madder story

空野らん

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story 1

Clingy man

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いつの間にやら職員室に着いたらしく、ここが職員室だよと在校生である美少女は説明してくれた。
それを聞いた俺はと言うと、さっさと身支度を済ませねばと今更焦りだした。




「ありがとうございます!」

感謝の言葉を言い放ち、言いたいことを完結的に先生達に言うべくして、職員室に駆け込んだ。


「失礼します。本日、入学予定の服部茜と申します。不甲斐ないのですが、リボン付け忘れて来たので、お貸し頂けませんでしょうか?」

よし、完結である。こんな、徹底的に全てを包み隠してはいるが、大事な事はちゃんと言ったぞっと自分を褒めたたえていると、入口すぐ近くにいた先生だろう人が俺の名前を呼んだ。


「……アカネ…?」

気のせいかもしれないとちらりと声がした方を見ると、タレ目で天然だろうかパーマがかかった茶髪のまだ若そうな男性が立っていた。
誰だろう、どっかで会った? メイド喫茶の常連とか?いや、そもそもメイド喫茶の常連が先生とか有り得ないでしょうが……っと考えていたら呆気なく次の言葉が襲いかかった。

「入学初日に、リボン忘れるなんて言語道断だぞ」


ムスッとした顔でその先生は言うので、俺だってこうやって借りに来るつもり無かったんだけどねっ?!なんて内心怒りが込み上げていた頃、その先生の近くから、別の声がする。


「まあまあ、西口にしぐち先生いいじゃないですか、誰だって忘れたりしますよ」


そう言って近くで微笑む女性の先生は凄く綺麗な人ですごく見惚れてしまう。
キレイだ……っと息を飲んだ。


「でも水城みずしろ先生、初日から気が緩みすぎるのもどうかと俺は思うんですよ」

俺を見つめながら、男の先生は言ってきた。顔に反して言ってることが面倒だな、顔は世でいういい方だと思うし、整ってるというのに、顔の無駄遣いだなとフムフムとしている俺に話には割り込まなかった別の先生が、ホイッと魔法のようにある物を渡してきた。

「服部のクラスを担任する。東出ひがしでだ。もうそろそろで、式が始まるから、さっさとした方がいい」

そう、淡々と自己紹介してきた、眼鏡のいかにも真面目って言葉がお似合いの先生が赤のリボンを俺に渡す。


「ありがとうございますっ!!!」

俺は感謝と喜びで胸がいっぱいになりながら、リボンを装着する。
この学校は、学年ごとにリボン又はネクタイの色が違っていて、赤、青、緑の3色になっている。新入生である俺は赤なのだが、赤の色が好きな俺にとって、それはそれは、嬉しく。喜ばしいことなのだ。つい、顔が緩む。


「ニヤついてる場合じゃないだろ。早く体育館に行きなさい」


例の顔だけいい先生は、険しい顔をしながら、毒を吐いてきた。
うん。行くよ。行けばいいんでしょ……っ!!?

嬉しかった気持ちがどこかに消えてしまったじゃないかっと怒りながら俺は「失礼しました」とだけ言い残し、職員室から出ようとしたはずなのだ。


だが、そう言った俺の腕に誰かが掴んで身動きが取れない状態になっていた。



「……スカートの丈少し、短すぎないか?」


振り返って見た声の主は誰でもない。顔だけいい先生だった。
確かに短い部類には入るかもしれないけれど、周りの女子と比べましても、俺のスカート丈は標準な長さだった。
なに、これ、顔良くなかったらただのセクハ…………。いやいや、顔の善し悪し関係なくセクハラだよこんなの。
っと悶々としていると、美人の女性の先生が助けに入ってきてくれた。



西口にしぐち先生。それ、セクハラになりますよ。しかも、この丈位は、許容範囲内です」

先生らしくないですよーっと呟きながら、ほらほらと、掴んでいた手をふりほどいてくれた。
推し……この先生推し………………っと心で呟く。


そんな俺の気持ちも知るよしもない、面倒な顔面だけいい先生は俺に謝るつもりもないのだろうか、またまた、険しい顔になっていく。
顔面の使い方まちがってるよと言いたくなるくらいには、酷い顔で逆に心配になった。

「あの、気にしないで下さい。ほら、あれです!イケメンなら許されるとかありますし??」
 
俺なりに、気を使ったフォローをしたつもりなんだが、反応が悪い。
ちゃんと息してるのか、この先生…………。



「……許しちゃダメだろ」

今にも消えるのではないかと思うくらい弱々しい声でその先生は言う。

煩いのか、静かなのか、どっちだよと考える暇は多分俺にはなかった。


「あ、鼻毛出てる」

ポツリと聞こえたその言葉に、俺は今までの行いをパーにしてしまった。


「見逃すって、言葉知らないんですかーーーーっ!!?」



恥ずかしくなって、何も気にせず職員室から素早く逃げ出した自分がいた。
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