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同じ歳の先輩
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前回の定期テストも経験した事だし、テスト作りにおいては流れも掴めて大分進みも良かった。
長時間別室で絢斗くんと離れることもなく、家で一緒に過ごし、甘い時間も勉強も教えることもできた。お互いに寂しい思いをすることもなく日々を過ごせたのだった。今回は彼の泣く声を聞かなくて済んだ…それだけが一番良かったのではないだろうか。
そしてテスト本番。
事前に学年主任によって振り分けられた担当教室にてテストを監督をする事に。この場合担当教科とかは関係なく、本当にランダムである。公平性を保つ為らしい。
今回は二年C組の英語担当であった。
始まる時に金田さんから「高城せんせぇー♡」と声掛けを頂いてしまい大変やりづらかったが、何とか始める事が出来たのだった。
カリカリカリカリ…とシャーペンを走らせる音が室内に響き渡る。それ以外の音はほぼ聞こえない。あるとしたら…問題が難しくて小さく唸る声くらいだろうか。真剣に向き合っている証拠だね。金田さんも例に漏れず真面目にテストに向き合い、出題された問題を解いていた。B組のみんなも今頃同じように頑張っているのだろうな。また平均点が上がればいいなぁ。
無いとは思うが、一応カンニング等の不正行為をしていないか教室内を確認し、机の間を歩き見回る。自分なりに目視をしたが大丈夫だろう。ここまで全員が用紙に向き合っているのだし、問題は無いと思えた。
教卓の横に用意してもらった椅子に腰掛け、ついでに用意された机の上に書類の束を置き広げる。残り時間もまだまだあるし、持参してきた持ち出し可能の書類の精査をすることにしたのだった。
作業をしながら自分が担当していない教室を改めて見回す。やはりそのクラス毎に色というものがあるのだなぁと思えた。
自分達B組は結構どちらかというと、好きなものを好きなようにあちこち教室内に置かれている感じである。だからかこの室内と比べるごちゃっとしているかもしれない。
だが、反対にC組は綺麗に整頓されているように見受けられた。先生の趣味なのだろうか、幾つか窓辺に鉢植えがあり綺麗な赤色の花が咲いていた。そして何よりも印象的なのは…室内の所々に進学のパンフレットやら、参考書が多く置かれているのが目に見えたのだった。
進学において意識が高い。
普段声をかけてくれる恋愛体質な金田さんもそうだったりするのだろうか。
殆どC組の先生とは会話をしたことがないが…どのように生徒と向き合っているのか話をしてみたいな。この整頓された室内を見ると、そんな気持ちが出てきたのだった。
特に大きな問題もなくテストも終わり、職員室に無事帰還することが出来たのだった。抱えてきたテスト用紙を担当教員に渡すためとある人物のもとへと向かう。僕が担当したのは英語…そうC組の先生である。
「……山根先生、お疲れ様です。終わりました。」
「あぁ、高城先生。お疲れ様です。ありがとうございます。」
既に二年生以外の学年のテスト採点をしていたらしく、卓上には答案用紙の山が出来上がっていた。僕であれば心が若干折れかけてしまう状態を、この方は背筋を綺麗に伸ばし澄ました顔で黙々と採点作業をこなしていたのであった。
二年C組本担任こと……山根先生である。
「………。」
「何か?……金田ですか?」
「あぁ、いや。金田さんはちゃんと真剣に取り組まれてました。」
「では、なにか。」
相変わらず突き放すような冷めた口調。別に怒られているわけではないというのに、ドキッとしてしまう。
姫路先生とはまた違った綺麗なお顔をしており、僕よりも若干細身な身体。アイドルをしていてもおかしくないような容姿をしているのに、基本的に表情筋は機能していない為にキツく見えてしまう。
正直凄く苦手なタイプなんだよなぁと思う。お仕事がきっちりできるタイプで、機械的というか例外という言葉が多分一番嫌いそうな感じ。あと潔癖そう。完全に偏見である。
年齢的にいえば自分と同じなのに、貫禄というか佇まいがちゃんとしてるのかより怖じ気づいてしまう。
「………その、生徒の進学について山根先生にもご意見を頂けたらと。」
