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3 攻略対象1 ジェイド
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入学式の後生徒会室でサリントン殿下をまっている。
私、ジェイド・マキナイルはこの国の第二王子サリントン殿下の側近候補として学園で殿下の補佐をしている。
王族は1年生だろうが生徒会長となるため、1学年下のサリントン殿下が生徒会長を務めている。その側近候補達は必然的に生徒会役員になる。
私は以前第一王子の側近候補だった。だが、妹のマリエッタを見初めたサリントン殿下が無理矢理婚約を結んだ為、私も第一王子から第二王子へとチェンジさせられた。
はっきり言って、第一王子は優秀で、自分にも他人にも厳しかった。それでも第一王子は自分から仕えたいと思える人物だった。
それに比べて第二王子は自分に甘く、他人任せが多い。そのせいで側近候補として苦労している。
妹はサリントン殿下や 王子妃という立場にも執着していない。貴族としての義務感だけで婚約を継続している。
それどころか婚約解消できないかと画策しているのを知っている。
相変わらずサリントン殿下は雑用は嫌いらしく待っているのになかなか生徒会室に来ない。しびれを切らし探しに行こうとし、カフェでマリエッタの姿を見かけ、声をかけた。
「お話中失礼。ちょっといいかな?」
相手はてっきりいつもの取り巻きメンバーだと思っていたが、違うようだ。
金髪碧眼の整いすぎた顔と、豊満な容姿でどうしてもキツめに思われてしまうマリエッタとは正反対の様なふわふわとした淡い茶色の髪と同じ色彩の瞳の小柄な砂糖菓子のような女性だ。その彼女は顔を強張らせて急いで立ち上がり、頭を下げた。
「どうぞ私の事は気になさらず、先にお話しください。」
マリエッタの取り巻きも私の周りに侍ろうとする女性も肉食獣のようなギラギラとした目を向けてくる。その点目の前の彼女は謙虚で、好感が持てる。
名前を聞けばリリアナ・モントン。モントン伯爵家か?マリエッタとどういう繋がりがあるのだろうか?彼女に手で座る様に指示しマリエッタに視線を向ける。
「殿下を見なかったか?」
「殿下は生徒会室に向かうとおっしゃってましたわ。わたくしが先に教室から出てしまったのでその後はわかりません。」
相変わらずマリエッタは殿下に興味がないようで淡々と答える。その横でリリアナはハッとした表情を見せオドオドしながら話し始めた。
「あっ、あの、お話中口を挟む事をお許しください。マリエッタ様、先程のヒロインが出会いイベントで、図書室へ行くと言ってました。そして…マリエッタ様の足止めを指示されました。先にそのことをお話しするべきでした。そのつもりはなかったのですが結果的に私のせいでお手を煩わせてしまい申し訳ありません。」
聞き馴染みのない言葉が聞こえてきて聞き返した。
「ヒロイン?出会いイベント?」
彼女はマリエッタにしていたという話をもう一度最初から話してくれた。
話を聞いていると妄想癖があるとしか思えずヒロインには呆れしかない。それと同時にこの巻き込まれている少女に憐れみさえ覚えた。
私、ジェイド・マキナイルはこの国の第二王子サリントン殿下の側近候補として学園で殿下の補佐をしている。
王族は1年生だろうが生徒会長となるため、1学年下のサリントン殿下が生徒会長を務めている。その側近候補達は必然的に生徒会役員になる。
私は以前第一王子の側近候補だった。だが、妹のマリエッタを見初めたサリントン殿下が無理矢理婚約を結んだ為、私も第一王子から第二王子へとチェンジさせられた。
はっきり言って、第一王子は優秀で、自分にも他人にも厳しかった。それでも第一王子は自分から仕えたいと思える人物だった。
それに比べて第二王子は自分に甘く、他人任せが多い。そのせいで側近候補として苦労している。
妹はサリントン殿下や 王子妃という立場にも執着していない。貴族としての義務感だけで婚約を継続している。
それどころか婚約解消できないかと画策しているのを知っている。
相変わらずサリントン殿下は雑用は嫌いらしく待っているのになかなか生徒会室に来ない。しびれを切らし探しに行こうとし、カフェでマリエッタの姿を見かけ、声をかけた。
「お話中失礼。ちょっといいかな?」
相手はてっきりいつもの取り巻きメンバーだと思っていたが、違うようだ。
金髪碧眼の整いすぎた顔と、豊満な容姿でどうしてもキツめに思われてしまうマリエッタとは正反対の様なふわふわとした淡い茶色の髪と同じ色彩の瞳の小柄な砂糖菓子のような女性だ。その彼女は顔を強張らせて急いで立ち上がり、頭を下げた。
「どうぞ私の事は気になさらず、先にお話しください。」
マリエッタの取り巻きも私の周りに侍ろうとする女性も肉食獣のようなギラギラとした目を向けてくる。その点目の前の彼女は謙虚で、好感が持てる。
名前を聞けばリリアナ・モントン。モントン伯爵家か?マリエッタとどういう繋がりがあるのだろうか?彼女に手で座る様に指示しマリエッタに視線を向ける。
「殿下を見なかったか?」
「殿下は生徒会室に向かうとおっしゃってましたわ。わたくしが先に教室から出てしまったのでその後はわかりません。」
相変わらずマリエッタは殿下に興味がないようで淡々と答える。その横でリリアナはハッとした表情を見せオドオドしながら話し始めた。
「あっ、あの、お話中口を挟む事をお許しください。マリエッタ様、先程のヒロインが出会いイベントで、図書室へ行くと言ってました。そして…マリエッタ様の足止めを指示されました。先にそのことをお話しするべきでした。そのつもりはなかったのですが結果的に私のせいでお手を煩わせてしまい申し訳ありません。」
聞き馴染みのない言葉が聞こえてきて聞き返した。
「ヒロイン?出会いイベント?」
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話を聞いていると妄想癖があるとしか思えずヒロインには呆れしかない。それと同時にこの巻き込まれている少女に憐れみさえ覚えた。
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