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13サリントン殿下の破滅への道
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ジェイドの出した書類は王命でヒロインと結婚する事を記した書類とサリントン殿下へ王族から僻地の一代限りの伯爵位への降格の書類だった。
サリントンは唸るように
「どうしてこんな酷い事を…。それに何故父はアデリーナの事を知っていたのだ?まさか」
そう言い元婚約のマリエッタや側近候補だったジェイド、マイケル、カイルを睨みつけた。
それに怯む事なく悠然とマリエッタが
「望まれて婚約者となりましたが、わたくしは望んでのことではありませんでした。義務として王子妃の教育まで受けておりわたくしには自由な時間はほぼございませんでした。
それなのに、殿下は婚約者がいる身でありながら他の女性と恋仲になり婚約解消などの筋を通さず、わたくしを蔑ろにされておりました。
殿下には婚約者としてご忠告はいたしましたよね。それでも改善されませんでしたので、両親を通じて陛下に現状を報告して婚約解消をお願いしたのです。
陛下がそれではわたくしに傷が付くとおっしゃって白紙撤回にしてくださったのです。わたくしがしたのはそれだけです。」
口を開きかけたサリントンを無視してジェイドが
「私達も陛下に殿下の行動をお話ししました。側近は護衛、仕事のサポートは勿論の事、お目付役も兼ねておりますので。
最近は生徒会の仕事もされず、婚約者ではない特定の女性とばかりいらっしゃること。今回の卒業パーティーに婚約者であったはずのマリエッタにドレスやアクセサリーを贈る事もしていないのに、婚約者への予算からドレス、アクセサリー代が使われていることなどを報告しただけです。
その上で殿下の側近候補から外してほしいと訴えたところ、快く了承していただきました。なので殿下からの解任ではありません。卒業後は第一王子の側近となることが決まっております。」
「な、…」
サリントンはもう言葉は出ないようだ。
ヒロインは状況を見てサリントンに未来はないと悟ったのか、ジェイドに向け
「ジェイド様、私は伯爵家という事で王族である殿下の好意を受け止めざるを得なかっただけです。本当は恋仲などではありません。ずっと言えませんでしたが、あなた様の事をお慕いしておりました。」
サリントンの腕の中から逃れジェイドへと歩きだした。
ジェイドはそれを視線で止め
「あなたはもうすでにサリントン殿の婚約者いいえ、式を挙げていないだけで伯爵夫人です。王命だという書類を先程お見せしたでしょう。
それに今までの行動を見てサリントン殿と恋仲ではないとか、私に好意を抱いているとは到底思えません。
それに私には婚約者がおります。」
「ジェイド様に婚約者?」
「えっ一体誰?」
「まさか、隣にあるあの生徒会の女性?」
「ただ生徒会メンバーの1人だって聞いたわ。それに彼女は婚約者がいないって」
周りはざわざわし始めた。
侯爵家の跡取りのジェイドは婚約者もおらず結婚相手として優良物件だった。それが皆の認識だった。
今日もジェイドに婚約者のいない令嬢からの注目が集まっていた。
そして側にいるリリアナにも。リリアナの装いがジェイドを想像させるのだ。
だが、マリエッタやマイケルなど生徒会メンバーも側にいたことから生徒会メンバーとして側にいるだけだと思われていた。
リリアナは会場入りしてから興味や嫉みやら今まで体験したことのないたくさんの視線に晒されて居心地が悪かった。
生徒会メンバーとして今まで側にいたが先程の発言を聞きそっとジェイドの側から離れようとしていたリリアナを止めたのはその後のジェイドの言葉だった。
サリントンは唸るように
「どうしてこんな酷い事を…。それに何故父はアデリーナの事を知っていたのだ?まさか」
そう言い元婚約のマリエッタや側近候補だったジェイド、マイケル、カイルを睨みつけた。
それに怯む事なく悠然とマリエッタが
「望まれて婚約者となりましたが、わたくしは望んでのことではありませんでした。義務として王子妃の教育まで受けておりわたくしには自由な時間はほぼございませんでした。
それなのに、殿下は婚約者がいる身でありながら他の女性と恋仲になり婚約解消などの筋を通さず、わたくしを蔑ろにされておりました。
殿下には婚約者としてご忠告はいたしましたよね。それでも改善されませんでしたので、両親を通じて陛下に現状を報告して婚約解消をお願いしたのです。
陛下がそれではわたくしに傷が付くとおっしゃって白紙撤回にしてくださったのです。わたくしがしたのはそれだけです。」
口を開きかけたサリントンを無視してジェイドが
「私達も陛下に殿下の行動をお話ししました。側近は護衛、仕事のサポートは勿論の事、お目付役も兼ねておりますので。
最近は生徒会の仕事もされず、婚約者ではない特定の女性とばかりいらっしゃること。今回の卒業パーティーに婚約者であったはずのマリエッタにドレスやアクセサリーを贈る事もしていないのに、婚約者への予算からドレス、アクセサリー代が使われていることなどを報告しただけです。
その上で殿下の側近候補から外してほしいと訴えたところ、快く了承していただきました。なので殿下からの解任ではありません。卒業後は第一王子の側近となることが決まっております。」
「な、…」
サリントンはもう言葉は出ないようだ。
ヒロインは状況を見てサリントンに未来はないと悟ったのか、ジェイドに向け
「ジェイド様、私は伯爵家という事で王族である殿下の好意を受け止めざるを得なかっただけです。本当は恋仲などではありません。ずっと言えませんでしたが、あなた様の事をお慕いしておりました。」
サリントンの腕の中から逃れジェイドへと歩きだした。
ジェイドはそれを視線で止め
「あなたはもうすでにサリントン殿の婚約者いいえ、式を挙げていないだけで伯爵夫人です。王命だという書類を先程お見せしたでしょう。
それに今までの行動を見てサリントン殿と恋仲ではないとか、私に好意を抱いているとは到底思えません。
それに私には婚約者がおります。」
「ジェイド様に婚約者?」
「えっ一体誰?」
「まさか、隣にあるあの生徒会の女性?」
「ただ生徒会メンバーの1人だって聞いたわ。それに彼女は婚約者がいないって」
周りはざわざわし始めた。
侯爵家の跡取りのジェイドは婚約者もおらず結婚相手として優良物件だった。それが皆の認識だった。
今日もジェイドに婚約者のいない令嬢からの注目が集まっていた。
そして側にいるリリアナにも。リリアナの装いがジェイドを想像させるのだ。
だが、マリエッタやマイケルなど生徒会メンバーも側にいたことから生徒会メンバーとして側にいるだけだと思われていた。
リリアナは会場入りしてから興味や嫉みやら今まで体験したことのないたくさんの視線に晒されて居心地が悪かった。
生徒会メンバーとして今まで側にいたが先程の発言を聞きそっとジェイドの側から離れようとしていたリリアナを止めたのはその後のジェイドの言葉だった。
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