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聖女の光
「なんだ・・・急に光が・・・まさか、あれは!?」
私は天から光が降り注がれる光景を目の当たりにした。
あれは、まさしく・・・伝説の聖女の奇跡!?
私・・・教会の大司祭であるロイールは、大聖堂に向かう途中の馬車の中でその光を偶然見かけたのだ。
私はすぐに御者に馬車を停止させて降りると、光が注がれている場所へと走った。どうやら路地裏のようだ。
護衛である神殿騎士を引き連れて、私は現場へと急いだ。
そして、そこで見たものは・・・
腹が血塗れになっている老婆を抱いている高貴な身なりをした少女と、老婆に追いすがって泣いている少女だった。
そして、顔が土色をしていた今にも死にかけという状態だった老婆が・・・なんと、目を覚まして立ち上がったのだ!
一目見ても助からないとわかる人間がだ。その光の中心にいたのは・・・高貴な身なりをした少女だった。
「おおお!あなたはまさしく、神の祝福を受けた聖女様!どうか、どうか我々と共に大聖堂に来ていただきたい!」
私は聖女様の前に傅いて、そう叫んだ。
聖女様は戸惑っているご様子だったが、私は根気よく聖女様のお力を説いていった。
その力がどれだけ素晴らしく、そして、今のこの国に必要であるのかを。
やがて、私の説得に応じたのか、彼女は口を開いた。
「わかりました。大聖堂に行きましょう。ですが、この人達をこの場で放ってはおけません。彼女達を家に送り届けさせてください」
その彼女の言葉に、私は感動した。なんと、心優しき御方だ。
聖女の力は、強く、清き心を持つ乙女に宿るのだと言い伝えられている。
まさに、彼女はそうだった。
「聖女様、ありがとうございます。それでは我々も同行いたしましょう。護衛の神殿騎士達もついておりますゆえ、その方が安全かと」
私の言葉に納得された聖女様と、その場にいた老婆や少女達と共に、我々は老婆の家まで同行した。
道すがら事情を聞いてみると、どうやらその老婆はスリにバッグを丸ごと取られた上に、腹をナイフで刺されてしまったのだという。バッグには生活費が入った財布が入っており、明日の生活も心配なようだ。
聖女様は心を痛めておいでだった。私は自分の財布から金貨を1枚取り出して老婆に渡した。
「そんな!こんな大金、頂けません!」
「いえ、良いのです。あなたのおかげで私は聖女様と出会うことができたのですから、これはささやかなお礼です」
そう言って、無理やり金貨を握らせた。
・・・本音を言うと、これは聖女様の印象を良くするための行動だ。この行動一つで、聖女様が私に信頼を寄せていただけるならば、金貨1枚など安いものだ。
老婆は感謝の言葉と共に金貨を受け取った。彼女も彼女の孫だという少女も涙ぐんでいる。聖女様の信頼を得るという打算の大きな行動だったが、感謝されるというのは気持ちのよいものだ。
聖女様も私に「ありがとうございます」とお礼を言ってこられた。自分が金を受け取った訳でもないのに、お礼の言葉を言ってこられる彼女を見て、この御方は本当に心根の優しい方なのだと感じた。
そうして、老婆達を家まで送り届けた私達。
老婆と孫娘は、命を救ってくださった聖女様に何度も何度もお礼の言葉を告げて、家の中に入っていった。
「それでは聖女様、お手数ですが、我々と共に大聖堂へと向かいましょう」
「はい」
こうして我々は聖女様を大聖堂へとお招きしたのだった。
私は天から光が降り注がれる光景を目の当たりにした。
あれは、まさしく・・・伝説の聖女の奇跡!?
私・・・教会の大司祭であるロイールは、大聖堂に向かう途中の馬車の中でその光を偶然見かけたのだ。
私はすぐに御者に馬車を停止させて降りると、光が注がれている場所へと走った。どうやら路地裏のようだ。
護衛である神殿騎士を引き連れて、私は現場へと急いだ。
そして、そこで見たものは・・・
腹が血塗れになっている老婆を抱いている高貴な身なりをした少女と、老婆に追いすがって泣いている少女だった。
そして、顔が土色をしていた今にも死にかけという状態だった老婆が・・・なんと、目を覚まして立ち上がったのだ!
一目見ても助からないとわかる人間がだ。その光の中心にいたのは・・・高貴な身なりをした少女だった。
「おおお!あなたはまさしく、神の祝福を受けた聖女様!どうか、どうか我々と共に大聖堂に来ていただきたい!」
私は聖女様の前に傅いて、そう叫んだ。
聖女様は戸惑っているご様子だったが、私は根気よく聖女様のお力を説いていった。
その力がどれだけ素晴らしく、そして、今のこの国に必要であるのかを。
やがて、私の説得に応じたのか、彼女は口を開いた。
「わかりました。大聖堂に行きましょう。ですが、この人達をこの場で放ってはおけません。彼女達を家に送り届けさせてください」
その彼女の言葉に、私は感動した。なんと、心優しき御方だ。
聖女の力は、強く、清き心を持つ乙女に宿るのだと言い伝えられている。
まさに、彼女はそうだった。
「聖女様、ありがとうございます。それでは我々も同行いたしましょう。護衛の神殿騎士達もついておりますゆえ、その方が安全かと」
私の言葉に納得された聖女様と、その場にいた老婆や少女達と共に、我々は老婆の家まで同行した。
道すがら事情を聞いてみると、どうやらその老婆はスリにバッグを丸ごと取られた上に、腹をナイフで刺されてしまったのだという。バッグには生活費が入った財布が入っており、明日の生活も心配なようだ。
聖女様は心を痛めておいでだった。私は自分の財布から金貨を1枚取り出して老婆に渡した。
「そんな!こんな大金、頂けません!」
「いえ、良いのです。あなたのおかげで私は聖女様と出会うことができたのですから、これはささやかなお礼です」
そう言って、無理やり金貨を握らせた。
・・・本音を言うと、これは聖女様の印象を良くするための行動だ。この行動一つで、聖女様が私に信頼を寄せていただけるならば、金貨1枚など安いものだ。
老婆は感謝の言葉と共に金貨を受け取った。彼女も彼女の孫だという少女も涙ぐんでいる。聖女様の信頼を得るという打算の大きな行動だったが、感謝されるというのは気持ちのよいものだ。
聖女様も私に「ありがとうございます」とお礼を言ってこられた。自分が金を受け取った訳でもないのに、お礼の言葉を言ってこられる彼女を見て、この御方は本当に心根の優しい方なのだと感じた。
そうして、老婆達を家まで送り届けた私達。
老婆と孫娘は、命を救ってくださった聖女様に何度も何度もお礼の言葉を告げて、家の中に入っていった。
「それでは聖女様、お手数ですが、我々と共に大聖堂へと向かいましょう」
「はい」
こうして我々は聖女様を大聖堂へとお招きしたのだった。
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