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奴隷との新しい生活
021奴隷の冬の夜
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12月に入った頃、一つの問題が解決した。
『お裾分けでもらったおかずのタッパーを返しに行く問題』だ。
正直、家から一歩も出たくない。
人にだって会いたくない。
意外な形で問題は解決した。
管理人さんが翌日も『お裾分け』を持ってきてくれたのだ。
その時にお礼を言ってタッパーを返した。
ただ、新しいタッパーは家にあるけれど。
ちなみに、今度のメニューはきんぴらごぼうだった。
和食好きなのかな。
シロはタッパーをにらみつけている。
大家さんがシロに受け入れられる日はまだ遠そうだな。
そんなに交流を持つつもりはないけれど、向こうから来ると断る術がない。
とりあえず、害のある感じではない様なので、放置というか、現状維持でもよさそうだと考えていた。
この時は。
*
それよりも寒い!
マンションと違って、安アパートなので冬は室内の温度が下がる。
夜中はエアコンを入れておくのもなんだから、切って寝るのだがエアコンを切ると急激に温度が下がってくる。
シロには良い布団を買ってやったけど、自分の布団はそこまででもない。
ちょっと薄いし。
夜中に寒くて目が覚めるほどだ。
下手に布団を脱いで寝ていると、朝には身体が冷え切って目が覚めることがある。
寒すぎて目が覚めなくなってしまうよりはいいのだが・・・
この日も夜中に目が覚めた。
今、室温って何度なんだ!?
スマホを見るが、スマホって温度の測定機能は付いてないな。外気温は・・・1℃!
冷蔵庫の中だよ!
そりゃあ、室内も寒いはず。
シロは大丈夫だろうかと布団を見ると、シロもむくりと起き上がった。
寒かったのかもしれない。
「シロ、寒いだろ、エアコンを入れて寝ようか」
「・・・」
返事がない。
ちょっと寝ぼけている感じだ。
「かみさま・・・一緒に寝ていいですか・・・」
「え?あ、ああ!?はいぃ?!」
シロはごそごそと俺の布団に入ってきた。
冷たい!!
身体が冷え切っている。
シロは、布団に潜り込むと俺の身体に抱き着いてきた。
両手を俺の背中まで回して抱き着いている。
俺もシロを温めようと頭の部分を抱きしめると、腕枕の状態になった。
俺のベッドは敷布団が厚めだし、ベッドのスプリングもあるので、腕枕でも手がしびれることもないみたいだ。
お互い寒いこともあって、抱き合って、足も絡めて寝ていた。
そのうち気づいた。
とんでもない状況だと!
心臓が破裂しそうなほど、どきどきいっている。
抱き着いているシロに心臓の音が聞こえてしまいそうだ。
幸いシロは眠ったようだ。
そもそも、さっきも半分寝ぼけていた。
段々と温かくなってきた。
人間は抱き合っているとこんなにも温かいものなのか。
そして、やわらかくて、いい匂いがする。
同じシャンプーで同じボディソープのはずなのに。
ダメだ。
完全に目が覚めた。
息子の方も完全に目が覚めている。
目が覚めているどころか臨戦態勢だ。
シロにバレないようにと腰を引くと、シロが無意識に足で抱き着いてくる。
なんだこれ、なんだこれ。
『据え膳』なのかこれは!?
世にいう『据え膳』。
こんな状況が自分に起きると想像したこともなかったので困惑する。
こんな時は素数だ。
お約束の素数を・・・1、3・・・それ以上出ない!
そんな余裕はない。
世の中の素数は2個になってしまったに違いない。
でも、ここで手を出したら・・・シロはどんなつもりで抱き着いているのか・・・ただ単に『暖房機器』として抱き着いているだけでは!?
湯たんぽと同じ的な。
親に甘えるような気持ちの場合・・・魚は・・・キフォティラピア・フロントーサは子供を口の中で育てるけれど、親がそれが食べた日には・・・裏切りだ。
何の話だ!?
ちょっとテンパっているのかもしれない。
胸の中で眠るシロの顔を見ると、邪な気持ちしか浮かばない。
これだけかわいい子が、自分の布団の中で自分に抱き着いているのだ。
改めてシロの顔を見る。
外から漏れ入ってくる光で輝く長いまつ毛から目が離せなくなった。
襟の隙間から見える鎖骨が破壊的な魅力で気になってしょうがない。
風呂にだって一緒に入っているのだから何度も胸は見た。
だけど、今とは全然違う。
心臓を突き破ってしまうかもしれないと思いつつ、キフォティラピア・フロントーサを思い出し悶々として過ごすのだった。
***
「あれ?かみさまのベッドで寝てる・・・あ、そっか・・・」
朝になりシロが目を覚ました。
「かみさまに抱っこされて寝たらあったかくて、すっごく寝られましたー」
「そ、そうか・・・それはよかった・・・な」
「あれ?かみさま、疲れてますか?」
「ああ、ちょっと眠れなくて・・・」
「寒かったんですか?かみさま、寒がりですね。シロはすっごく、あったかかったですよ~」
「そうか、それはよかったな・・・」
「かみさま寒がりなら、これからはシロが一緒に寝て温めてあげようかな・・・」
とんでもないことを言い始めた・・・
とにかく、俺は・・・寝る・・・この日は昼過ぎまで寝ていた。
この日、キフォティラピア・フロントーサの夢を見た。
電気代がかかったとしても冬は暖房とタイマーを使うべきかな。
そうでないととんでもないことが起きてしまう。
『お裾分けでもらったおかずのタッパーを返しに行く問題』だ。
正直、家から一歩も出たくない。
人にだって会いたくない。
意外な形で問題は解決した。
管理人さんが翌日も『お裾分け』を持ってきてくれたのだ。
その時にお礼を言ってタッパーを返した。
ただ、新しいタッパーは家にあるけれど。
ちなみに、今度のメニューはきんぴらごぼうだった。
和食好きなのかな。
シロはタッパーをにらみつけている。
大家さんがシロに受け入れられる日はまだ遠そうだな。
そんなに交流を持つつもりはないけれど、向こうから来ると断る術がない。
とりあえず、害のある感じではない様なので、放置というか、現状維持でもよさそうだと考えていた。
この時は。
*
それよりも寒い!
マンションと違って、安アパートなので冬は室内の温度が下がる。
夜中はエアコンを入れておくのもなんだから、切って寝るのだがエアコンを切ると急激に温度が下がってくる。
シロには良い布団を買ってやったけど、自分の布団はそこまででもない。
ちょっと薄いし。
夜中に寒くて目が覚めるほどだ。
下手に布団を脱いで寝ていると、朝には身体が冷え切って目が覚めることがある。
寒すぎて目が覚めなくなってしまうよりはいいのだが・・・
この日も夜中に目が覚めた。
今、室温って何度なんだ!?
スマホを見るが、スマホって温度の測定機能は付いてないな。外気温は・・・1℃!
冷蔵庫の中だよ!
そりゃあ、室内も寒いはず。
シロは大丈夫だろうかと布団を見ると、シロもむくりと起き上がった。
寒かったのかもしれない。
「シロ、寒いだろ、エアコンを入れて寝ようか」
「・・・」
返事がない。
ちょっと寝ぼけている感じだ。
「かみさま・・・一緒に寝ていいですか・・・」
「え?あ、ああ!?はいぃ?!」
シロはごそごそと俺の布団に入ってきた。
冷たい!!
身体が冷え切っている。
シロは、布団に潜り込むと俺の身体に抱き着いてきた。
両手を俺の背中まで回して抱き着いている。
俺もシロを温めようと頭の部分を抱きしめると、腕枕の状態になった。
俺のベッドは敷布団が厚めだし、ベッドのスプリングもあるので、腕枕でも手がしびれることもないみたいだ。
お互い寒いこともあって、抱き合って、足も絡めて寝ていた。
そのうち気づいた。
とんでもない状況だと!
心臓が破裂しそうなほど、どきどきいっている。
抱き着いているシロに心臓の音が聞こえてしまいそうだ。
幸いシロは眠ったようだ。
そもそも、さっきも半分寝ぼけていた。
段々と温かくなってきた。
人間は抱き合っているとこんなにも温かいものなのか。
そして、やわらかくて、いい匂いがする。
同じシャンプーで同じボディソープのはずなのに。
ダメだ。
完全に目が覚めた。
息子の方も完全に目が覚めている。
目が覚めているどころか臨戦態勢だ。
シロにバレないようにと腰を引くと、シロが無意識に足で抱き着いてくる。
なんだこれ、なんだこれ。
『据え膳』なのかこれは!?
世にいう『据え膳』。
こんな状況が自分に起きると想像したこともなかったので困惑する。
こんな時は素数だ。
お約束の素数を・・・1、3・・・それ以上出ない!
そんな余裕はない。
世の中の素数は2個になってしまったに違いない。
でも、ここで手を出したら・・・シロはどんなつもりで抱き着いているのか・・・ただ単に『暖房機器』として抱き着いているだけでは!?
湯たんぽと同じ的な。
親に甘えるような気持ちの場合・・・魚は・・・キフォティラピア・フロントーサは子供を口の中で育てるけれど、親がそれが食べた日には・・・裏切りだ。
何の話だ!?
ちょっとテンパっているのかもしれない。
胸の中で眠るシロの顔を見ると、邪な気持ちしか浮かばない。
これだけかわいい子が、自分の布団の中で自分に抱き着いているのだ。
改めてシロの顔を見る。
外から漏れ入ってくる光で輝く長いまつ毛から目が離せなくなった。
襟の隙間から見える鎖骨が破壊的な魅力で気になってしょうがない。
風呂にだって一緒に入っているのだから何度も胸は見た。
だけど、今とは全然違う。
心臓を突き破ってしまうかもしれないと思いつつ、キフォティラピア・フロントーサを思い出し悶々として過ごすのだった。
***
「あれ?かみさまのベッドで寝てる・・・あ、そっか・・・」
朝になりシロが目を覚ました。
「かみさまに抱っこされて寝たらあったかくて、すっごく寝られましたー」
「そ、そうか・・・それはよかった・・・な」
「あれ?かみさま、疲れてますか?」
「ああ、ちょっと眠れなくて・・・」
「寒かったんですか?かみさま、寒がりですね。シロはすっごく、あったかかったですよ~」
「そうか、それはよかったな・・・」
「かみさま寒がりなら、これからはシロが一緒に寝て温めてあげようかな・・・」
とんでもないことを言い始めた・・・
とにかく、俺は・・・寝る・・・この日は昼過ぎまで寝ていた。
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