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恋人の元セフレ(攻め)を優しくじっくりメス堕ちさせる④
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そんな快感に歪めた顔でしおらしく謝罪なんかされたら、もっと悦くしてあげたくなるじゃないか。
まだ立ち上がりきってない男性器の首がもたげるのを感じる。まだ挿入できないのにきついな。
「もっと……ふわふわ、する?」
「はぁ……?」
「僕の指……長いから。しっかり届くよ? ここ」
「あッ、あ、あぁぁっっ?!」
前立腺の上の方を、繊細な部分を、これまでよりももっと優しく、傷口にそっと軟膏を塗るような動作で撫でる。大丈夫、大丈夫、とあやすように。
亀頭で刺激するほうが楽だし、される側も気持ちいいだろうが、その前に快感を覚えさせておくのも悪くない。指が長いおかげで問題なく届くし、尻穴の奥が女性器のような性感帯に溢れていることをじっくり教え込むことができる。
大鳥は自分の太ももをギュッと強く抱きかかえ、顎を反らしてビクッビクッと何度も身体を痙攣させている。太ももが長く、縮こまると小さな顔が膝で隠れてしまいそうだ。
「ああぁ、かがみっ、あ、それ、それぇ、あぁあっ」
「はは、男前な、君でも……ポルチオでビクビク、できるんだね? たくさん気持ちよくなれて、いいね」
「あ、ここ…………それ、あ、やめ、やめ、かがみ、かがみぃ……ああぁぁ……っ。やめ、やめて……」
「出雲はポルチオ当てながら……このへん、かな?」
「ひあッ」
「そう、ここのヒダを揺すられるのが……大好きなんだけど、君はどうかな? さすがにここは……指、つりそう……ごめんね。挿れるの、楽しみだね?」
泣きそうな顔してる癖に、中がぎゅううっと狭く押し返して、甘イキしてるような動きをしてくる。
我慢汁はお漏らししたみたいに垂れ流しているが、精液は出ていない。腹に溜まった我慢汁を撫でて塗り広げると、大鳥はビクッと腰を引いた。
「お腹、気持ちよくなっちゃった?」
「ちが……加賀見、ちょっと待って、う、ヤバい、から……やばい、からぁッ! おれ、これ、もう、ひっ、イッ、いぁ、うぅぅぅッ」
「声……出しても、喋ってても、いいから。歯食いしばらないの。口開けて」
優しく頬を撫で、親指で下唇を引っ張り、口を割る。本当はあまり唾液に触れたくはないが、仕方なくそのまま親指を口内に入れたら、ガッと思い切り噛まれてしまい、痛みが走る。
犬歯が皮膚を破り、血が流れる……大鳥はそれを見て目をまん丸くした。快感が止まらないのに、僕の指を見て戸惑う顔は、目元に光る涙も相まって、とても憐れに映った。
快感の強い部分を撫でるのはやめ、入口の方まで指を抜いていき、入口を揉むようにしたり、抜き差しするだけに留まる。
「あ、悪い、俺…………加賀見、ごめん……」
「いいよ」
「血が……う、くぁ…………ごめんっ。でもやばくって……待っ、なぁ、待ってって言ったらやめてくれよ……」
「やだ」
「なんで……なんでだよ、やめろよぉ……」
浅い浅い、ゆるい刺激に、そわそわと腰を揺すっている。自分で気付いているのだろうか。もっと気持ちよくなりたいと強請っているようにしか見えない。
「ねぇ、君さ……」
「ひっ」
耳に顔を寄せ、その輪郭を舌でなぞる。
「ちょっと、イッちゃった?」
「は、はぁ?! してねぇ……」
「中の動きで、わかる。甘イキしちゃった? 僕の指に誓って、ちゃんと教えて?」
