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第三章 王子の罠
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レイネンドランド王城の蔵書は、思いの外多かった。
「さすが……学業大国」
高い天井までぎっしりと本棚が組み込まれ、本が出しやすいよう緩やかな隙間を空けながら並んでいる。高い所にある本は、はしごを使わなくては取れない。
そして、書庫は広かった。
空調が効いているらしく、ひんやりと冷たい部屋。本は陽に当てられないから、窓はない。暗い。
もう何日もこの書庫に通っている。朝一から昼過ぎまでは城下町で町人の手伝いと情報収集を。その後、午後はここへ来る。
色々な棚を見た。あらゆる蔵書が揃っている。図鑑も論文も辞典も小説も詩も、専門書も一般書も。
興味を持ったら手に取ってみる。元々学者肌のアンゼリスカには胸躍る場所だった。
だが、今はそれどころではない。
ティエラを発ってからすでに五十五日。帰国には七日間かかる。姫の婚約の儀は黄の二十日頃、そして今はティエラ歴で橙の十六日。残り、五十日とちょっとだ。
手に入れた情報と言えば、レイネンドランドの王族はティエラとの結婚条約を歓迎していること。国民はティエラを不気味に思っていること。
肝心の、レイネンドランドの思惑が分からない。
国王は「戦争に関わりのないティエラと手を結べるのはありがたい」だの「かの国の古代言語は興味深い」だの、当たり障りのないことしか言わない。
だが、国民の言葉を信じれば明らかだ。あの、〝王がこの国を護ってくれる〟という言葉――
この国には、この国にしか学べない何かがある。
そしてそれを護ることで、敵の侵略を免れているはずなのだ。
(隣国でありながら、噂ももれてこなかったなんて)
我が国の情報収集ミスか、今度本来のスパイたちを厳しくしつけよう、そんなことがアンゼリスカの頭の中をめぐる。
(……禁書。そこにまで目をつけなければ、意味はない、か……?)
アンゼリスカは、書庫の奥を見る。
扉があった。貼り付いているのは『入室厳禁』と書かれたプレート。
できれば危険は避けたかった。が――もうそうも言っていられない。
近づいた。一見して、強固な鍵がかかっているのが分かった。
アンゼリスカは両の掌を胸の前へ持ち上げる。
「我が願いよ届け、紡ぐ思いとなりて」
掌が赤く発光、糸のように繭を紡いでいく。
それは一瞬のうちに石へと変わった。
掌に転がった赤い紡石を、鍵穴にかざす。
「開け」
紡石が発光し、光は鍵穴に伸びた。ガチン! と鍵の開く重い音がした。
アンゼリスカはゆっくりと重厚な扉を開く。
中は暗かった。
静寂に満ちた部屋。本たちはまるで自ら開かれるのを禁じているかのように、粛然と並んでいる。
扉をゆっくり閉じる。
床は石タイルだ。鉄板入りブーツながら、足音のしない細工をしてあるものを履いていてよかった。
見たこともないような、古い本がある。新しい本も加えられているようだ。背表紙の状態でそれを見分けながら、何か興味深い物はないかと、歩き回ってみる。
そこにあったのは主にレイネンドランドの歴史書、風土記の類だった。
一応知っておくべきか、と彼はそれらをぺらぺらめくった。
そして――瞠目した。
(これは――)
まっさきに目についたのは挿絵だ。青い青い色の光を放つ石が空中に浮かび、それを裸に腰巻――つまり昔の人間――がつかみとろうとしている瞬間の絵。
アンゼリスカはさっと目をその挿絵の横の文章に走らせる。
『鉱山の中にあった四つ目を手に入れたのは伝説の勇者ジークフリードであった。彼は青い石を、意志をその胸に刻み込んだ。そうして彼は――』
『レイネンドランドからなら天然石が出るかもしれん。何しろこのティエラとは地続きの国だからな』
(父……上……)
父親のことが思い出されて、思わずアンゼリスカの胸が震えた。
(父上。父上)
あなたの言う通りだった。この国には天然石の伝承があるのだ。天然の――紡石の。
それは大きな力を秘めているという。大地のパワーを吸収した力。人の心を増幅することができると、伝説にはあった。
ふいにレイサル王子の言葉がよみがえってくる。
――父と母は鉱山の視察に行っているんだ。
ぱらぱらとページをめくっていく。石に関する伝承はまだある。ティエラと同じ、伝承。
虹の石。
――ティエラにしか伝わっていないと思っていた、その単語。虹色に輝く紡石。
何もかも、使い主の好きな願いをかなえるという、幻の紡石。
アンゼリスカは顔を上げた。同じ棚に他にめぼしい本はないかと目を走らせる。
そして、
ふいに目に入った文字に、引きつけられた。
『石』
簡潔に、それだけが書かれた本。
引っかかりを覚えて、その本を抜き出す。薄い本だった。まだ作り途中かというような。
紙自体は新しいのに、手垢がついていた。利用価値が高いとみえる。
ぺらぺらとめくっていって――
やがて青年の顔色が変わっていく。
「これは……」
思わず声がもれた。手が震えた。まさか、こんなものがここに――
「驚いたのか」
声がして、はっとアンゼリスカは振り向いた。
暗がりの中、かつ、と足音を立てて一人の青年が姿を見せた。レイネンドランド王子レイサル……。
「で、殿下――」
アンゼリスカは慌てて拝礼する。もちろんレイネンドランド語は崩さずに。
だが、レイサルは冷ややかに。
「今さら私に礼儀を払う必要もあるまい。アンゼリスカ・ミスト・ラインレイン」
「―――!」
アンゼリスカは本を抱え、まなざしを鋭くした。なぜだ、どこから本名が知れた――
レイサルはひらひらと手にしている小さな紙切れを示し、
「私の大切な学友がわざわざ教えてくれたよ。私の国に邪魔なハエが入っているはずだとな……ハエの名前や経歴、ご丁寧にほとんどすべて」
「……エディレイド殿下が……?」
アンゼリスカは呆然とした。
あの、聡明な第二王子が?
