追放、ざまぁ、外れスキル!それがデスゲームへの参加チケットだった。~僕が一番外れスキルをうまく使えるんだ!

猫出R

文字の大きさ
32 / 55
第二章 俺の外れスキルは『ものマネ』 ~ジェミニ王国のディオの場合

第18話 再会

しおりを挟む
 ダンジョンの中にも天候や時間という概念があるのだろうか、二十一階層は薄暗い空が広がる森エリアだった。

「大丈夫だぜ、ここら辺の魔物は全部片付けておいたから当分は安全だぜ、なあぁお前ら」

 すると木の陰から三人の冒険者風の男達が出てきた。格好もこのジャヴェロットと言うおっさんにそっくりだ。レダさんは特に怯んだ様子もなくジャヴェロットに尋ねた。

「それで、このダンジョンに強い冒険者パーティーが来ない秘密と言うのを教えて貰おうか」

「まあ、そんなに慌てるんじゃないぜ、お茶でも飲みながらゆっくり話すんだぜ」

「ふざけているのか? そういう事なら私達は地上に戻らせてもらうが」

「はぁ、仕方がないぜ、なーに簡単な事なんだぜ、俺っちらが始末しているからなんだぜ」

「「な!?」」

「おっ! 驚いているぜ、話が弾んで来たので、ついでと言ってはなんだが、お嬢さん達は二十階層のボスを攻略したから教えてやるぜ。二十階層のボス部屋にはクイーンスライムが出現するとギルドに報告したのは俺っちらなんだぜ! 『稀有種レアしゅ』の事は伏せて、だがな」

「……なるほど、じゃあもしかしたら最近三十階層のボスを攻略したのも?」

「勿論、俺っちらだぜ!」

「すごいな、それで秘密って言うのはそれだけか?」

 遠くから何か重い物が動く音がかすかに聞こえた。

「うーん、おっ! もう大丈夫そうだぜ、最後に良い事を教えてやるぜ、俺っちらは闇ギルドのメンバーだぜ、そして俺っちらがここにいるのは雇われたからだぜ」

「雇われた? 誰にだ?――もしかして」

「――俺様に決まっているだろ」

 聞き覚えの有る声が後ろから聞こえた。振り向くと先ほど俺達が降りてきた階段から、あの時の三人の配下を引き連れて弟のスクロイが現れた。

「スクロイ!? やはりお前か」

「久しぶりだな、くそ兄貴、いやディオ」

「旦那ぁ遅いぜ、もう時間稼ぎするネタが無かったぜ、てっきりクイーンスライムに食われたんじゃないかと思ったぜ、あっはっは」

「なに!? くそ兄貴だと? なるほど顔も少年に似ているし兄弟、いや双子か」

「すいません、俺の家のごたごたにレダさんを巻き込んでしまったみたいで」

「そんな事は無いぞ、少なくてもそっちのジャヴェロットという男は、私が任されているこのダンジョンで好き放題してくれたようだしな」

「ジャヴェロット! ディオの仲間はそこの女一人か?」

「そうだぜ、ボス部屋から出てきたのはこの二人だけだぜ」

「さてディオ、会ったばかりだが話すことなど無い、そこの女も外れスキル持ちのゴミ野郎の仲間になんかなるからこんな目に合うんだ。怨むのなら人を見る目が無かった自分を怨むのだな、さよならだ、お前等、二人とも殺していいぞ! ――ただしすぐには殺すなよ、ゆっくりじっくりといたぶってからだ」

 そう言うと、ジャヴェロットの手下三人が俺とレダさんの周りを囲んだ。しかしスクロイの配下三人は動かなかった。

「何をしている? お前らもサッサと行け。もし次も失敗したら――捨てるぞ」

「「「……へい」」」

 足取りの重いスクロイの三人の配下も俺達の周りを囲んだ。

「少年! 私と背中合わせになれ!」

「はい!」

「敵が襲い掛かってきたら同時に『円月斬リ』を使うぞ」

「え? でもそれじゃあ俺とレダさんもお互いに斬りあってしまうのでは?」

「それは違うぞ『円月斬リ』は敵と認識した者に対して効果が発動する、私は少年の敵か?」

「そんな訳――でも……」 

「――だったら大丈夫だ、いいか相手は私達を殺す気だ、躊躇ちゅうちょしたらこちらが殺されるぞ! もしかして奴らの中に知り合いでもいるのか?」

 俺はスクロイとつるんでいた三人の男の腕を見た。前に俺が斬りつけた傷は無いようだ。折角生きているのになんでまだスクロイと……。そこから俺は視線を上にあげた。こいつらはもう腹をくくったんだろう……そんな顔をしていた。

「少年! 覚悟を決めろ」

 そうだ、やらなきゃ俺だけじゃなくレダさんまで殺されてしまう。

「もう大丈夫です! やれます」
 
「よし――来たぞ――今だ!」

「「『『円月斬リ』』」」

 襲い掛かって来た六人の男達は一人残らず上半身と下半身が二つに分かれた―― スクロイを見ると目を見開き信じられないという顔をしているが、ジャヴェロットの方は何故か嬉しそうな顔をしている。

「おいおいおいおい、旦那が連れて来た、やる気のなかった配下共ならまだしも、俺っちの手下の三人は全員Bランクの冒険者なんだぜ、それが一瞬かよ、はぁ、ボスに怒られちまうぜ。こりゃ俺っちと『相棒』の出番だな」

