異世界に来たんだから自分の欲望に忠実に生きる!

修ですが

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40話 マチルダ嫁にいく

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 ゴブリンズはオークに対して容赦のない攻撃を繰り返していた、その度にオークから悲痛な叫びが上がる。

 ゴブリンズはガツガツとオークの体に剣を突き立てる、最後の1匹が絶叫を上げ倒れた処で俺は小刀3本を投擲した。

 投擲スキルの影響で3本の小刀はゴブリンズに命中し2匹は背中に深く刺さりゴブリンは倒れた。残りの1匹は腰の辺りに刺さり奇声を上げながら倒れた。
 
 俺は森の中から現れ倒れたゴブリンに止めをさしていく。

 バタバタと藻掻いているゴブリンの腹を蹴り入れ黙らせた。

 「よお!」

 ゴブリンメイジに気さくに話し掛ける。

 「魔法、凄いな!どうやってるんだ?」

 俺にも教えてと言おうとした時にまた怪しく手を動かしだしたので飛び掛かり殴って気絶させた。

 ゴブリンメイジを殺さなかったのは普通のゴブリンより知性を感じたからで言葉がつうじるか話してみたかったからだ。

 もし、言葉が通じるなら魔法の秘密や秘訣を聞けるかも。
 言葉が通じなければ殺すだけ。

 普通のゴブリンを生かして置いたのはゴブリンメイジが秘密を明かさない場合はゴブリンメイジの前で殺す積もりだ。
 なるべく惨く。

 気絶させたがまた魔法を使われても面倒なのでもう1匹のゴブリン同様紐で身動きを封じておく。

 死に絶えたゴブリンとオークから魔石を取り出す為に腹を割く。
 相変わらずゴブリンの魔石は小さい。オークは前回と同じく黄色の魔石だ。

 オークから魔石を取り出し終わったら腹が減って来たのでオークを解体し肉を焼く事にする。

 再び森に入り枯れ草と枯れ枝を集めて火を点ける。
 火がある程度大きくなってから薪を入れて火力を高めた。

 今までのゴブリンは食べなかったが焼いてみる事にする。もしも食べれるようなら次から肉の確保が容易になるな。

 別の狙いもある。
 生き残ったゴブリンの前でゴブリンを食えばどう思うか?

 畜生とて恐怖を感じるはずだ!言葉が通じるなら尚更だ。目を覚ましたら本人達の前で食べようと思うが余り気が進まない。

 寄生虫が怖いのでしっかりと焼く。本人達に食べさせてもいいな。

 最初にオークから焼いていく。塩が欲しいと小屋を探すが残ってなかった。

 マチルダは相変わらず涎を垂らしていた。寝相わるいなあ、本当。

 焼けたオーク肉を食べてる最中にゴブリンが目を覚ます。

 ゴブリンの丸焼きを目の前で囓る。

 ギァギアと奇声を上げだしたので腹を蹴り黙らせた、耳障りな声だ。

 ゴブリンは筋張っていて硬い肉だ、料理の仕方次第かも知れないが他に肉が有るなら、もう食べる事は無いだろう。

 やっとゴブリンメイジが起きて俺を見る。

 「言葉はわかるか?」

 ゴブリンはコクと頷き話し始める。

 「どうする…つもりだ?」

 「俺に魔法を教えろ!」

 「教えよう…ない…わからない。」

 その後もゴブリンメイジと少し話したが奴によればある日突然頭に魔法が浮かび上がり使えるようになったと。だから教えようがないと。

 「お前の魔法をおしえろ!」

 ゴブリンメイジが使える魔法は2つ。

 火の魔法と風の魔法。

 ただし風の魔法は魔力を多く使う為に今は使えないと言う。

 嘘をつける程の知恵はなさそうだ。

 魔法の知識は入らないしもう聞ける事は無さそうなので殺すかと思い始めた時にゴブリンメイジが口を開く。

 「おまえ…つよい…したがう」

 は?

 ティム系のスキルは取ってないんだがな。
 俺はマジマジとゴブリンメイジを見る。

 「おまえにおれしたがう」

 「あまえおれのあるじ」

 なんか言い出したな。ゴブリンの部下はいらないんだけどな。
 面倒臭くなってきたので紐を切りもう帰って良いと告げる。

 「おれやくたつ」

 ゴブリンメイジが売り込んで来た。

 片言の言葉で話す姿には胡散臭さしかない。
 もう、殺しちゃおうかな面倒だし。
 そう思った時に閃いた。

 「解った!俺の役に立て!」

 「お前にこの土地を与える!」

 ゴブリンメイジは俺の前で膝をつき頭を下げる。

 「お前には3つの物を与える。」

 「土地と名前と女だ。」

 ゴブリンメイジに付けた名前はゴブオだ、安直だがもう二度と合う事はないから問題ない。

 「ゴブオ、お前に命じる!ここにゴブリンの王国を築くのだ!」

 「ゴブオお前はゴブリンキングになれる器だ!励め!」

 ゴブオは俺が!とかまさか?とか言い出すが俺は真顔で諭す。

 「初めてみた時からゴブオからは只ならぬ気配を感じた。」
 勿論、嘘で有る。ここは煽った方が面白くなりそうなので煽った。

 「ゴブオ、お前に妃を与える。」
 勿論、マチルダの事だ。
 涎を垂らす姿に俺の中の評価は急降下していたのでちょうど良い。
 マチルダも王族の嫁になると思えば満足するだろう。プライド高そうだし。

 「只の女ではない、俺の女を与える」

 これも嘘であるがマチルダが価値があると思ってもらった方が都合が良い。

 「俺は自分の女をお前に与える程お前に期待をしているのだ!俺の期待に応えろ!」
 只の厄介払いです。

 「お前に与える女はあの小屋に居る、今日から子孫繁栄に努め国を大きくせよ。」

 「俺の女だったのだ手荒な真似はするなよ?」
 マチルダさん、一応は釘を刺して置いたからねと脳内で呟く、合掌と。

 血を流して倒れて居るゴブリンも治療しておく
 マチルダを入れても3人しかいないから貴重な人材だ。
 
 「ゴブオよ、俺は旅に出る!3年後にまた戻って来るまでに国を大きくしておけよ。俺の期待を裏切るなよ!」

 3年どころか2度と戻っては来ません!
  
 「ゴブオよ俺の目利きが正しかったとお前自身の力で証明せよ。」

 「では、さらばだ!」

 では、さらばだマチルダ。
 散々ヤッタから思い残す事はないし、マチルダもゴブリン王国の国母になるのだから満足するだろう。

 ま、そうはならないと思うが。
 ゴブリンの数が増えれば討伐対象になるのだから国が出来る以前に滅ぼされるどけだろう。
 マチルダは国と運命を共にするのかな?
 
 演技派だけに悲劇の主人公を演じるのだろう。


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