自分を〝邪魔なハエ〟と?
――第二王子が、レイサルと組んで、何かを企んでいると?
やがてレイサルの背後にうごめく影がいくつも現れた。人影だ。
いや、レイサルの背後だけではない。自分の背後にも――
待て。なぜだ? そもそもなぜ、扉が開く音がしなかった?
「遅いぞ。――あの男を捕らえろ」
レイサルの感情のない声。
アンゼリスカはとっさに身構えた。『石』の本はしっかりと脇に抱えて。
隙のないその構えに、レイネンドランドの兵士は踏み込めず。
レイサルは目を細めてアンゼリスカを見つめた。
「愚かな国だな……ティエラという国は。己の力を過信するあまり、周囲を見ない」
「何を、考えて」
「紡石の生成。素晴らしい力だよ。欲しい。だがティエラ人が渡さないというのなら」
レイサルは右手を持ち上げ、ぐっと握った。
「――自ら手に入れるまでだ」
石の生成は、レイネンドランド人には出来ない。出来るとしたら純粋なティエラ人だけだ。
そう、首脳会議でエディレイドが言っていたことだ。他国の血が混じった子供は、紡石を生成できないと。
しかし、アンゼリスカの胸は早鐘を打つ。脇に抱えた本。この本に書いてあるのは――!
レイサルがせせら笑う。
「そうすれば、我が国は周囲の大国さえも倒せるようになるのさ。ああ、素晴らしい未来だな」
思わず奥歯を噛みしめ、怒鳴った。
「やめろ! お前たち、この大陸すべてを戦火で焼き尽くす気か……!」
「王族に〝お前〟なんて無礼なことだ」
レイソルは関係ないところを聞き咎めた。
「ま、いいさ……。私とエディレイドの二人で万事はうまくことが進んでいる。お前は指をくわえて見ているといい……監獄でな」
連れて行け、とどこまでも冷たい声。
アンゼリスカは抗った。鉄板入りのブーツで真後ろからつかみかかってきた男の膝をぶちぬく。膝を折られた男の体が覆いかぶさってきた。それをどんと背中で押して背後へどかし、続いて左の肩と腕をつかんでいる男の膝裏を、さらに右の肩と腕をつかんでいる男の膝裏をブーツのつま先で打ち抜く。
次々と男たちは襲ってきた。アンゼリスカは膝からふとももに仕込んでいた長細い鉄を使い、男たちの目玉を軽く突いていく。本気なら目玉を突き破ってやるところだが、変なものを飛び散らかすと書庫の本が汚れる――学者肌のサガである。
軽く突かれただけでも、やはり目は急所だ。男たちは悶絶していく。
アンゼリスカはやがて、一人立ち去ろうとしていたレイサルの前に立ちふさがった。
「このまま簡単に行かせるとお思いですか、殿下」
「……しぶといな。当然か、あの噂のシャールコーラルの親衛隊長だ」
レイサルは楽しそうに笑みを浮かべた。
「――それでもお前はここで監獄行きだ」
言いながら、懐から何かを取り出す。
アンゼリスカは目を見張った。石――!
レイサルが手で握りつぶしたその石から甘い香りが漂い――
「く……そ……」
――まさか……研究はそこまで進んでいるの、か……
思い浮かんだのは大切な夕陽の瞳を持つ姫の笑顔。
シャール様……
そしてそのまま、彼は気を失った。
「さすが……学業大国」
高い天井までぎっしりと本棚が組み込まれ、本が出しやすいよう緩やかな隙間を空けながら並んでいる。高い所にある本は、はしごを使わなくては取れない。
そして、書庫は広かった。
空調が効いているらしく、ひんやりと冷たい部屋。本は陽に当てられないから、窓はない。暗い。
もう何日もこの書庫に通っている。朝一から昼過ぎまでは城下町で町人の手伝いと情報収集を。その後、午後はここへ来る。
色々な棚を見た。あらゆる蔵書が揃っている。図鑑も論文も辞典も小説も詩も、専門書も一般書も。
興味を持ったら手に取ってみる。元々学者肌のアンゼリスカには胸躍る場所だった。
だが、今はそれどころではない。
ティエラを発ってからすでに五十五日。帰国には七日間かかる。姫の婚約の儀は黄の二十日頃、そして今はティエラ歴で橙の十六日。残り、五十日とちょっとだ。
手に入れた情報と言えば、レイネンドランドの王族はティエラとの結婚条約を歓迎していること。国民はティエラを不気味に思っていること。
肝心の、レイネンドランドの思惑が分からない。
国王は「戦争に関わりのないティエラと手を結べるのはありがたい」だの「かの国の古代言語は興味深い」だの、当たり障りのないことしか言わない。
だが、国民の言葉を信じれば明らかだ。あの、〝王がこの国を護ってくれる〟という言葉――
この国には、この国にしか学べない何かがある。
そしてそれを護ることで、敵の侵略を免れているはずなのだ。
(隣国でありながら、噂ももれてこなかったなんて)
我が国の情報収集ミスか、今度本来のスパイたちを厳しくしつけよう、そんなことがアンゼリスカの頭の中をめぐる。
(……禁書。そこにまで目をつけなければ、意味はない、か……?)
アンゼリスカは、書庫の奥を見る。
扉があった。貼り付いているのは『入室厳禁』と書かれたプレート。
できれば危険は避けたかった。が――もうそうも言っていられない。
近づいた。一見して、強固な鍵がかかっているのが分かった。
アンゼリスカは両の掌を胸の前へ持ち上げる。
「我が願いよ届け、紡ぐ思いとなりて」
掌が赤く発光、糸のように繭を紡いでいく。
それは一瞬のうちに石へと変わった。
掌に転がった赤い紡石を、鍵穴にかざす。
「開け」
紡石が発光し、光は鍵穴に伸びた。ガチン! と鍵の開く重い音がした。
アンゼリスカはゆっくりと重厚な扉を開く。
中は暗かった。
静寂に満ちた部屋。本たちはまるで自ら開かれるのを禁じているかのように、粛然と並んでいる。
扉をゆっくり閉じる。
床は石タイルだ。鉄板入りブーツながら、足音のしない細工をしてあるものを履いていてよかった。
見たこともないような、古い本がある。新しい本も加えられているようだ。背表紙の状態でそれを見分けながら、何か興味深い物はないかと、歩き回ってみる。
そこにあったのは主にレイネンドランドの歴史書、風土記の類だった。
一応知っておくべきか、と彼はそれらをぺらぺらめくった。
そして――瞠目した。
(これは――)
まっさきに目についたのは挿絵だ。青い青い色の光を放つ石が空中に浮かび、それを裸に腰巻――つまり昔の人間――がつかみとろうとしている瞬間の絵。
アンゼリスカはさっと目をその挿絵の横の文章に走らせる。
『鉱山の中にあった四つ目を手に入れたのは伝説の勇者ジークフリードであった。彼は青い石を、意志をその胸に刻み込んだ。そうして彼は――』
『レイネンドランドからなら天然石が出るかもしれん。何しろこのティエラとは地続きの国だからな』
(父……上……)
父親のことが思い出されて、思わずアンゼリスカの胸が震えた。
(父上。父上)
あなたの言う通りだった。この国には天然石の伝承があるのだ。天然の――紡石の。
それは大きな力を秘めているという。大地のパワーを吸収した力。人の心を増幅することができると、伝説にはあった。
ふいにレイサル王子の言葉がよみがえってくる。
――父と母は鉱山の視察に行っているんだ。
ぱらぱらとページをめくっていく。石に関する伝承はまだある。ティエラと同じ、伝承。
虹の石。
――ティエラにしか伝わっていないと思っていた、その単語。虹色に輝く紡石。
何もかも、使い主の好きな願いをかなえるという、幻の紡石。
アンゼリスカは顔を上げた。同じ棚に他にめぼしい本はないかと目を走らせる。
そして、
ふいに目に入った文字に、引きつけられた。
『石』
簡潔に、それだけが書かれた本。
引っかかりを覚えて、その本を抜き出す。薄い本だった。まだ作り途中かというような。
紙自体は新しいのに、手垢がついていた。利用価値が高いとみえる。
ぺらぺらとめくっていって――
やがて青年の顔色が変わっていく。
「これは……」
思わず声がもれた。手が震えた。まさか、こんなものがここに――
「驚いたのか」
声がして、はっとアンゼリスカは振り向いた。
暗がりの中、かつ、と足音を立てて一人の青年が姿を見せた。レイネンドランド王子レイサル……。
「で、殿下――」
アンゼリスカは慌てて拝礼する。もちろんレイネンドランド語は崩さずに。
だが、レイサルは冷ややかに。
「今さら私に礼儀を払う必要もあるまい。アンゼリスカ・ミスト・ラインレイン」
「―――!」
アンゼリスカは本を抱え、まなざしを鋭くした。なぜだ、どこから本名が知れた――
レイサルはひらひらと手にしている小さな紙切れを示し、
「私の大切な学友がわざわざ教えてくれたよ。私の国に邪魔なハエが入っているはずだとな……ハエの名前や経歴、ご丁寧にほとんどすべて」
「……エディレイド殿下が……?」
アンゼリスカは呆然とした。
あの、聡明な第二王子が?
自分を〝邪魔なハエ〟と?
――第二王子が、レイサルと組んで、何かを企んでいると?
やがてレイサルの背後にうごめく影がいくつも現れた。人影だ。
いや、レイサルの背後だけではない。自分の背後にも――
待て。なぜだ? そもそもなぜ、扉が開く音がしなかった?
「遅いぞ。――あの男を捕らえろ」
レイサルの感情のない声。
アンゼリスカはとっさに身構えた。『石』の本はしっかりと脇に抱えて。
隙のないその構えに、レイネンドランドの兵士は踏み込めず。
レイサルは目を細めてアンゼリスカを見つめた。
「愚かな国だな……ティエラという国は。己の力を過信するあまり、周囲を見ない」
「何を、考えて」
「紡石の生成。素晴らしい力だよ。欲しい。だがティエラ人が渡さないというのなら」
レイサルは右手を持ち上げ、ぐっと握った。
「――自ら手に入れるまでだ」
石の生成は、レイネンドランド人には出来ない。出来るとしたら純粋なティエラ人だけだ。
そう、首脳会議でエディレイドが言っていたことだ。他国の血が混じった子供は、紡石を生成できないと。
しかし、アンゼリスカの胸は早鐘を打つ。脇に抱えた本。この本に書いてあるのは――!
レイサルがせせら笑う。
「そうすれば、我が国は周囲の大国さえも倒せるようになるのさ。ああ、素晴らしい未来だな」
思わず奥歯を噛みしめ、怒鳴った。
「やめろ! お前たち、この大陸すべてを戦火で焼き尽くす気か……!」
「王族に〝お前〟なんて無礼なことだ」
レイソルは関係ないところを聞き咎めた。
「ま、いいさ……。私とエディレイドの二人で万事はうまくことが進んでいる。お前は指をくわえて見ているといい……監獄でな」
連れて行け、とどこまでも冷たい声。
アンゼリスカは抗った。鉄板入りのブーツで真後ろからつかみかかってきた男の膝をぶちぬく。膝を折られた男の体が覆いかぶさってきた。それをどんと背中で押して背後へどかし、続いて左の肩と腕をつかんでいる男の膝裏を、さらに右の肩と腕をつかんでいる男の膝裏をブーツのつま先で打ち抜く。
次々と男たちは襲ってきた。アンゼリスカは膝からふとももに仕込んでいた長細い鉄を使い、男たちの目玉を軽く突いていく。本気なら目玉を突き破ってやるところだが、変なものを飛び散らかすと書庫の本が汚れる――学者肌のサガである。
軽く突かれただけでも、やはり目は急所だ。男たちは悶絶していく。
アンゼリスカはやがて、一人立ち去ろうとしていたレイサルの前に立ちふさがった。
「このまま簡単に行かせるとお思いですか、殿下」
「……しぶといな。当然か、あの噂のシャールコーラルの親衛隊長だ」
レイサルは楽しそうに笑みを浮かべた。
「――それでもお前はここで監獄行きだ」
言いながら、懐から何かを取り出す。
アンゼリスカは目を見張った。石――!
レイサルが手で握りつぶしたその石から甘い香りが漂い――
「く……そ……」
――まさか……研究はそこまで進んでいるの、か……
思い浮かんだのは大切な夕陽の瞳を持つ姫の笑顔。
シャール様……
そしてそのまま、彼は気を失った。
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