そう言うと、山根先生は少し考える素振りをし、隣の席に腰掛けるように促してくれたのだった。や、優しい。
「姫路先生はダメなんですか?」
「自分なりに、いろんな方の意見を取り入れてみたいなと。C組の教室内を改めて見たのですが。いろんな進学先のパンフレットや参考書があって…凄いなぁって思ってしまって。恥ずかしながら、中々未だに進学について思考が持っていけてないので。」
「……なるほど。前の学校では一年生だけだったんでしたっけ。」
「そ、そうです。」
採点していた手を止め、身体を僕の方に向けてくれたのだった。やはり、こうして真正面から見るとより彼の綺麗さが際立つ。僕とは真逆なタイプだ。輝きすぎて直視できない。
「……こういってはなんですが、まだ一年目にもなってないんですから。何もかも全てこなそうとするのは、無理だと思いますよ。出来たら誰も苦労しないですし。」
「…それは、確かに。」
「意識を持つことは良いと思います。僕も初めはそうでしたし。だから…姫路先生の教えを素直に聞いて、慣れていくしかないのだと思います。僕からあまりあーだこーだ言ってしまうと、姫路先生との連携に歪みが出そうだから詳しいことは言えませんけど。…気持ちの持ちようだけは、そう伝えときます。」
…なんか、何だこの方は。
胸の奥が、ぎゅっとする。
「……。」
「……なにか?」
「あぁ…いえ。思ったよりも山根先生ってお話しやすい方だったのだと。」
そう。
そうなのだ。
常日頃から眉間に皺を寄せて作業をこなしている山根先生だから、てっきり「意識が低いんじゃないんですか?」みたいな氷魔法的な鋭い一言を言われるのではないかと思っていたのだ。
だが、実際は…とても柔らかな優しい気遣ふんだんなお言葉だらけで、僕の方でも戸惑ってしまった。
「……………そんなにですか?」
「すみません!!所謂堅物なのかと…思ってて。」
「…やっぱり、高城先生もそう思われてしまうんですね。僕もなるべく気をつけてるんですが。難しいな…。あと、高城先生に個人的に借りもありますしね。」
「?」
か、借りぃ!?
そんなこと、あったか?
「金田ですよ。生徒間における問題ばかりありましたけど、ここ最近は落ち着いてますし。…何か変な方向に行っちゃいましたけど。」
「あー…。」
「業務上とかのことなら何でも聞けますから。気軽に、話しかけてください。作業においてやりやすいやり方とか、その程度ならお手伝いします。」
「あ、ありがとうございます!」
そういうと、山根先生はふわっと微笑んでいた。
わ…めっちゃ綺麗だ。
なんだか、色んな事をこの数分間で知れた気がする。
本当は優しい人であること、そして本人が思いのほか自身の堅物さを気にしてたこと。…思ったよりもとっつきやすい方なのだな。良いことを知れた。勝手に色々判断してしまって申し訳ない。
「……歳も一緒ですから、気軽にどーぞ。」
「………わ、わかった。」
「うん。よろしくな高城くん。」
「!!!うん!よろしく山根くん!!」
や、やった…。
限りなく友達に近い人物をこの歳で作れてしまったかもしれない。この僕がだ。
う…嬉しすぎる。職場で友人を作る、僕の夢でもあったりしたからそれが叶ってしまったぞ!?やった、やった!!
えへへーと思いながら席に戻ってみれば、若干不満そうなお顔の姫路先生と東先生が僕を見ていた。
な、なに?
「…俺達の方が先に仲良くなったんですからね?」
「大変美味しいですが、ちょっとジェラりますね。」
「……え?」
…どゆこと。
とある日廊下でたまたま山根先生を見つけた時に嬉しすぎて、僕には珍しく声を大にして挨拶をしてしまった。
けれども、彼はそんな僕に対してふんわりとした笑みを返してくれたのだった。
友人っぽい!!
「山根くーん!おはよー!!」
「高城くん、おはよ。元気だな。」
と二人で話しているところを絢斗と金田さんに見られてしまったのだった。
どういうわけなのかこの二人もやはり東先生と姫路先生同様にむすーっ!!!としたお顔をされてしまったのである。何故だ?
「なに、どういう関係?山根先生…?るみの高城先生なんですけど!!」
「ち、違う!俺の高城だ!!」
「えぇー?」
「すごい、こんな風にフランクに話しかけられたこと初めてだぞ僕。」
「やったね山根くん。」
「おう。一歩話しかけやすい先生になった気がするな。」
「「聞いてるの!?!?」」
「「は、はい…。」」
な、なんでだ!?
