異世界に来たんだから自分の欲望に忠実に生きる!

修ですが

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84話 俺、強くなってる?

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 『気配察知』を使い魔物や獣の気配を探りながらゴブオ達の元を目指し歩き出した。

 エミリオが姿を消した喪失感はなく寧ろもう会う事がないと思う安堵感の方が大きかった。

 「期待ハズレ……」
 2度と言われたくない言葉だ。
 連れ去ったのは夜盗などのアウトローな連中なら今頃どうなったかは言わずもがな。

 もし、ゴブオ達の元へ向かう途中にエミリオを捜し出す事が出来たら俺はどう行動するか。

 ……助けるのか
 ……見捨てるのか

 多分、助けない。暴力を振るわれて居たら助けるが行動は共にしない。
 エミリオとの出会いはプラスにはならなかったから。
 そもそも体目的で親切にしていただけで目的は未達成だが、もう心残りはない。

 もう、傷付けられたくないのだ。
 
 早い……もう言われたくない。
 
 
 俺は先日知り合った処女の事を思い出していた。あの初々しくぎこちない舌使い。

 それまで処女は面倒臭いと思っていたが今は違う。

 有りだ。
 
 経験者も良いが未経験者も良いと改めて思った。
 
 しかし、分からない。
 あの時までは良い感じだと思ってたのにあの時以降と以前ではエミリオの評価は別物になっていた。

 次の知り合う女性もエミリオみたいな子だったらどうしよう。

 お豆腐メンタルな俺はまた心が砕けてしまうのか。

 女は怖いと思いつつも新たな出逢いを期待して歩いていたら前方から風に運ばれてくる焦げた臭い。

 「煙だ……火災かな?」
 誰かが俺のように魔法を使ったのか、只の火の不始末なのか前方の森の彼方此方から煙が上がっていた。

 『気配察知』に生物の反応がないので煙を避けながら進み理由が分かった。

 此処で戦闘があったようだ。
 森を歩くうちに死体が幾つも転がっているのを見つけたからだ。
 その死体は全てゴブリンだった。
 ゴブリンは単体では脅威度は低いが本当の脅威は別の処にある。

 繁殖力だ。

 ゴブリンは人間を含め多種族との間でも子供を作る事が出来る。
 その為に人間の女性はゴブリンに襲われると悲惨な目に遭う、生き地獄だ。

 であるからゴブリンは見つけ次第殺されていた。
 俺には其処までの忌避感はない、人間でも善人と悪人がいるようにゴブリン達にも個性はあると思っている。
 
 特にゴブオ達のように知性が高い者達とは人間と同じような関係も築けるのではないだろうか。

 「ゴブオ達は大丈夫かな」

 まだ、ゴブオ達のいる場所まで距離があるとはいえ、殺されているゴブリン達の姿を見ると不安になる。

 多少魔法が使えるがゴブオ達は2人しか居ない。ゴブオ達のいる場所まで来る冒険者が2人以下ではないだろう。

 数は力だ。
 見た目だけで相手の力量が解るのは達人クラスの人達だけで普通は解らない。

 どんなに弱そうな相手でも警戒を怠る事は出来ない。
 油断が死に直結する世界だ。
 臆病な程慎重に行動しなければとゴブリンの死体を見ながら改めて思った。

 
 
 煙が燻っている森を歩きやっと生物の反応があった。

 「オークか」
 見つけた魔物はオークが1匹。
 
 過去の戦闘は全て奇襲ばかりで正面切って戦った事は1度もない。
 最初の頃は安全性を重視して、最近は楽だから効率重視で戦っていた。

 少し怖いが1度正面から戦いを挑んでみる。追っ手との予行演習だ。

 俺は正面からオークに近寄り睨みつける。

 オークは雄叫びを上げ突進してくるが難なく躱す事が出来た。

 スキルかレベルアップのお陰か戦闘前に感じた怖さはなく体は自然に動く。

 怖さが無いので先ずは素手で攻撃してみたら……吹き飛んだ。
 オークの腹を蹴り込むとゴムまりのように吹き飛び吐しゃ物を撒き散らすオーク。

 全力ではない蹴りでもオークはもうフラフラだ。

 追撃するため俺が近寄ると悲鳴を上げ後退るオークの姿に驚く俺。

 「強くなってるのか?」
 腰が抜けたのか四つん這いで逃げようとするオークの前に回り込み笑顔で両手を広げる。

 「逃がさないよ」

 ゆっくりとオークに近寄るとオークは手で頭を抱え蹲りガタガタと震えだした。

 予行演習後は経験値とスキルの為に殺す積もりでいたが、なんだか可哀想に思えて逃がす事にした。

 「もう、いっていいよ」

 オークが理解出来たかどうかは解らないが踵を返してまた、ゴブオ達の元へ歩き出した。

 どうやら俺は相当強くなっているようだ。
 魔物相手でもオークのような態度を見れば躊躇ってしまう。今後は今まで通り奇襲攻撃に徹しようと思う。今みたいに情けを掛けていたらポイントを稼げないしな。

 日が傾いてきたので今夜の寝床を探す事にしてついでに枯れ木を拾いながら歩いた。
 焚き火準備を整え火を大きくしていく。

 晩ご飯は街で盗んだパンとチーズだ。
 チーズを火で炙りパンの上に載せて食べソーセージを焼いていく。

 毎回同じ献立で飽きてきた。
 マジックバックには街で店丸ごと収納したので食材はある。
 あるが俺は料理は作れないので簡単な物ですましていた。

 「料理人が必要だな」

 美人で巨乳で処女て料理上手な女性を探そう、ハードル高いけど。

 探さ無ければ見付からない、宝くじと同じ発想だ。しかし宝くじは買っても当たる気がしないなあ。
 問題は街に行けない俺に出会いがあるのかと、悲しくなってきた。
 出逢う女性がオークやゴブリンの美女とかなら要らないよ。

 

 
 

 

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