ドゥームレジスター

バルッ!!

文字の大きさ
53 / 55

0053

しおりを挟む
砦に戻った大地たちは、ザレクが遺した黒い結晶を中心に議論を進めていた。その結晶は、微かに黒い霧を放ちながら、冷たく異様な力を感じさせるものであった。

「この結晶がザレクの力の源……いや、彼の計画の一部に関係していることは間違いない。」
エリオットが慎重に結晶を観察しながら言った。

「この中に、奴を止める手がかりがあるのか?」
ロイクが結晶を見つめる。

「可能性は高い。ただ、これを解明するには、より詳しい資料や古代の遺跡にある装置が必要だろう。」
エリオットは眉をひそめながら地図を広げた。

「その場所の心当たりは?」
フィーネが尋ねると、エリオットは一箇所を指差した。

「『虚無の塔』と呼ばれる場所だ。古代の賢者が禁忌の力を研究した場所で、結晶の力を解析する装置が残されている可能性がある。」


一行は準備を整え、虚無の塔を目指して出発した。その道中、周囲の空気は次第に重くなり、遠くの空には不吉な黒い雲が渦を巻いていた。

「ザレクの力がまた動き出しているのかもしれない……。」
フィーネが不安げに呟いた。

「急ごう。彼の計画が進めば、取り返しのつかないことになる。」
大地が剣を握りしめ、歩を速めた。


虚無の塔は高くそびえる不気味な建物で、塔全体が灰色の石で作られ、その表面には古代文字が刻まれていた。塔に近づくにつれ、結晶が微かに光を放ち始めた。

「結晶が塔に反応している……やはりここが正しい場所だ。」
エリオットが慎重に結晶を手に持ちながら言った。

「でも、簡単には入れなさそうだな。」
ロイクが塔の入り口を睨む。扉には大きな封印が施されており、開く気配が全くなかった。

「この封印……古代の賢者が置いたものだ。この結晶が鍵になる可能性がある。」
エリオットが結晶を封印に近づけると、扉が微かに震え始め、ゆっくりと開き始めた。

「よし、進もう。」
大地が剣を構えながら塔の中に足を踏み入れた。


塔の中は異様な雰囲気に包まれていた。壁には古代文字が浮かび上がり、天井からは黒い霧が滴り落ちている。空間全体が歪んでいるように見えた。

「何だここは……まるで異世界だ。」
フィーネが剣を握りしめながら言った。

突然、塔の奥から低い咆哮が響き、黒い霧が渦を巻いて動き出した。その中から現れたのは、巨大な影の獣だった。獣は赤い目を光らせ、一行に向かって咆哮を上げる。

「来たぞ!全員準備しろ!」
大地が叫び、剣を抜いた。


影の獣は鋭い爪と牙を持ち、一行に次々と攻撃を仕掛けてきた。その体は黒い霧でできており、物理攻撃を無効化する力を持っているようだった。

「物理攻撃が効かない……!」
ロイクが盾を構えながら叫ぶ。

「魔法で霧を浄化するしかない!」
エリオットが魔法を発動し、獣の体を一部浄化することに成功した。

「よし、その隙に攻撃する!」
フィーネが素早く獣の足元に剣を振り下ろし、動きを封じる。

大地は「時の輪廻」の力を発動し、獣の動きを一時的に遅らせると、その隙を突いて剣を振り下ろした。

「これで……終わりだ!」

剣が獣の体を貫くと、獣は悲鳴を上げながら消え去り、黒い霧も静かに消えた。


獣を倒した後、一行は塔の中心にある装置にたどり着いた。それは黒い結晶を解析するために作られた古代の機械だった。

「これが結晶の秘密を解き明かす鍵だ。」
エリオットが結晶を装置にセットすると、装置が動き始め、結晶の力が光の形で投影された。

その光の中に、ザレクの姿が浮かび上がった。

「ザレク……!」
大地が剣を握りしめる。

ザレクの映像が冷たく笑いながら語り始めた。
「貴様らがここにたどり着くとは驚きだ。だが、遅すぎる。この結晶は私の計画の一部に過ぎない。やがて、闇の調和がこの世界を覆い尽くすだろう。」

「何を企んでいるんだ……!」
フィーネが叫ぶ。

ザレクの映像は淡く消え、装置から次の目的地を示す光が浮かび上がった。それは、「深淵の神殿」と呼ばれる場所だった。


一行は、ザレクの計画を阻止するために「深淵の神殿」へ向かう決意を固めた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...