131 / 280
血を啜る者たちと鳥獣と血狂いと
6
しおりを挟む
そのままBloodsadyは【ヴァンパイア】の下っ端に近づき、手に持ったバールで頭をぶん殴った。
それを見た【ヴァンパイア】のやつらは仇討ちとばかりにBloodsadyに飛びかかるも儚く一掃される。その間もずっと狂ったように笑っていて一年以上前の会ったばかりのあいつみたいだった。
俺がまだ総長になる前だったか、あいつは現れた。
初めは噂が流れた。すごい強いやつがいると、次第にあいつに近づかない方がいい、血を求める狂ったやつだと流れてくる噂が変化した。
そしてある日、俺は出会った。
まあ、その話は後でいいだろう。今がヤバい
あの頃のように、理性がなくなっている。その証拠が全身にかかった血だろう。それもどれも返り血。普段のあいつはそんなになるまでやらない。
もしかしたら、あの時よりヤバいかもしれない。
「フゥ…あ~HAHA」
【ヴァンパイア】の下っ端を倒し終えた血狂いは新たな獲物を探す。
どう動くのかと見ていたら、目が合った。笑みが深まるのを見て嫌な予感に襲われる。
血狂いはゆっくりと前に倒れ、飛び出してきた
――速いっ!?
「ひひひあっ!!!」
「――ッ、フッ!!」
「ッ、シャアッ、ひゃははハハハハハハ!!!」
顔前に突き出た拳を頭を横にずらすことで避け、腕を掴み鳩尾に叩き込もうとするが蹴りが飛んできたので手を離して後ろに下がる。
「ッ、ハァ、ハァ」
「ケヘヒヒヒヒャ」
最悪だ
とりあえず、血狂いを正気に戻さねぇと俺が潰される。違和感はあったんだ。いつもより好戦的な時点で、だが血狂いの力を借りれるならと見ないふりをしていた。だが、ここで裏目に出るとはな…
「ック…!?」
「シィー……」
一発腹にくらってしまった。こいつ、これで情報屋だとかどんな嫌味だよ。つくづく嫌になる。避けるだけでも血狂いが相手なら体力と気力の消耗が速い。このままだとじり貧だ。賭けに出ねぇと
「っおら…ッ!!!」
「!??…ヒはッ!あハハハハっ!!!」
「くっ、っ…掴んだぜっ」
「うーっ!!!ラァッ!!!」
「っち、いい加減…目を覚ましやがれっ!!!!」
「!!!??」
また腕を掴み、今度は反対の手で殴られるもその腕も掴んでやる。嫌がって唸りながら抵抗する血狂いだが、力いっぱい抑えているから蹴ることしかできない。
俺は思いっきり頭突きをした。
「ふぅっ、ふぅっ、っはぁ」
「~~~ッ!!!」
腕を離すと頭を押さえてしゃがむ血狂い。フードの下から除く目は潤みながら俺を睨みつけているものの、いつものような目に戻っていた。
珍しく笑っていないその口を開く。
「イッタぁイなァ!!!ナァにスルンダぁヨォ!!」
「正気に戻してやっただけ感謝しろ。というか、謝れ」
「ハァっ!!?」
「…ハァ、お前、何やったか覚えてるか?後自分の格好を見てみろ」
「…ン?」
血狂いは首を傾げた後、パーカーの裾を引っ張って見下ろす。
途端に顔を青ざめさせた。
それを見た【ヴァンパイア】のやつらは仇討ちとばかりにBloodsadyに飛びかかるも儚く一掃される。その間もずっと狂ったように笑っていて一年以上前の会ったばかりのあいつみたいだった。
俺がまだ総長になる前だったか、あいつは現れた。
初めは噂が流れた。すごい強いやつがいると、次第にあいつに近づかない方がいい、血を求める狂ったやつだと流れてくる噂が変化した。
そしてある日、俺は出会った。
まあ、その話は後でいいだろう。今がヤバい
あの頃のように、理性がなくなっている。その証拠が全身にかかった血だろう。それもどれも返り血。普段のあいつはそんなになるまでやらない。
もしかしたら、あの時よりヤバいかもしれない。
「フゥ…あ~HAHA」
【ヴァンパイア】の下っ端を倒し終えた血狂いは新たな獲物を探す。
どう動くのかと見ていたら、目が合った。笑みが深まるのを見て嫌な予感に襲われる。
血狂いはゆっくりと前に倒れ、飛び出してきた
――速いっ!?
「ひひひあっ!!!」
「――ッ、フッ!!」
「ッ、シャアッ、ひゃははハハハハハハ!!!」
顔前に突き出た拳を頭を横にずらすことで避け、腕を掴み鳩尾に叩き込もうとするが蹴りが飛んできたので手を離して後ろに下がる。
「ッ、ハァ、ハァ」
「ケヘヒヒヒヒャ」
最悪だ
とりあえず、血狂いを正気に戻さねぇと俺が潰される。違和感はあったんだ。いつもより好戦的な時点で、だが血狂いの力を借りれるならと見ないふりをしていた。だが、ここで裏目に出るとはな…
「ック…!?」
「シィー……」
一発腹にくらってしまった。こいつ、これで情報屋だとかどんな嫌味だよ。つくづく嫌になる。避けるだけでも血狂いが相手なら体力と気力の消耗が速い。このままだとじり貧だ。賭けに出ねぇと
「っおら…ッ!!!」
「!??…ヒはッ!あハハハハっ!!!」
「くっ、っ…掴んだぜっ」
「うーっ!!!ラァッ!!!」
「っち、いい加減…目を覚ましやがれっ!!!!」
「!!!??」
また腕を掴み、今度は反対の手で殴られるもその腕も掴んでやる。嫌がって唸りながら抵抗する血狂いだが、力いっぱい抑えているから蹴ることしかできない。
俺は思いっきり頭突きをした。
「ふぅっ、ふぅっ、っはぁ」
「~~~ッ!!!」
腕を離すと頭を押さえてしゃがむ血狂い。フードの下から除く目は潤みながら俺を睨みつけているものの、いつものような目に戻っていた。
珍しく笑っていないその口を開く。
「イッタぁイなァ!!!ナァにスルンダぁヨォ!!」
「正気に戻してやっただけ感謝しろ。というか、謝れ」
「ハァっ!!?」
「…ハァ、お前、何やったか覚えてるか?後自分の格好を見てみろ」
「…ン?」
血狂いは首を傾げた後、パーカーの裾を引っ張って見下ろす。
途端に顔を青ざめさせた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
276
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる