8 / 23
第1幕~林の町にて、、先行く二人、雨揺らぎ騒林追うは一人と、また一人
ふふ…腕の良い、お二人さん…確保出来ましたね?
しおりを挟む
【林の彩り】を出て、どちらへ向かうか思案していた所…。
ちょうど、隣の【ミート・グラベル】を出てきた二人組の男女から声がかかった。
「あれ…お二人とも、、
今日は買い物ですか
奇遇ですね」
見れば、男は筋骨逞しい髭面のスキンヘッドで、背に両刃の大斧を提げている。
女は栗色髪を後ろで結び、丈の長い衣類の上から銀のショルダーパッドを身に付けていて、こちらは片刃の斧を腰から提げていた。
「あ…わたしですよ
組合の受付の…」
「あー、受付嬢の人か」
ようやく、思い至ったのかルルヒラとユエリは、二人で顔を見合わせ小首を傾げている。
「なァ?見えねェだろ?
みんなァ初めはビックリするんだよなァ…」
隣の男は強面だが、意外と気さくに話す。
相槌を打つのはユエリだ。
「意外よねえ、意外、、
そういえば、非番の日は冒険者だって言ってたものね?」
「…そうなんですよ
それにしても、お二人とも…
目の付けどころがいいですね?」
後ろの【林の彩り】の看板を示し言った。
「そう?確かに、、
メニューは多彩で
ツボを抑えたものが多かったわ
、、ええと、あなた…」
「あ…名乗ってませんでしたね
サクイヤです
そして、後ろのがわたしの父でして…」
「あァ、カガシン、、
ってェ呼んでくれェ?」
どうやら、親子らしい。
強面の父親に、パッと目を引く娘の組み合わせは似てるとは言い難いが、親子と言えば親子らしかった。
「んー、なるほど、、
サクイヤにカガシン、か
似てないな、しかし、、」
「あァ、よく言われらァな
こっちの兄ィちゃんが、ルルヒラ、、
そっちの姉ェちゃんが、ユエリ、、
でェ、合ってたよなァ?」
「うん?よく知ってるわねえ、、
組合から?」
尋ねる相手は受付嬢、改めサクイヤだ。
「…そうなんです
腕のいい新人が居ると…ちょっと噂しておきました」
「腕のいい新人ねえ、、
まあ、否定はしないわ
ねえ?ルルヒラ」
「んー、さてな?
どうだろうな?」
二人共、士官生時代の鍛錬が積み重なり、自信はそれなりにあると見受けられた。
それを見、強かな笑みを浮かべるのはカガシンだ。
「こォの時期は居るんだァよなァ
士官教習所ォ、出てェからに、、
兄ィちゃん達はさてェ?どうなんだィ?」
「んー、なら、、
試すか?」
男二人は挑発にやや近い、そんなやり取りに笑みも深まっていく。
どちらも嬉しそうだ。
「あ…良くないですね
お二人とも、この後の予定は何か?」
「うん?そうねえ、、
一応、武装見とこうと思ってるんだけど、、」
「ああ…それなら、、
ちょうど、良かったですね
お父さん…と、ルルヒラさん
場所移した方がいいですよ?」
サクイヤの声に男二人は一旦、剣幕を降ろす。
サクイヤの声に導かれるまま、【クアッキ大通り】から外れ、裏手沿いを歩く。
「ふうん、どこまで行くのよ?」
「…近いですよ、、
そうそう…そこを曲がって
あれです」
大通りからそれほど外れる事無く、辿り着いたのは工房地帯だった。
【フォリンズの種火】と、鉄板に彫り込まれた看板だ。
カガシンが口を開ける。
「まァだ、言ってねェな
おらァ、ここで工房長やってらァ
歓迎するぜェ」
そう言って、二人を招いたのだった。
試し用の庭だった。
それなりにスペースはあり、十分動けそうな広さだ。
壁際に、剣、槍、斧から、一風変わった鞭、弩、大鎌などが立て掛けられている。
壁に備え付けられた席で、ユエリ…そして何故か、カガシンは観戦する構えだ。
「あの…手加減して下さいね?」
「あー、いや、、
サクイヤが、か?」
脇目にカガシンを伺う。
「あァ?試す、、
ってェ言ったんは兄ィちゃんだァな
なァ、姉ェちゃん?」
「さあて、、
私は知らないわ
ルルヒラ、怪我させたら、、
あんたの負けね、わかった?」
「なァに、ちィとぐらいの怪我なら、、
慣れてらァな?」
好き勝手言うギャラリーだった。
サクイヤは既に、斧を右手に持ち、後ろに引く構えだ。
「あー、やるのか
、、いや、別にいいか」
言って、ルルヒラも半身を下げ、剣を小脇に構えた。
「では…行かせて頂きます」
地面を足裏が打つ。
それが合図になった。
突進から、やや軌道をずらし懐に飛び込んでくる。
こちらが剣を空振るか、間合いを外させる事を視野に入れた動き。
そのまま、後ろ手の斧を薙いできた。
前転、からの立ち位置の入れ替わり。
彼女の空を切った背中を視野に、姿勢を下げたまま右足を半回転させる。
接触は無い。
彼女は突進の勢いのまま、地面に手を付きこちらに向き直った。
対して、こちらも姿勢を戻し、構えは最初と同じく剣を小脇に当てがった。
「内気法…使えるんですよね?
