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66話 初めてのゴブリン

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 ーーマチルダ視点ーー

 ハアハア荒く息を吐き出す。
 「気持ちよかったぁぁ♪」
 「田村さんたら喜んでくれたかしら?」
 私は田村さんに感想を聞こうと周りをキョロキョロと見回す。

 「今度は私の番だよね♪」
 田村さんたら挿入ばかりしてるけど挿入される楽しみを教えてあげなくっちゃ。
 私は挿入される悦びを教える使命に燃えていた。

 「あら?何所に行ったのかしら?」
 小屋の中に人影はなく静まり返えっていた。服を着て小屋を出ようとしたら扉が空いた。

 「ゴ……ゴブリン!」
 小屋の中に入って来たのは醜悪な顔をしたゴブリン。口からは臭い息と共に涎を垂らしていた。

 「こ、来ないで!いや!」
 私は後ずさりベットにぶつかり倒れ込んでしまう。
 倒れ込んだ瞬間、ゴブリンが飛び掛勝ってきた。
 ゴブリンの腰に巻かれている汚い布きれが盛り上がっている、垂直に。
 
 「いやぁぁ!田村ぁぁさぁぁん」
 私は必死に田村さんを呼んだが返事はなくゴブリンは下半身を弄る。

 今この時絶体絶命のピンチにまた扉が荒々しく開いた。

 「田村さぁぁぁん!」
 すんでのところで助かった!田村さんに散々玩具にされたけど、私もやり返したしあれは仕方ない。
 ゴブリンとの行為は私の想像を絶する、今で何処で何をしていたのかと問い詰めたいが今はこの状況を回避するのが先決だ。

 「覚えてなさいよ!」
 私の口から無意識に出た言葉の意味はゴブリンと田村さん両者に向けられたものだ。
 ゴブリンには凄惨な死を、田村さんには執拗な責めを見舞ってやるとニタニタと嗤う下品な私。
 
 しかし小屋に入って来たのは……。
 「ぎぁぎぁあ」

 意味不明な言葉を口から発しながら入って来た人影。
 「田村さ……ゴ、ゴブリン!」

 現れたのは最初のゴブリンよりも体格の良いゴブリンだった。
 個体差のない醜い顔からは同じく涎を垂らしていた。

 そして股間のモノは大きく膨らんでいる。
 逃げなきゃ!と暴れようとした時にゴブリンのモノが入って来た。

 「いやぁぁぁぁぁぁ」
 いきなりの挿入。前戯もなくいきなり突っ込ん出来た。
 力の限りの抵抗をし両手から血を流しながらゴブリンの頭、顔を叩いた。
 ゴブリンは気にした様子も見せずに腰を振り出す。

 「クチュクチュヌプヌプ」
 普通、いきなりの挿入は濡れてないので入らないのだが少し前に田村との情事のせいで濡れていたのが幸いした。
 激しく抵抗をしていた手から段々と力が抜けていく。
 痛みと恐怖よりも快楽が勝っていく。
 「い、いい」
 抵抗を止めてゴブリンのしたいように身を任せた。

 最初は魔物という事で躰が拒否反応を示していたが。

 これは有りだ!

 田村よりも大きくないので痛みではなく快楽しかない。田村のような単調なピストン運動じゃなく強弱まである。

 私の中に何かが降りて来た!

 「ゴブリンも悪くない!」
 いや、訂正します。

 ゴブリン最高ぉぉぉぉぉ!

 ゴブリンの見た目はアレだが、山賊や田村などとは比べ物にならない!
 
 「上手い!上手いわ!」
 もう田村の事などどうでも良いと快楽に身を委ねる。
 やがて、体内に熱い物が流れ込んできて身を震わせ意識が飛ぶ。

 「今のは……」
 私は産まれて初めて「イク」事が出来た、相手は名も無いゴブリンだ。

 放出したゴブリンの顔は満足げに見え物を引き抜き立ち上がりベットを降りた。

 「待っ……て」
 待ってと声を出そうとしたが声が出ない。
 扉の前で立っている別のゴブリンと放出したゴブリンがハイタッチをしてベットに上がる。
 選手交代、第2ラウンドの始まりだ。
 出しては交代、出しては交代を繰り返す。
 「いい……ゴブリン……いい」
 私は世間知らずだった、食わず嫌いとも言う。こんなにもゴブリン達がセックスエリートだったとは知らなかった。

 太さは程よく長さはまあまあ。耐久性に難があるが無尽蔵の回復力を持っている。
 
 有りだ!私は思った。
 ゴブリンは使えると、私の中でゴブリンの価値があがる。醜悪で低能な最下層の魔物、それがゴブリンだと信じていた。

 たが、実際は強者だ。
 セックスエリート!
 今やゴブリンの評価は天井知らずだ。

 ゴブリン最高ぉぉぉぉぉ!
 私の生きる道が決まった瞬間だ、世の中に知らしめねばゴブリン達の凄さを!

 人間の男達のような1人よがり自己満足で物足りない行為とは別物だと。
 
 私はこの世界初のゴブリン達を使った愛の伝道師を目指すと決めた。

 


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