なんでみんなそんなに怒るんだよぉー!!
長時間別室で絢斗くんと離れることもなく、家で一緒に過ごし、甘い時間も勉強も教えることもできた。お互いに寂しい思いをすることもなく日々を過ごせたのだった。今回は彼の泣く声を聞かなくて済んだ…それだけが一番良かったのではないだろうか。
そしてテスト本番。
事前に学年主任によって振り分けられた担当教室にてテストを監督をする事に。この場合担当教科とかは関係なく、本当にランダムである。公平性を保つ為らしい。
今回は二年C組の英語担当であった。
始まる時に金田さんから「高城せんせぇー♡」と声掛けを頂いてしまい大変やりづらかったが、何とか始める事が出来たのだった。
カリカリカリカリ…とシャーペンを走らせる音が室内に響き渡る。それ以外の音はほぼ聞こえない。あるとしたら…問題が難しくて小さく唸る声くらいだろうか。真剣に向き合っている証拠だね。金田さんも例に漏れず真面目にテストに向き合い、出題された問題を解いていた。B組のみんなも今頃同じように頑張っているのだろうな。また平均点が上がればいいなぁ。
無いとは思うが、一応カンニング等の不正行為をしていないか教室内を確認し、机の間を歩き見回る。自分なりに目視をしたが大丈夫だろう。ここまで全員が用紙に向き合っているのだし、問題は無いと思えた。
教卓の横に用意してもらった椅子に腰掛け、ついでに用意された机の上に書類の束を置き広げる。残り時間もまだまだあるし、持参してきた持ち出し可能の書類の精査をすることにしたのだった。
作業をしながら自分が担当していない教室を改めて見回す。やはりそのクラス毎に色というものがあるのだなぁと思えた。
自分達B組は結構どちらかというと、好きなものを好きなようにあちこち教室内に置かれている感じである。だからかこの室内と比べるごちゃっとしているかもしれない。
だが、反対にC組は綺麗に整頓されているように見受けられた。先生の趣味なのだろうか、幾つか窓辺に鉢植えがあり綺麗な赤色の花が咲いていた。そして何よりも印象的なのは…室内の所々に進学のパンフレットやら、参考書が多く置かれているのが目に見えたのだった。
進学において意識が高い。
普段声をかけてくれる恋愛体質な金田さんもそうだったりするのだろうか。
殆どC組の先生とは会話をしたことがないが…どのように生徒と向き合っているのか話をしてみたいな。この整頓された室内を見ると、そんな気持ちが出てきたのだった。
特に大きな問題もなくテストも終わり、職員室に無事帰還することが出来たのだった。抱えてきたテスト用紙を担当教員に渡すためとある人物のもとへと向かう。僕が担当したのは英語…そうC組の先生である。
「……山根先生、お疲れ様です。終わりました。」
「あぁ、高城先生。お疲れ様です。ありがとうございます。」
既に二年生以外の学年のテスト採点をしていたらしく、卓上には答案用紙の山が出来上がっていた。僕であれば心が若干折れかけてしまう状態を、この方は背筋を綺麗に伸ばし澄ました顔で黙々と採点作業をこなしていたのであった。
二年C組本担任こと……山根先生である。
「………。」
「何か?……金田ですか?」
「あぁ、いや。金田さんはちゃんと真剣に取り組まれてました。」
「では、なにか。」
相変わらず突き放すような冷めた口調。別に怒られているわけではないというのに、ドキッとしてしまう。
姫路先生とはまた違った綺麗なお顔をしており、僕よりも若干細身な身体。アイドルをしていてもおかしくないような容姿をしているのに、基本的に表情筋は機能していない為にキツく見えてしまう。
正直凄く苦手なタイプなんだよなぁと思う。お仕事がきっちりできるタイプで、機械的というか例外という言葉が多分一番嫌いそうな感じ。あと潔癖そう。完全に偏見である。
年齢的にいえば自分と同じなのに、貫禄というか佇まいがちゃんとしてるのかより怖じ気づいてしまう。
「………その、生徒の進学について山根先生にもご意見を頂けたらと。」
そう言うと、山根先生は少し考える素振りをし、隣の席に腰掛けるように促してくれたのだった。や、優しい。
「姫路先生はダメなんですか?」
