悪役令息と悪役令嬢の兄と姉を守りたいので第四王子との恋愛フラグをへし折りまくります!

いずみ

文字の大きさ
42 / 55

占い対決

 リジュ様は何処へ連れていかれた?
 俺だったら、俺と言う追っ手を振り払いたいから、何処かに閉じ込めるだろう。
 しかも、近くて見つかりにくい所だ。
 隠し通路や扉などが存在するだろうか?
「アル、どうした?」
「ここの城の地図を持っているか?」
「一応、あるが? どうしたんだ?」
 俺はシフォンから地図を奪い、紙を広げた。
 ざっと見て、普通のつくりの城だ。だが、王族専用の逃げ道は用意されているはず。
 何処かに、この近くで隠れる場所は。
 何処か見落としている。何処だ、焦るな。俺は一度目を閉じて、深呼吸をして息を吐いた。
そうして、地図を見るために目を開く。
 違和感を感じる。よく見ると、壁だけで出入り口がない部屋があった。
「シフォン、此処の部屋には出入り口がない」
「書き間違えたか、失敗作の地図を掴まされたか?」
「いや、違う。きっと、この地図は正しい。何処かに、入り口になる所があるはずだ。この地図からして、扉はなく、床に扉がついているようだ」
「なら、この部屋にリジュ様が監禁されている?」
「そうだと思う。だが、入り口は何処にあるのか。検討がつかない」
「なら、今からする事を内緒にしてほしい」
「シフォン?」
 今からする事って?
 シフォンは目を閉じて、呪文を唱えると首飾りのロザリオがある一定の方向をさした。
 シフォンは目を開けて、俺に「内緒だからな」と苦笑してきた。
 知られたくない魔法の一種なのだろう。
 分かる、姉様の魔法を利用しようとしてくる輩はいた。全員、身体的に精神的にボコボコにしてやった。俺の大事な人を大事に出来ない人は必要ないからな。
「分かった、男の約束だ」
「あぁ、ありがとう。こっちから、リジュ様の魔力が探知されている」
「便利だな」
「魔力の消費も酷いからあまり使いたくはないが、今は非常事態だからな」
 俺はシフォンに前を歩いて貰った。すると、数十歩ほど歩いた壁の方を向くロザリオ。
 シフォンは壁に手をあてると、ロザリオはある一つのレンガをさし示していた。
 そのレンガを押してみた。
 ドガガガッ! と大きな音をたてて、廊下の床下から通路があらわれた。
 下が真っ暗な階段が見える。
 基本魔法のファイアで下に続く階段を照らす。結構、深いようだ。
 だが、この先にリジュ様が居る気がした。
 シフォンを見ると、ロザリオはただの首飾りに戻っていた。
「便利な魔法だな」
「そうでもない、体力と魔力消費が大きいからな。一日、三度までが限度だ」
「そうか、それじゃ姫様の奪還行きますか!」
 俺はそう言って、階段を降りていった。
 階段を降り終わると、扉が開いていた。
 おいおい、なんか怪しいぞ。
 けど、進む道はこの目の前の扉だけ。
 俺は緊張している心臓を息を吐いて、落ち着かせた。
 扉を開ける、ファイアの光で中が見えた。
 リジュ様が気を失っているのか、柱に縄で括られて、目を瞑って座り込んでいた。
「イモータル! 何処だ! 出てこい!」
 俺は此処にイモータルがいると確信している。
 リジュ様だけ一人にするわけがないからだ。折角捕まえた人質を一人になんてしない。
「おやおや、分かりますか」
「イモータルっ!」
 二階にある部屋からガラス越しにイモータルがこちらを見下ろしていた。
「お待ちしておりました。だが、本当に見つけてくるなんて、驚いています。どうですか、俺と手を組みませんか?」
「悪いな、女子供に優しくない人間とは関係を持ちたくないんだよ」
「おやおや、そうですか。ならば、リジュ様には死んで頂きましょうか」
「おい、イモータル」
「なんですか?」
「この国は占いの国だよな?」
「そうですが?」
「なら占いで決めようぜ。リジュ様の運命を」
「ほう、面白い」
 イモータルの声色が軽やかになった。
これはいい、のってこい! 俺の用意した舞台で道化の様に踊るために。
「それで、どんな占いですか?」
「あまり知られていない、二人で対決してする占いだ」
「ほう」
「太陽と月という占いだ。どちらかが太陽と月になって、1~10あるカード一枚ずつを交互に三回まで引く。太陽は光の象徴、月は闇の象徴。それぞれ、特別な効果があるので使うも使わないも好きにしていい。ただし効果は一度しか発動できない。効果は三枚のカードから一枚選ぶ。決着はカードを引いた数が大きい方のカードの一番上の数で決まる。1~10の数字で奇数は不幸を意味し、偶数は幸運を意味する。だから大きい数が9なら不幸。10なら幸運だ」
「奇数だと殺す事になるのを見過ごすと?」
「あぁ、もちろん。占いで決めるのがこの国のルールだろ? ただし、偶数ならあの縄をといて貰うからな」
「いいね、いいね!」
 よし、のってきた!
「さぁ、占い対決をしようじゃないか! イモータル!」
 この占いなんてない、今先ほど俺が考えたものだ。
 イモータルは占い異常者の様だ。知らない占いをしたくて仕方ない様だ。
 俺達のもとまで階段で降りてくる時に鼻歌を歌っていた。

