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光時廻計の思惑
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篠山宇は、ゲームに参加を申し込んでしまったみたいだし…参加しろと遠回しに言われているような気がしてならない。しかし、篠山宇遅いな。14時までに光時廻計という他クラスの生徒を連れて様子を見に来るとメールで送信してきたのに、もう17時を回っている。事件に巻き込まれていなければいいのだが。
ピンポーン
ガチャッ
「はい、水星宙ですが。」
「君が、水星宙君か。僕は、光時廻計。宙君、ゲームに参加すべきだよ。参加しないというのなら、宇君がどうなっても知らないということになりかねないということだよ。」
「君が、光時廻計さん。明日、参加を申し込むところだよ。廻計さんには、関係ないだろう。だって、君は参加者じゃないのだから。」
「僕も、参加者なんだ…。シリテスさんに頼み込んで、参加権を獲得した。どうしてだか、理由を知りたい?それはね…。」
嫌な胸騒ぎがした。この世界を、脅かす得体の知れない出来事が起こる予感が脳裏を過った。彼は何故、僕と宇に今になって近付いて来たのだろう。他クラスで、話したことも面識も一切ないのに。疑問と違和感だけが残った。
「それは…。いや、何でもない。大した理由ではないから、言わないでおくよ。」
「す ごく言いにくいんだけどさ…僕と篠山さんに近付いた理由を教えてほしい…。」
水星宙、君はシリテスとフィアリが言ったように開かずの扉を開けてしまい、その責任を被る必要があると判断し、彼らは水星宙にゲーム参加を促した。ということはつまり、彼は自らの手で終わらせなければならないということか…。それにしても、大変なことを仕出かしたものだ。水星宙、一体何者なのだろうか。
「近付いたのは、ずっと仲良くなりたいと思って。僕、昔から引っ込み思案なところがあって人に声を掛けるのが苦手なんだ。言わないと伝わらないって散々親に言われて…。今日こそは、言わないと…って思って言うことにした。昨日、宇君に僕のことを打ち明けたら…仲良くなれたんだ。それに、宇君が君の名前を言っていたからどんな人か気になって…。」
「そうだったんだね。言うの大変だったのに、ごめんね。篠山さんと僕と仲良くなりたかったんだね。僕、友達少ないから仲良くなれて嬉しいよ。ありがとう、光時廻計さん。」
もう少し、水星宙の様子を伺うとしよう。
「そういえば、篠山さん知らない?」
「宇君…一緒に、宙君の家に行くと言っていたけど…遅いな…。僕、宇君の様子見に行くね。たぶん…学校にいるかもしれないから…。」
宇は、まだ学校にいるのか… 。何かあったのだろうか…。僕だって、篠山宇の様子を見に行きたいが身体中熱で覆われていて歩くのもままならない。通常ならばベッドで安静にしていなければいけない状態なのだが、僕は布団を剥がし制服に着替え、おぼつかない足取りで階段を一段一段下りて行く。それを見かねた彼は、僕を抱き抱え部屋へと運んだ。
「熱がもっと悪化するといけないから、寝てて。宇君のことなら、僕に任せて大丈夫だから。」
「僕だって、心配なんだよ…。寝てたら、篠山さんを捜せないでしょう…。頼むから、邪魔しないで…。」
「宙君の為を思って言っているんだよ。君が、こんな状態ならこのゲームが一向に終わらないだろう。」
ゲームが終わらない…。それは、一体どういう意味なのだろうか…。
ピンポーン
ガチャッ
「はい、水星宙ですが。」
「君が、水星宙君か。僕は、光時廻計。宙君、ゲームに参加すべきだよ。参加しないというのなら、宇君がどうなっても知らないということになりかねないということだよ。」
「君が、光時廻計さん。明日、参加を申し込むところだよ。廻計さんには、関係ないだろう。だって、君は参加者じゃないのだから。」
「僕も、参加者なんだ…。シリテスさんに頼み込んで、参加権を獲得した。どうしてだか、理由を知りたい?それはね…。」
嫌な胸騒ぎがした。この世界を、脅かす得体の知れない出来事が起こる予感が脳裏を過った。彼は何故、僕と宇に今になって近付いて来たのだろう。他クラスで、話したことも面識も一切ないのに。疑問と違和感だけが残った。
「それは…。いや、何でもない。大した理由ではないから、言わないでおくよ。」
「す ごく言いにくいんだけどさ…僕と篠山さんに近付いた理由を教えてほしい…。」
水星宙、君はシリテスとフィアリが言ったように開かずの扉を開けてしまい、その責任を被る必要があると判断し、彼らは水星宙にゲーム参加を促した。ということはつまり、彼は自らの手で終わらせなければならないということか…。それにしても、大変なことを仕出かしたものだ。水星宙、一体何者なのだろうか。
「近付いたのは、ずっと仲良くなりたいと思って。僕、昔から引っ込み思案なところがあって人に声を掛けるのが苦手なんだ。言わないと伝わらないって散々親に言われて…。今日こそは、言わないと…って思って言うことにした。昨日、宇君に僕のことを打ち明けたら…仲良くなれたんだ。それに、宇君が君の名前を言っていたからどんな人か気になって…。」
「そうだったんだね。言うの大変だったのに、ごめんね。篠山さんと僕と仲良くなりたかったんだね。僕、友達少ないから仲良くなれて嬉しいよ。ありがとう、光時廻計さん。」
もう少し、水星宙の様子を伺うとしよう。
「そういえば、篠山さん知らない?」
「宇君…一緒に、宙君の家に行くと言っていたけど…遅いな…。僕、宇君の様子見に行くね。たぶん…学校にいるかもしれないから…。」
宇は、まだ学校にいるのか… 。何かあったのだろうか…。僕だって、篠山宇の様子を見に行きたいが身体中熱で覆われていて歩くのもままならない。通常ならばベッドで安静にしていなければいけない状態なのだが、僕は布団を剥がし制服に着替え、おぼつかない足取りで階段を一段一段下りて行く。それを見かねた彼は、僕を抱き抱え部屋へと運んだ。
「熱がもっと悪化するといけないから、寝てて。宇君のことなら、僕に任せて大丈夫だから。」
「僕だって、心配なんだよ…。寝てたら、篠山さんを捜せないでしょう…。頼むから、邪魔しないで…。」
「宙君の為を思って言っているんだよ。君が、こんな状態ならこのゲームが一向に終わらないだろう。」
ゲームが終わらない…。それは、一体どういう意味なのだろうか…。
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