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麻薬取引※多少暴力描写あり
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今日の調査は以前言われていた通り、麻薬の取引だ。
隊長が怪しんだ伯爵の2人がどうやらパーティーを開くと聞き、どうにか手を回してそれに潜入する段取りが済んだ。
今回は私とクローヴィスの2人だけで、隊長は別の場所を押さえに行っている為、二手に分かれて動いている。
実際にその場を押さえることができれば、クローヴィスの包囲魔法で確保しても良いと言われている為、取引さえ確認してしまえばこちらが有利だ。
私達は殿下を狙った令嬢の、友人宅であるローレンス伯爵邸への潜入を任された。本当ならこちらの方が怪しいと睨んでいるのだが、ローレンス伯爵は隊長の顔を知っている。
だから彼はこちらには潜入せず、別場所で開かれるパーティーに潜入することとなったのだ。
いつものように会場には私が入り、クローヴィスは屋根裏から様子を伺う。
今回の招待客の証は胸に一輪の花を挿すことのようで、私もネイビー色のドレスに白いユリを挿していた。
広い中庭は綺麗に整備されており、社交界の貴婦人の中では、1度は行ってみたいと言われているようだ。
ローレンス伯爵は植物にとても詳しい人で、香水を作る職人を雇い、街や他国へそれを卸している。
その為、隊長の目にもすぐに止まったようだ。
殿下に使われた毒はニーヴローズと呼ばれる毒を持つ花で、入手が難しいとされている。
しかし、ローレンス伯爵の手にかかれば見つけて収集するのも、それを加工するのも造作はないだろう。
あの毒は欲望に関した幻覚の見えるもので、
特に恋心を抱いている者は暴走しやすい。厄介なものだとサターシャが言っていた。
あの毒は正常な判断ができなくなるものだから、そんなものをもし殿下が嗅いでいたらと思うと本当に恐ろしい。
とにかく、取引をしている所を探さなければならないのだが、怪しい動きをしている者は特におらず、パーティも終わりへと近付いている。
すると、ふと、テラスへと出られる扉が開いていることに気付いた。
少しカーテンがかかり、知らなければ目に入らないようになっているようだ。そこで私は人目を盗んでテラスへと出る。
「……思い過ごしだったかしら。」
そこは誰もいないテラスで、特に座る場所もないことから、さっきの扉は換気用で、外の空気に触れようと休む為のテラスではないのだと思った。
私が会場に戻ろうとそのまま向きを変えると、中庭へと続く階段があった。
「まさか…。」
私はゆっくりと階段を降り、中庭を歩く。そこはバラ園のように沢山のバラが植えられていてとても綺麗だった。
月の光に当てられて咲くバラは、なんとも言えない美しさがあり、それ以外は特に目を引くものは無い。
しかし、バラ園を抜けそうになると、そこに人影が見えた。
「っ。」
私は咄嗟に身を隠し、様子を伺う。
男達4人がいる場所には花は植えられておらず、ただ芝生だけが広がっている場所だった。
人がいるには明らかに怪しい場所だが、近づきにくい場所でもある。
仕方ない。そう思って連絡用に付けていたブレスレットに手をかけた。
このブレスレットはサターシャの考案、発明したもので、付けている者同士が連絡を取り合うことのできる代物だ。
しかし言葉を交わせるわけではなく、ただ引っ張ったり締め付けたりとする事でそのブレスレットが同じ動きをし、状況を伝えるだけの物。
ちなみに1度だけ長く引っ張るのが取引現場を抑えたから応援を頼むというメッセージとなる。
すると、彼の返事を待つ前に取引が終わろうとしていた。
ローレンス伯爵の後ろにいる男は大きな鞄を受け取り、差し出した方の男はカバンの中に入っているものの中身を確認している。
私は仕方なく足止めする為にそのまま走り出て、護衛の1人の首を後ろから蹴り飛ばすと、その男はそのままうつ伏せに倒れ込み、気絶した。
その行動に気付かれる前に、取引相手の男の顎を1発殴る。そしてローレンス伯爵の護衛に就いている大男を背負い投げようと腕を掴んだのだが、途中で私の動きが鈍くなり、動きが止まってしまった。
「っ。どうして。」
そう口にすると私は大男に殴り飛ばされ、芝生に転がった。
上手く力が入らない。
私は魔法や剣術はからっきしだが武術には自信がある。その辺の男に負けるはずはないのだ。
「おやおや、どうやら痺れ薬が反応したようだな。」
ニタニタと笑みを浮かべて大男の後ろから姿を現したのは、このパーティ主催のローレンス伯爵だった。
「し、びれ薬…。」
私はパーティの食べ物や飲み物に口をつけていない。それなのにどうしてそんな症状が私の体に現れるのか分からなかった。
「やはり気付いてはいなかったようですな。
会場前にある噴水には微量の痺れ薬が混ぜてあってね、それの解毒薬は会場内の飲み物に入っていたんだよ。
パーティに参加しているのに料理に手を付けずにいるなんて、何をしに来た者だと思う?
私にとって親しい者にはなり得ないと思わないか?」
つまり潜入されることを見越して準備していたということだろう。
片膝をついていた私は、もう力が入らず、そのままうつ伏せに倒れ込んだ。
あれ程毒物に気を付けて料理には手をつけなかったことが裏目に出てしまったらしい。そう思うと悔しい気持ちになった。
「まあ、女1人で来るとはこちらも思ってはいなかったがな。」
その言葉は私を期待させた。
もう少し時間を稼ぐことができれば、クローヴィスが来てくれる。
少しも魔法の使うことのできないであろうこの者達くらいであれば、クローヴィスの包囲魔法で捕まえられることだろう。
彼はこの場を後にしようと私の横を通り過ぎようとする。
逃げられると困る私は、どうやって時間を稼ごうかと思っていると、どうやら勝手に向こうの気をひけたようだ。
「意外と良い女だな。」
プルプルとなりながら顔だけを上げた私に、彼はそう口にした。
「こいつが私に立てつかなくなるように痛めつけろ。ただし顔はダメだ。」
「……分かりました。」
大男は腰に備えていたらしい鞭を取り出すと、勢いよく振り下ろした。
バシィィッ
「んんぅぐ……っ」
大きな音と共に私の痛み混じりの声が漏れると、伯爵の声が男を止めた。
「強くやるでない。オークションでの買い手が付かなくなったらどうする。
こういうのはジワジワと痛みを加えるんだよ。」
そう言う男に私は最低だと思った。
動きにくくなった脚に力を込め、私は大男に足をかけて尻餅をつかせる。
今の私にはコレくらいしかできない。
それでも、抗うのはやめることはできなかった。
「っこのやろう。」
ヒートアップした男は何度も私に蹴りを入れる。
「っはぁっ。」
「んぐっ。」
唇を噛み、痛みに耐えた為、切れたそこから血が流れる。
しかし男達はそれでも止めてはくれなかった。
「っ。悪いが私はこれで失礼することにするよ。」
いたたまれなかったのか、その場を後にしようと、取引相手の男が足を踏み出すと、その足元が光を放って彼を覆った。
「っ。」
「な、なんだこれは。」
それは私が何度も目にしたことのある魔法だ。
「大丈夫か、エミリー!」
その魔法の主であるクローヴィスが私にマントをかけながらそう口にする。
そして私の目の前にはもう1つの人影があった。
「っ。でん、か。」
「遅くなって悪かった。よく頑張ったな、エミリー。」
私は彼の声に安心して歪んだ笑みを溢すと、クローヴィスは心配そうに覗き込んできた。
「エミリー、どうしてこんな…」
「っ。会場の、飲み物に、解毒剤が…。」
私がそう伝えると、クローヴィスはコクンと頷き、その場を離れた。
「…グ、グリニエル殿下っ…。」
先程までの威勢はどこにいったのか。
本来の姿で現れた殿下を前に、伯爵の顔は青ざめていた。
「…話は後でじっくりと聞かせてもらうが、まずは私のエミリーにしたことを反省して貰わなければ私の気が収まらないからね…。」
とても冷たい声の彼は相当怒っているようだ。
彼は近付くことすらせず、自身の雷魔法を彼らに落とす。
何も訓練の受けていない彼らは、殿下の相手にすらならないだろう。
そう思うと同時に勝敗がつき、彼らは飲み物を手にして戻ってきたクローヴィスの包囲魔法で捕らえられた。
それを見届けると、クローヴィスの手から解毒剤入りの飲み物を飲ませてもらった。
「エミリー。遅くなって悪かった。」
眉を下げ、殿下は私に謝る。
「いえ…わ、たしが…。っ。」
痺れ薬が体に回ってから暫く経っているからか、解毒剤はすぐには効かない。
思うように言葉が出ない私を横抱きした殿下は、クローヴィスの移転魔法によってその場を後にする。私はその時緊張の糸が切れ、そのまま意識を手放した。
隊長が怪しんだ伯爵の2人がどうやらパーティーを開くと聞き、どうにか手を回してそれに潜入する段取りが済んだ。
今回は私とクローヴィスの2人だけで、隊長は別の場所を押さえに行っている為、二手に分かれて動いている。
実際にその場を押さえることができれば、クローヴィスの包囲魔法で確保しても良いと言われている為、取引さえ確認してしまえばこちらが有利だ。
私達は殿下を狙った令嬢の、友人宅であるローレンス伯爵邸への潜入を任された。本当ならこちらの方が怪しいと睨んでいるのだが、ローレンス伯爵は隊長の顔を知っている。
だから彼はこちらには潜入せず、別場所で開かれるパーティーに潜入することとなったのだ。
いつものように会場には私が入り、クローヴィスは屋根裏から様子を伺う。
今回の招待客の証は胸に一輪の花を挿すことのようで、私もネイビー色のドレスに白いユリを挿していた。
広い中庭は綺麗に整備されており、社交界の貴婦人の中では、1度は行ってみたいと言われているようだ。
ローレンス伯爵は植物にとても詳しい人で、香水を作る職人を雇い、街や他国へそれを卸している。
その為、隊長の目にもすぐに止まったようだ。
殿下に使われた毒はニーヴローズと呼ばれる毒を持つ花で、入手が難しいとされている。
しかし、ローレンス伯爵の手にかかれば見つけて収集するのも、それを加工するのも造作はないだろう。
あの毒は欲望に関した幻覚の見えるもので、
特に恋心を抱いている者は暴走しやすい。厄介なものだとサターシャが言っていた。
あの毒は正常な判断ができなくなるものだから、そんなものをもし殿下が嗅いでいたらと思うと本当に恐ろしい。
とにかく、取引をしている所を探さなければならないのだが、怪しい動きをしている者は特におらず、パーティも終わりへと近付いている。
すると、ふと、テラスへと出られる扉が開いていることに気付いた。
少しカーテンがかかり、知らなければ目に入らないようになっているようだ。そこで私は人目を盗んでテラスへと出る。
「……思い過ごしだったかしら。」
そこは誰もいないテラスで、特に座る場所もないことから、さっきの扉は換気用で、外の空気に触れようと休む為のテラスではないのだと思った。
私が会場に戻ろうとそのまま向きを変えると、中庭へと続く階段があった。
「まさか…。」
私はゆっくりと階段を降り、中庭を歩く。そこはバラ園のように沢山のバラが植えられていてとても綺麗だった。
月の光に当てられて咲くバラは、なんとも言えない美しさがあり、それ以外は特に目を引くものは無い。
しかし、バラ園を抜けそうになると、そこに人影が見えた。
「っ。」
私は咄嗟に身を隠し、様子を伺う。
男達4人がいる場所には花は植えられておらず、ただ芝生だけが広がっている場所だった。
人がいるには明らかに怪しい場所だが、近づきにくい場所でもある。
仕方ない。そう思って連絡用に付けていたブレスレットに手をかけた。
このブレスレットはサターシャの考案、発明したもので、付けている者同士が連絡を取り合うことのできる代物だ。
しかし言葉を交わせるわけではなく、ただ引っ張ったり締め付けたりとする事でそのブレスレットが同じ動きをし、状況を伝えるだけの物。
ちなみに1度だけ長く引っ張るのが取引現場を抑えたから応援を頼むというメッセージとなる。
すると、彼の返事を待つ前に取引が終わろうとしていた。
ローレンス伯爵の後ろにいる男は大きな鞄を受け取り、差し出した方の男はカバンの中に入っているものの中身を確認している。
私は仕方なく足止めする為にそのまま走り出て、護衛の1人の首を後ろから蹴り飛ばすと、その男はそのままうつ伏せに倒れ込み、気絶した。
その行動に気付かれる前に、取引相手の男の顎を1発殴る。そしてローレンス伯爵の護衛に就いている大男を背負い投げようと腕を掴んだのだが、途中で私の動きが鈍くなり、動きが止まってしまった。
「っ。どうして。」
そう口にすると私は大男に殴り飛ばされ、芝生に転がった。
上手く力が入らない。
私は魔法や剣術はからっきしだが武術には自信がある。その辺の男に負けるはずはないのだ。
「おやおや、どうやら痺れ薬が反応したようだな。」
ニタニタと笑みを浮かべて大男の後ろから姿を現したのは、このパーティ主催のローレンス伯爵だった。
「し、びれ薬…。」
私はパーティの食べ物や飲み物に口をつけていない。それなのにどうしてそんな症状が私の体に現れるのか分からなかった。
「やはり気付いてはいなかったようですな。
会場前にある噴水には微量の痺れ薬が混ぜてあってね、それの解毒薬は会場内の飲み物に入っていたんだよ。
パーティに参加しているのに料理に手を付けずにいるなんて、何をしに来た者だと思う?
私にとって親しい者にはなり得ないと思わないか?」
つまり潜入されることを見越して準備していたということだろう。
片膝をついていた私は、もう力が入らず、そのままうつ伏せに倒れ込んだ。
あれ程毒物に気を付けて料理には手をつけなかったことが裏目に出てしまったらしい。そう思うと悔しい気持ちになった。
「まあ、女1人で来るとはこちらも思ってはいなかったがな。」
その言葉は私を期待させた。
もう少し時間を稼ぐことができれば、クローヴィスが来てくれる。
少しも魔法の使うことのできないであろうこの者達くらいであれば、クローヴィスの包囲魔法で捕まえられることだろう。
彼はこの場を後にしようと私の横を通り過ぎようとする。
逃げられると困る私は、どうやって時間を稼ごうかと思っていると、どうやら勝手に向こうの気をひけたようだ。
「意外と良い女だな。」
プルプルとなりながら顔だけを上げた私に、彼はそう口にした。
「こいつが私に立てつかなくなるように痛めつけろ。ただし顔はダメだ。」
「……分かりました。」
大男は腰に備えていたらしい鞭を取り出すと、勢いよく振り下ろした。
バシィィッ
「んんぅぐ……っ」
大きな音と共に私の痛み混じりの声が漏れると、伯爵の声が男を止めた。
「強くやるでない。オークションでの買い手が付かなくなったらどうする。
こういうのはジワジワと痛みを加えるんだよ。」
そう言う男に私は最低だと思った。
動きにくくなった脚に力を込め、私は大男に足をかけて尻餅をつかせる。
今の私にはコレくらいしかできない。
それでも、抗うのはやめることはできなかった。
「っこのやろう。」
ヒートアップした男は何度も私に蹴りを入れる。
「っはぁっ。」
「んぐっ。」
唇を噛み、痛みに耐えた為、切れたそこから血が流れる。
しかし男達はそれでも止めてはくれなかった。
「っ。悪いが私はこれで失礼することにするよ。」
いたたまれなかったのか、その場を後にしようと、取引相手の男が足を踏み出すと、その足元が光を放って彼を覆った。
「っ。」
「な、なんだこれは。」
それは私が何度も目にしたことのある魔法だ。
「大丈夫か、エミリー!」
その魔法の主であるクローヴィスが私にマントをかけながらそう口にする。
そして私の目の前にはもう1つの人影があった。
「っ。でん、か。」
「遅くなって悪かった。よく頑張ったな、エミリー。」
私は彼の声に安心して歪んだ笑みを溢すと、クローヴィスは心配そうに覗き込んできた。
「エミリー、どうしてこんな…」
「っ。会場の、飲み物に、解毒剤が…。」
私がそう伝えると、クローヴィスはコクンと頷き、その場を離れた。
「…グ、グリニエル殿下っ…。」
先程までの威勢はどこにいったのか。
本来の姿で現れた殿下を前に、伯爵の顔は青ざめていた。
「…話は後でじっくりと聞かせてもらうが、まずは私のエミリーにしたことを反省して貰わなければ私の気が収まらないからね…。」
とても冷たい声の彼は相当怒っているようだ。
彼は近付くことすらせず、自身の雷魔法を彼らに落とす。
何も訓練の受けていない彼らは、殿下の相手にすらならないだろう。
そう思うと同時に勝敗がつき、彼らは飲み物を手にして戻ってきたクローヴィスの包囲魔法で捕らえられた。
それを見届けると、クローヴィスの手から解毒剤入りの飲み物を飲ませてもらった。
「エミリー。遅くなって悪かった。」
眉を下げ、殿下は私に謝る。
「いえ…わ、たしが…。っ。」
痺れ薬が体に回ってから暫く経っているからか、解毒剤はすぐには効かない。
思うように言葉が出ない私を横抱きした殿下は、クローヴィスの移転魔法によってその場を後にする。私はその時緊張の糸が切れ、そのまま意識を手放した。
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