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18.小さな少年との出会い
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奏人の叫びと共に、奏人から大きな紋章が光りだす。
その紋章からは、次々と小さな弓矢が出現した。
その小さな弓矢は一斉にヘビに向かって飛んでいく。
光り輝く弓矢はヘビに続々と突き刺さり、ヘビは少年を飛ばして目を見開きながらその場にドサッと倒れ込んだ。
「うっ・・・」
少年はヘビに放り投げられ地面に叩きつけられる。
「ハァッ・・・ハァ・・・っ・・・よかったーーっ・・・」
奏人は少年の方をみた。血は出ているものの、なんとか生きてはいるようだった。
倒れたヘビはいつのまにか、大きな石となってその場に落ちていた。
「奏人ぉ・・・いきなり走んなって・・・うぉっ!?」
シュビルが到着すると、そこには顔面蒼白な少年と、奏人と、
あきらかに大物のモンスターを倒したあとに現れる石。
異常な光景にシュビルの頭上にははてなマークが浮かんだ。
「ありがとう・・・」
奏人はすぐ少年の傷を治療した。
「お兄ちゃんと一緒にここに来たんだけど、はぐれちゃったの」
少年は名前をエルと言った。
「連絡を取ろうと思ってリュックを開けようとしたら、小さいヘビを踏みつけちゃったんだ」
「小さいヘビ?」
シュビルが聞く。
「うん。たぶん、僕が襲われたヘビのモンスターの子どもだったんだと思う。ヘビの鳴き声を聞いて、あの大きなヘビが僕を襲ってきたんだ」
「エルくん、大きなモンスターの尻尾で巻きつけられてたんだ。そこに僕が出くわした」
「は~、なるほどな。で、襲われた時にリュックも剣もその場に落としちゃったわけか」
「あ!僕のリュックと剣!」
エルは、シュビルが差し出した荷物を抱きしめると、リュックからスマホを取り出しスマホを操作し始めた。
「お兄ちゃん、ここに来てくれるみたい。ありがとう、奏人お兄ちゃんととシュビルお兄ちゃん」
とびきりの笑顔でエルは二人に微笑む。
「でも奏人、よくお前エルのこと見つけられたな」
「うーん、なんかよくわかんないけど、エルの声が聞こえて頭から離れなかったんだ」
「俺には全然聞こえなかったけどな」
「で、そのあとは身体が勝手に動いて、気が付いたらエルのところに来てた」
「すげえな」
シュビルが驚きながら話していると、エルがにこにこしながら言った。
「ナルお兄ちゃんと同じ魔法が使えるんだね」
「魔法?」
奏人は聞き返す。エルは、知らないの?と言って奏人に説明した。
「探索魔法なんだけどね、誰かが助けを求める声が聞こえるの。助けを呼ぶ声にしか反応しないんだけどね、その声が聞こえて助けてあげたい!って願ったら、声の主の元まで駆けつけることができるんだよ」
「あ~、噂には聞いたことあったけど、本当にその魔法ってあるんだな」
シュビルは言う。
「それに奏人お兄ちゃん、遠隔の攻撃魔法も使えるんだね!」
エルは万歳しながら、嬉しそうに目を輝かせて言う。
「遠隔の・・攻撃魔法?」
「うん、そうだよ!弓矢の攻撃!ビュンビュン飛ばして一気にモンスターを倒してくれたでしょ?」
「お前どんだけ魔法使えんだよ!?」
シュビルはそう言ってヘビのモンスターが変化した石を見る。
「奏人お兄ちゃんは、いっぱい魔法が使えるんだね!そんな人、初めて見たよ」
「もう俺は驚かねぇ・・・奏人がいくつ魔法を使おうともう驚かねぇぞ・・・」
シュビルがぶつぶつと呟くのを、奏人は笑いながら見つめていた。
その紋章からは、次々と小さな弓矢が出現した。
その小さな弓矢は一斉にヘビに向かって飛んでいく。
光り輝く弓矢はヘビに続々と突き刺さり、ヘビは少年を飛ばして目を見開きながらその場にドサッと倒れ込んだ。
「うっ・・・」
少年はヘビに放り投げられ地面に叩きつけられる。
「ハァッ・・・ハァ・・・っ・・・よかったーーっ・・・」
奏人は少年の方をみた。血は出ているものの、なんとか生きてはいるようだった。
倒れたヘビはいつのまにか、大きな石となってその場に落ちていた。
「奏人ぉ・・・いきなり走んなって・・・うぉっ!?」
シュビルが到着すると、そこには顔面蒼白な少年と、奏人と、
あきらかに大物のモンスターを倒したあとに現れる石。
異常な光景にシュビルの頭上にははてなマークが浮かんだ。
「ありがとう・・・」
奏人はすぐ少年の傷を治療した。
「お兄ちゃんと一緒にここに来たんだけど、はぐれちゃったの」
少年は名前をエルと言った。
「連絡を取ろうと思ってリュックを開けようとしたら、小さいヘビを踏みつけちゃったんだ」
「小さいヘビ?」
シュビルが聞く。
「うん。たぶん、僕が襲われたヘビのモンスターの子どもだったんだと思う。ヘビの鳴き声を聞いて、あの大きなヘビが僕を襲ってきたんだ」
「エルくん、大きなモンスターの尻尾で巻きつけられてたんだ。そこに僕が出くわした」
「は~、なるほどな。で、襲われた時にリュックも剣もその場に落としちゃったわけか」
「あ!僕のリュックと剣!」
エルは、シュビルが差し出した荷物を抱きしめると、リュックからスマホを取り出しスマホを操作し始めた。
「お兄ちゃん、ここに来てくれるみたい。ありがとう、奏人お兄ちゃんととシュビルお兄ちゃん」
とびきりの笑顔でエルは二人に微笑む。
「でも奏人、よくお前エルのこと見つけられたな」
「うーん、なんかよくわかんないけど、エルの声が聞こえて頭から離れなかったんだ」
「俺には全然聞こえなかったけどな」
「で、そのあとは身体が勝手に動いて、気が付いたらエルのところに来てた」
「すげえな」
シュビルが驚きながら話していると、エルがにこにこしながら言った。
「ナルお兄ちゃんと同じ魔法が使えるんだね」
「魔法?」
奏人は聞き返す。エルは、知らないの?と言って奏人に説明した。
「探索魔法なんだけどね、誰かが助けを求める声が聞こえるの。助けを呼ぶ声にしか反応しないんだけどね、その声が聞こえて助けてあげたい!って願ったら、声の主の元まで駆けつけることができるんだよ」
「あ~、噂には聞いたことあったけど、本当にその魔法ってあるんだな」
シュビルは言う。
「それに奏人お兄ちゃん、遠隔の攻撃魔法も使えるんだね!」
エルは万歳しながら、嬉しそうに目を輝かせて言う。
「遠隔の・・攻撃魔法?」
「うん、そうだよ!弓矢の攻撃!ビュンビュン飛ばして一気にモンスターを倒してくれたでしょ?」
「お前どんだけ魔法使えんだよ!?」
シュビルはそう言ってヘビのモンスターが変化した石を見る。
「奏人お兄ちゃんは、いっぱい魔法が使えるんだね!そんな人、初めて見たよ」
「もう俺は驚かねぇ・・・奏人がいくつ魔法を使おうともう驚かねぇぞ・・・」
シュビルがぶつぶつと呟くのを、奏人は笑いながら見つめていた。
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