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第1幕~林の町にて、、先行く二人、雨揺らぎ騒林追うは一人と、また一人
あァ、、?昨日の兄ィちゃん達だなァ、ありァあ、、
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組合から宿に戻って、二つのベッドに座り対面する二人。
「明日は、そうねえ、、」
ジャラジャラと財布の中身を鳴らすのはユエリだ。
【妖精の浮遊薬】で得た資金は、彼女の頬を幾分、ほころばせていた。
それなりに資金が入ると、財布の紐も緩むというものだ。
「んー、《クアッキ大通り》か?」
「買い物ねえ、悪くないでしょうよ?
行く?」
《クアッキ大通り》とは《林のフォリンズ》の町を一直線に貫く、王都から続く本道の事だ。
「んー、そうだな
悪くないな、ちょうど、、
靴も怪しくなってた所なんだ」
「私も、この外套がねえ、、
なんか薄いのよ、最近、、」
靴のつま先部分は少し剥がれ気味で、外套は長く使っていたのか、色素が抜け気味だ。
「、、決まりか」
「、、決まりね」
二人は予定も決まり、宿に備えられた小さく区切られた給水装置の小間で冒険の汚れを落とした。
後に、簡単な食事を済ませると早々と寝た。
《クアッキ大通り》とは整備された路鉢に、垂直に伸びた【クアッキ杉】が植えられた通りの事で、町の北口から南口へ真っ直ぐに路道を貫いていた。
通り沿いに様々な店舗が並ぶ他に、路店を出す者もちらほら見受けられる。
道もタイル張りで整備されていて、時折通過する馬車の行き来も容易な、小綺麗な通りだった。
通りを歩く人々はそれなりに多い。
「そこそこ、人多いのねえ、、
意外に」
「んー、それなりだな」
ほんの数日前まで、人の混み合う王都で暮らしていた二人である。
士官生時代の五年に及ぶ生活は、人混みに二人を慣れさせていた。
路店を眺め見、店舗を見やりながら通りを歩く。
【旅の装束ともなり】と看板が見えた。
「へえ、、
この町にもあるのねえ」
「あー、俺の故郷にもあったな
確か、、」
どうやら、それなりに軌道に乗ったメーカーのようだった。
店舗に入ったら、目につくのは各種携帯食品、ランタン、野営用テント…と、旅の必需品が一通り揃えてあるらしい。
二人が見て回るのは衣類の区間だ。
「外套ねえ、、
これなんてどうかしら?
でも、少し地味か、、」
「あー、それならな
そっちのラインが入ってるやつ、、
どうだ?」
「これねえ、、
ラインより、チェックの方が、、
どう?」
「んー、そうだな
生地があまり良くないな、、
もって大体、二月といった所か、、」
「じゃあ駄目ね
ああ、そっちの青いやつは、、」
こんな調子だ。
因みに彼、ルルヒラは靴の棚を見つけると、まず一通り触ってコツコツ叩いて、幾つか試し履きした後に、丈夫で日持ちしそうなものを選び、早々と清算を済ませていた。
食事を軽く済ませるのと同じほどの、所要時間だった。
対して、ユエリは未だに外套の棚で頭を悩ませている。
やはり、女性の服選びは微細で、時間のかかるものらしい。
「ううん、、
耐防性、耐寒性、丈夫さを鑑みるに、、
これかしら?」
青みがかった生地の上に、薄く雨が滲んだような深い青が伝う外套だった。
ただし、少々値が張る。
銀貨一枚に、銅貨が七十枚のお値段だった。
「高いわね、、
どう思う?」
「あー、そうだな
これは、、
いや、ありだな」
触った所、生地は悪くない。
保温性、丈夫さは【ニチリア・ウール】を編み込んだらしき手触りからしても保証されている。
見た目も落ち着きはあるものの、青みと深い青の波紋が波打つような様が、地味さからは遠い。
「ありね、、
決めたわ」
「あー、それでいいな」
そうして、会計を済ませ【旅の装束ともなり】を出れば既に日は高い。
ちょうど、通りの向かい側にレストランが幾つか見えた。
「そろそろお昼ねえ、、
ここなんてどう?」
【林の彩り】と看板が立てられている。
隣の店舗の、【ミート・グラベル】とは対象的だ。
「んー、肉か野菜か、か、、」
「どっちかしら?」
「あー、昨日は兎だったな
、、と、なると野菜か」
「決まりね
入りましょう」
野菜に軍配が上がって、【林の彩り】の看板の下を潜った。
店員に導かれ、背もたれの深い椅子に腰掛ける。
「ふうん、、
山菜のパライズ炒め、、
クルイ実の揚げ巻き、、
フォリンズ葡萄パン、、
けっこう、あるわねえ」
メニューには品目の横に簡単な絵が描かれ、眺めているだけでも楽しめる。
「んー、そうだな
クルイ実の殻揚げスープ、、
コダチリ草のレッドハーブ添えサラダ、、
キノコと塩ダレの炭火焼き、、
多いな、しかし、、」
品目の多さに目移りしたが、ようやく店員を呼び、注文を伝える。
さほど、待たぬ内に皿がテーブルの上に並んだ。
「まずは一品目ね
クルイ実の揚げ巻きよ」
薄白い生地で、長方形に巻かれた揚げもので、黄味がかった中身が薄っすらと透けている。
「んー、パリパリだな
で、中はホクホクか」
「うん?中、熱いわねえ、、
クルイ実をこねた具が、まずまずの出来ね」
その後も二品目、三品目と続く。
山菜のパライズ炒めと、キノコと塩ダレの炭火焼きは、どちらも【パライズマッシュ】を用いたものだった。
パライズマッシュの胞子は通常なら、半日ほど動けなくなる麻痺毒だが、その独特の痺れるような甘苦さで山菜を味付けたしたもの。
それから、キノコを薄く裂いたのを、やはり独特の甘苦さを抑えつつ塩ダレで引き立てたもので、弾力性のある食感が食べごたえのある一品だ。
サッと焼くのがコツらしい。
因みに、パライズマッシュで調理されたものは、この町【林のフォリンズ】では名物料理だった。
「四品目はこれね
コダチリ草のレッドハーブ添えサラダよ」
コダチリ草の太い茎を輪切りに、コダチリ草の長細いギザ葉、それから香辛料につけたハーブを添え、甘だれドレッシングをかけたものだった。
お腹に優しく消化を助けるとの事だ。
「んー、ピリ甘だな」
「最近、お肉多かったものね
野菜もしっかり食べなきゃ、、」
そして五品目は、クルイ実の殻揚げスープだ。
塩味と胡椒の効いたスープの中に、トゲトゲの丸いクルイ実が浮かんでいる。
殻ごと揚げられたクルイ実の中身がスープと溶け合う一品だった。
切れ目の入った殻を剥きながら食べるのが、風情だそうだ。
「うん、実がスープで溶けて美味しいわ
やっぱり最後は、お吸い物よね」
「んー、だな」
食べるものも食べ満足したのか、椅子にもたれ掛かるルルヒラ。
大きく背を伸ばすユエリだ。
「それで、次はねえ、、
どうする?」
「んー、武具店は見ておきたいな」
「そうねえ、、
それと装具店かしら?」
「あー、そうだな
見て回るか、、」
眠気が出てきたのか多少、億劫そうにしつつも会計を済ませ【林の彩り】を出たのだった。
「明日は、そうねえ、、」
ジャラジャラと財布の中身を鳴らすのはユエリだ。
【妖精の浮遊薬】で得た資金は、彼女の頬を幾分、ほころばせていた。
それなりに資金が入ると、財布の紐も緩むというものだ。
「んー、《クアッキ大通り》か?」
「買い物ねえ、悪くないでしょうよ?
行く?」
《クアッキ大通り》とは《林のフォリンズ》の町を一直線に貫く、王都から続く本道の事だ。
「んー、そうだな
悪くないな、ちょうど、、
靴も怪しくなってた所なんだ」
「私も、この外套がねえ、、
なんか薄いのよ、最近、、」
靴のつま先部分は少し剥がれ気味で、外套は長く使っていたのか、色素が抜け気味だ。
「、、決まりか」
「、、決まりね」
二人は予定も決まり、宿に備えられた小さく区切られた給水装置の小間で冒険の汚れを落とした。
後に、簡単な食事を済ませると早々と寝た。
《クアッキ大通り》とは整備された路鉢に、垂直に伸びた【クアッキ杉】が植えられた通りの事で、町の北口から南口へ真っ直ぐに路道を貫いていた。
通り沿いに様々な店舗が並ぶ他に、路店を出す者もちらほら見受けられる。
道もタイル張りで整備されていて、時折通過する馬車の行き来も容易な、小綺麗な通りだった。
通りを歩く人々はそれなりに多い。
「そこそこ、人多いのねえ、、
意外に」
「んー、それなりだな」
ほんの数日前まで、人の混み合う王都で暮らしていた二人である。
士官生時代の五年に及ぶ生活は、人混みに二人を慣れさせていた。
路店を眺め見、店舗を見やりながら通りを歩く。
【旅の装束ともなり】と看板が見えた。
「へえ、、
この町にもあるのねえ」
「あー、俺の故郷にもあったな
確か、、」
どうやら、それなりに軌道に乗ったメーカーのようだった。
店舗に入ったら、目につくのは各種携帯食品、ランタン、野営用テント…と、旅の必需品が一通り揃えてあるらしい。
二人が見て回るのは衣類の区間だ。
「外套ねえ、、
これなんてどうかしら?
でも、少し地味か、、」
「あー、それならな
そっちのラインが入ってるやつ、、
どうだ?」
「これねえ、、
ラインより、チェックの方が、、
どう?」
「んー、そうだな
生地があまり良くないな、、
もって大体、二月といった所か、、」
「じゃあ駄目ね
ああ、そっちの青いやつは、、」
こんな調子だ。
因みに彼、ルルヒラは靴の棚を見つけると、まず一通り触ってコツコツ叩いて、幾つか試し履きした後に、丈夫で日持ちしそうなものを選び、早々と清算を済ませていた。
食事を軽く済ませるのと同じほどの、所要時間だった。
対して、ユエリは未だに外套の棚で頭を悩ませている。
やはり、女性の服選びは微細で、時間のかかるものらしい。
「ううん、、
耐防性、耐寒性、丈夫さを鑑みるに、、
これかしら?」
青みがかった生地の上に、薄く雨が滲んだような深い青が伝う外套だった。
ただし、少々値が張る。
銀貨一枚に、銅貨が七十枚のお値段だった。
「高いわね、、
どう思う?」
「あー、そうだな
これは、、
いや、ありだな」
触った所、生地は悪くない。
保温性、丈夫さは【ニチリア・ウール】を編み込んだらしき手触りからしても保証されている。
見た目も落ち着きはあるものの、青みと深い青の波紋が波打つような様が、地味さからは遠い。
「ありね、、
決めたわ」
「あー、それでいいな」
そうして、会計を済ませ【旅の装束ともなり】を出れば既に日は高い。
ちょうど、通りの向かい側にレストランが幾つか見えた。
「そろそろお昼ねえ、、
ここなんてどう?」
【林の彩り】と看板が立てられている。
隣の店舗の、【ミート・グラベル】とは対象的だ。
「んー、肉か野菜か、か、、」
「どっちかしら?」
「あー、昨日は兎だったな
、、と、なると野菜か」
「決まりね
入りましょう」
野菜に軍配が上がって、【林の彩り】の看板の下を潜った。
店員に導かれ、背もたれの深い椅子に腰掛ける。
「ふうん、、
山菜のパライズ炒め、、
クルイ実の揚げ巻き、、
フォリンズ葡萄パン、、
けっこう、あるわねえ」
メニューには品目の横に簡単な絵が描かれ、眺めているだけでも楽しめる。
「んー、そうだな
クルイ実の殻揚げスープ、、
コダチリ草のレッドハーブ添えサラダ、、
キノコと塩ダレの炭火焼き、、
多いな、しかし、、」
品目の多さに目移りしたが、ようやく店員を呼び、注文を伝える。
さほど、待たぬ内に皿がテーブルの上に並んだ。
「まずは一品目ね
クルイ実の揚げ巻きよ」
薄白い生地で、長方形に巻かれた揚げもので、黄味がかった中身が薄っすらと透けている。
「んー、パリパリだな
で、中はホクホクか」
「うん?中、熱いわねえ、、
クルイ実をこねた具が、まずまずの出来ね」
その後も二品目、三品目と続く。
山菜のパライズ炒めと、キノコと塩ダレの炭火焼きは、どちらも【パライズマッシュ】を用いたものだった。
パライズマッシュの胞子は通常なら、半日ほど動けなくなる麻痺毒だが、その独特の痺れるような甘苦さで山菜を味付けたしたもの。
それから、キノコを薄く裂いたのを、やはり独特の甘苦さを抑えつつ塩ダレで引き立てたもので、弾力性のある食感が食べごたえのある一品だ。
サッと焼くのがコツらしい。
因みに、パライズマッシュで調理されたものは、この町【林のフォリンズ】では名物料理だった。
「四品目はこれね
コダチリ草のレッドハーブ添えサラダよ」
コダチリ草の太い茎を輪切りに、コダチリ草の長細いギザ葉、それから香辛料につけたハーブを添え、甘だれドレッシングをかけたものだった。
お腹に優しく消化を助けるとの事だ。
「んー、ピリ甘だな」
「最近、お肉多かったものね
野菜もしっかり食べなきゃ、、」
そして五品目は、クルイ実の殻揚げスープだ。
塩味と胡椒の効いたスープの中に、トゲトゲの丸いクルイ実が浮かんでいる。
殻ごと揚げられたクルイ実の中身がスープと溶け合う一品だった。
切れ目の入った殻を剥きながら食べるのが、風情だそうだ。
「うん、実がスープで溶けて美味しいわ
やっぱり最後は、お吸い物よね」
「んー、だな」
食べるものも食べ満足したのか、椅子にもたれ掛かるルルヒラ。
大きく背を伸ばすユエリだ。
「それで、次はねえ、、
どうする?」
「んー、武具店は見ておきたいな」
「そうねえ、、
それと装具店かしら?」
「あー、そうだな
見て回るか、、」
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