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過去4
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相変わらず暗い内容です。
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「襲撃のトラウマから男性を極端に怖がるようになった母を父は無理やり犯した。早く子供が欲しい彼はその有り余る性欲に任せて毎日のように母を蹂躙し続けたと聞く」
自嘲気味なのは義総自身にも覚えがあるからだろう。酔いに任せて沙耶の初めてを奪った彼はそのまま何日も部屋に籠り、彼女を抱きつぶしたのだ。父親の事を嫌っていても、こういった所で血の繋がりを感じてしまい、自己嫌悪に陥るのだ。
「父の年齢の事もあり、周囲から子供は無理ではないかと言われていたが、結婚から半年後、母の懐妊が判明した。そして産まれたのが私だ」
義総はここで一旦言葉を切り、大きく息をはく。そして重ねられたままになっている沙耶の手を握り直すと、再び口を開いた。
「大倉の当主は私と入れ替わるようにそれから間もなく息を引き取った。彼の遺言には大倉の全ては私に譲ると明記され、その後見は当然のように父が指名された。
念願がかない、父はようやく大倉の全てを手に入れたが、それは思い描いていたものとは程遠い物だった。久子と有能な部下を婚約させて吉浦を任せ、自分は姓まで変えて大倉に入り婿したのに自由に出来る財産は殆どなかったのだ。
私を抹殺しようにも、遺言には私が成人する前に死ねば、大倉の財産は国や福祉団体に寄贈すると明記されている。そうなればこれまでかけてきた時間と労力が無駄になってしまう。結局父は諦めて後見の地位に甘んじなければならなかった。
その苛立ちは次第に母へ向けられるようになった。口がきけない上、父の前では萎縮してしまう彼女に父は容赦なく暴力をふるった。やがて母は心身を病み、私が3歳になる頃この世を去った」
義総がここで言葉を切ると、沙耶は彼にギュッと抱きついてくる。急にどうしたのかと思って顔を覗き込むと、彼女は母親の生い立ちに胸を痛めて泣いている様だ。
「沙耶……本当にお前は……」
「だって……」
ギュッとしがみついてくる沙耶の背中を宥めるように優しく叩き、義総は彼女の優しさに感謝してその旋毛に優しく口づけた。
「過去はもう変えられない。祖母や母の生涯は本当に哀れとしか言いようがないが、彼女達の無念を忘れず、また、同じような事を繰り返さないようにすることが今の私に出来る事だと思っている」
義総の言いたい事は分かるのか、沙耶は嗚咽を堪えながら彼の腕の中で何度も頷いた。
義総はそのまましばらくの間無言で沙耶が落ち着くのを待った。その間、部屋の中には時計の針が進む音が響く。
「落ち着いたか?」
「……はい」
頃合いを見計らって義総が声をかけると、沙耶は少し掠れた声で返事をする。何もないよりはましかと思った義総は、すっかり温くなった水をグラスに注いで沙耶に手渡す。すると彼女は律儀に礼を言って受け取った。
「……義総様は寂しくなかったですか?」
「そうだな……。正直言うと、普通の感覚が私にはよく分からない。ただ、ここに居た間は元々祖母や母の身の回りの世話をしていた使用人がかまってくれたのでそう思う事は無かった。むしろ残っているのは幸せな部類の記憶だ。父に呼ばれて本家に戻ってからの方が辛かったかな」
沙耶が水を半分ほど飲んでグラスをテーブルに置いたので、義総は残りを飲み干して自分も喉を潤した。沙耶は先程のおしぼりでまた目元を冷やしている。若いから問題は無いだろうが、綾乃が見れば入念にお肌の手入れを施すに違いない。
