捕食者と逃げる者

ハーマ

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主と従者

颯斗と鳳凰

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颯斗視点

颯斗「…………」

鳳凰「颯斗  目を覚ましたか!?」

颯斗「おー……」

鳳凰「何が欲しいものあるか?」

颯斗  ここ俺の部屋のベッドか……

颯斗「取り敢えず水くれるか?喉が渇いた」

鳳凰「OK」

颯斗  まだ眠いが……彰の事が気になるし……

起き上がった颯斗は鳳凰から水を受け取ってそれを飲んでから身体がちゃんと動くか確認

颯斗「ファーストレディ」

ファーストレディ「颯斗  もう動いて大丈夫なのですか?」

颯斗「大丈夫です  あの……彰は?」

ファーストレディ「彼なら医療室に居ますよ」

と答えられ颯斗は鳳凰と一緒に医療室へ

颯斗「邪魔するぞ」

捕食者「颯斗様  もう動いても宜しいのですか?」

颯斗「ピンピンしてるから大丈夫だ  東条って奴いるだろ?2人っきりで話がしたい」

捕食者「畏まりました」

颯斗は捕食者の中でも位が高く幹部の者でも「様」付けして呼ぶ程

颯斗「……8年ぶりか?彰」

まだ治療が済んでいない上に傷が癒えていないのか彰は未だベッドの上に身体を固定状態

彰「ご無沙汰しています  中佐」

颯斗「俺はもう中佐じゃないぞ  ……今回の件お前がいなければ死んでいたかもしれない……本当に助かった……有難う」

彰「感謝をされる様な事はしていません……中佐が身を呈して俺を護ってくれたあの恩は忘れていませんから」

そう……颯斗が軍を抜けたのは彰を身を呈して護ったから……他にも理由はあったが彰はその事に本気で感謝していた

颯斗「お前は無実だったんだ  なのに濡れ衣を着せられて軍を脱退させられるなんておかしいだろ」

彰「まさか其の濡れ衣を中佐が着て軍を脱退したのには本気で泣きました」

颯斗「その後にお前軍の上層部5人と5対1で戦ったんだろ?結果的に勝ったらしいが……この片目は……お前が戦い傷つき……俺を護ろうとした証拠……だろ?」

そう言って颯斗は彰の片目の眼帯を外してもう見えなくなった目に優しく触れる

彰「泣きそうな表情をしないで下さい……貴方は真剣になっている時や笑っている時の方がとても似合う」

颯斗「…………」

かつて……颯斗は男である彰が好きだった……だけどそんな彰が濡れ衣を着せられたと知り、いてもたってもいられなくなり己が濡れ衣を背負い軍を脱退した……今でもその気持ちは薄れていないが颯斗には誰にも言えない秘密があった……故に気持ちを伝える事も……昔の様に戻る事も出来ない

颯斗  俺はもう長くは無い……良くて2年……短くて今年で俺の命は終わる……

颯斗は見え透いているのだ……己の最後を……

颯斗「彰  お前は捕食者か?」

彰「少なくとも人ではありません  ですが「捕食者」かと聞かれたら答えられない」

颯斗「……ファーストレディはその事を知っているのか?」

彰「存じ上げています  「ここに居なさい」と言われました」

颯斗  嗚呼……彰もこちら側……か……

正直颯斗は「捕食される側」でいてほしい気持ちもあった……捕食される側ならば自分に刃を向けられるし殺すことだって可能

鳳凰「…………」

鳳凰  辛いのか……颯斗……

鳳凰は颯斗と感情を共有していた……例えその場に居なくても、感情以外にも痛みや苦痛を共有しており颯斗の気持ちがよくわかる

颯斗「…………」

颯斗は彰に対して何かを言おうとした……だが言葉が出てこなかったのか何も言わない

颯斗  これを言った所で現状は変わらない……捕食者と人間……分かり合う事が出来るかどうかなんて本人達次第だ

颯斗は本音と言う本音を余り言わない……鳳凰には比較的言っているが全てじゃない

颯斗「……っ……」

彰「?」

颯斗「……何でもない  俺はそろそろ出る」

そう言って颯斗は医療室から出て鳳凰と合流

鳳凰「大丈夫か」

颯斗「…………」

鳳凰「…………」

完全に大丈夫ではない

颯斗「お前は此処に居ろ」

鳳凰「行くのか」

颯斗「ああ」

鳳凰  今度はいつ帰ってくるんだろうか……

鳳凰を置いて颯斗は武器と防具をロクに持たずにバイクに乗ってその場から逃走した

ファーストレディ「鳳凰  本当に何も知らないのですか?」

鳳凰「……颯斗が俺を置いていくのは民家だけだった……なのに今回武器と防具をロクに持たずに出て行った……まるで「殺して欲しい」……「死んでしまいたい」と言うかのように……」

ファーストレディ「つまり颯斗の様子がおかしかったと?」

鳳凰「かなりな  颯斗が彼処まで悲しそうな表情をしたのは初めてだ……あの「東条」とか言う青年と颯斗は昔何かあったんだろう……彼の記憶を見たが昔の事はロクに覚えていなかった……恐らく颯斗が記憶を消すような事をしたんだと思う」

颯斗が逃走し捕食者がその捜索に当たっている最中(さなか)……鳳凰は零した……「あの2人は昔何かあった」と

颯斗「いっその事……殺してくれよぉ……」

颯斗  何で覚えてないんだよ……彰……

バイクを降り颯斗は泣いていた……颯斗は昔誰よりも大切な人が居たのだ……命にも等しい人を彰が殺し颯斗を殺し損ねた……と言うよりは殺さずに生かしたのだ……半殺しにされた時の傷跡は今でも残っているし今尚痛む

