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舞踏会のはじまり!
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どうして、こうなっているんだ?
右ではジンがジャックを睨み、左ではジャックが余裕の笑みを浮かべて私を見ている。
うん、どうしてこうなった!
「ここが舞踏会の場所ですか?」
車がとまった場所に目を向ける。大きな宮殿の様な建物が建っていた。
「うん、ベジューナ王国きっての大舞台がある【蜃気楼館】という名前らしい」
「へー、だけどなんで私は女装をしているんでしょうか?」
「ジーナに似合うと思ったんだ。本当に綺麗だよ、ジーナ」
「ありがとうございます。ジン」
「うん」
女である私が女装とか、あー王命でなければこんな事になっていないのに!
しかし、久しぶりにスカートだな。足もとからスース―するよ。狩りばっかりしていて、スカートなんて学校行っていたぶりだよ。ヒールなんて初めて履いたし、転ばないように気を付けないと。
「やぁ、ジン。待っていたよ」
「げっ!」
「やぁ、ジャック王子」
「おや、女性を連れてくるなんて珍しいね」
「綺麗だろう? そう思うかいジャック」
「まぁ、ジンよりは見劣りはするがイイ女だな」
いやぁーーーーーー、これってジーナだってバレたらイケないパターンでは?
「しかし、見た事がある顔だ。え……、まさかお前は……さっきの男か?」
「いや、あの!」
「なんだ、女なのに男の恰好をしていたのか!」
このジャック王子、メザトイ!
「ふーん、へー……」
ジャック王子に足元から頭までジロジロと値踏みされているようで、居た堪れない。
「女なら、さっき出した賞金首から外してやってもいいぞ」
「え?」
「ただし、条件があるがな」
「なんですか」
ろくでもない事を考えている様で最悪だ。いい予感がしない。
「ジンもジーナも俺のハーレムに加わればいいぞ」
「はい、却下!」
「なっ、俺のハーレムに入れる栄誉を断るとは、いいねー、ますます欲しくなった」
「ジャック、ジーナは僕のものなんだけど! ていうか、ジーナは男だぞ」
「ジン、俺は男でも女でも欲しい者は俺のものにしてきた。ジーナもしかりだ」
「ジャック、僕に喧嘩を吹っかけているのか!」
「ならば、二人が結婚したら俺のハーレムに入るがいい」
いやいや、ジャック。その提案が変だから!
「悪いけど、僕もジーナも君のハーレムに入る予定はないよ」
「ふーん、そんなに武術大会で勝てると思っているようだね。まぁ、いいさ。今は夢を見ているがいい、俺の国の騎士は強いぞ。ジン、お前の国の騎士とは互角に戦えるかな?」
「ジャック、その喧嘩買ってやる」
「ジン、落ち着いて!」
「俺は先に会場で待っている。ゆっくりこればいい」
ジンはジャックが中に入っていくのを見ると、ため息を吐いた。
「こんな事ならジーナの自慢なんてするんじゃなかった」
「ジン」
何を今さら言ってるんですか! 遅すぎます!
「ジーナが魅力的ならジャックも賞金首からやめてくれると思ったのに、裏目に出てしまった」
「ジン、まさかそのためにこのドレスを用意してくれたんですか?」
「うん、ジーナには怪我なしで武術大会に出てほしいからね」
「けれど、ジャックに気に入られましたね。本末転倒ですね」
「うん、そうだね」
「ジン」
「うん?」
私はドレスのままジンにひざまついた。
「必ず、王子にの期待に応えてみせます。貴方の剣として」
「うん、ジーナ。期待しているよ」
「おい、ジーナ何恰好つけているんだよ」
レインとリインが私の横に立って、見下ろしてくる。
「ジン王子に勝利を献上するのは当たり前だろう」
「そうそう、王子様の期待に応えないとね」
私は立ち上がって、蜃気楼館に足を踏み入れた。
「もちろん!」
ジーナが女だったと言うのがジャック王子にバレたのは誤算だな。だが、俺の計画に狂いはない。舞踏会で手を出せないなら、武術大会でぐちゃぐちゃにしてやるよ!
なんだろう、寒気がする?
ジーナは腕を軽くさすった。
こうして、舞踏会が開催されるのだった。
右ではジンがジャックを睨み、左ではジャックが余裕の笑みを浮かべて私を見ている。
うん、どうしてこうなった!
「ここが舞踏会の場所ですか?」
車がとまった場所に目を向ける。大きな宮殿の様な建物が建っていた。
「うん、ベジューナ王国きっての大舞台がある【蜃気楼館】という名前らしい」
「へー、だけどなんで私は女装をしているんでしょうか?」
「ジーナに似合うと思ったんだ。本当に綺麗だよ、ジーナ」
「ありがとうございます。ジン」
「うん」
女である私が女装とか、あー王命でなければこんな事になっていないのに!
しかし、久しぶりにスカートだな。足もとからスース―するよ。狩りばっかりしていて、スカートなんて学校行っていたぶりだよ。ヒールなんて初めて履いたし、転ばないように気を付けないと。
「やぁ、ジン。待っていたよ」
「げっ!」
「やぁ、ジャック王子」
「おや、女性を連れてくるなんて珍しいね」
「綺麗だろう? そう思うかいジャック」
「まぁ、ジンよりは見劣りはするがイイ女だな」
いやぁーーーーーー、これってジーナだってバレたらイケないパターンでは?
「しかし、見た事がある顔だ。え……、まさかお前は……さっきの男か?」
「いや、あの!」
「なんだ、女なのに男の恰好をしていたのか!」
このジャック王子、メザトイ!
「ふーん、へー……」
ジャック王子に足元から頭までジロジロと値踏みされているようで、居た堪れない。
「女なら、さっき出した賞金首から外してやってもいいぞ」
「え?」
「ただし、条件があるがな」
「なんですか」
ろくでもない事を考えている様で最悪だ。いい予感がしない。
「ジンもジーナも俺のハーレムに加わればいいぞ」
「はい、却下!」
「なっ、俺のハーレムに入れる栄誉を断るとは、いいねー、ますます欲しくなった」
「ジャック、ジーナは僕のものなんだけど! ていうか、ジーナは男だぞ」
「ジン、俺は男でも女でも欲しい者は俺のものにしてきた。ジーナもしかりだ」
「ジャック、僕に喧嘩を吹っかけているのか!」
「ならば、二人が結婚したら俺のハーレムに入るがいい」
いやいや、ジャック。その提案が変だから!
「悪いけど、僕もジーナも君のハーレムに入る予定はないよ」
「ふーん、そんなに武術大会で勝てると思っているようだね。まぁ、いいさ。今は夢を見ているがいい、俺の国の騎士は強いぞ。ジン、お前の国の騎士とは互角に戦えるかな?」
「ジャック、その喧嘩買ってやる」
「ジン、落ち着いて!」
「俺は先に会場で待っている。ゆっくりこればいい」
ジンはジャックが中に入っていくのを見ると、ため息を吐いた。
「こんな事ならジーナの自慢なんてするんじゃなかった」
「ジン」
何を今さら言ってるんですか! 遅すぎます!
「ジーナが魅力的ならジャックも賞金首からやめてくれると思ったのに、裏目に出てしまった」
「ジン、まさかそのためにこのドレスを用意してくれたんですか?」
「うん、ジーナには怪我なしで武術大会に出てほしいからね」
「けれど、ジャックに気に入られましたね。本末転倒ですね」
「うん、そうだね」
「ジン」
「うん?」
私はドレスのままジンにひざまついた。
「必ず、王子にの期待に応えてみせます。貴方の剣として」
「うん、ジーナ。期待しているよ」
「おい、ジーナ何恰好つけているんだよ」
レインとリインが私の横に立って、見下ろしてくる。
「ジン王子に勝利を献上するのは当たり前だろう」
「そうそう、王子様の期待に応えないとね」
私は立ち上がって、蜃気楼館に足を踏み入れた。
「もちろん!」
ジーナが女だったと言うのがジャック王子にバレたのは誤算だな。だが、俺の計画に狂いはない。舞踏会で手を出せないなら、武術大会でぐちゃぐちゃにしてやるよ!
なんだろう、寒気がする?
ジーナは腕を軽くさすった。
こうして、舞踏会が開催されるのだった。
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