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2 第2章 ~絡み合う糸の先端~
俺しか知らない、キミの魅力
しおりを挟むすっかりご無沙汰になった、と思う。
俺と大翔の濃厚な絡み……。
ごめんな、春休みは春休みでなんかそう言うそそられるムードが無くてな。
一緒に居ちゃうと、落ち着いちゃってな。
あぁ、俺は常に性欲が沸き立ってたんだが、俺のケモノに付き合わせちゃ大翔も苦だと思ってな。
俺もさすがに高校の時よりかは幾分か大人になったんだ!
というのもつかの間、おれはもう我慢出来ない。
大学生になったんだから内面も落ち着け?いや、無理だろ~!
そもそも、大学生らしい、ってのは意識的に変えるもんで、それになったから変われる訳じゃないだろう。
てことで、今日は入浴時、襲おうと思う。
ちなみにこれは番外編みたいなものだから、飛ばしてもらっても物語に支障はない。
もし、そういうのがあれば、って興味を持ってくれる人、対象だ。
じゃあ行ってみよう!
俺は入浴しているでろう大翔のもとへ、風呂場へ向かった。
足音はなるべく立てないで。
というのも、安物件を探したから、どうしても床がギシギシ軋んだり、戸の締まりが悪かったりと、不具合があるのだ。
「ふんふん~♪ふふんふん♪」
奴は、呑気に鼻歌を歌っていた。その適当な音程が、可愛くて仕方ない。可愛らしさとは愛おしさである、これは作者の考えだ。
そんなことは置いておいて、まだ風呂を済ませていない俺はこのまま突撃してやろうか、それとも出てきたところをそのままハグでもしてやろうかとルンルンしていると、洗面所にいる1匹の黄色いものに目がいった。
「ふんふん~♪ふふんふん♪」
ちゃぷ
身体を流し終え、ポカポカとした身体を更に温度の高い湯船とつける。
その心地の良さに思わず僕の中のありとあらゆる力が解散していくような感覚になる。
「ふわぁ~」
伸びをすると、なぜかココ最近の事が頭をよぎった。
高校を無事卒業した。
その後トントン拍子に龍都との同居(照)が始まる。
入学した先に苦手な人達がいた。
しかし、龍都のおかげで今までの僕にはなかった心持ちであの人達を認識できるようになった。
同じ雰囲気の異性の友人も出来た。
僕には幼なじみの龍都が居てくれたから、あんまり気にも留めなかったが、質のいい友達はいた方が楽しい、と思えた。
色んなことがあって苦しい時も楽しい時もあったけれど、全部龍都がいてくれたから乗り越えられたし、作り出せた。
全ては愛しの龍都のおかげだ。
愛しの…、ってのは本人にはナイショね。
でも、逆に龍都に寄りかかりすぎてしまっている気が、最近する。
なんとか僕も大人にならないと…、なんて思って、家事は率先してやっているのだけれど…。
そんなことをポヤーっと考えていると、突然、お風呂の扉が開いた。自動でだ(笑)
「大翔~♡」
もちろん入ってきたのは、いとし…ケフンケフン、龍都である。
手には押すとぴよぴよ言うアヒルちゃんがいた。
全裸の龍都はそのままアヒルを湯船の方へ投げるらアヒルちゃんは上手く着水する。
そして身体を流した後、そんなに広くない湯船に遠慮なくダイブしてきた。
龍都が入ってきた分の面積のお湯がドボドボと流れ落ちていく、
アヒルちゃんがその流れに翻弄されながらクルクル回っている。
シャンプーなどの容器が流れそうになるのを手で止める。
「あのさぁ、りゅうとー」
呆れ半分で龍都の方を見ると、顎クイをされた。
その綺麗な唇が近づいてくるのだろうと思い、僕はキュッと目を閉じる。
しかし、いつになっても自分の唇に圧を感じなかったから、ゆっくり目を開けた。
そこには湯船のせいで火照ってきている龍都の顔とまるで大切なものを見るような優しい眼差しがあった。
「ど、どうしたの?」
龍都は大切に、丁寧に、絞り出すように言う。
「大翔、俺、お前のこと、めちゃくちゃ愛おしい」
僕は先程まで愛しの龍都とか言ってたからか、同じような事を同じ時に考える自分たちに嬉しくなってしまい口の端だけがにやけてしまう。
その表情に、龍都は赤面し、「今夜は寝かせねぇからな!」と言い勢いよく湯船を出て頭を洗い出す。
減ってしまった水面に少し寂しさを感じながら、いつまでも、僕らの心も満たされていたいな、なんて思ってしまった。
その後は湯船に長くつかっていたからか、もしくはいつも以上に愛してるとか好きとか言ってくれる龍都の愛に浸っていたのか、
完全にのぼせてしまった。
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