使わないんですか?」
彼女、サクイヤはどちらかと言えば小柄な方だ。
しかし、先ほど見せた俊敏な動き。
【プラーナ操気術】の【内気法】によるものと見て良かった。
「んー、サクイヤは使えるんだな」
「ええ…でも、、
しっかり習ったものでも無いので…
お手本…見せて頂けますか?」
時折、ノリの良さを見せる彼女からすると、少し意外な気がした。
普段の受付嬢とは別の、冒険者としての彼女は真剣そのものらしい。
「あー、ここでは、な?
あまり本気は出せないんだ」
その言葉が気になったのか、外野からカガシンの声が届く。
「もしかしてェよ?
兄ィちゃん、剣気ィ使えるんかィ?」
「ルルヒラはねえ、、
在学中はこと…内気法に関してなら一、二を争った駿才よ
使えて当然でしょう?」
「へェ、若ェのにまたァ、、
大ェしたもんだァな
、、サクイヤ、ちィと分が悪いぜェ?」
サクイヤは構えを解いた。
「剣気…ですか
そうですね、、」
扱いの難しいものだというのは、知っている。
気の奔流で、自身を傷付けてしまった冒険者を何度か見た事もある。
しかし、【剣気】を使いこなす者を彼女は見た事が無い。
二人がからかっているので無ければ、確かにここでの実戦は危険なものでもあり、また二人がからかっていると考えるのも少し違うように思えた。
彼、ルルヒラを最初に目にした時、他の冒険者と何ら変わりの無い格好だったからこそ、その格好が違和感を突き付けていた。
その違和感が、ほんの僅かの立ち会いで確信へと変わったのは、今この時だ。
「そうですね…明日
お二人とも、またダンジョンへ?」
「んー、そうだな
たぶんな?」
と言いながら、ユエリに顔を向けた。
「うん、そうね?
何ならサクイヤ、あなたも一緒に行く?」
察しがいいのか、ユエリは問いかける。
「あ…良かったです
ちょうど非番なんですよ、明日も…」
「それじゃ、決まりね
よろしくね?サクイヤ」
「ふふ…決まりです
お願いします、ユエリさん
それと、ルルヒラさん」
「あー、よろしく頼む、サクイヤ」
そうして三者は、笑みを浮かべる。
そこに外野から、また声がかかった。
「あァ?おらァは行かなくてェいいんかィ?」
「いいんです…お父さんは」
娘からの返事は素っ気無いものだった。
ちょうど、隣の【ミート・グラベル】を出てきた二人組の男女から声がかかった。
「あれ…お二人とも、、
今日は買い物ですか
奇遇ですね」
見れば、男は筋骨逞しい髭面のスキンヘッドで、背に両刃の大斧を提げている。
女は栗色髪を後ろで結び、丈の長い衣類の上から銀のショルダーパッドを身に付けていて、こちらは片刃の斧を腰から提げていた。
「あ…わたしですよ
組合の受付の…」
「あー、受付嬢の人か」
ようやく、思い至ったのかルルヒラとユエリは、二人で顔を見合わせ小首を傾げている。
「なァ?見えねェだろ?
みんなァ初めはビックリするんだよなァ…」
隣の男は強面だが、意外と気さくに話す。
相槌を打つのはユエリだ。
「意外よねえ、意外、、
そういえば、非番の日は冒険者だって言ってたものね?」
「…そうなんですよ
それにしても、お二人とも…
目の付けどころがいいですね?」
後ろの【林の彩り】の看板を示し言った。
「そう?確かに、、
メニューは多彩で
ツボを抑えたものが多かったわ
、、ええと、あなた…」
「あ…名乗ってませんでしたね
サクイヤです
そして、後ろのがわたしの父でして…」
「あァ、カガシン、、
ってェ呼んでくれェ?」
どうやら、親子らしい。
強面の父親に、パッと目を引く娘の組み合わせは似てるとは言い難いが、親子と言えば親子らしかった。
「んー、なるほど、、
サクイヤにカガシン、か
似てないな、しかし、、」
「あァ、よく言われらァな
こっちの兄ィちゃんが、ルルヒラ、、
そっちの姉ェちゃんが、ユエリ、、
でェ、合ってたよなァ?」
「うん?よく知ってるわねえ、、
組合から?」
尋ねる相手は受付嬢、改めサクイヤだ。
「…そうなんです
腕のいい新人が居ると…ちょっと噂しておきました」
「腕のいい新人ねえ、、
まあ、否定はしないわ
ねえ?ルルヒラ」
「んー、さてな?
