脚フェチ王子の溺愛 R18

彩葉ヨウ(いろはヨウ)

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お出かけ①

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「エミリー。」


「あら、レヴィ…。おはよう。」


私が朝、食堂へと歩いていると、レヴィが声をかけてきた。


「朝早くどうしたの?仕事があるんじゃ…」

「ああ。それは今から向かうんだ。
その前に御礼を言いたくてね。
…昨日はセレインを連れてきてくれてありがとう。助かったよ。」


「いいのよ。それより、大丈夫だったの?
その…昨日は…。」

聞いてもいいことなのか分からない私は、とりあえずふんわりと話題にのみ触れてみた。


「………ああ。勿論だよ。
セレインと私がいてどうにもならないことはないさ。
君のおかげでセレインの外交官入りも決定しそうで、今日は大忙しだよ。」


「まぁ。そうなのね。
なら良かったわ。」


昨日のことが上手くいったことで、セレイン様は外交官となり、レヴィは三柱になるという。ますますヴィサレンスの外交は賑わうことだろう。

そう思っていると、セレイン様もやって来たのが見えた。


「ご機嫌よう。エミリー。」

「ええ。おはようございます。
セレイン従姉様。」

「昨日はありがとう。
レヴィがこちらに向かったのを見て、私も来たの…。あなたには、感謝してもしきれないわ。ありがとう。」


「いいえ。そんな…私なんて何も…」


レヴィとセレイン様が私に向けて柔らかく笑ってくれることが、とても恥ずかしい。
彼らの役に立つことができて本当によかった。


「私たちは少し忙しくなってしまうが、君がいるうちは少しでも時間を作って過ごしたいと思っているよ。」

「ええ、そうよ。あと少ししかこちらにいられないんですもの…。今度ミレンネも誘ってお茶会でもしましょう。
楽しみにしていて頂戴。」

「ふふっ…ええ。楽しみにしておきます。
お2人とも、お仕事頑張ってくださいね。」




「それじゃ、私たちはもう行くよ。
また時間が合うときに会いに来るから。」

「また後でね。エミリー。」


「はい…!」



私は2人の背を見送る。

2人との距離が縮まったような気がする。
あんなに刺々しかったセレイン様もいない。
きっとそれはレヴィと分かり合えたからだろうと感じた。










「なんだかいい雰囲気だったな。」

「ひゃぁっ!グリニエル様!」

2人を見送った後、また食堂へと歩く為に向きを変えた私の前に立っていたのは、グリニエル様だった。


「いらしたのなら声を掛けてくだされば良いのに…。」


私はバクバクとなる胸を押さえて抗議すると、グリニエル様はなんだかふてくされているようだった。


「グリニエル様?」

「………私ともっと過ごしてくれると言っていたのに、もう浮気をするのか?」


「なっ…そんなことあるわけないじゃないですか…。」


じっとりとした目で、何を的外れなことを言うのだろうか。
そう思って抗議すると、途端に笑顔に変わった。


「そうかそうか。それなら、今日、私としよう。」


「…は?」

「ロレンザ殿にも許可は得ているし、ステファニーにも街へ出るための服を準備をするようにとつたえてあるから、心配はいらないよ。」


「…。」

それはそれは根回しがいいことだ。
最初から彼は私と出かけるつもりだったのだろう。



「ほら、観光も大切だろう。
ヴィサレンスで得た情報はきっとジョルジュワーンでも役に立つ。
それに、クローヴィスとサターシャにも土産が必要だろう。
ね?一緒に出掛けよう。」


「…。」

彼は次々私に畳み掛けるように理由を述べる。
彼が諦めるような様子はない。
それなら受けるしか道はないのだ。


「…分かりました。
ですが、仕事は終わっているのですよね?
残っている執務などはありませんか?
そうでなければ怒りますからね!」


プクッと頬を膨らませると、彼はニコニコと笑顔になる。




「勿論だとも。さあ。そうと決まれば朝食を済ませて早く出掛けよう!」


「…。」


申し出は嬉しい。
しかし急すぎるのだ。

どこを回ったら良いかも分からないのに
楽しめるだろうか。
そう不安になりながら、朝食を取った。



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