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無くしたのは……… By大和
かつての幸福
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大和視点
大和「…………」
構成員「おい………あれって………」
構成員「三英雄の1人の………キリ………」
構成員「なんでここに………契約したのか………?」
騒がしい裏組織の食堂………三英雄の1人 霧崎 大和がその場にいるのには訳がある
~遡ること5時間前~
大和「………あんた面白いな」
大和はフリーで依頼を受け裏組織の城に足を運び、自分を長期契約で働かせたいという依頼だった
首領「…………」
大和「俺の本名を知っている上で契約をして欲しいって………中々居ないんだけどな」
首領「…………」
大和「そんなに身構えなくてもいいよ ここの居心地がいいのは少し前からわかってたことだし………それにここには「シルバー」がいるだろ?」
大和は依頼を受ける前から組織の城付近で生活をしていて、居心地の良さもよくわかっている
大和「「シルバー」が分からなくても「ジーグレイ」なら分かるだろ?」
首領「います」
大和「弟子でもあり俺の息子でもある 久々に会いたい」
という理由から大和は長期契約を結び食堂にいた
???「大和さん」
大和「ん シルバー 久しぶりだな(*^^*)」
構成員「ジーグレイさんを本名呼び………?!何者なんだあの人………」
あっジーグレイって呼んだ方が良かったのか?
つい昔の癖で本名呼びをしてしまったが本人は気にしていない
シルバー「………少し痩せたね」
大和「………グラム単位だぞ よく分かったな」
シルバー「顔が少しやつれてる あんまり休んでないでしょ」
大和「…………」
生活を疎かにしていたのは事実だが………筒抜けか………
シルバー「最後にちゃんと寝たのいつ?」
大和「………2ヶ月前」
シルバー「食事取ったら寝ようか まだ部屋用意されてないんでしょ?俺の部屋結構広いから大和さんも余裕で入れるよ」
大和「ならお言葉に甘えて」
くすくすと笑いながら大和はそう返しシルバーは嬉しそう
大和「お前「破壊者」って呼ばれてんのに俺の前じゃ子供だな」
シルバー「そりゃあそうでしょ~大和さんは俺の育て親であり師匠だし」
大和「拾った時のお前………あんなに小さかったのに今じゃ俺を超えてるからな 身長いくつになった?」
シルバー「188~」
俺の5cm上か………でかくなったな………
大和「つかお前今酒飲んでるだろ」
シルバー「よく分かったね」
大和「笑い上戸だからな 普段そこまで笑わないだろ」
シルバー「御明答~♪」
酔いが回っていてもここまで笑わないからな………かなりの量飲んでるんだろう
大和「部屋どこなんだ?」
シルバー「こっち~♪」
大和「やれやれ………あの頃と相変わらず酔うと子供のような反応をするんだな」
と言いつつも手を持って今にも走り出さんとするシルバーに、「やめろ」とも言わずに笑って「引っ張るなよ」と言う大和
大和「予想よりも広いな」
シルバー「靴脱いでね~」
大和「俺が日本人だからってのもあるけどお前日本好きだよな」
シルバー「大和さんが育った国だからね」
つっても俺も帰国子女なんだけどな………
シルバー「風呂どうする?」
大和「大丈夫だよ」
シルバー「………さすがにその服で寝るのキツくない?」
大和の服装はガッツリ戦闘服であるため、寝るにしてはいささかキツすぎる
大和「ちゃんと脱ぐよ つってもズボンはそのままでも問題ないから」
シルバー「昔はスウェットだったけど………今は違うんだ?」
大和「今はタンクトップだな お前と暮らしてた頃は身の安全を確保できていたし………戦闘になることもなかったからな いつでも武器を持てる服装にしてる」
シルバー「やっぱり20年間離れてると変わってきちゃうもんだね」
いやそれは人のこと言えないと思うが………
大和「人のこと言えないだろ?まぁ………俺に対する甘え方や酔った時の話し方は変わらないが」
シルバー「そ?」
大和「ちょっ 服脱げないだろ」
シルバー「昔みたいにスパッと脱がないからだろ」
大和が上の服を脱ぐのを動きの遅さから、少し渋ったのを察知したシルバーが無理矢理脱がせにかかる
シルバー「………っ………」
そして大和の上の服を脱がせた瞬間にシルバーは息を呑み、大和は少し苦しげな顔を見せる
大和「………昔とはかけ離れてるだろ?」
シルバー「大和さんは大和さんだ何も変わってない」
大和「手 震えてるぞ」
シルバー「…………」
シルバーがそんな反応をするのも無理はないか………昔はほとんどなかった傷跡が20年で身体を埋めつくした………どれもこれも深い傷跡ばかり………俺がどれだけ過酷な戦場を行き来していたのかが分かる