どうだろうな?」
二人共、士官生時代の鍛錬が積み重なり、自信はそれなりにあると見受けられた。
それを見、強かな笑みを浮かべるのはカガシンだ。
「こォの時期は居るんだァよなァ
士官教習所ォ、出てェからに、、
兄ィちゃん達はさてェ?どうなんだィ?」
「んー、なら、、
試すか?」
男二人は挑発にやや近い、そんなやり取りに笑みも深まっていく。
どちらも嬉しそうだ。
「あ…良くないですね
お二人とも、この後の予定は何か?」
「うん?そうねえ、、
一応、武装見とこうと思ってるんだけど、、」
「ああ…それなら、、
ちょうど、良かったですね
お父さん…と、ルルヒラさん
場所移した方がいいですよ?」
サクイヤの声に男二人は一旦、剣幕を降ろす。
サクイヤの声に導かれるまま、【クアッキ大通り】から外れ、裏手沿いを歩く。
「ふうん、どこまで行くのよ?」
「…近いですよ、、
そうそう…そこを曲がって
あれです」
大通りからそれほど外れる事無く、辿り着いたのは工房地帯だった。
【フォリンズの種火】と、鉄板に彫り込まれた看板だ。
カガシンが口を開ける。
「まァだ、言ってねェな
おらァ、ここで工房長やってらァ
歓迎するぜェ」
そう言って、二人を招いたのだった。
試し用の庭だった。
それなりにスペースはあり、十分動けそうな広さだ。
壁際に、剣、槍、斧から、一風変わった鞭、弩、大鎌などが立て掛けられている。
壁に備え付けられた席で、ユエリ…そして何故か、カガシンは観戦する構えだ。
「あの…手加減して下さいね?」
「あー、いや、、
サクイヤが、か?」
脇目にカガシンを伺う。
「あァ?試す、、
ってェ言ったんは兄ィちゃんだァな
なァ、姉ェちゃん?」
「さあて、、
私は知らないわ
ルルヒラ、怪我させたら、、
あんたの負けね、わかった?」
「なァに、ちィとぐらいの怪我なら、、
慣れてらァな?」
好き勝手言うギャラリーだった。
サクイヤは既に、斧を右手に持ち、後ろに引く構えだ。
「あー、やるのか
、、いや、別にいいか」
言って、ルルヒラも半身を下げ、剣を小脇に構えた。
「では…行かせて頂きます」
地面を足裏が打つ。
それが合図になった。
突進から、やや軌道をずらし懐に飛び込んでくる。
こちらが剣を空振るか、間合いを外させる事を視野に入れた動き。
そのまま、後ろ手の斧を薙いできた。
前転、からの立ち位置の入れ替わり。
彼女の空を切った背中を視野に、姿勢を下げたまま右足を半回転させる。
接触は無い。
彼女は突進の勢いのまま、地面に手を付きこちらに向き直った。
対して、こちらも姿勢を戻し、構えは最初と同じく剣を小脇に当てがった。
「内気法…使えるんですよね?
使わないんですか?」
彼女、サクイヤはどちらかと言えば小柄な方だ。
しかし、先ほど見せた俊敏な動き。
【プラーナ操気術】の【内気法】によるものと見て良かった。
「んー、サクイヤは使えるんだな」
「ええ…でも、、
しっかり習ったものでも無いので…
お手本…見せて頂けますか?」
時折、ノリの良さを見せる彼女からすると、少し意外な気がした。
普段の受付嬢とは別の、冒険者としての彼女は真剣そのものらしい。
「あー、ここでは、な?
あまり本気は出せないんだ」
その言葉が気になったのか、外野からカガシンの声が届く。
「もしかしてェよ?
兄ィちゃん、剣気ィ使えるんかィ?」
「ルルヒラはねえ、、
在学中はこと…内気法に関してなら一、二を争った駿才よ
使えて当然でしょう?」
「へェ、若ェのにまたァ、、
大ェしたもんだァな
、、サクイヤ、ちィと分が悪いぜェ?」
サクイヤは構えを解いた。
「剣気…ですか
そうですね、、」
扱いの難しいものだというのは、知っている。
気の奔流で、自身を傷付けてしまった冒険者を何度か見た事もある。
しかし、【剣気】を使いこなす者を彼女は見た事が無い。
二人がからかっているので無ければ、確かにここでの実戦は危険なものでもあり、また二人がからかっていると考えるのも少し違うように思えた。
彼、ルルヒラを最初に目にした時、他の冒険者と何ら変わりの無い格好だったからこそ、その格好が違和感を突き付けていた。
その違和感が、ほんの僅かの立ち会いで確信へと変わったのは、今この時だ。
「そうですね…明日
お二人とも、またダンジョンへ?」
「んー、そうだな
たぶんな?」
と言いながら、ユエリに顔を向けた。
「うん、そうね?
何ならサクイヤ、あなたも一緒に行く?」
察しがいいのか、ユエリは問いかける。
「あ…良かったです
ちょうど非番なんですよ、明日も…」
「それじゃ、決まりね
よろしくね?サクイヤ」
「ふふ…決まりです
お願いします、ユエリさん
それと、ルルヒラさん」
「あー、よろしく頼む、サクイヤ」
そうして三者は、笑みを浮かべる。
そこに外野から、また声がかかった。
「あァ?おらァは行かなくてェいいんかィ?」
「いいんです…お父さんは」
娘からの返事は素っ気無いものだった。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる