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6話
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さてと、ラーラにわたしのこれまでをきかなきゃね。
「わかったわ、ラーラ。で、教えて欲しいのは記憶を無くす前のわたしについてなの。」
ラーラは、少し考えた様子をしてわたしに話しかけてきた。
「私の知る範囲で宜しければ。ですが、なぜ旦那様ではなく私なのでしょうか?」
おっと、そこですか?
「はぁ~‥昨日の言い訳を聞いて、あの父親に聞きたいとは到底思えないからよ。それに、普段わたしの世話をしてくれてるラーラなら父親よりわたしをわかってると思うの。」
ラーラは、なんとも言い難い顔をした。
「そうでしたか、では私の主観ですがお答え致します。
大変、言い難いのですが‥‥以前のお嬢様は何対しても興味がない様子でした。
お言葉も『うん』『べつに』などの単語で、行動も最小限で、自分から立って動くという動作がありませんでした。
お熱を出されて、お目覚めになった時の驚きは今申し上げた以前と全く別人の様でしたので、皆一同に驚愕したのです。」
うっわぁ~、以前のわたしって何だかませてるんだか達観してんだよくかわからない子供だったのね。
しかも、別人とかもうバレてるんじゃない?ってくらいの洞察力だね。
「記憶が無くなる前のわたしって、みんなに冷たかったのね。何だか、ごめんなさいね。
あと、基本的わたし今何歳?家族って父親と家出中の母親だけ?それと、我が家はお金持ちっぽいけど何か商売でもしてるの?」
矢継ぎ早に質問しちゃったけど、今更だよね。ラーラも驚いて無さそうだし。
「お嬢様は、現在7歳です。ご家族は、この王都モニター子爵邸に次期領主様の旦那様・奥様とお嬢様の3人です。現在、ご領地にてご領主様と大奥様が居られます。」
わたしの家族、父・母・わたし
領地に、祖父・祖母
なるほど、子爵家かぁ。
「あれ?モニター?家名ワイヤードだよね。」
「はい。ワイヤードの家名はモニター子爵家を継承する者、即ち代々の次期様に与えられる家名なのです。まぁ、この習わしは当家のみですが。」
へぇ~、ややこしい
「あっ、ちなみに母の実家って?」
「奥様のご実家は、ネット男爵家でございます。モニター子爵領地が隣同士です。王都邸も1ブロックしか離れておりません。」
近所に実家があるとか便利だわぁ、今回みたく手紙だって直ぐに届くし。
「わたし、母に嫌われてるのかしらねぇ」
つい、呟いた言葉にラーラが苦い顔をした
「この際ですので、正直にお話しいたします。奥様は、旦那様から世継ぎに男子をと希望されていました。しかし、お嬢様が生まれて旦那様がついがっかりした顔を奥様にみせてしまった日から、夫婦関係に亀裂が入りまして‥この7年お部屋も別々に過ごしておりました。」
うっわぁ~、家庭内別居してたのね。
しかも、わたしが熱で倒れる前に何か家を出るきっかけが出来たんだわ。
「で、家出の理由はなんなのかしら?」
「‥‥旦那様が、そのぉ~お外で別の女性と会っていたことが奥様の耳に入りまして‥。」
7歳のわたしにラーラ、言い辛いよね。
「ラーラ、言い辛いわよね。お父様が外に愛人囲ってるって。」
ぶっちゃけちゃうわたし。
「お嬢様に、その様なふしだらな事を言わせてしまい申し訳ございません!」
あー、ラーラがこの世の終わりみたいな顔になってしまった
「ラーラのせいじゃないから、気にしないでと言っても気にするわよね。でも、愛人の真偽はまだハッキリしてないんでしょ?」
「はい。」
項垂れながらも、ラーラは返事をしてくれた
これは、わたし本人より記憶に無いけどお祖父様かお祖母様に出張ってもらいましょう。
「ラーラ、この件はご領主様かお祖母様に任せましょう!手紙書いたら、領地へ直ぐに届くように信頼できる人に渡してね。」
そう言って、ニッコリしてラーラを見る
青い顔したラーラが、黙って頷いていた。
えぇ~わたし何か不味いことしてる?
