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理解もしてないし、サポートキャラをする事も了承してないままに学園に入学した。

ゲームの物語はヒロインが学園に入学してから始まるらしい。ゲーム期間は1年。それは攻略対象の1人ジェイドが卒業してしまうからだ。
因みに攻略対象のジェイドは3年生、サリントン殿下とマイケルとカイル、マリエッタは2年生で、リリアナとアデリーナは1年生だ。

アデリーナ…面倒なのでヒロインでいいや、本人がそう言ってるから。
ヒロインは入学式の放課後にサリントン殿下と出会いイベントがある。サポートキャラである私に悪役令嬢の足止めを指示して張り切って出かけていった。
ええー。どうやったら交流もない上級生のしかも侯爵令嬢の足止めなんかできるのよ。
そう言う私にヒロインは周りに向ける可愛い笑顔とは違う黒い笑みを浮かべて「親友の頼みだものなんとかしてよ。ゲームではサポートキャラは万能だったわ。きっとどうにかなるわ。」と言い捨てて行った。
あのー、領地が隣なだけで私達親友でもなんでもないのですが…。


仕方なく、2年生の教室に行き侯爵令嬢であるマリエッタ様を呼び出しました。
1年生が上級生、しかも侯爵令嬢を呼び出すという事で注目を集めてしまった。
だが、気さくなマリエッタ様は怪しむことなくお優しく受けてくださいました。
学食のカフェでお話しさせていただきます。

自称ヒロインのアデリーナの話をすると

「そのヒロインの言うとおりなら私は婚約破棄されてしまうの?それに侯爵家から追放もしくは修道院入り?その方の願望、妄想なのではなくて?」

突然こんな話を聞いたら私でも思う事だ。でも、

「ですが…
「お話中失礼。マリエッタ、ちょっといいかな?」

突然、後ろからマリエッタ様に声がかかる。
私は急いで立ち上がり、頭を下げる。

「どうぞ私の事は気になさらず、先にお話しください。」

ジェイド様は私に手で座る様に示しマリエッタに視線を向ける。

「殿下を見なかったか?」

「殿下は生徒会室に向かうとおっしゃってましたわ。わたくしは先に教室から出てしまったのでその後はわかりません。」

リリアナはハッとした。
確かヒロインは図書室に行くと言ってた。出会いイベントだとも。

「あっ、あの、お話中口を挟む事をお許しください。マリエッタ様、先程のヒロインが出会いイベントで、図書室へ行くと言ってました。そして…マリエッタ様の足止めを指示されました。先にそのことをお話しするべきでした。そのつもりはなかったのですが結果的に私のせいでお手を煩わせてしまい申し訳ありません。」

私は2人に頭を下げる。マリエッタ様は呆れた顔になり、ジェイド様は意味がわからないといった表情で聞き返した。

「ヒロイン?出会いイベント?」

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