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大聖堂
僕は、大司祭様に連れられて大聖堂に来た。
僕も大聖堂には何回か家族で来た事がある。とんでもなく広い教会で、お祈りをする巨大スペースの他に来賓用の豪華な部屋や様々な部屋があるんだ。
僕はその、来賓用の豪華な部屋に通された。
部屋に入ってふかふかの椅子に座っていると、おいしそうなクッキーや、良い香りのする紅茶を出された。
グゥ~
それを見たら、お腹が鳴ってしまった。恥ずかしい・・・。
・・・そういえば、今日はお昼も食べてなかったな。
「聖女様、たくさんありますので、どうか遠慮なくお召し上がりください」
「あ、ありがとうございます・・・」
僕は大司祭様に勧められてクッキーや紅茶をいただいた。
どれもすごく美味しくて、お腹も減っていたからどんどん飲み食いしちゃった・・・。
そんな僕を見て微笑んでいた大司祭様が、僕が紅茶を飲み終えたタイミングで話かけてきた。
「聖女様、単刀直入にお願い申し上げます。是非とも我が教会にお力を貸していただけないでしょうか?」
「えっと・・・そもそも私は聖女ではないのですが・・・」
僕は大司祭様にそう言った。さっきはお婆さん達もいたから、この話は流していたけど、そこはしっかり言っておかなくちゃいけない・・・あと、女装してることがバレたら嫌だから、しばらくは女の子の振りをしておこう。
「何をおっしゃいますか。瀕死の老婆の命を救った光!あれはまさしく聖女の光です!あのような奇跡は敬虔な神のしもべである聖職者であっても決して起こすことはできません!あの光を召喚したことこそが、あなた様が聖女であることの証明なのです!」
大司祭様は興奮した様子で熱く語ってきた。ちょっと前のめりになっている。
・・・たしかに、あんな光、今まで見た事ないし、お腹を刺されてあんなに血がいっぱいでていたお婆さんがピンピンしているなんて、僕も奇跡としか思えない。
でもまさか、自分がその奇跡を起こしただなんて・・・
「私もあんなことを起こしたのは初めてのことなんです・・・」
僕は素直にそう答えた。
「おぉ!そうだったのですね!では、あなたはまさにあの時に聖女としてのお力に目覚めたという訳ですね!私はそのような奇跡の場に立ち会うことができ、大変光栄です」
そう言って、大司祭様は僕を拝みだした。恥ずかしいからやめて!
「時に聖女様・・・失礼とは存じますが、聖女様はどちらの貴族のご令嬢でしょうか?私は長年こちらの大聖堂の大司祭を務めておりますが、あなたのお姿を見た事がありませんゆえ」
ぎく!大司祭様が不思議そうな目で僕を見てくる!これは誤魔化さないと・・・。
「私は貴族様のご令嬢ではないのです。平民です」
「なんと!聖女様は平民でいらっしゃったのですか!ですが、その服装は・・・」
「このお洋服は・・・優しい貴族様に恵んでいただいたのです!」
咄嗟に口から出まかせを言っちゃった!大丈夫かな・・・・。
「そうでしたか。てっきり身なりから貴族のご令嬢かと思ったのですが、私の勘違いでした。失礼しました」
大司祭様は頭を深々と下げてきた。すごく、腰の低い人だなぁ。
「い、いえ・・・」
「それでは王都のどこかに、聖女様の御生家があるのでしょうか?是非一度ご挨拶に伺いたいのですが・・・」
ひぇぇぇ!追及がすごい!
「・・・実は私は、両親に売られて、この街に連れてこられたのです。あまりにひどい目にあって逃げてしまったので、今は宿無しなのです」
僕も負けじとホラを吹く吹く!まぁ、家を追い出されたから、宿無しなのは事実だけど。
でも、この僕の発言に、大司祭様の目が光った気がする。え?どうしたの?
「なんと!そんな大変な事情がおありだったとは!・・・よろしければ、我が教会で聖女様のお世話をさせていただけませんか?最初にも申し上げましたが、我が教会には、聖女様のお力が必要なのです!」
「で、でも・・・」
「聖女様の衣食住の保証はもちろん、お祈りなどをしていただくに当たって謝礼金もお渡しします。決して悪い条件ではないはずです!」
た、たしかに・・・。このままだと僕は野垂れ死にそうだし・・・。
背に腹は代えられないかもしれない。
「わ、わかりました。お世話になります」
「おぉ!聖女様!ありがとうございます!」
罪悪感がすごいけど・・・僕は教会のお世話になることにした。
僕も大聖堂には何回か家族で来た事がある。とんでもなく広い教会で、お祈りをする巨大スペースの他に来賓用の豪華な部屋や様々な部屋があるんだ。
僕はその、来賓用の豪華な部屋に通された。
部屋に入ってふかふかの椅子に座っていると、おいしそうなクッキーや、良い香りのする紅茶を出された。
グゥ~
それを見たら、お腹が鳴ってしまった。恥ずかしい・・・。
・・・そういえば、今日はお昼も食べてなかったな。
「聖女様、たくさんありますので、どうか遠慮なくお召し上がりください」
「あ、ありがとうございます・・・」
僕は大司祭様に勧められてクッキーや紅茶をいただいた。
どれもすごく美味しくて、お腹も減っていたからどんどん飲み食いしちゃった・・・。
そんな僕を見て微笑んでいた大司祭様が、僕が紅茶を飲み終えたタイミングで話かけてきた。
「聖女様、単刀直入にお願い申し上げます。是非とも我が教会にお力を貸していただけないでしょうか?」
「えっと・・・そもそも私は聖女ではないのですが・・・」
僕は大司祭様にそう言った。さっきはお婆さん達もいたから、この話は流していたけど、そこはしっかり言っておかなくちゃいけない・・・あと、女装してることがバレたら嫌だから、しばらくは女の子の振りをしておこう。
「何をおっしゃいますか。瀕死の老婆の命を救った光!あれはまさしく聖女の光です!あのような奇跡は敬虔な神のしもべである聖職者であっても決して起こすことはできません!あの光を召喚したことこそが、あなた様が聖女であることの証明なのです!」
大司祭様は興奮した様子で熱く語ってきた。ちょっと前のめりになっている。
・・・たしかに、あんな光、今まで見た事ないし、お腹を刺されてあんなに血がいっぱいでていたお婆さんがピンピンしているなんて、僕も奇跡としか思えない。
でもまさか、自分がその奇跡を起こしただなんて・・・
「私もあんなことを起こしたのは初めてのことなんです・・・」
僕は素直にそう答えた。
「おぉ!そうだったのですね!では、あなたはまさにあの時に聖女としてのお力に目覚めたという訳ですね!私はそのような奇跡の場に立ち会うことができ、大変光栄です」
そう言って、大司祭様は僕を拝みだした。恥ずかしいからやめて!
「時に聖女様・・・失礼とは存じますが、聖女様はどちらの貴族のご令嬢でしょうか?私は長年こちらの大聖堂の大司祭を務めておりますが、あなたのお姿を見た事がありませんゆえ」
ぎく!大司祭様が不思議そうな目で僕を見てくる!これは誤魔化さないと・・・。
「私は貴族様のご令嬢ではないのです。平民です」
「なんと!聖女様は平民でいらっしゃったのですか!ですが、その服装は・・・」
「このお洋服は・・・優しい貴族様に恵んでいただいたのです!」
咄嗟に口から出まかせを言っちゃった!大丈夫かな・・・・。
「そうでしたか。てっきり身なりから貴族のご令嬢かと思ったのですが、私の勘違いでした。失礼しました」
大司祭様は頭を深々と下げてきた。すごく、腰の低い人だなぁ。
「い、いえ・・・」
「それでは王都のどこかに、聖女様の御生家があるのでしょうか?是非一度ご挨拶に伺いたいのですが・・・」
ひぇぇぇ!追及がすごい!
「・・・実は私は、両親に売られて、この街に連れてこられたのです。あまりにひどい目にあって逃げてしまったので、今は宿無しなのです」
僕も負けじとホラを吹く吹く!まぁ、家を追い出されたから、宿無しなのは事実だけど。
でも、この僕の発言に、大司祭様の目が光った気がする。え?どうしたの?
「なんと!そんな大変な事情がおありだったとは!・・・よろしければ、我が教会で聖女様のお世話をさせていただけませんか?最初にも申し上げましたが、我が教会には、聖女様のお力が必要なのです!」
「で、でも・・・」
「聖女様の衣食住の保証はもちろん、お祈りなどをしていただくに当たって謝礼金もお渡しします。決して悪い条件ではないはずです!」
た、たしかに・・・。このままだと僕は野垂れ死にそうだし・・・。
背に腹は代えられないかもしれない。
「わ、わかりました。お世話になります」
「おぉ!聖女様!ありがとうございます!」
罪悪感がすごいけど・・・僕は教会のお世話になることにした。
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