血の滲む親指で、頬を撫でる。
はっ、はっ、はっ、と大鳥は短く浅い呼吸を繰り返して、ごくりと喉を鳴らした。
「わかんねぇよ……わかんねぇ、だってイクって……射精じゃん…………わかんねぇよぉ……」
「ふぅん?」
「なんで、なんでそんな、いじめんの? 普通にサクッと、セックスすりゃいいだろ……? こんなん、無理……」
「心外だな……こんなに優しく、丁寧にしてるのに」
「ちげぇよ! いくら気持ち良くたって、これじゃ拷問だろ……っ? 加減とか、引き際があるんだよ! わっかんねぇの?! このヘタクソ!」
涙目で僕を睨む大鳥の顔を眺めていたら、過去に風俗嬢に全く同じことを言われたのを思い出してしまった。
なんでお金払って怒られなきゃいけないのかと初めは納得できなかったが、本番強要もしてないのにNG客にされ続ける理由が説教されてやっと理解できたという、苦い思い出だ(一日何人も相手にする彼女達にとって、僕のようなトークもイチャつくのも嫌いで時間の稼げない、さらには自分には触らせず、時間みっちり責め倒してくる客は最悪らしい)。
しかし、今回は自分の欲吐きの為ではなく、大鳥のためにちゃんと気持ち良くしてあげたいと思っただけなのに。一応の友人として。ちょっと悲しい。
入口を拡げるのだけ続けながら項垂れていたら、ぐずっと鼻を啜る音が聞こえた。顔を上げると、大鳥が手の甲で鼻を擦っていた。
「泣いてるの?」
「泣いてねぇよっ!?」
鼻を鳴らしながら鼻声で言われても説得力にかける。でもさっきよりも元気を取り戻したように見える。
「気持ち良くない?」
「あっ」
ゆっくりと撫でながら、お伺いを立てる。
「大鳥? 僕、へた? 拷問?」
「や、だからっ、ちがくて……あ、ちが……」
「気持ちいい?」
「あ、あ……そう、じゃなく…………はぁ、あ、あんっ」
大鳥の口からとても……とても、可愛い喘ぎ声が上がって僕らは思わず顔を見合せた。大鳥は顔をくしゃくしゃにしてみるみるうちに頬を赤く染めていく。
「だから、もう…………サクッとセックス、しろってぇ……」
うん。これも何となく、大鳥の言いたいことが理解できてきたような気がする。
しかし、サクッとセックスしろと言われても、と頭を悩ませる。入るかなこれ。
「まぁ、でも……君がそう言うなら。挿れてみる? 後ろ向いて?」
「うん……さっきあげたゴムしろよ?」
「するよ。汚い」
ゴムしろと言ってきたくせに僕の返事に大鳥は、さっきより威勢のいい蹴りを繰り出した。そして僕が避けるのを見届けてからごろんと寝返りを打つ。ベッドが広いからまだ何度か寝返りができそうだ。
LLサイズだが、ちゃんと入るだろうか、破かないだろうかと冷や冷やしながらコンドームを装着していく。
「ゴム、この三つだけ?」
「んん……? そうだけど。なんだよ、破いた?」
「ううん。三回分、か」
「三回もしねぇからな?!」
「四つん這いになって?」
大鳥の声に被せるように要求すれば、彼は大人しく腰を上げて犬のような格好になった。尻に手を添えるとビクッと跳ね、さらに身体がガチガチに強張っているのが手のひらに伝わってくる。
「上半身もっと、低くして。枕、だっこして。ほら」
縦にした枕を大鳥の体の下に滑り込ませ、抱かせる。枕を抱く手が震えてる。
「大丈夫。ゆっくり、挿れる。無理はしない」
背骨に手をスーッと滑らせていき、指の腹や背を使って腰を撫でると、はぁ、と甘い吐息が漏れる。皮膚の感触で緊張が解けていくが分かり、腰から尻に優しく、優しく、触れていく。
