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story 1
Entrance ceremony
しおりを挟む職員室から出ると、在校生である美少女が俺を待っていてくれて、申し訳なさとありがたさと、色々な気持ちが込み上げる。
「怒られました」
俺が項垂れながらそう呟くと優しい表情を見せてくれた。
「でもよかった。リボンは貸して貰えたんだね」
良かったねと返してくれた、優しい美少女とは裏腹に、そうだ、リボンだけリボンだけは貸して貰えた、だけど、だけど、あんな仕打ちはない。っとふつふつと怒りが込み上げてきた。
「良くないですよ。なんか良くわからない先生に名前呼ばれるし。顔は多分よく言うイケメンだったと思いますよ?身長も高かったし?だけどなんか鬱陶しいし、暑苦しいから凄く神経使いました。どっと疲れました。今度からアイツ、アツメンって呼んでやる」
言うつもりはなかったが、精神的に疲れたのだ、イケメンだからだとか、色々置いといて、鼻毛は許せないデリカシーがないと思いながら、あの先生の面を思い出した。顔だけだあんなの。無理無理無理…………っと頭をブンブンと振る。
「もしかして、その先生って西口先生?」
美少女はうーんとなりながらその名前を出てきた。何故、不思議そうに言うのだろう。
「そうです!確かそんな名前でしたよ!!」
そんな名前をしてたぞ、うんうんと自分に言い聞かせながら、覚えてやったぞ、あのアツメンは西口先生。西口先生と言うのだ。
自己完結していると、時計が目に入る。時間を見て、あ、ヤバいと気づいて焦り出す。
「あ!もう行かなきゃです」
失礼だが、間に合わないと目立ってしまうし、これ以上は迷惑を掛けてはならない。軽く愚痴をこぼしてしまったし、失態も沢山したのを思い出す。
「行ってらっしゃい」
美少女はそう言って、俺に手を振ってくれた。それを確認した俺は駆け足で、体育館に向かう。だが、ある事に気づいて慌てて、美少女の元に戻った。
「あの!俺、服部 茜って言います」
そうだ俺は自己紹介すら、美少女にしていなかった。沢山の恩を受け取りながら自分の名前すら伝えてなかったのだ。
「はい。」
驚いた様子で美少女はそう返事をしてくれた。それを確認すると、次の言葉を紡いだ。
「制服返したいので、名前お尋ねしてもいいですか?」
俺は恩人の名前すら、聞いていなかった。美少女はハッとした様子で、口を開く。
「岡品 愛って言います」
美少女の名前を聞いた俺は、岡品って言うのか、名前も可愛い、愛とかお似合いすぎるとニコニコしてしまう。
「岡品先輩。必ず、お返ししますのでその際はお願いします」
ぺこりとお辞儀をすると、また時計が目に入る。「やばいっ間に合わないっ」とつい言葉が出てしまう。回れ右をして、また、慌てて体育館へと俺は向かう。
入学式で、ギリギリで来たのは俺だけらしく周りの生徒は着席済みで座りずらい状況だった。えっと、確かC組だったなと思いC組のある座席へと向かう。全員座っている状態で、自分の席が探せないと言う状態だった。
「こっち、ここの席空いてる」
俺に気づいたのか、男子生徒がおいでおいでと手を振ってくれる。くっ…男子の隣かよと、内心思いながらその男子生徒の元へ向かう。自分の座席に着席すると、その男子にお礼を言おうと頑張って口を開いた。
「ありがとうございます」
そう俺が言うと、いいよいいよーっと気にしないでと男子生徒は言ってくれた。今まで、こんな親切な男子いなかったなと、いや女子校だったからいなかったのかと今更思いにふける。
「俺、速水って言うんだ。服部さんよろしくね」
親切な男子が紡いだ言葉に俺は驚いて、目を丸めた。いや、普通にびっくりする。
「なんで、俺の名前を知ってるの?」
男子生徒は笑いながら、当たり前じゃん
っと言い放ち、俺は当たり前とはっとまたまた、目を丸めるばかりだった。
そんな気持ちのまま、入学式が始まったらしく、淡々と起立着席を済ませると、新入生代表の挨拶に入るらしい。
そういえば、新入生代表って、入試で最高得点取った人なんだっけっと思い出し、さて誰だろうとワクワクしている。美少女だったらいいなぁと内心期待を込めていた。
『新入生代表、服部 茜』
スピーカーから聴こえる同姓同名に、俺はこれは女子だっとなっていると。その女子はまだ、登壇しないらしい。しばらくたつと、ある先生がこっちにバタバタと近づいてくる様子だった。
「オイ。服部、練習に来なかっただろ」
誰でもない、アツメンだった。
ん?練習ってなんだと思って、立ち上がる。
「書面で、新入生代表は練習があるから、1時間前には来ておけって書いてたはずなんだが」
そんなのあったか、あったか、あった気がしなくもない。だが、今日に限っては俺は悪くない。全部、案内した男子生徒のせいだよ。自分の非を認めたくなくて、先生に近づかないでいると、先生は怒った様子で俺を見つめる。
顔の無駄遣いはやめろとあれほど俺言ったじゃん……言ってないけどっと怖くなって恐る恐るアツメン兼、西口先生に近づいた。
西口先生は俺が至近距離に来たら否や、俺の手を引っ張る。
「さぁ、ステージに上がろうな」
そんな悪魔の囁きに、ハッとなり俺は行きたくなくて精一杯の力を足に込めた。だが、俺の力は弱いらしく、西口先生に余裕で引きずられる。
「いやだ、無理無理無理無理っ」
そう言って拒否している俺をよそに、西口先生は楽しんでいるみたいだ。
「ごめんな。無理と言っても自己責任だから」
はにかんだ顔で言われて、周りが許しても俺は許してなんてやらないと心に誓った。この先生、無理です。嫌いです。っと訴えていると、担任の先生は頭を抱えている。これって、俺が悪いのかと自分が嫌になる、最悪な入学式の思い出が1つ出来てしまった。
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