 そう言うと槍のの部分に巻いていた黒い布を取った。現れたには何かの文字が彫られており、その周りだけ青紫色のもやが立ち籠めっているように見えた。

「――魔槍まそう!?」

 レダさんが声を上げた。

「おおっ流石だぜ、刀という珍しい武器を持っているだけあって詳しいぜ、正解だぜ。こいつは俺っちの相棒の『魔槍まそう・グングニル』だぜ」

「『グングニル』だと? 聴いたことがあるな、たしかそれは『神話級』の武器の一つではなかったか!」

「そうだぜ! 『神話級』つまり伝説の武器の一つだぜ。と言う事でお嬢さん。ここじゃ兄弟喧嘩の邪魔になるんで向うで俺っちと遊ぼうぜ、怖いならまぁ二人がかりでもいいんだぜ」

 レダさんは俺を見た。俺は頷く。

「少年は自分の家族の問題は自分でけりをつけたいだろ、私は私でこのダンジョンで舐めたことをしてくれたジャヴェロットとけりをつけてくる」

 レダさんとジャヴェロットはこの場所を離れて行った。

「なっ!? おい! 戻れ! 俺様を無視して勝手に話を進めるな」

 その声が聞えたのかジャヴェロットと呼ばれた男はこちらを振り向かずに歩きながら片腕を上にあげ、ヒラヒラと手を数回振った。

「くそっ、おい! 約束と違うぞ! 契約違反だぞ!」

「スクロイ、そんなに一人で戦うのが怖いのか?」

「黙れ! お前など――」

「――スクロイ! 俺と話すことなど無いんだよな? 俺もだよ、稽古を付けてやる。今まで一度も俺に勝てなかったお前が、あれからどれくらい強くなったのかお兄ちゃん・・・・・が見てやるよ」

「黙れ、くそ兄貴! 『外れスキル』の分際で俺様を舐めるなよ!」

 相変わらず挑発にすぐ乗る弟だな……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ハズレスキル『自動販売機』を授かって婚約破棄されましたが、 実は回復薬も魔力食も出せる最強スキルでした

暖夢 由
ファンタジー
十八歳の成人儀式で授かったのは、誰も聞いたことのない《自動販売機スキル》。 役立たずと嘲られ、婚約者レオンには即座に婚約を破棄され、人生が崩れ落ちたように思えた。 だがそのスキルには、食べ物を作り、摂取すれば魔力を増やし、さらに“治癒効果”を付与できるという隠された力があった。 倒れた母を救い、王都の名門・ヴァルセイン伯爵夫人を救ったことで、カミーラは“呪詛”という闇の存在を知る。伯爵邸で出会った炎の力を持つ公爵家次男レグナスとの出会いが、彼女の運命を大きく変えていく。 やがて王都全体に“謎の病”が蔓延。カミーラは治癒スープの炊き出しを行い、人々を次々と回復へ導く。 一方、病の裏で糸を引いていたのは………。 “無価値”と嘲られたスキルが、いま世界を癒し、未来を照らす光となる――。

暗算参謀は王国を追放される――戦わずして勝ち続けた男の失脚譚――

まさき
ファンタジー
現代日本から異世界へ転生した主人公。 彼に与えられた唯一の能力は、瞬時にあらゆる数値を弾き出す「暗算」だった。 剣も魔法も使えない。 だが確率と戦略を読み解くことで、王国の戦を幾度も勝利へ導いていく。 やがて王国の戦略顧問として絶大な信頼を得るが、 完璧すぎる功績は貴族の嫉妬を招き、巧妙な罠により不正の罪を着せられてしまう。 証明できぬ潔白。 国の安定を優先した王の裁定。 そして彼は、王国を追放される。 それでも彼は怒らない。 数字は嘘をつかないと知っているからだ。 戦わずして勝ち続けた参謀が、国を去るその日までを描く、 知略と静かな誇りの異世界戦略譚。

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

私が目覚めたのは断罪劇の真っ最中でした

アーエル
ファンタジー
「今北産業、説明ぷりーず」 「「「…………は?」」」 「今北産業、状況説明ぷりーず」 だれか説明してくださいな ☆他社でも公開しています

スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。 パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。 車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。 ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!! 相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム! けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!! パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

無能と追放された結界師、三十路のおっさんですが17歳の辺境伯令嬢と婚約して人生逆転します

みかん畑
ファンタジー
無能と蔑まれ、Aランクパーティを追放された結界師フィン。 行き場を失った彼を拾ったのは、辺境伯の娘リリカだった。 国土結界の恩恵が届かない辺境で、フィンの結界は本当の価値を発揮していく。 領地再建、政治の駆け引き、そして少女のまっすぐな想い。 これは無能と呼ばれた男が、辺境で居場所を見つけ、やがて年の差婚へと至る物語。

悪役令嬢発溺愛幼女着

みおな
ファンタジー
「違います!わたくしは、フローラさんをいじめてなどいません!」  わたくしの声がホールに響いたけれど、誰もわたくしに手を差し伸べて下さることはなかった。  響いたのは、婚約者である王太子殿下の冷たい声。  わたくしに差し伸べられたのは、騎士団長のご子息がわたくしを強く床に押し付ける腕。  冷ややかな周囲のご令嬢ご令息の冷笑。  どうして。  誰もわたくしを信じてくれないまま、わたくしは冷たい牢の中で命を落とした。

処理中です...