「リラックスして……そう。上手。腰撫でられると、気持ちいい?」
後頭部が揺れ、コクンと大人しく頷く。
従順な姿を可愛く思いながら、男性器の先で尻穴をさする。ここに入るという挨拶だ。
「声出しても、うるさく話してもいいから、奥歯噛み締めちゃ……駄目だよ? もう僕に、血を流させたくないでしょ。君の歯並びは、嫌いじゃない」
「チッ……次は食いちぎってやるよ」
「うん。いいね。その元気で、始めようか」
まずは本当に鈴口だけ、カリは通過せず、先だけを挿入する。カリの上まで入ったら、動くことはせずにそのまま後ろから大鳥を抱きしめた。
「はっ、はっ、うっ……」
「大丈夫……大丈夫だよ。動かない。ね。大丈夫」
ちゃんと頷くので、今度は頭を撫でてあげた。こんなに頑張ってる姿を見ると、ちょっと愛おしくなってしまう。
呼吸が落ち着いてきた頃、そろそろ動くよ、と耳元で囁いたら首を縦に振ったので、ゆっくりゆっくり、引き抜いていく。
「あっ……あっ……やばい、違和感、すげぇ……っ」
抜ききらずに、またカリの上までゆっくり挿入。この短すぎる抜き差しを、ゆっくり時間をかけて、何度も何度も行った。
きつい入口がぎゅうぎゅうと亀頭を締めてきて、潰されるのではと心配になるほどだ。
多分今、大鳥よりも僕の方が痛い。輪ゴムをギチギチに何重にもかけられてる気分。
早くズボッと奥まで挿れてしまいたくなるが、そうすると傷つけてしまうことは必須なので理性で堪える。
「か、かが、み…………もう少し、もう少し、いれても、いけそう……」
「本当?」
「痛かったら、痛いって、言う……」
「分かった。ちゃんと言うんだよ?」
試しにぐっと押し進めるが、やっぱりキツい。狭すぎる。出雲の尻穴はふわふわなのに、初めてだとこんなに硬いのか。出雲の初めて欲しかったな。
大鳥も辛いだろうが、全然入る気がしない。それでもローションを足して、騙し騙し腰を進めていく。
「う、あああ……っ! 痛い、ごめ、ちょっと痛い……っ」
「わかった。抜く?」
「いや…………その、まま」
「がんばる?」
「うん」
気を逸らすために頭を撫で、耳に唇を寄せる。耳たぶを甘噛みしたり、縁を舐めたりしながら、そっと語りかけた。
「偉いね。よく、頑張ってる」
「うっ……べつ、に…………偉いとか、ねぇだろっ……」
「うん? そう? 僕のを挿れる為に、耐えてるんだし……僕は、そう思ってしまうな」
「……なぁ、あともう少し?」
「うーん……そうだね。カリは抜けれる、かな。痛くない?」
「痛ぇよっ……きっつ…………はぁ、はっ…………なぁ、胸……」
「うん? 触って、欲しい? やっぱりおっぱい、好きなんだね? こんなに小さい乳首で……気持ちよくなっちゃうんだ?」
「やめろって、そういう、あっ、言い方ぁ……」
「気持ち良くない? やっぱ、へた?」
「ううん…………すっげぇ、きもちい……きもちいい…………ンああッ!」
安心させるため、身体を解くため、ゆったりと会話を楽しんでいたら、唐突にずるん、と亀頭がカリ首まですっぽり収まった。
枕をぎゅっとして、そこに顔の下半分を埋めてた大鳥の顎が上を向く。痛みでまたぎゅっと力が入るので、上がった頭を抱き抱えるように包んでやり、よしよしとおでこを撫でる。
「痛い? 苦しいね。大丈夫。しばらく、このまま。動かない」
「は、はっ、はっ、う、うぅっ……はぁ、はぁっ」
「苦しいね……ちゃんと、馴染むよ。あとで……気持ちいいところ、擦ってあげるからね。頑張ろうね」
「かが、み……」
「うん?」
