血と踊る流動体

入江円

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第一章 戦争

Four. Hi

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そんな感じで救助をしながらバンパイアを殺し、たまに昼間の戦争で部隊に応援として呼ばれたり、楽しい日々を送っていた。

私のベッドの上の住人は目と腕を吹き飛ばされていなくなった。
気付けば周りに知っている人はいなくなっていた。医療班の人ですら、いつの間にかいなくなっている人もいた。

3ヶ月が経ち、12月と寒い季節になった。
バンパイア共にとっては身体の維持がしやすい季節だ。
当然私が来た時よりも攻撃に磨きが入る。
私はまだソロで活動している。と言いたいところだが、新しく二人程入った。

二人とも地理に長けているから疎い私としては助かる。
食料を狩るのも上手い。



最初に司令部から呼び出された時は何事かと思った。中に入ると既に二人の兵士が突っ立っていた。

一人は、木の枝の上の彼だ。どうやって向こうの国からからこっちに来たんだろう。少し嬉しい。…え?こっちの兵士?
もう一人は私が最初に助けた兵士だそうだ。
血塗れの彼か。今日はドロドロしてないからよくわからなかった。割と傷が目立つ容姿をしている。


司令部から雪山に拠点を置いてバンパイアを駆逐して欲しいと要請が出た。余力があれば敵も殺して欲しいそうだ。それは、人間としての能力的に可能な行動なんだろうか。
一応私は少し渋ったが、結果承諾した。
私の補佐として二人を連れていくことを今回の作戦に追加してくれた。好きに使っていいと。
なんだ、二人ともこちらの兵士だったのか。一人は敵国にスパイとして潜っていたらしい。なーんだ。追いかけてきてくれた訳じゃなかったのか。ちょっと寂しかった。
そしてサプライズとして、女を用意したから暖まってから行けと言った。一晩私に貸してくれるそうだ。色々たまっているだろう、と。ははーん。
生きて帰ってこいとも言っていた。とっておきのサプライズをしてやると。あんまり嬉しくはない気がするけど。

女達のテントは私が来る前からあったが、一度も使ったことがなかった。私の元々の性別は女だし。男の方も使えるけど。

こういう場所にくる女達は魔女が多い。流石性欲が強いだけある。戦に出た男は自分を鎮めようと女を夢中で抱く。死ぬ前に子種は残したいよな。残らないけど。
生き物は少なからず魔力を持っている。体液を交換したり、草原で寝っ転がったり、それだけで魔力は回復する。
魔女達が求めているのは男の子種から得られる魔力だ。性欲が強く逞しい程得られる魔力も強くなる

恐らく私と寝る女も魔女だろう。普通の女はなかなか来ないからな。
二人にも声をかけてみるか。使いたいなら譲ろう。

命令ならば寝る、と。命令じゃないなら寝ないのか。そうか。
隊長命令じゃないと寝ないのか。

真っ直ぐな目と死んだ目の二人を見て変わった奴らだと思った。子種を残して死にたくないのか。死なせないけど。

やっていけるだろうか。
私は子種を頂戴したい部類だ。魔力として。蓄えても損しない、魔力。余ったら貯蓄として封印するだけだ。








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