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第一章 乙女ゲームに転生した転性者は純潔を守るためバッドエンドを目指す

13.晩餐会イベント2

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アンジェリカ
「あ、あの...ですから...領民のために節約を...申し訳ありません」

 涙目になったアンジェリカに、ブレイデンはハンカチを差し出した。

ブレイデン
「恐れながら、ホワイト領は財政破綻などしておりません。他領からの借金もしておりませんし、不作が続いている割には、領民はそれなりの暮らしをしております。その理由は、ホワイト伯爵家の皆様が徹底して倹約をまもり、領民のための政策をとってきたからです」

 な、何コイツ! 助けてくれるのか? いい奴じゃん! さっきは会話をぶった切って着席しちゃって御免よ!

 アンジェリカはブレイデンから借りたハンカチで涙と鼻水を拭った。

ブルー侯爵(宰相)
「そうであったか、早とちりしてしまって申し訳ない」

アンジェリカ
「い、いえ、分かって頂けたのでしたら大丈夫です」

国王
「ホワイト領について詳しいのだね? ブラック殿はアンジェリカ嬢と親しいのかね?」

ブレイデン
「アンジェリカ嬢とお話させて頂くのは今日が初めてでございます。ホワイト領について多少知識がありますのは、私の管轄するギルドがホワイト領にもあるからなのです」

国王
「そうであったか、ふむ...。アンジェリカ嬢は最近、リチャード(王子)と仲が良いそうだな?」

ブルー侯爵(宰相)
「我が息子のミカエルとも親交があると聞いています」

レッド侯爵(騎士長)
「ジョージ(息子)もアンジェリカ嬢には世話になったらしいですな」

王妃
「色々な男性と親しくしていらっしゃるのかしら?」

アンジェリカ
「あ、はい! 親しく...というのは少々おこがましくもありますが、王子殿下は、いつもワタクシのような貧しい弱小貴族にまでお声掛け下さって、本当に立派な方でございます! 先程、王妃殿下からお褒めの言葉を頂いて、お優しいところは王妃殿下から受け継がれたのだと、しみじみ思われました!」

王妃
「あ、あら、そうなの...」

ブルー侯爵(宰相)
「我が息子とは、どんな話をされているのかな?」

アンジェリカ
「お恥ずかしいのですが...」

ブルー侯爵(宰相)
「私には言えないようなことかね?」

アンジェリカ
「いえ、そうではないのですが...その...」

ブルー侯爵(宰相)
「一体、何を話しているのだ?」

アンジェリカ
「宰相様のお話を...」

ブルー侯爵(宰相)
「ミカエルが私の話を!? 一体、どんな!?」

アンジェリカ
「あ、いえ、御子息様は何も...ワタクシが宰相様のお話をするのを聞いていらっしゃるだけです」

ブルー侯爵(宰相)
「なるほど、私の悪口を言っているのだね?」
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