服を脱がされたことによって傷跡が露出し、昔とはかけ離れた傷跡の多さにシルバーは驚き、震える手で大和の身体に残る傷跡に触れている
シルバー「………誰にやられたの?これ」
大和「誰とは言えないな 多くの戦場を行き来しすぎて覚えきれない」
シルバー「大和さん 大和さんは俺の唯一の理解者だ 俺が暴走して大和さんを壊したことだってある………それでも大和さんは俺に変わらぬ愛情を注げてくれた………戦争孤児で親のいない俺に手を差し伸べてくれた あの時から俺は大和さんに心も身体も預けるって決めてる ………もう俺以外の人間に傷つけられないで」
そう言ってシルバーは自分の持ってる特殊能力で、体に痛々しく残る傷跡を消していき殆ど元の状態に戻った
大和「シルバーがつける分には良いのか?」
シルバー「俺は綺麗さっぱり消せるから」
大和「能力増えたな」
シルバー「………大和さん 無理しないでよ」
シルバーは優しく大和を抱きしめた………普段から本音を言わない大和と生活をしていたからこそ、シルバーには大和が今どんな心境なのかわかる
シルバー「痛かっただろ?苦しくて辛かったんだろ?俺の前でくらい泣きなよ 大和さんいつも我慢するんだから」
大和「…………」
シルバーの言葉に大和は何も言わずに、シルバーの体に腕を回して目を閉じる
大和「…………」
友羽のことは恨んでいても………怜皇は良い奴だ………いつでも俺達の仲を取り繕ってくれていた………結構天然なところもあるけど………自然と俺と友羽の喧嘩を、何かしら言って回避してくれてた………
大和「…………」
あの戦争で苦しかったのも辛かったのも事実だ………だが1番辛かったのは怜皇のはずだ………妻と子を奪われて1番涙を流していた………それでもあいつはその悲しみを糧に世界を救った………友羽が自我を無くし俺が破壊をし始めても………怜皇だけは常に冷静に友羽の面倒を見て、俺に壊していい場所を提示した………怜皇とは小学生の頃から友人だったからこそわかるが………怜皇も戦争への葛藤と矛盾に翻弄されていた………敵はそれを知ってか知らずか………怜皇を目標として攻撃していた………勿論怜皇も馬鹿じゃないから回避してきたが………あいつもあいつで多くのものを失ってきた………
大和「…………」
大和は静かに涙を流した……大和にとってその涙が何に向けてのものなのか………自分でも分からない………もちろんそれはシルバーも分かっている
大和「…………」
シルバー「………泣き疲れて寝る癖 治ってないんだね」
静かに静かに泣き続けた大和はそのまま疲れて寝てしまい、昔からの癖が未だに抜けていない
シルバー「…………」
大和をベッドに寝かせ一緒の毛布に入ったシルバーは、大和が起きない程度に生まれつきの髪を指ですく
シルバー「…………」
戦争に疲れ癒しを求めて向かったその場で起きた悲劇…………奪われた最愛の人の命と信頼した人間からの裏切り…………思えば思うほどシルバーは怒りが湧いてくる………しかし今それを出してしまうと大和が反応し起きてしまう…………
シルバー「…………」
シルバーは大和が根が優しく真面目であるかを知っていて………戦争によって変わった食生活に生活習慣………奪われた最愛の人の命…………自ら捨てた仲間への信頼………唯一今でも気にしている「怜皇」だけは………シルバーは一度だけ会ったことがあった
シルバー「…………(あの人も根が優しい人だった………妻子を奪われてもその悲しみを糧に世界を救った………だが人一倍苦しみ葛藤や矛盾に悩まされていたのも事実………大和さんとは小学生の時からずっと知り合いらしいし………その頃からあの人は奪われることが多かったと聞く………何を奪われたのかまでは分からないけど………少なくともあの人が戦争後に、闇組織と取引しようと思える状態にまで……かなり追い込められるレベルのものだったんだろう)」
一度だけ会ったことがある「怜皇」も根は優しい人だった………しかし今ではその面影はほぼない
シルバー「…………(あの人もあの人で変わったってことだな)」
シルバーはそう思って大和体に腕を回し抱きしめて眠る
~翌朝~
大和「ココアってある?」
食堂の人「ホットとアイスどちらにしますか?」
大和「ホット 砂糖とかってセルフ?」
食堂の人「はい」
朝 先に起きた大和がココアを注文し、ココアよりも多い砂糖を投入しつつ、寝起きで目つきの悪いシルバーに渡す
大和「好きだろ?ココア」
シルバー「………さっき砂糖大量に入れてなかった」
大和「朝から甘いものは脳に良い それにココア好きだろ?」
シルバー「…………」
ココア好きなのは変わっていなかったが少し入れすぎたか?