「屋敷の中にはまだ父を快く思わない者がいて、その息子である私を大倉の人間とはなかなか認めてはくれなかった。そんな私の味方になってくれたのはこの別荘から付いて来てくれた小間使いの親娘だった。
襲撃のあった日、祖母と共に凌辱されたあの若い小間使いは誰のとも分からない子供を身籠っていた。父は将来役に立つだろうからと、彼女に産んで育てるように強要し、襲撃の翌年に彼女は双子の女の子を出産した。その子供が綾乃と彼女の姉、愛乃だ。本家へ移った時には既に中学生になっていた彼女達が親身になって世話をしてくれたおかげで、私はどうにかあの家で居場所を作ることが出来た」
思いがけず出て来た綾乃の名前に沙耶は驚いた様子で目を見張る。そんな彼女の額に口づけると、義総は話を続ける。
「仕事が忙しいだけでなく、愛人の元へ通っていたらしい父は滅多に家に帰ってこなかった。その間に久子が我が物顔で現れ、来る度に大倉家の秀逸な名品をくすねていった。ただ、あからさまなのは成人と同時に夫となった哲也さんに諌められて諦めていたが、その苛立ちは全て私に向けられた。
私物を隠されるのはまだ可愛いとして、暴力を振るわれるのも珍しくない。まだ子供の私にはかなう相手では無く、2人に庇ってもらう日々が続いた。そんなある日、久子が力加減を誤って私が大けがをする事故が起きた。その日は久子の部下に邪魔されて綾乃達が駆けつけるのが遅くなって間に合わなかった。
私を守りきれなかった2人に父は激怒したが、それでもこの事故のおかげで久子のちょっかいに気付き、一時的にせよ彼女は大倉家から遠ざけられた。そのおかげでしばらくは平穏に暮らせていたが、私が中学に上がる頃になると今度は父が体調を崩すようになった。
後に分かった事だが、久子はこの頃から父に薬を盛っていたらしい。私の後見をしている父がいなくなれば、自分にその役が回って来て大倉を自分の物にできると周囲からそそのかされた様だ」
欲の為には親ですら手にかけようとする久子は典型的な吉浦の性質を受け継いでいる。義総は苦々しい思いが込み上げて来て大きなため息をついた。
「父も気づいていたらしいが、既に体はその薬に蝕まれていた。仕事も大半を部下に任せ、自分は屋敷に籠って指示を与える程度になった。しかし、これにより軌道に乗り始めていた大倉の再建が思う様に進まなくなっていく。その現実に父も嫌気がさしたのかあまり口を挟まなくなり、一層経営が厳しくなっていった」
「あの人はお父様の命まで狙ったの?」
沙耶は信じられない様子で義総を見上げる。そして久子の名を聞いて連れまわされた記憶が蘇ったのか、体をブルリと震わせる。
「例え身内だろうと自分と利害が一致しなければ敵とみなす。吉浦の悪い気質があの女には強く出ていた。あれにとって家族と認識していたのは明人だけだったかもしれないな」
「……可哀想な人」
「お前はそう思うのか?」
「確かにお金は大事かもしれませんけど、それだけというのは何だか寂しい気がします」
「私にも同じ血が流れているぞ?」
「でも……義総様とあの方は違います」
「そうなのか?」
「言葉ではうまく説明できないけれど……でも、綾乃さんや青柳さん、塚原さんも、山崎さん夫妻も義総様に喜んでお仕えしています。義総様が皆さんの事を気にかけていらっしゃるから、皆さんそれに応えて下さっているように思います」
沙耶の言葉に義総は驚いた様子で目を見張る。そして嬉しかったのか少しだけ顔を綻ばせた。
「それに……あの時、義総様は私を助けて下さいました。厄介なはずなのに母も私も助けて下さろうとして尽力してくださいました。義総様がお優しいのは良く知っています」
「……これから話す内容はそのお前の信頼を裏切るかもしれないぞ」
「それは全て聞かないと分からないと思います」
「……そうか」
沙耶から向けられる真っ直ぐな視線は義総に対する信頼の現れである。果たしてそれに応えられるのだろうかと義総は不安を覚えながらも昔話を再開した。
