【完結】乙女ゲームのモブの私は気ままに過ごします。

里音

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7 どうして婚約者さえ見つけられないの…

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新入生の歓迎会も大きな問題もなく終わった。
翌日以降周りにはハートが飛び交う。
そう、歓迎会で婚約者のいない男女が何組も交際に発展しているのだ。

ああ、このままでは私は売れ残り決定ね。家はシュナイザーが継ぐから爵位目当ての求婚もないし、父様は私に興味がないようで未だ婚約者がいないのに…。このままいけば家に居座り続ける私に困った父様かシュナイザーに嫁入り先を見つけてもらうようになるだろう。
その頃には若さという満開の時期もとっくに過ぎ花も萎れて…いや枯れきっている私には性格悪すぎて嫁の来てがない人か死にかけとかのどこぞの後妻とかしか残っていないだろう。それなりの相手に花の盛りに嫁に行きたい。と思うのは贅沢なのかしら?

そんな現実逃避をしているとシュナイザーが

「フローリア?心ここにあらずって感じだけど何かあったの?」

うん?心配してる内容なのに何故か義兄の背後にブリザードが見えるような…。
あれ?この世界って魔法使えたかしら?

「…リア、フローリア?」

はっ、また意識飛ばしてた。
と、目の前に麗しいシュナイザーのドアップが。鼻がくっつきそうなほど近い。

「っ…。ご、ごめんなさい。また考え事してて。それよりお義兄様、近いです。」

シュナイザーはそれはそれはいい笑顔で周りに宣言する。

「フローリアは体調が良くないみたいだから今日はもう解散だ。フローリア帰るよ。安心して。俺がしっかりと看病取調べしてあげるから。」

なぜかシュナイザーの言葉に副音声が聞こえる。
とても安心なんてできない。
シュナイザーは生徒会長でもないのになぜ解散を宣言するの。それに誰も意を唱えないのはなぜ?
周りにいる生徒会メンバーに助けを求めるように視線を巡らせる。
バルト、ガブリエル、エリオット。みんな可哀想な子を見るような目をしながら視線を逸らす。誰も助け舟を出してくれない。涙目になりながら、こうなったらルルシュでも…。

「よそ見はしなくて良いよ。」

その言葉と共にシュナイザーに抱き上げられた。

「きゃー。素敵。私もされてみたいわ。」

周りから女子生徒の黄色い声が上がる。
私の顔はシュナイダーの胸にくっついているので声だけでしかわからない。
周りを見ることを禁止するかのようにきつく抱きしめられている。なので反論もできない。
そのままスタスタと歩き車まで連れて行かれた。

で、座席に座りたいのにシュナイダーは何故か自分の膝から私を下ろすことなく横抱きし、尚且つしっかりと腰に手をまわして拘束している。

一体私が何をしたの??
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