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14 ジェイドの婚約者
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「丁度良い機会なので、皆様に我が愛しの婚約者を紹介しておきましょう。
こちらにいるリリアナ・モントン伯爵令嬢です。」
「え、えっ」
離れそうとしていたリリアナはジェイドに腰を引かれて密着する身体と初めて聞く内容に狼狽えてしまう。
すると耳元に今まで聞いたことのない甘さを含んだ声で「リリアナ挨拶して。」と言われ、頭真っ白のまま
「デリート・モントン伯爵の娘リリアナ・モントンです。以後お見知り置きを。」
貴族としてのマナー教育の賜物で、挨拶と言われ条件反射的に淑女の礼をとって挨拶してしまった。
「えっ、本当の事なの?」「ええー、ジェイド様が…」
ざわつく会場内に
「皆さま、私事で大変お騒がせしました。パーティーを始めましょう。楽しんでください。」
嬉しそうなジェイドのその言葉で会場には音楽が流れてそれぞれ軽食コーナーやダンスホールなどへ人が流れ始めた。
まだ現実味のない私の側では、ジェイド様が満面の笑みで私を見つめている。マリエッタ様とマイケル様は呆れ顔で
「お兄様。まさかまだリリアナに言ってなかったのですか?いくらわたくしの婚約破棄を回避させるためと同時にわたくし達とお兄様の婚約を整えるために忙しかったからといえ、この場で急に伝えられるなんてリリアナがかわいそうですわ。」
「ジェイド様、リリアナ嬢。ご婚約おめでとうございます。」
「ああ、ありがとう。君も妹との婚約おめでとう。」
ジェイド様はマリエッタ様の苦言は無視してマイケル様からの祝福に満面の笑みで応えている。
リリアナはマリエッタ様が知っているということは本当のことなんだ。でも、いつの間に?とぼんやり聞いていると
「そうそう、私達の結婚式は1ヶ月後に決まったから、お前達は半年後に挙げればいいだろう。もう準備はできているのだろう?」
はあ?ジェイド様は一体何を言っているのだろうか?ジェイド様は3年生で卒業したが、私は今年入学した1年生で、学園は後2年残っているのだ。
確かに結婚などで学園を途中で辞める人もいるが、私はきちんと勉強を終わらせ卒業したい。せっかくジェイド様をはじめマリエッタ様から色々と教えていただいたのだから。
婚約の事はこれだけたくさんの人に知られてしまったのだから覆すのは無理かもしれないが。いや婚約は嬉しいので覆したくはないが…。
それに結婚式は1ヶ月後だなんて準備が無理だと思う。ここでしっかり反論しないとこれからもジェイド様の言いなりになってしまいそう。
「あの、ジェイド様。婚約の話も今お聞きしたばかりで実感がありません。本当の話なんですか?父からも何も言われておりませんでしたし…。それなのにすぐ結婚だなんて。私はまだ学生です。婚約は嬉…良いとしても結婚するとしたらきちんと学園を卒業したいです。」
おずおずとだが反論する私に、ジェイド様はわかっているというように
「リリィ。本来この学園で教えることは1年生で習う事がほとんどだ。後の2年は交流を深めたり社交の役割が多い。君はこの間、特別課題テストをしただろう。あれは卒業テストさ。勿論合格だったから私から卒業申請しておいた。
飛び級の卒業は明日在学生達の解散式で告げられその後に卒業式となる。ちなみにマイケルとマリエッタも一緒に卒業するよ。」
なんでもない事のように言われる。
確かに生徒会に入ってジェイド様から勉強を教わり、というか強制的に勉強させられていたおかげで、講師の先生方からも優秀と褒められるようになっていた。
そして卒業間近にジェイド様から生徒会メンバーが受ける特別課題テストを受けてみないか?と言われてやった。
課題テストを受ける人数は多くはなく、生徒会メンバーも3年生と殿下以外いたので特に気にもしなかった。
テストはここ1年で学んだことやジェイド様に教わった内容なので苦もなくできていた。
でも、
「卒業はわかりました。それでも結婚式が1ヶ月後なんて。準備もありますし、今からでは無理で…す…よ…ね。」
言いながら段々と言葉尻が弱くなっていく。だって、ジェイド様は背筋が凍るような黒い笑みを浮かべているんですもの。そして