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なんだかんだで義総と沙耶がいちゃついているのは気のせいだろうか……。
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「襲撃のトラウマから男性を極端に怖がるようになった母を父は無理やり犯した。早く子供が欲しい彼はその有り余る性欲に任せて毎日のように母を蹂躙し続けたと聞く」
自嘲気味なのは義総自身にも覚えがあるからだろう。酔いに任せて沙耶の初めてを奪った彼はそのまま何日も部屋に籠り、彼女を抱きつぶしたのだ。父親の事を嫌っていても、こういった所で血の繋がりを感じてしまい、自己嫌悪に陥るのだ。
「父の年齢の事もあり、周囲から子供は無理ではないかと言われていたが、結婚から半年後、母の懐妊が判明した。そして産まれたのが私だ」
義総はここで一旦言葉を切り、大きく息をはく。そして重ねられたままになっている沙耶の手を握り直すと、再び口を開いた。
「大倉の当主は私と入れ替わるようにそれから間もなく息を引き取った。彼の遺言には大倉の全ては私に譲ると明記され、その後見は当然のように父が指名された。
念願がかない、父はようやく大倉の全てを手に入れたが、それは思い描いていたものとは程遠い物だった。久子と有能な部下を婚約させて吉浦を任せ、自分は姓まで変えて大倉に入り婿したのに自由に出来る財産は殆どなかったのだ。
私を抹殺しようにも、遺言には私が成人する前に死ねば、大倉の財産は国や福祉団体に寄贈すると明記されている。そうなればこれまでかけてきた時間と労力が無駄になってしまう。結局父は諦めて後見の地位に甘んじなければならなかった。
その苛立ちは次第に母へ向けられるようになった。口がきけない上、父の前では萎縮してしまう彼女に父は容赦なく暴力をふるった。やがて母は心身を病み、私が3歳になる頃この世を去った」
義総がここで言葉を切ると、沙耶は彼にギュッと抱きついてくる。急にどうしたのかと思って顔を覗き込むと、彼女は母親の生い立ちに胸を痛めて泣いている様だ。
「沙耶……本当にお前は……」
「だって……」
ギュッとしがみついてくる沙耶の背中を宥めるように優しく叩き、義総は彼女の優しさに感謝してその旋毛に優しく口づけた。
「過去はもう変えられない。祖母や母の生涯は本当に哀れとしか言いようがないが、彼女達の無念を忘れず、また、同じような事を繰り返さないようにすることが今の私に出来る事だと思っている」
義総の言いたい事は分かるのか、沙耶は嗚咽を堪えながら彼の腕の中で何度も頷いた。
義総はそのまましばらくの間無言で沙耶が落ち着くのを待った。その間、部屋の中には時計の針が進む音が響く。
「落ち着いたか?」
「……はい」
頃合いを見計らって義総が声をかけると、沙耶は少し掠れた声で返事をする。何もないよりはましかと思った義総は、すっかり温くなった水をグラスに注いで沙耶に手渡す。すると彼女は律儀に礼を言って受け取った。
「……義総様は寂しくなかったですか?」
「そうだな……。正直言うと、普通の感覚が私にはよく分からない。ただ、ここに居た間は元々祖母や母の身の回りの世話をしていた使用人がかまってくれたのでそう思う事は無かった。むしろ残っているのは幸せな部類の記憶だ。父に呼ばれて本家に戻ってからの方が辛かったかな」
沙耶が水を半分ほど飲んでグラスをテーブルに置いたので、義総は残りを飲み干して自分も喉を潤した。沙耶は先程のおしぼりでまた目元を冷やしている。若いから問題は無いだろうが、綾乃が見れば入念にお肌の手入れを施すに違いない。
「屋敷の中にはまだ父を快く思わない者がいて、その息子である私を大倉の人間とはなかなか認めてはくれなかった。そんな私の味方になってくれたのはこの別荘から付いて来てくれた小間使いの親娘だった。
襲撃のあった日、祖母と共に凌辱されたあの若い小間使いは誰のとも分からない子供を身籠っていた。父は将来役に立つだろうからと、彼女に産んで育てるように強要し、襲撃の翌年に彼女は双子の女の子を出産した。その子供が綾乃と彼女の姉、愛乃だ。本家へ移った時には既に中学生になっていた彼女達が親身になって世話をしてくれたおかげで、私はどうにかあの家で居場所を作ることが出来た」
思いがけず出て来た綾乃の名前に沙耶は驚いた様子で目を見張る。そんな彼女の額に口づけると、義総は話を続ける。
「仕事が忙しいだけでなく、愛人の元へ通っていたらしい父は滅多に家に帰ってこなかった。その間に久子が我が物顔で現れ、来る度に大倉家の秀逸な名品をくすねていった。ただ、あからさまなのは成人と同時に夫となった哲也さんに諌められて諦めていたが、その苛立ちは全て私に向けられた。
私物を隠されるのはまだ可愛いとして、暴力を振るわれるのも珍しくない。まだ子供の私にはかなう相手では無く、2人に庇ってもらう日々が続いた。そんなある日、久子が力加減を誤って私が大けがをする事故が起きた。その日は久子の部下に邪魔されて綾乃達が駆けつけるのが遅くなって間に合わなかった。
私を守りきれなかった2人に父は激怒したが、それでもこの事故のおかげで久子のちょっかいに気付き、一時的にせよ彼女は大倉家から遠ざけられた。そのおかげでしばらくは平穏に暮らせていたが、私が中学に上がる頃になると今度は父が体調を崩すようになった。
後に分かった事だが、久子はこの頃から父に薬を盛っていたらしい。私の後見をしている父がいなくなれば、自分にその役が回って来て大倉を自分の物にできると周囲からそそのかされた様だ」
欲の為には親ですら手にかけようとする久子は典型的な吉浦の性質を受け継いでいる。義総は苦々しい思いが込み上げて来て大きなため息をついた。
「父も気づいていたらしいが、既に体はその薬に蝕まれていた。仕事も大半を部下に任せ、自分は屋敷に籠って指示を与える程度になった。しかし、これにより軌道に乗り始めていた大倉の再建が思う様に進まなくなっていく。その現実に父も嫌気がさしたのかあまり口を挟まなくなり、一層経営が厳しくなっていった」
「あの人はお父様の命まで狙ったの?」
沙耶は信じられない様子で義総を見上げる。そして久子の名を聞いて連れまわされた記憶が蘇ったのか、体をブルリと震わせる。
「例え身内だろうと自分と利害が一致しなければ敵とみなす。吉浦の悪い気質があの女には強く出ていた。あれにとって家族と認識していたのは明人だけだったかもしれないな」
「……可哀想な人」
「お前はそう思うのか?」
「確かにお金は大事かもしれませんけど、それだけというのは何だか寂しい気がします」
「私にも同じ血が流れているぞ?」
「でも……義総様とあの方は違います」
「そうなのか?」
「言葉ではうまく説明できないけれど……でも、綾乃さんや青柳さん、塚原さんも、山崎さん夫妻も義総様に喜んでお仕えしています。義総様が皆さんの事を気にかけていらっしゃるから、皆さんそれに応えて下さっているように思います」
沙耶の言葉に義総は驚いた様子で目を見張る。そして嬉しかったのか少しだけ顔を綻ばせた。
「それに……あの時、義総様は私を助けて下さいました。厄介なはずなのに母も私も助けて下さろうとして尽力してくださいました。義総様がお優しいのは良く知っています」
「……これから話す内容はそのお前の信頼を裏切るかもしれないぞ」
「それは全て聞かないと分からないと思います」
「……そうか」
沙耶から向けられる真っ直ぐな視線は義総に対する信頼の現れである。果たしてそれに応えられるのだろうかと義総は不安を覚えながらも昔話を再開した。
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