ココアを飲むシルバーの顔は少し「甘っ」という顔
シルバー「…………めちゃくちゃ甘いんだけど てか大和さんは何飲んでんの?」
大和「めちゃくちゃ入れたからな ブラックコーヒー」
シルバー「…………昔はコーヒー飲めなかったのに………(ボソッ)」
「ビキッ」
シルバーの余計な一言によって食堂が一瞬にして嫌な空気に……
シルバー「(あっやべ)」
大和「誰がコーヒー飲めなかったって??(激怒)」
シルバー「…………大和さん」
大和「シールーバー??」
完全に大和を怒らせたシルバーは、大和の早業によって膝十時固めを食らうことに
シルバー「いだだだだだだ!!!」
大和「俺に言うことあるよな?」
シルバー「ちょっ首首!!いだだだだだだだだだ!!!」
ある意味カオスな状態で、大和はさらに力を使って首も絞めていく
シルバー「ごめんなさいごめんなさい!!もう言いません!!!」
大和「なら良い」
シルバーが謝ったことによって漸く終わり、大和はシルバーに仕事に行くよう言う
大和「…………」
あの頃は楽しかったな………
時折大和の脳裏に浮かぶ学生時代の記憶………今ではその記憶とシルバーが大和の支え………
大和「…………」
怜皇はかつての姿を無くし………俺は幸福を失ったか………
大和もまた…………大切なモノを失った1人………
大和「…………」
構成員「おい………あれって………」
構成員「三英雄の1人の………キリ………」
構成員「なんでここに………契約したのか………?」
騒がしい裏組織の食堂………三英雄の1人 霧崎 大和がその場にいるのには訳がある
~遡ること5時間前~
大和「………あんた面白いな」
大和はフリーで依頼を受け裏組織の城に足を運び、自分を長期契約で働かせたいという依頼だった
首領「…………」
大和「俺の本名を知っている上で契約をして欲しいって………中々居ないんだけどな」
首領「…………」
大和「そんなに身構えなくてもいいよ ここの居心地がいいのは少し前からわかってたことだし………それにここには「シルバー」がいるだろ?」
大和は依頼を受ける前から組織の城付近で生活をしていて、居心地の良さもよくわかっている
大和「「シルバー」が分からなくても「ジーグレイ」なら分かるだろ?」
首領「います」
大和「弟子でもあり俺の息子でもある 久々に会いたい」
という理由から大和は長期契約を結び食堂にいた
???「大和さん」
大和「ん シルバー 久しぶりだな(*^^*)」
構成員「ジーグレイさんを本名呼び………?!何者なんだあの人………」
あっジーグレイって呼んだ方が良かったのか?
