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15 オチはどこ?
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後から考えると卒業パーティーにとジェイド様に贈られたドレスは侯爵家嫡男のジェイド様の婚約者として隣に立つに相応しいドレスだった。
いくら侯爵家とはいえただ一度きりのエスコートの相手に贈るには豪華すぎる。それを考えることもなく素敵なドレスだ、流石は侯爵家。と浮かれていたなんて…。残念すぎる。
アクセサリーもジェイド様の瞳の色の超一級品だった。このドレス一式が贈られた時点でおかしいと気付けなかった自分にがっかりだ。
でも、なんだかんだ言ってジェイド様と一緒にいる時間が長かった為、ジェイド様の事が好きだ。
貴族として好きでもない相手と政略結婚もありえるのに、好きな相手と結婚できるのは嬉しい事だ。恋人として婚約者としての期間も結婚式までの後1ヶ月しかないのが悲しい。
そう思っていたのに
ジェイド様は飛び級の卒業式に婚約者として出席。その後送ってくださるのかと思えばそのままマキナイル侯爵家に連れていかれた。その日から花嫁修業と称して侯爵家で生活する事を余儀なくさせられた。
一般のマナーは学園入学前に家で学んでいたけれど、侯爵家では上級のマナーが求められる。生徒会に入ってからマリエッタ様に上級のマナー教育をされていた。その時は生徒会のメンバーは高位の貴族を相手にもするので必要なんだと思っていた。
そのためマナーは問題がないということで、今はマキナイル侯爵家所縁の貴族など必要な情報を覚えるくらいだ。
結婚式を1週間後に控えたある日、久しぶりにマリエッタ様と庭でお茶をしていた。
「リリアナ。生徒会で上級マナーを学んでいて良かったでしょう?お兄様から頼まれたとはいえ、あの頃はまだ王子妃教育もあり大変でしたのよ。」
マリエッタ様から衝撃の事実を知らされた。
生徒会に入ったのって入学後1ヶ月程よ。マリエッタ様からのマナー教育もほぼ同時なんですが…。
ジェイド様は一体いつから?
驚きの表情を浮かべつつ申し訳ないとマリエッタ様に頭を下げ謝っていると
「マリエッタ、リリィに何をさせているんだ。」
硬い声音でマリエッタ様を睨みつけながらジェイド様がやって来た。
えっ、この状況見て何故、マリエッタ様が何かさせてると思います?私がマリエッタ様に頭を下げているだけだよ。それなのに…
マリエッタ様は慣れたように
「お兄様、わたくしは何もしておりませんわ。お兄様の昔の所業をリリアナに教えていただけですわ。何かあったとすれば全てお兄様のせいですわ。」
マリエッタの言葉が終わる前にリリアナはジェイドに抱きしめられていた。
「ジェ、ジェイド様?」
顔を赤くしてアタフタとするリリアナに、低めの美声が、吐息とともに耳をくすぐる。
「リリィ。何を聞いたのですか?私の事で貴女が謝らなくてはならない事などあるのですか?それを聞いて私のことを嫌いになるのですか?」
きゃー。耳元で囁かないで。抱きしめる腕に力を入れないで。自然と顔に熱が溜まる。
「あ、あの。い、いいえ。」
抱きしめる腕が微かに震えている?ジェイド様でも不安になるの?
そんなジェイド様が可愛く愛おしくなり、ジェイド様を見つめてにっこり笑い
「嫌いになったりしてません。
ジェイド様、す、好きですよ。」
ジェイド様は目を見開き、その後蕩けるような顔を近づけてきた。
唇にこの邸に来て少し慣れはじめた暖かな熱を感じて幸せに浸っていると、
「ああ、可愛い。もう無理。」
言葉と同時に抱き上げられ彼の寝室へ連れていかれた。
それから3日間はその部屋から出してもらえなかった。
いくら侯爵家とはいえただ一度きりのエスコートの相手に贈るには豪華すぎる。それを考えることもなく素敵なドレスだ、流石は侯爵家。と浮かれていたなんて…。残念すぎる。
アクセサリーもジェイド様の瞳の色の超一級品だった。このドレス一式が贈られた時点でおかしいと気付けなかった自分にがっかりだ。
でも、なんだかんだ言ってジェイド様と一緒にいる時間が長かった為、ジェイド様の事が好きだ。
貴族として好きでもない相手と政略結婚もありえるのに、好きな相手と結婚できるのは嬉しい事だ。恋人として婚約者としての期間も結婚式までの後1ヶ月しかないのが悲しい。
そう思っていたのに
ジェイド様は飛び級の卒業式に婚約者として出席。その後送ってくださるのかと思えばそのままマキナイル侯爵家に連れていかれた。その日から花嫁修業と称して侯爵家で生活する事を余儀なくさせられた。
一般のマナーは学園入学前に家で学んでいたけれど、侯爵家では上級のマナーが求められる。生徒会に入ってからマリエッタ様に上級のマナー教育をされていた。その時は生徒会のメンバーは高位の貴族を相手にもするので必要なんだと思っていた。
そのためマナーは問題がないということで、今はマキナイル侯爵家所縁の貴族など必要な情報を覚えるくらいだ。
結婚式を1週間後に控えたある日、久しぶりにマリエッタ様と庭でお茶をしていた。
「リリアナ。生徒会で上級マナーを学んでいて良かったでしょう?お兄様から頼まれたとはいえ、あの頃はまだ王子妃教育もあり大変でしたのよ。」
マリエッタ様から衝撃の事実を知らされた。
生徒会に入ったのって入学後1ヶ月程よ。マリエッタ様からのマナー教育もほぼ同時なんですが…。
ジェイド様は一体いつから?
驚きの表情を浮かべつつ申し訳ないとマリエッタ様に頭を下げ謝っていると
「マリエッタ、リリィに何をさせているんだ。」
硬い声音でマリエッタ様を睨みつけながらジェイド様がやって来た。
えっ、この状況見て何故、マリエッタ様が何かさせてると思います?私がマリエッタ様に頭を下げているだけだよ。それなのに…
マリエッタ様は慣れたように
「お兄様、わたくしは何もしておりませんわ。お兄様の昔の所業をリリアナに教えていただけですわ。何かあったとすれば全てお兄様のせいですわ。」
マリエッタの言葉が終わる前にリリアナはジェイドに抱きしめられていた。
「ジェ、ジェイド様?」
顔を赤くしてアタフタとするリリアナに、低めの美声が、吐息とともに耳をくすぐる。
「リリィ。何を聞いたのですか?私の事で貴女が謝らなくてはならない事などあるのですか?それを聞いて私のことを嫌いになるのですか?」
きゃー。耳元で囁かないで。抱きしめる腕に力を入れないで。自然と顔に熱が溜まる。
「あ、あの。い、いいえ。」
抱きしめる腕が微かに震えている?ジェイド様でも不安になるの?
そんなジェイド様が可愛く愛おしくなり、ジェイド様を見つめてにっこり笑い
「嫌いになったりしてません。
ジェイド様、す、好きですよ。」
ジェイド様は目を見開き、その後蕩けるような顔を近づけてきた。
唇にこの邸に来て少し慣れはじめた暖かな熱を感じて幸せに浸っていると、
「ああ、可愛い。もう無理。」
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それから3日間はその部屋から出してもらえなかった。
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