捕食者「颯斗様……?」

捕食者達は直ぐに颯斗を発見したが颯斗の様子がおかしく動揺

颯斗「もう……殺してくれよ……」

捕食者「!!颯斗様!!!」

「キィン」と言う音で刃が交わり颯斗は回避不可

捕食者「颯斗様を抑えろ!!」

颯斗「っ!!」

捕食者「何があったのかは存じません……しかし颯斗様の涙は……悲しみは我々の悲しみである事を理解して頂きたい」

颯斗「がっ……」

捕食者の1人が抑え込まれている颯斗の首を失神する程度で締め颯斗は失神

ファーストレディ「……本当に……昔一体何があったのかしら……颯斗がここまで錯乱し自ら死にに逝くなんて……」

失神した颯斗は洗脳こそ解けていなかったが年の為に拷問部屋へ運ぶ

颯斗「…………」

捕食者「起きました?」

颯斗「…………」

捕食者「なぁこれ何かわかるか?」

そう言って捕食者が見せたのは糸の通されたボール

颯斗「…………」

颯斗  腕を上に縛られて口枷をされた上に下半身の服を着ていないこの状態でそれが何に使われるなんてたかが知れている

捕食者「まぁこの状態じゃあ予想もつくよな?今回はファーストレディから「酷くしていい」とのお達しだし早々壊れない体の作りだ  これ使っても問題は無い」

そう言って捕食者達は拘束されてろくに動けない颯斗を弄ぶ

颯斗「…………」

捕食者「声抑えてるけどその我慢  いつまで持つかね?こっちはもうビンビンだけどな」

颯斗「ふっ……!!」

颯斗の身体は何度も犯されて快楽を知ってしまい快楽にはとことん弱い

颯斗「ふぅ……んっ……んん」

捕食者「やっと薬効いてきたか?お前の身体見た目によらず快楽に敏感だからなぁ……これ入れといてやるよ」

颯斗「!?」

颯斗  いつ薬盛られた!?つかその金属何!?

捕食者「暴れるなよ?暴れたらお前が辛いだけだ」

そう言って捕食者は抵抗の見せた颯斗の足をホールドし、持っていた尿道攻め用の金属を先走りを流している颯斗のモノにズブズブと入れていく

颯斗「~~~~!!!!!」

捕食者「イイ所に当たったみたいだな」

颯斗「!?~~~~!!!!!」

捕食者「………あ?……お前今ドライでイッたのか?」

金属を弄っていた捕食者が微かな変化ではあったが身体が震え颯斗がドライでイッたのを察知

捕食者「凄いな  これ入れただけでイくなんてさ」

颯斗「っ……!!」

捕食者「顔赤くなってるな  流石に羞恥心でも感じたか?」

颯斗「っんぁ……」

颯斗  タダでさえイッた後で身体が……

捕食者「この状態で止められると思うか?……悪いんだけどここにいる全員お前が「犯されてる」ってだけで、興奮する変態共が集まってるからことちら止められねぇんだよ」

颯斗「っ……ん……!!んん……」

颯斗  それ弄られたら……また……

目の前にいる捕食者は金属を弄っており的確に颯斗を追い詰めていく

颯斗「んんんん!!」

捕食者「またドライか……もしかしてもう癖になってんのか?」

颯斗  快楽が静まらない……ずっと長引いて……

快楽が強すぎて最早イキっぱなしの状態になっている颯斗は生理現象で泣いている

捕食者「そろそろこれ入れるか」

そう言って捕食者の1人が颯斗の片足を持ち上げて糸の通されたボールを入れていく

颯斗「……ん……んん」

捕食者「声が漏れてるぞ」

颯斗  腹ん中……変な感じする……

異物が入っている故に違和感を感じてしまう

颯斗「ゔぁ……ぁ……んん!!」

颯斗身体は慣らしナシでもいける身体にまで調教されており捕食者はそのまま突っ込む

颯斗  動きが……早……

颯斗「んんん……んぅ……うぅ!!」

律動の速さに颯斗自身がついていけていない

颯斗  胎内(なか)……ボールでゴリゴリして……

颯斗「!!!!!」

捕食者「あ?………失神したのか?」

動きが早すぎて颯斗は失神したのだが……

颯斗「……はふへ」

捕食者「え?」

颯斗「ふひはへほはふへ」

捕食者「…………」

捕食者としての意識が覚醒した颯斗が「口枷を外せ」と言う

颯斗「たった今意識が切り替わったんでね  ヤるんなら理性がぶっ切れるまでヤれ」

捕食者「本当に颯斗様には敵いませんよ」

颯斗「はっ……俺を落としてみろ」

捕食者「御意」

その後  捕食者が颯斗を手荒く抱き颯斗の理性はぶっ切れたが堕ちる所まで行かず、颯斗の相手をした捕食者達はもはや立てなくなったと言う……

鳳凰「颯斗  お前東条と昔何かあったのか」

颯斗「無かったらあそこまで錯乱しねぇよ」

鳳凰「……お前本当は記憶が……」

颯斗「さっさと狩りに行くぞ」

颯斗は本当は人間側に立った時の記憶が残っていた……だがそれをずっと隠していただけ……

颯斗「もう……時間が無い」

颯斗のその言葉は強い風と共に消え去った……
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