隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

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1年生:2学期編

第46話 中間テスト2日目

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目覚ましの電子音が、まだ薄暗い部屋に響いた。
晴は反射的に手を伸ばして音を止めるが、すぐには起き上がれず、そのまま天井を見つめる。

白い天井には、昨夜遅くまで開いていたノートの文字が、ぼんやりと浮かんでくる気がした。
公式、用語、グラフ。
頭に詰め込んだはずのものが、朝の静けさの中で少しずつほどけていく。

「……今日もテストなんだよな.....」

昨日のテストが終わった瞬間、確かに胸は軽くなった。
だが、それはほんの一時的なもので、朝を迎えた今、その感覚はすっかり消えている。

今日は数学と理科。
どちらも「苦手」と言い切れるほどではないが、油断すると一気に足をすくわれる科目だ。

ベッドから起き上がり、机の上に広げたままのノートや教科書に目をやる。
閉じようとして、そのまま開き直す。

(……今さら見ても、あんまり変わらないか)

そう思いながらも、最後に一度だけ目を通し、ノートを閉じた。

支度を終えて家を出ると、空は昨日と同じように澄み切っていた。
雲ひとつない青空が、やけに眩しい。

「昨日と同じなのに……」

晴は空を見上げ、小さく呟く。
天気とは裏腹に、胸の奥はどこか重たい。

角を曲がった先で、美羽の姿が見えた。
いつもならこちらに気づいて手を振ってくるはずなのに、今日は静かに立ち、足元を見つめている。

「おはよう」

声をかけると、美羽は少し遅れて顔を上げた。

「おはよ……眠そうだね」
「そっちもな」

軽く言い合うが、どちらの声にもいつもの元気はない。

「昨日、遅くまで勉強してたでしょ?」
「理科がどうしても不安でさ」

美羽はそう言いながら、晴の顔をじっと見る。

「数学、公式は頭に入れた?」
「一応……でもテストが始まったら飛びそうで」
「大丈夫。焦らなければ、ちゃんと解けるよ」

その言葉に、少しだけ胸が軽くなる。
誰かに言われる「大丈夫」は、思っている以上に力があった。

途中の交差点で、紗耶と合流する。
ノートを胸に抱え、少し早足で近づいてきた。

「おはよう」
「おはよ。今日は数学と理科だね」

紗耶の表情は真剣で、昨日よりも緊張がはっきり伝わってくる。

「理科、範囲広すぎじゃない?」
晴が言うと、紗耶は苦笑した。

「うん……暗記多すぎて、途中から頭が追いつかなくなって」
「分かる。あれは反則だろ」

三人で並んで歩き出すが、会話は自然と途切れがちになる。
それぞれが頭の中で、公式や用語を何度も繰り返していた。

校門をくぐると、校舎全体が静まり返っているように感じられた。
廊下ですれ違う生徒たちも、どこか落ち着かない様子で、ノートやプリントを手にしている。

教室に入ると、すでに多くの生徒が席についていた。
最後の確認をする者、目を閉じてじっと考え込む者。

晴も席に座り、数学の公式を指でなぞる。

(落ち着け……いつも通りやればいい)

チャイムが鳴り、数学のテストが始まった。

問題用紙をめくった瞬間、胸がざわつく。
だが、最初の計算問題を解き進めるうちに、次第に集中が戻ってくる。

(これ、勉強会でやったな)

ペンが止まらずに動く。
途中で少し悩む問題もあったが、深呼吸して式を書き直した。

隣を見ると、美羽は静かに、正確に解いている。
無駄のない筆運びに、さすがだなと感じる。

前の席の紗耶は、一度だけ手を止め、消しゴムをかける。
そして深呼吸し、もう一度問題に向き直っていた。

終了の合図。

「……終わった」

晴は小さく息を吐いた。
完璧ではないが、やれることはやった感覚がある。

短い休憩のあと、理科が始まる。

用語、計算、グラフ。
記憶を必死に掘り起こしながら、答案を埋めていく。

(昨日見たノート……確か、ここ……)

思い出せない箇所に焦りながらも、最後まで諦めずにペンを動かす。
時間ぎりぎりで最後の答えを書き終えた瞬間、チャイムが鳴った。

すべてが終わった。

「……終わったね」
美羽が小さく笑う。

「やっと、だな」
晴も笑い返すが、全身にどっと疲れが押し寄せる。

「理科、ちょっと不安……」
紗耶がぽつりと言う。

「でも、二日間ちゃんとやったじゃん」
美羽は優しく言った。
「結果は後からついてくるよ」

三人は教室を出ながら、ようやく肩の力を抜いた。
廊下の空気が、来たときよりも少しだけ軽く感じられる。

中間テスト二日目。
不安も疲れも残っている。
それでも、一つの大きな山は確かに越えた。

晴は心の中で静かに思う。

(あとは……結果を待つだけ、か)

そうして、長かったテスト期間は、静かに終わりを迎えた。
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