脚フェチ王子の溺愛 R18

彩葉ヨウ(いろはヨウ)

文字の大きさ
35 / 104

黒のストッキング3

しおりを挟む


食堂に着くと、まだロレンザ様もグリニエル様も来ていなかった。


「エミリー。夜は一緒にオイルでマッサージをしてもらいましょう。私の部屋に来て頂戴。
明日の正午は儀式があるけど、午前中は魔力石作りも始めたいわね。」


楽しそうに予定を立てていくミレンネに、私の緊張も少しずつ解れていった。


優しく、ふんわりとした雰囲気を纏うミレンネは、いるだけで周りを癒してくれるようだ。力を使っていなくとも聖女の素質は備わっていたものだと思う。

「ええ。それじゃ、湯あみを終えてからミレンネの部屋に伺わせていただくわね。」

「あっ!なんなら湯あみも一緒にやりましょう。私の部屋にもう一つバスタブを用意させるから、そのままマッサージをするのがいいわ。」

ウフフと笑う彼女話は、先ほど部屋にいたときのように楽しそうに笑っていた。



「待たせて悪いな、2人とも。
…それにミレンネの相手をしてくれてありがとう、エミレィナ。
…ミレンネは対等に話せる友人というものがあまりいなくてね。
だから君には随分と押しが強くなってしまっているようだ。
苦だったらすぐに言ってやってくれ。」


現れたのはロレンザ様だ。
その後ろからはグリニエル様が続く。

話し合いが終わったところなのだろうか。



「っ…!」

グリニエル様は私の姿を見るや否や、目を開いて固まった。

「グリニエル様?御気分でも優れませんか?」

急に動きの止まった彼に私がそう言うと、ロレンザ様が口を開いた。


「いや。いつもより更に美しさの増した君に驚いただけだろう。2人は本当に仲が良くて羨ましいよ。」


「ありがとうございます。ミレンネとステファニーのおかげです。私は何も…。
ただ、ドレスに心惹かれまして、それに合わせて2人がしてくださいましたの。」


「ほう…その色を選ぶとはなかなか情熱的…。
いや、無意識とは、罪深く愛らしいものだ。
なぁ、グリニエル殿?」


「っ。…よく似合っているよ、エミリー。」

彼が柔らかい笑顔を向けてくれたことにホッとしつつ、私はあることに気づく。


「あら。そういえばグリニエル様の瞳の色と同じですわね。」

私も気付いたことをミレンネが先に口に出す。それに続くように私は謝った。


「本当、無意識とはいえ、失礼致しましたわ。」


知らず知らずとはいえ、彼色のドレスを着てしまったことに謝ると、彼は首を振ってくれた。


「いや、エミリーが自分で選んでくれたのだろう?嬉しいよ。
毎日でもその色のドレスで構わないくらいだ。」






冗談がすぎる。

流石に着る物に拘りのない私でも、毎日赤紫色のドレスばかりを着ようとは思わない。



「本当、2人共お似合いですわ。
早く明日の儀式が済めばいいのに。
そうすれば何も問題なく手を取り合えますもの。」

ミレンネは私たち義兄妹の仲の良さを褒めてくれる。
私はそれに素直に嬉しさを表した。

「ありがとう、ミレンネ。」





「ふっ…はっはっは。グリニエル殿も意外と苦労しているようだな。」



「っ…いえ。…まあ。」




ロレンザ様とグリニエル様は席へと座り、私達はとても美味しいディナーを食べ終えた。


その間、隊長による修行が明日から行われること、ここでの大まかなスケジュールなどの話を聞き、私達は元来た道を戻った。


ミレンネはロレンザ様に、
私はグリニエル様のエスコートで歩く。


するとすぐにカコン。と足元で音が鳴った。


私のパンプスが脱げてしまったのだ。
王族としてなかなかの失態とも言えるのだが、支えてくれたグリニエル様とフォローしてくれたミレンネのおかげで赤面は免れた。


「ストッキングでパンプスが滑りやすかったのね。明日からはシューズバンドを用意させるわね。」

これは私の失敗ではなく、その履物が悪いというようにフォローしてくれたことで、ロレンザ様がそういうことか。と納得してくれた。


「慣れていないのに申し訳ない。
ミレンネが無理を言って履き替えさせたのだろう。
脱げたものは私が履かせてやろう。」


脱げたパンプスを1人で履くわけにはいかないが、まさかヴィサレンスの王太子に頼めるようなことではない。

そう思う頃にはすでに彼が動いてくれていた。


「私がやるよ。」

ジョルジュワーンの王子に頼むことでもないが、私にとって血の繋がりのある従兄妹より、血の繋がらない義兄の方が頼みやすい為、私はそのまま少しドレスを上げて足先を出す。

よくは見えないがこれなら履かせやすいだろう。そう思ってふくらはぎが少し見えるくらいで止めると、跪いていた彼がグッと固まってしまった。


「っ。」


私の足先はストッキングという物に覆われ、艶やかに光を集めている。

黒くよく伸びるその生地は、ピッタリと私の脚にフィットしており、一寸の余裕もない。

なんとも絶妙に足が透けて見えていることだろう。



あんなに小さいものがこれほど伸びるとは予想外で、すぐにでも破れてしまうのではないかと不安になる。

すると私と同じように顔を赤らめた殿下は、そのまま時が止まっていた。


「ぐ…グリニエル様?」


「ハッ…あ…す、すまない。今やるよ。」

ハッとしたグリニエル様は私の足にパンプスを履かせ、すぐに立ち上がる。

すると赤く染まる顔を片手で覆っていた。


「ロレンザ殿。…あとで頼みがあるんだが…。」


「ああ。構わない。
では書斎にお茶を準備させるよ。」


ロレンザ様はグリニエル様の話が何か分かっているかのように頷いていた。



「それじゃ、お兄様、グリニエル様。
おやすみなさいませ。

あとは私たち2人で過ごさせていただきますので。」


ミレンネの部屋についた私とミレンネは、エスコートしてくれた彼らに礼を告げて2人と分かれた。





そしてその後は、花弁の浮かぶ湯船で湯浴みをし、侍女たちのマッサージやら髪に櫛を入れられたりしながら過ごす。


ミレンネはいつものように潤い、私は見違えるのではないかというようにプルプルとした肌になった。


「エミリーは磨けば磨いただけ輝くわね。本当に宝石の原石のよう…。

さっきもグリニエル様が驚いていらしたし、明日も驚かせてしまいましょう。
きっと一層愛されること間違いなしだわ。」

彼がシスコンだということは、もうすでに知られているのか、ミレンネはニコニコと笑っていた。





 







________________________

今まで書いたところまで
全部公開してみました。

後戻りできないこの感じ、
そして皆さんに読んでもらえる喜び、
噛み締めております。


私の身近にいますね、脚フェチ。
その人に話を聞いて書いています。

いろんなフェチがあるとは思いますが、
私は腕フェチです。
筋肉の形が浮き出る筋が好き☺︎



次の更新は少し空きます。

ここまで読んでくださりありがとうございます。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

なほ
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模るな子。新入社員として入った会社でるなを待ち受ける運命とは....。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

処理中です...