「自分なりに、いろんな方の意見を取り入れてみたいなと。C組の教室内を改めて見たのですが。いろんな進学先のパンフレットや参考書があって…凄いなぁって思ってしまって。恥ずかしながら、中々未だに進学について思考が持っていけてないので。」
「……なるほど。前の学校では一年生だけだったんでしたっけ。」
「そ、そうです。」
採点していた手を止め、身体を僕の方に向けてくれたのだった。やはり、こうして真正面から見るとより彼の綺麗さが際立つ。僕とは真逆なタイプだ。輝きすぎて直視できない。
「……こういってはなんですが、まだ一年目にもなってないんですから。何もかも全てこなそうとするのは、無理だと思いますよ。出来たら誰も苦労しないですし。」
「…それは、確かに。」
「意識を持つことは良いと思います。僕も初めはそうでしたし。だから…姫路先生の教えを素直に聞いて、慣れていくしかないのだと思います。僕からあまりあーだこーだ言ってしまうと、姫路先生との連携に歪みが出そうだから詳しいことは言えませんけど。…気持ちの持ちようだけは、そう伝えときます。」
…なんか、何だこの方は。
胸の奥が、ぎゅっとする。
「……。」
「……なにか?」
「あぁ…いえ。思ったよりも山根先生ってお話しやすい方だったのだと。」
そう。
そうなのだ。
常日頃から眉間に皺を寄せて作業をこなしている山根先生だから、てっきり「意識が低いんじゃないんですか?」みたいな氷魔法的な鋭い一言を言われるのではないかと思っていたのだ。
だが、実際は…とても柔らかな優しい気遣ふんだんなお言葉だらけで、僕の方でも戸惑ってしまった。
「……………そんなにですか?」
「すみません!!所謂堅物なのかと…思ってて。」
「…やっぱり、高城先生もそう思われてしまうんですね。僕もなるべく気をつけてるんですが。難しいな…。あと、高城先生に個人的に借りもありますしね。」
「?」
か、借りぃ!?
そんなこと、あったか?
「金田ですよ。生徒間における問題ばかりありましたけど、ここ最近は落ち着いてますし。…何か変な方向に行っちゃいましたけど。」
「あー…。」
「業務上とかのことなら何でも聞けますから。気軽に、話しかけてください。作業においてやりやすいやり方とか、その程度ならお手伝いします。」
「あ、ありがとうございます!」
そういうと、山根先生はふわっと微笑んでいた。
わ…めっちゃ綺麗だ。
なんだか、色んな事をこの数分間で知れた気がする。
本当は優しい人であること、そして本人が思いのほか自身の堅物さを気にしてたこと。…思ったよりもとっつきやすい方なのだな。良いことを知れた。勝手に色々判断してしまって申し訳ない。
「……歳も一緒ですから、気軽にどーぞ。」
「………わ、わかった。」
「うん。よろしくな高城くん。」
「!!!うん!よろしく山根くん!!」
や、やった…。
限りなく友達に近い人物をこの歳で作れてしまったかもしれない。この僕がだ。
う…嬉しすぎる。職場で友人を作る、僕の夢でもあったりしたからそれが叶ってしまったぞ!?やった、やった!!
えへへーと思いながら席に戻ってみれば、若干不満そうなお顔の姫路先生と東先生が僕を見ていた。
な、なに?
「…俺達の方が先に仲良くなったんですからね?」
「大変美味しいですが、ちょっとジェラりますね。」
「……え?」
…どゆこと。
とある日廊下でたまたま山根先生を見つけた時に嬉しすぎて、僕には珍しく声を大にして挨拶をしてしまった。
けれども、彼はそんな僕に対してふんわりとした笑みを返してくれたのだった。
友人っぽい!!
「山根くーん!おはよー!!」
「高城くん、おはよ。元気だな。」
と二人で話しているところを絢斗と金田さんに見られてしまったのだった。
どういうわけなのかこの二人もやはり東先生と姫路先生同様にむすーっ!!!としたお顔をされてしまったのである。何故だ?
「なに、どういう関係?山根先生…?るみの高城先生なんですけど!!」
「ち、違う!俺の高城だ!!」
「えぇー?」
「すごい、こんな風にフランクに話しかけられたこと初めてだぞ僕。」
「やったね山根くん。」
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