 さぁ、イモータル勝負だ!
感想 2

あなたにおすすめの小説

最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。

はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。 2023.04.03 閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m お待たせしています。 お待ちくださると幸いです。 2023.04.15 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m 更新頻度が遅く、申し訳ないです。 今月中には完結できたらと思っています。 2023.04.17 完結しました。 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます! すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます

七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。 歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。 世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。 気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。

召喚された聖女の俺は生真面目な護衛騎士に愛されたい

緑虫
BL
バイト帰りにコンビニを出た瞬間、西洋風な服装のおじさんたちに囲まれた片桐隼人(かたぎり はやと)。 「聖女様が御姿を現されたぞ!」 「え、あ、あの」 だが、隼人を聖女と呼ぶ赤毛の王子は隼人が男と知ると態度を豹変。金髪碧眼の美貌の騎士レオが「――ここにもうひとりおります!」と言ったことで、聖女召喚に巻き込まれただけの一般人としてレオと共に城を追い出されてしまう。 てっきりこれはドッキリの類だと思い込む隼人は、「早く家に帰ってインスタント焼きそば(辛子マヨネーズ味)を食べたい!」と願うが、事はそううまくは運ばない。 「我レオ・フェネオン、騎士の名誉に誓い、真の聖女様に揺るぎなき忠誠を捧げる」 あまつさえ、レオにそんなことを言われてしまう。 レオに連れられて異世界を移動するうちに、魔物に襲われてしまう二人。 光り輝く剣で敵を倒すレオは格好いいけど、隼人は最早リバース寸前だった。  ――ここまできたら、いい加減認めざるを得ない。俺がいる場所が施設の中とかプロジェクションマッピングとかじゃなくて、本物の異世界だってことを! だが、元の世界に帰る為には、別の召喚陣がある場所まで行かなければならない。そんな訳でレオと二人、隣国に向けて逃亡を始めた。 レオ以外に頼る相手のいない隼人は、ひとりになった瞬間恐怖に襲われる。 するとレオが「では、私の祖国に到着し王家に保護されるまでの間、私とハヤトは結婚を間近に控えた恋人同士の設定でいきましょう」と何故か言い出し――? オメガバースは独自設定です。ご了承下さい。 秘密多き生真面目イケメン騎士攻めx明るい勤労大学生受け ハピエン、完結保証。ムーンライトノベルズにも掲載中。 聖女(男)・騎士・追放・後宮・溺愛・執着・王子・異世界・召喚・敵国・偽装・オメガバース(α、Ω)

正義の味方にストーカーされてます。〜俺はただの雑魚モブです〜

ゆず
BL
俺は、敵組織ディヴァイアンに所属する、ただの雑魚モブ。 毎回出撃しては正義の戦隊ゼットレンジャーに吹き飛ばされる、ただのバイト戦闘員。 ……の、はずだった。 「こんにちは。今日もお元気そうで安心しました」 「そのマスク、新しくされましたね。とてもお似合いです」 ……なぜか、ヒーロー側の“グリーン”だけが、俺のことを毎回即座に識別してくる。 どんなマスクをかぶっても。 どんな戦場でも。 俺がいると、あいつは絶対に見つけ出して、にこやかに近づいてくる。 ――なんでわかんの? バイト辞めたい。え、なんで辞めさせてもらえないの? ―――――――――――――――――― 執着溺愛系ヒーロー × モブ ただのバイトでゆるーく働くつもりだったモブがヒーローに執着され敵幹部にも何故か愛されてるお話。

最強騎士団長の養子になったエルフ。遊び相手の王子は、僕にだけ重すぎる愛を注ぐ

えの
BL
突然知らない森に飛ばされたエルフの少年リュカ。 驚くことも無く「まぁ、森だし」で片付けてしまう。 そんなマイペースなリュカが傷心した獣人女性に出会ったことから物語が動き出す。 攻めが出てくるの少し遅いです。 執着王子×マイペースエルフ

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼不定期連載となりました。 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。

贖罪公爵長男とのんきな俺

侑希
BL
異世界転生したら子爵家に生まれたけれど自分以外一家全滅という惨事に見舞われたレオン。 貴族生活に恐れ慄いたレオンは自分を死んだことにして平民のリオとして生きることにした。 一方公爵家の長男であるフレドリックは当時流行っていた児童小説の影響で、公爵家に身を寄せていたレオンにひどい言葉をぶつけてしまう。その後すぐにレオンが死んだと知らされたフレドリックは、以降十年、ひたすらそのことを悔いて生活していた。 そして十年後、二人はフレドリックとリオとして再会することになる。   ・フレドリック視点は重め、レオン及びリオ視点は軽め ・異世界転生がちょいちょい発生する世界。色々な世界の色々な時代からの転生者の影響で文明が若干ちぐはぐ。 ・世界観ふんわり 細かいことは気にしないで読んでください。 ・CP固定・ご都合主義・ハピエン ・他サイト掲載予定あり