように動かすことができた。
そんな私が、口づけ一つで動けなくなるなんて、思いもしなかった。
戸惑う私をよそに、リナルド様は、軽々と私を支える。
すらりとした身体のどこに、それだけの力があるのだろう。
そんなことを想っていると、リナルド様は軽々と私を横抱きする。
「はっ、離してくださいっ。
私はか弱い女性ではありませんからっ」
「そんなことは関係ない。
ガルディア、あなたに私は格好つけたいのだ。大人しく抱き上げられててくれないか」
そう言われては、私はどうしようもなかった。
リナルド様のご負担にならぬよう、リナルド様に身体を極力近づけるしかできなかった。
「ふふっ、ここで私にすり寄ってくるなんて、ガルディアも大胆だね。
ベッドまでの距離が近いことが残念だ」
そう冗談めかしながら、リナルド様は私を軽々とベッドまで連れて行ったのだった。
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