悪役令息と悪役令嬢の兄と姉を守りたいので第四王子との恋愛フラグをへし折りまくります!

いずみ

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実家に帰ります!4

 馬車に揺られながら、姉様と兄様の婚約者のリストを見ていた。
「どいつもこいつも、相応しくない!」
 どうして、こんな連中を父上と母上は承諾してしまったんだ!
 リストをもう一度見直すと、やはりゲンナリしてしまう。
 俺様で父親の金で遊んでいる男、女でも男でも綺麗なものが好きな男、マゾな男など、あげたらキリがない、汚点だらけの婚約者候補のオンパレードだ。
 こんな奴らに姉様と兄様は勿体ない! いや、不釣り合いだ!
 親指の爪の先を口の歯で嚙みながら、リストに目を通していく。だが、まともな人間が居なかったのだ。どうして、どうして、どうして、あんな美しい人たちが不幸になるような人選を選んだんだ! 
「家に帰ったら、父上を殴ろう。うん、そうしよう」
 僕はなんとか、落ち着くために深呼吸をした。その時に急に馬の悲鳴が聞こえて、馬車はとまった。僕は盗賊でも出たのか思って、小型のナイフを服にいれて馬車からおりた。
「どうした、何事だ!」
「すみません、アルフォン様。突然、人が馬車の前に出てきたので」
「人?」
 僕は従者の一人が指さす方に視線を向けた。
 そこには、馬車の前で腕組をして立っている男と、二歩ぐらい後ろで立っている女がいた。二人とも見た事のない軍服の服装だった。
「あー君がアルフォン・ガゼンでいいのかな?」
「顔は一緒ですよ」
 男が話すと、女は似顔絵のイラストをこちらに見せてきた。
 僕の顔が描かれている。
「俺達、遠い外国の国からお前を始末するために呼び出されたんだ」
「貴方が死ねば、嬉しい人が多いみたいね」
 二人はクスクスと笑い出す。僕は苛ついたがおさえて言葉を発した。
「余裕みたいな感じだけど、僕に本当に勝てると思っているなら、甘くみられたみたいだな」
 男は黒い笑みを張り付かせて、僕をじっと見てくる。観察している様に見える。だが、一体、何を?
「君の凄い噂は所詮は噂なんだから」
「そうそう」
「俺の贅沢に過ごす金を手に入れるための踏み台になってね」
「そうそう」
 俺はゴクリと唾を飲み込む。こいつ等、強い。殺気が身体にビリビリと伝わってくる。
「名前は何と言うんだ?」
「え、名前? 死ぬのにいる?」
「いいじゃない、死ぬんだしさ」
「そうだね。俺は暁(あかつき)でこっちの美人の子が日暮れ(ひぐれ)。殺しを生業にしている団体に所属しているんだ。殺しや人攫いに盗みなど、生きるためにいろいろしたよ」

 こいつら、善悪の感覚がおかしい。

「俺は小さな頃から人殺しをしていてね、人が亡くなっても何も感じないだよ。あ、しゃべりすぎたかな? まぁ、いいか。今、ココで君が死ぬんだから。問題ないよね。セーフ!」
「暁、本当にしゃべりすぎだよ。さて、殺しますね」

 この手は使いたくなかったが! 仕方ない!

「お前らの雇い主はどうやって決めている?」
 俺は二人の殺し屋に聞いた。
「「え?」」
「どうやって決めている?」
 これが、僕に出来る二人を生かす方法。
「お金かな。料金設定、俺達高いから」
「なら、お前らの雇い主の倍だそう」
「…え?」
「どうした、嘘はつかない主義なんだが」
「お前、本当に変な奴だな」
「何処がだ?」
「普通、殺しに来た人間を懐柔しようとするか?」
「命にはかえられない」
「あはははははあははははあははあははははっ! こんなに笑ったのは久しぶりだ! いいよいいよ、金さえ貰えれば俺と日暮れは何もしないよ」



 命拾いしたのは殺し屋の方だった。

 アルフォンが本気を出せば、こんな小さな森など消し飛ぶからだ。アルフォンの従者を守るために、したでに出たが従者がいなければ、殺し屋はアルフォンの怒りをそのまま身体で味わっただろう。子供だと思って侮ってはいけないのだ。
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