まっ、なるようになるよね!
「わかったわ、ラーラ。で、教えて欲しいのは記憶を無くす前のわたしについてなの。」
ラーラは、少し考えた様子をしてわたしに話しかけてきた。
「私の知る範囲で宜しければ。ですが、なぜ旦那様ではなく私なのでしょうか?」
おっと、そこですか?
「はぁ~‥昨日の言い訳を聞いて、あの父親に聞きたいとは到底思えないからよ。それに、普段わたしの世話をしてくれてるラーラなら父親よりわたしをわかってると思うの。」
ラーラは、なんとも言い難い顔をした。
「そうでしたか、では私の主観ですがお答え致します。
大変、言い難いのですが‥‥以前のお嬢様は何対しても興味がない様子でした。
お言葉も『うん』『べつに』などの単語で、行動も最小限で、自分から立って動くという動作がありませんでした。
お熱を出されて、お目覚めになった時の驚きは今申し上げた以前と全く別人の様でしたので、皆一同に驚愕したのです。」
うっわぁ~、以前のわたしって何だかませてるんだか達観してんだよくかわからない子供だったのね。
しかも、別人とかもうバレてるんじゃない?ってくらいの洞察力だね。
「記憶が無くなる前のわたしって、みんなに冷たかったのね。何だか、ごめんなさいね。
あと、基本的わたし今何歳?家族って父親と家出中の母親だけ?それと、我が家はお金持ちっぽいけど何か商売でもしてるの?」
矢継ぎ早に質問しちゃったけど、今更だよね。ラーラも驚いて無さそうだし。
「お嬢様は、現在7歳です。ご家族は、この王都モニター子爵邸に次期領主様の旦那様・奥様とお嬢様の3人です。現在、ご領地にてご領主様と大奥様が居られます。」
わたしの家族、父・母・わたし
領地に、祖父・祖母
なるほど、子爵家かぁ。
「あれ?モニター?家名ワイヤードだよね。」
「はい。ワイヤードの家名はモニター子爵家を継承する者、即ち代々の次期様に与えられる家名なのです。まぁ、この習わしは当家のみですが。」
へぇ~、ややこしい
「あっ、ちなみに母の実家って?」
「奥様のご実家は、ネット男爵家でございます。モニター子爵領地が隣同士です。王都邸も1ブロックしか離れておりません。」
近所に実家があるとか便利だわぁ、今回みたく手紙だって直ぐに届くし。
「わたし、母に嫌われてるのかしらねぇ」
つい、呟いた言葉にラーラが苦い顔をした
「この際ですので、正直にお話しいたします。奥様は、旦那様から世継ぎに男子をと希望されていました。しかし、お嬢様が生まれて旦那様がついがっかりした顔を奥様にみせてしまった日から、夫婦関係に亀裂が入りまして‥この7年お部屋も別々に過ごしておりました。」
うっわぁ~、家庭内別居してたのね。
しかも、わたしが熱で倒れる前に何か家を出るきっかけが出来たんだわ。
「で、家出の理由はなんなのかしら?」
「‥‥旦那様が、そのぉ~お外で別の女性と会っていたことが奥様の耳に入りまして‥。」
7歳のわたしにラーラ、言い辛いよね。
「ラーラ、言い辛いわよね。お父様が外に愛人囲ってるって。」
ぶっちゃけちゃうわたし。
「お嬢様に、その様なふしだらな事を言わせてしまい申し訳ございません!」
あー、ラーラがこの世の終わりみたいな顔になってしまった
「ラーラのせいじゃないから、気にしないでと言っても気にするわよね。でも、愛人の真偽はまだハッキリしてないんでしょ?」
「はい。」
項垂れながらも、ラーラは返事をしてくれた
これは、わたし本人より記憶に無いけどお祖父様かお祖母様に出張ってもらいましょう。
「ラーラ、この件はご領主様かお祖母様に任せましょう!手紙書いたら、領地へ直ぐに届くように信頼できる人に渡してね。」
そう言って、ニッコリしてラーラを見る
青い顔したラーラが、黙って頷いていた。
えぇ~わたし何か不味いことしてる?
まっ、なるようになるよね!
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