異世界転生してひっそり薬草売りをしていたのに、チート能力のせいでみんなから溺愛されてます

ひと息

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騎士団へ行こう!

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「廉さんがこんなにも乗り気になってくれるとは思いませんでした」
アッシュに案内され、廉は騎士団の寮へと向かった。
「薬草って、別々の薬草同士を同じ鉢で植えると駄目になってしまうことがあるんです。だから種類ごとに分けて植えたりしているのですが…気づいたら、あっという間に植木鉢が足りなくなっちゃうんですよね」
「なるほど、そういった理由が…。植物を育てるのは大変なのですね」
「でも、楽しいですよ」
廉はそう言って笑う。
その笑顔は、きっとアッシュに向けられた笑顔ではなかったのだろう。それでもアッシュの心は温かくなり、その笑顔を一瞬たりとも曇らせたくない。そんなことを思ってしまう。

「でも部外者の僕がもらってしまって大丈夫なんでしょうか…。そもそも、騎士団の中に入ってしまってもいいんですか…?」
廉は恐る恐る尋ねる。
廉にとって騎士団とは、アッシュが所属している職場、という程度の認識でしかない。実際に騎士団がどのような仕事をしているのかも、ほとんど知らなかった。
「構いませんよ。植木鉢は放置されていたものですし、誰も使わなければこのまま放置され続けるか処分されるだけです。それなら、使ってくれる方のもとに置かれる方が良いでしょう」
それに、とアッシュは続ける。
「廉さんには日ごろからお世話になっていますから。…あと、会わせたい人もいるんです」
そう言うとアッシュは少しウキウキとした表情を廉に見せる。死と隣り合わせの仕事をしている彼の、年相応のその笑顔に、廉は少しほっとした気持ちになる。
「会わせたい人ですか…誰だろう?」
「会ってからのお楽しみです」

ほどなくして、二人は騎士団の門の前へと到着した。
「いつ見ても大きい…圧倒されます…」
「騎士の宿泊も兼ねていますからね。このくらいの広さがないと、生活にも支障が出てしまうんです」
門の脇には、門番と思われる男が二人立っていた。二人はアッシュの姿を確認すると、深々と頭を下げる。
廉も慌ててぎこちなく頭を下げたが、門番たちは廉にチラリとも視線を向けることはなかった。
「僕の事、何も言わずに通してくれましたけど…身分の確認とかって…」
廉が小声で尋ねると、アッシュは笑う。
「そんな必要はありませんよ。私と一緒にいるのですから、知り合いかなにかだと判断したのでしょう」
どうやらアッシュは、廉が思っている以上に、騎士団として優秀で信頼されているようだった。
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