「もうドレスの準備も完了しているから無理じゃないよ。」
こちらにいるリリアナ・モントン伯爵令嬢です。」
「え、えっ」
離れそうとしていたリリアナはジェイドに腰を引かれて密着する身体と初めて聞く内容に狼狽えてしまう。
すると耳元に今まで聞いたことのない甘さを含んだ声で「リリアナ挨拶して。」と言われ、頭真っ白のまま
「デリート・モントン伯爵の娘リリアナ・モントンです。以後お見知り置きを。」
貴族としてのマナー教育の賜物で、挨拶と言われ条件反射的に淑女の礼をとって挨拶してしまった。
「えっ、本当の事なの?」「ええー、ジェイド様が…」
ざわつく会場内に
「皆さま、私事で大変お騒がせしました。パーティーを始めましょう。楽しんでください。」
嬉しそうなジェイドのその言葉で会場には音楽が流れてそれぞれ軽食コーナーやダンスホールなどへ人が流れ始めた。
まだ現実味のない私の側では、ジェイド様が満面の笑みで私を見つめている。マリエッタ様とマイケル様は呆れ顔で
「お兄様。まさかまだリリアナに言ってなかったのですか?いくらわたくしの婚約破棄を回避させるためと同時にわたくし達とお兄様の婚約を整えるために忙しかったからといえ、この場で急に伝えられるなんてリリアナがかわいそうですわ。」
「ジェイド様、リリアナ嬢。ご婚約おめでとうございます。」
「ああ、ありがとう。君も妹との婚約おめでとう。」
ジェイド様はマリエッタ様の苦言は無視してマイケル様からの祝福に満面の笑みで応えている。
リリアナはマリエッタ様が知っているということは本当のことなんだ。でも、いつの間に?とぼんやり聞いていると
「そうそう、私達の結婚式は1ヶ月後に決まったから、お前達は半年後に挙げればいいだろう。もう準備はできているのだろう?」
はあ?ジェイド様は一体何を言っているのだろうか?ジェイド様は3年生で卒業したが、私は今年入学した1年生で、学園は後2年残っているのだ。
確かに結婚などで学園を途中で辞める人もいるが、私はきちんと勉強を終わらせ卒業したい。せっかくジェイド様をはじめマリエッタ様から色々と教えていただいたのだから。
婚約の事はこれだけたくさんの人に知られてしまったのだから覆すのは無理かもしれないが。いや婚約は嬉しいので覆したくはないが…。
それに結婚式は1ヶ月後だなんて準備が無理だと思う。ここでしっかり反論しないとこれからもジェイド様の言いなりになってしまいそう。
「あの、ジェイド様。婚約の話も今お聞きしたばかりで実感がありません。本当の話なんですか?父からも何も言われておりませんでしたし…。それなのにすぐ結婚だなんて。私はまだ学生です。婚約は嬉…良いとしても結婚するとしたらきちんと学園を卒業したいです。」
おずおずとだが反論する私に、ジェイド様はわかっているというように
「リリィ。本来この学園で教えることは1年生で習う事がほとんどだ。後の2年は交流を深めたり社交の役割が多い。君はこの間、特別課題テストをしただろう。あれは卒業テストさ。勿論合格だったから私から卒業申請しておいた。
飛び級の卒業は明日在学生達の解散式で告げられその後に卒業式となる。ちなみにマイケルとマリエッタも一緒に卒業するよ。」
なんでもない事のように言われる。
確かに生徒会に入ってジェイド様から勉強を教わり、というか強制的に勉強させられていたおかげで、講師の先生方からも優秀と褒められるようになっていた。
そして卒業間近にジェイド様から生徒会メンバーが受ける特別課題テストを受けてみないか?と言われてやった。
課題テストを受ける人数は多くはなく、生徒会メンバーも3年生と殿下以外いたので特に気にもしなかった。
テストはここ1年で学んだことやジェイド様に教わった内容なので苦もなくできていた。
でも、
「卒業はわかりました。それでも結婚式が1ヶ月後なんて。準備もありますし、今からでは無理で…す…よ…ね。」
言いながら段々と言葉尻が弱くなっていく。だって、ジェイド様は背筋が凍るような黒い笑みを浮かべているんですもの。そして
「もうドレスの準備も完了しているから無理じゃないよ。」
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