つい昔の癖で本名呼びをしてしまったが本人は気にしていない
シルバー「………少し痩せたね」
大和「………グラム単位だぞ よく分かったな」
シルバー「顔が少しやつれてる あんまり休んでないでしょ」
大和「…………」
生活を疎かにしていたのは事実だが………筒抜けか………
シルバー「最後にちゃんと寝たのいつ?」
大和「………2ヶ月前」
シルバー「食事取ったら寝ようか まだ部屋用意されてないんでしょ?俺の部屋結構広いから大和さんも余裕で入れるよ」
大和「ならお言葉に甘えて」
くすくすと笑いながら大和はそう返しシルバーは嬉しそう
大和「お前「破壊者」って呼ばれてんのに俺の前じゃ子供だな」
シルバー「そりゃあそうでしょ~大和さんは俺の育て親であり師匠だし」
大和「拾った時のお前………あんなに小さかったのに今じゃ俺を超えてるからな 身長いくつになった?」
シルバー「188~」
俺の5cm上か………でかくなったな………
大和「つかお前今酒飲んでるだろ」
シルバー「よく分かったね」
大和「笑い上戸だからな 普段そこまで笑わないだろ」
シルバー「御明答~♪」
酔いが回っていてもここまで笑わないからな………かなりの量飲んでるんだろう
大和「部屋どこなんだ?」
シルバー「こっち~♪」
大和「やれやれ………あの頃と相変わらず酔うと子供のような反応をするんだな」
と言いつつも手を持って今にも走り出さんとするシルバーに、「やめろ」とも言わずに笑って「引っ張るなよ」と言う大和
大和「予想よりも広いな」
シルバー「靴脱いでね~」
大和「俺が日本人だからってのもあるけどお前日本好きだよな」
シルバー「大和さんが育った国だからね」
つっても俺も帰国子女なんだけどな………
シルバー「風呂どうする?」
大和「大丈夫だよ」
シルバー「………さすがにその服で寝るのキツくない?」
大和の服装はガッツリ戦闘服であるため、寝るにしてはいささかキツすぎる
大和「ちゃんと脱ぐよ つってもズボンはそのままでも問題ないから」
シルバー「昔はスウェットだったけど………今は違うんだ?」
大和「今はタンクトップだな お前と暮らしてた頃は身の安全を確保できていたし………戦闘になることもなかったからな いつでも武器を持てる服装にしてる」
シルバー「やっぱり20年間離れてると変わってきちゃうもんだね」
いやそれは人のこと言えないと思うが………
大和「人のこと言えないだろ?まぁ………俺に対する甘え方や酔った時の話し方は変わらないが」
シルバー「そ?」
大和「ちょっ 服脱げないだろ」
シルバー「昔みたいにスパッと脱がないからだろ」
大和が上の服を脱ぐのを動きの遅さから、少し渋ったのを察知したシルバーが無理矢理脱がせにかかる
シルバー「………っ………」
そして大和の上の服を脱がせた瞬間にシルバーは息を呑み、大和は少し苦しげな顔を見せる
大和「………昔とはかけ離れてるだろ?」
シルバー「大和さんは大和さんだ何も変わってない」
大和「手 震えてるぞ」
シルバー「…………」
シルバーがそんな反応をするのも無理はないか………昔はほとんどなかった傷跡が20年で身体を埋めつくした………どれもこれも深い傷跡ばかり………俺がどれだけ過酷な戦場を行き来していたのかが分かる
服を脱がされたことによって傷跡が露出し、昔とはかけ離れた傷跡の多さにシルバーは驚き、震える手で大和の身体に残る傷跡に触れている
シルバー「………誰にやられたの?これ」
大和「誰とは言えないな 多くの戦場を行き来しすぎて覚えきれない」
シルバー「大和さん 大和さんは俺の唯一の理解者だ 俺が暴走して大和さんを壊したことだってある………それでも大和さんは俺に変わらぬ愛情を注げてくれた………戦争孤児で親のいない俺に手を差し伸べてくれた あの時から俺は大和さんに心も身体も預けるって決めてる ………もう俺以外の人間に傷つけられないで」
そう言ってシルバーは自分の持ってる特殊能力で、体に痛々しく残る傷跡を消していき殆ど元の状態に戻った
大和「シルバーがつける分には良いのか?」
シルバー「俺は綺麗さっぱり消せるから」
大和「能力増えたな」
シルバー「………大和さん 無理しないでよ」
シルバーは優しく大和を抱きしめた………普段から本音を言わない大和と生活をしていたからこそ、シルバーには大和が今どんな心境なのかわかる
シルバー「痛かっただろ?苦しくて辛かったんだろ?俺の前でくらい泣きなよ 大和さんいつも我慢するんだから」
大和「…………」
シルバーの言葉に大和は何も言わずに、シルバーの体に腕を回して目を閉じる
大和「…………」
友羽のことは恨んでいても………怜皇は良い奴だ………いつでも俺達の仲を取り繕ってくれていた………結構天然なところもあるけど………自然と俺と友羽の喧嘩を、何かしら言って回避してくれてた………
大和「…………」
あの戦争で苦しかったのも辛かったのも事実だ………だが1番辛かったのは怜皇のはずだ………妻と子を奪われて1番涙を流していた………それでもあいつはその悲しみを糧に世界を救った………友羽が自我を無くし俺が破壊をし始めても………怜皇だけは常に冷静に友羽の面倒を見て、俺に壊していい場所を提示した………怜皇とは小学生の頃から友人だったからこそわかるが………怜皇も戦争への葛藤と矛盾に翻弄されていた………敵はそれを知ってか知らずか………怜皇を目標として攻撃していた………勿論怜皇も馬鹿じゃないから回避してきたが………あいつもあいつで多くのものを失ってきた………
大和「…………」
大和は静かに涙を流した……大和にとってその涙が何に向けてのものなのか………自分でも分からない………もちろんそれはシルバーも分かっている
大和「…………」
シルバー「………泣き疲れて寝る癖 治ってないんだね」
静かに静かに泣き続けた大和はそのまま疲れて寝てしまい、昔からの癖が未だに抜けていない
シルバー「…………」
大和をベッドに寝かせ一緒の毛布に入ったシルバーは、大和が起きない程度に生まれつきの髪を指ですく
シルバー「…………」
戦争に疲れ癒しを求めて向かったその場で起きた悲劇…………奪われた最愛の人の命と信頼した人間からの裏切り…………思えば思うほどシルバーは怒りが湧いてくる………しかし今それを出してしまうと大和が反応し起きてしまう…………
シルバー「…………」
シルバーは大和が根が優しく真面目であるかを知っていて………戦争によって変わった食生活に生活習慣………奪われた最愛の人の命…………自ら捨てた仲間への信頼………唯一今でも気にしている「怜皇」だけは………シルバーは一度だけ会ったことがあった
シルバー「…………(あの人も根が優しい人だった………妻子を奪われてもその悲しみを糧に世界を救った………だが人一倍苦しみ葛藤や矛盾に悩まされていたのも事実………大和さんとは小学生の時からずっと知り合いらしいし………その頃からあの人は奪われることが多かったと聞く………何を奪われたのかまでは分からないけど………少なくともあの人が戦争後に、闇組織と取引しようと思える状態にまで……かなり追い込められるレベルのものだったんだろう)」
一度だけ会ったことがある「怜皇」も根は優しい人だった………しかし今ではその面影はほぼない
シルバー「…………(あの人もあの人で変わったってことだな)」
シルバーはそう思って大和体に腕を回し抱きしめて眠る
~翌朝~
大和「ココアってある?」
食堂の人「ホットとアイスどちらにしますか?」
大和「ホット 砂糖とかってセルフ?」
食堂の人「はい」
朝 先に起きた大和がココアを注文し、ココアよりも多い砂糖を投入しつつ、寝起きで目つきの悪いシルバーに渡す
大和「好きだろ?ココア」
シルバー「………さっき砂糖大量に入れてなかった」
大和「朝から甘いものは脳に良い それにココア好きだろ?」
シルバー「…………」
ココア好きなのは変わっていなかったが少し入れすぎたか?
ココアを飲むシルバーの顔は少し「甘っ」という顔
シルバー「…………めちゃくちゃ甘いんだけど てか大和さんは何飲んでんの?」
大和「めちゃくちゃ入れたからな ブラックコーヒー」
シルバー「…………昔はコーヒー飲めなかったのに………(ボソッ)」
「ビキッ」
シルバーの余計な一言によって食堂が一瞬にして嫌な空気に……
シルバー「(あっやべ)」
大和「誰がコーヒー飲めなかったって??(激怒)」
シルバー「…………大和さん」
大和「シールーバー??」
完全に大和を怒らせたシルバーは、大和の早業によって膝十時固めを食らうことに
シルバー「いだだだだだだ!!!」
大和「俺に言うことあるよな?」
シルバー「ちょっ首首!!いだだだだだだだだだ!!!」
ある意味カオスな状態で、大和はさらに力を使って首も絞めていく
シルバー「ごめんなさいごめんなさい!!もう言いません!!!」
大和「なら良い」
シルバーが謝ったことによって漸く終わり、大和はシルバーに仕事に行くよう言う
大和「…………」
あの頃は楽しかったな………
時折大和の脳裏に浮かぶ学生時代の記憶………今ではその記憶とシルバーが大和の支え………
大和「…………」
怜皇はかつての姿を無くし………俺は幸福を失ったか………
大和もまた…………大切なモノを失った1人………
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