【完結】サポートキャラって勝手に決めないで！

5 攻略対象2 マイケル

サリントン殿下について図書室へと向かう。そこに新入生らしき女子生徒がいた。彼女はキョロキョロしていた不審人物だ。殿下こちらを確認してから本を探す振りをして近寄りわざと王子にぶつかり本を落とさせた。
そして殿下の持っていた本を探していたと言う。そこから本の話題になったが、探していたと言われる本についての知識は余りにお粗末すぎた。これは前編を読んでいないか、読んでいても理解していないかだろう。それなのに後編を探すか？殿下もおかしいと思いつつも一応話を合わせてはいるようだ。

彼女は1年生のアデリーナ・トリカエッティと名乗った。トリカエッティ伯爵の長女だ。トリカエッテイ伯爵家は第二王子サリントン派だ。娘を使って取り入ろうとしているのだろうか？
話も噛み合わなくなりいい加減生徒会に戻ろうとしたら、生徒会の手伝いがしたいと言い出した。
まず、本を読んでいると言う嘘、仮に読んでいたとしてもこの本を読んであそこまで理解していない者の手伝いなど邪魔にしかならないだろうと思い拒否しようとしたが、殿下が了承した。


案の定、生徒会室に来ても手伝いの一つもしない。殿下の周りをうろちょろし、「すごーい。」「こんな大変な事をいつもしていらっしゃるのですね。尊敬します。」と褒める煽てるか、「貴方の悩みを理解してます。」なんて意味不明な言葉を言うだけ。
邪魔で仕方がない。

休憩をと思いお茶を出すとわざとらしくお茶をこぼし、大変な事をしちゃったと、殿下の服の裾を掴み庇護欲をそそるように涙ぐむ。見ててワザとらしすぎて笑える。もちろん笑いはしないが。
それより書類が濡れてダメになるだろう。先に拭けよ。と思ったのはきっと自分だけではないだろう。

「君は今日入学したばかりで疲れているだろう。それなのに生徒会の手伝いなどさせて悪かったね。今日はもう帰って早く休んだらどうだい。」

お馬鹿な殿下はあっさり騙されて、優しい笑みを浮かべた。彼女はそれに気を良くして「また明日もお手伝いしに来ますね。」と言い帰って言った。

「殿下、彼女の手伝いなど必要ありません。現に書類がダメになり、やり直す羽目になってます。拒否してください。」

そう詰め寄るが、殿下は困り顔で

「そう非難するな。彼女は1年生なんだ。多目にみてあげなければ。最初から出来る子なんていないよ。少し様子を見てあげよう。」

久々にまともな事を言う殿下に頷いたのは失敗だったと後になって気づいた。