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お茶会4
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空気が重い。だが、何か話を話題を出さないと、この空気は変わらない!
どうする、僕! 何も本当に浮かばない。話って今までどうやってしてきたかすら覚えていない、記憶が混乱している。僕が百面相をしているとシフォンが心配そうに声をかけてくれた。
「大丈夫か、アル?」
「……っ!」
くそ、くそ! 美形が羨ましい! どんな角度でも美しいからだ!
僕は凡人だからな、一生無理だな!
「すみません、今日のお茶会は俺とアルはココまででお願いします」
シフォンがマークス王子を見ながらそういった。
「……確かに顔色が悪いな、部屋に戻って休むといい」
マークス王子にそう言われて、僕はシフォンと一緒にお茶会を後にした。
「行ったか」
マークスが二人の背が消えてからボソリと呟く。
「あんな、人を心配して焦っているシフォンは初めて見る」
スルベルも頷きながら、話に入ってくる。
「確かに、婚約者とはそんなに夢中になるものなのか?」
「そりゃー、好きな人となら楽園でしょうね!」
マークスの疑問にアーシュはこたえて、話を続けた。
「シフォンお兄様の初恋の相手みたいですからね。一目惚れだったみたい」
「知っていて、アルフォン様に婚約話を持ち掛けたのか! 頭痛がしそうだ……」
クレベルは長いため息をしながら、頭をかかえた。そしてある事を思い出した。
「そういえば、アルフォン様に会いたいなと言っていたな。同盟国のガルバ国の第二王子だが、パーティで見た瞬間に恋に落ちたとか言っていた」
「モテルな、アルフォン様は」
マークスが感心する。
「今回のシフォン様との婚約を取り消してほしいと言ってきているほどの気に入り様なんだよな。そして、婚約者に成り代わりたいと思っているらしい。シフォンはあんなに、女性からも男性からも好かれるのに、よりにもよってあんな凡人を。何処がいいのか?」
「まぁ、クレベル兄様は分かってないのね。あんな、平凡な外見だけど貴族で魔法も学問も体術も優秀、人当たりも悪くない。恋人がいないのが不思議だわ」
「そう言われたら、そうだな」
「シフォンお兄様のあの裏の顔を見せても、驚くどころか「やっぱり」っていうところが余計に気になるの。私もシフォンお兄様の裏の顔を知っているつもりだったけど、初めて見たら身動きできなかった。怖くて。けど、アルフォン様は普通だった」
「確かに、アルフォンはシフォンの性格を知っていた」
「そうよ、そうだと思う。クレベル兄様! だから、驚いていなかった」
「肝が据わっているな」
クレベルは感心した。
「だから、選ばれたんだろうな。シフォンの相手は普通に奴では無理だ。アイツは優秀すぎるからな」
「スルベルもそう思うか」
「マークス兄様、ガルバ国の第二王子の名はなんだったか、覚えているか?」
「確か、カイン・アルベルト様だが、どうかしたのか?」
「いや、教えてくれてありがとう、マークス兄様」
名前を知ったのは邪魔するためだよ。
シフォンだけに婚約者が出来て、俺達に出来ない。城の中では俺達四人の印象は悪くなっていく一方。王子や王女なのに婚約者が決まらない、恥だと。
だが、シフォンは違う。
アルフォンという優秀なパートナーを手に入れた。
それが、俺達との違い。
その違いの所為で俺達の良い噂話をしない下っ端たち。
イライラするんだよ。
だから、このイライラの解消法はアルフォンで返すことにする。
シフォンの気持ちに、アルフォンは気づいている様子はなかった。
ならば、別れさせるまでだよ。
アルフォンには国の利益になる様に、カイン様の婚約者になってもらおう。
カイン様は赤い髪に赤い瞳に白い肌。美青年だと言ってもいい。
シフォンも正統派の美形だが。カイン様は野性的な雰囲気があり色気がある美形。
さて、アルフォンとシフォンの婚約が神に認められていても、俺よりも先に婚約者出来るのが許せないんだよね。
さて、どう料理するかな。
どうする、僕! 何も本当に浮かばない。話って今までどうやってしてきたかすら覚えていない、記憶が混乱している。僕が百面相をしているとシフォンが心配そうに声をかけてくれた。
「大丈夫か、アル?」
「……っ!」
くそ、くそ! 美形が羨ましい! どんな角度でも美しいからだ!
僕は凡人だからな、一生無理だな!
「すみません、今日のお茶会は俺とアルはココまででお願いします」
シフォンがマークス王子を見ながらそういった。
「……確かに顔色が悪いな、部屋に戻って休むといい」
マークス王子にそう言われて、僕はシフォンと一緒にお茶会を後にした。
「行ったか」
マークスが二人の背が消えてからボソリと呟く。
「あんな、人を心配して焦っているシフォンは初めて見る」
スルベルも頷きながら、話に入ってくる。
「確かに、婚約者とはそんなに夢中になるものなのか?」
「そりゃー、好きな人となら楽園でしょうね!」
マークスの疑問にアーシュはこたえて、話を続けた。
「シフォンお兄様の初恋の相手みたいですからね。一目惚れだったみたい」
「知っていて、アルフォン様に婚約話を持ち掛けたのか! 頭痛がしそうだ……」
クレベルは長いため息をしながら、頭をかかえた。そしてある事を思い出した。
「そういえば、アルフォン様に会いたいなと言っていたな。同盟国のガルバ国の第二王子だが、パーティで見た瞬間に恋に落ちたとか言っていた」
「モテルな、アルフォン様は」
マークスが感心する。
「今回のシフォン様との婚約を取り消してほしいと言ってきているほどの気に入り様なんだよな。そして、婚約者に成り代わりたいと思っているらしい。シフォンはあんなに、女性からも男性からも好かれるのに、よりにもよってあんな凡人を。何処がいいのか?」
「まぁ、クレベル兄様は分かってないのね。あんな、平凡な外見だけど貴族で魔法も学問も体術も優秀、人当たりも悪くない。恋人がいないのが不思議だわ」
「そう言われたら、そうだな」
「シフォンお兄様のあの裏の顔を見せても、驚くどころか「やっぱり」っていうところが余計に気になるの。私もシフォンお兄様の裏の顔を知っているつもりだったけど、初めて見たら身動きできなかった。怖くて。けど、アルフォン様は普通だった」
「確かに、アルフォンはシフォンの性格を知っていた」
「そうよ、そうだと思う。クレベル兄様! だから、驚いていなかった」
「肝が据わっているな」
クレベルは感心した。
「だから、選ばれたんだろうな。シフォンの相手は普通に奴では無理だ。アイツは優秀すぎるからな」
「スルベルもそう思うか」
「マークス兄様、ガルバ国の第二王子の名はなんだったか、覚えているか?」
「確か、カイン・アルベルト様だが、どうかしたのか?」
「いや、教えてくれてありがとう、マークス兄様」
名前を知ったのは邪魔するためだよ。
シフォンだけに婚約者が出来て、俺達に出来ない。城の中では俺達四人の印象は悪くなっていく一方。王子や王女なのに婚約者が決まらない、恥だと。
だが、シフォンは違う。
アルフォンという優秀なパートナーを手に入れた。
それが、俺達との違い。
その違いの所為で俺達の良い噂話をしない下っ端たち。
イライラするんだよ。
だから、このイライラの解消法はアルフォンで返すことにする。
シフォンの気持ちに、アルフォンは気づいている様子はなかった。
ならば、別れさせるまでだよ。
アルフォンには国の利益になる様に、カイン様の婚約者になってもらおう。
カイン様は赤い髪に赤い瞳に白い肌。美青年だと言ってもいい。
シフォンも正統派の美形だが。カイン様は野性的な雰囲気があり色気がある美形。
さて、アルフォンとシフォンの婚約が神に認められていても、俺よりも先に婚約者出来るのが許せないんだよね。
さて、どう料理するかな。
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