「お前っ……いつも、そんななの? よく、こんな……恋人でも、ないのに。はぁ、う、く……めんどくせぇっ、じゃん……」
大鳥の疑問に、はたと自分でも首を傾げてしまった。
確かに面倒くさい。出雲に出会う前も機会はあったし、挿入してみた、くらいのことはあった。
しかしサイズの問題ですんなり挿入できるはずもなく、かといってここまでする気にもなれなくて、出雲に出会うまでまともに挿入を伴う性行為をしたことがなかった。
相手の身体を弄り回して楽しんだら、自分で手コキすれば十分だとすら思っているほど。素股してもらったことはあるけれど、粘膜同士での接触はちょっと気持ち悪くて好きじゃない(出雲とはお互いの境界をなくすくらいしたい。この理由に至ってしまうと、もうサイズだけの問題ではない気がする)。
つまりは全くの未経験とまでは言わないが、童貞を出雲に捧げたと言っても過言ではないくらいの経験しかないのである。
「いつも……じゃない。優しくするって、約束した……から?」
「あぁ……? んだよ、はっきりしねぇ、な……」
「ううん……まぁ、でも……ここはこれから先、僕以外が入ることはないと思ったら……君の身体のここだけは、僕だけのものなんだから。大事にしたくも、なるよ。だからちゃんと、抵抗できるようになるんだよ?」
「ん…………あ、かがみ……あ、あっ……それ、もっとして」
指先で、爪の先で、乳首をくりくりと弄ってやりながら、耳やうなじに舌を滑らせていく。抱いている背中にぞくぞくと快感が駆け上がってるのが、ちゃんと伝わってくる。その度に中も締まったり緩んだり、僅かだがちゃんと動いてる。
リップ音と甘い声が、この無駄に広いスイートルームによく響く。せっかくこんなに良い部屋で、景色もいいらしいが、カーテンは締め切って、湿気に重くなったシーツの上で僕らはずっと身体をぴったりと重ねている。
「なぁ、そろそろ……ン、動け、よ。お前ずっとこんなんじゃ、辛い、じゃん」
「いいの?」
「いいっつってんだろ……」
いいと言いながら、少し体勢をずらしただけで驚いてビクッとしてる。まだ怖いだろうに。でも自分も挿入してる側だから、こちらの気持ちもわかるのだろう。
「じゃあ、動くよ? 中、掘ってくよ? 痛かったら、言うこと」
「わかってる。初めてだし、あんま気持ちよくさせてやれねぇだろう、けど……」
「そんなこと、いいから。たくさん、気持ち良くなって」
じっくり、じっくり、腰を進めていく。竿の上部も太いため、カリより滑りはいいだろうがまだまだ挿れるのは苦しいだろう。しかし、挿入していく過程で、腹の方をずり、ずり、と探っていたら、はぁっ、と大鳥が背を反らした。反った背を撫でながら、奥に進むのをやめ、そっとそこを亀頭で往復する。
「あっ、あっ、あっ、きもちい、かがみ、それ、はっあぁ……っ! やばい、やばい、かがみぃ……っ」
「うん、うん。気持ちいいね。ここ、しばらく擦ろうか」
「うん……は、はぁぁ……っ、う、う、ごめ、おれっ、声……ひくい、のに、ンッ」
「いいよ。興奮する」
「んッ……!」
囁くとまたビクッとして……可愛い。吐息混じりでしっとりした色気のある声も、我慢して喉を締める飲み込む声もいやらしくて、方弁ではなく興奮する。
まだ立ち上がりきってない男性器の首がもたげるのを感じる。まだ挿入できないのにきついな。
「もっと……ふわふわ、する?」
「はぁ……?」
「僕の指……長いから。しっかり届くよ? ここ」
「あッ、あ、あぁぁっっ?!」
前立腺の上の方を、繊細な部分を、これまでよりももっと優しく、傷口にそっと軟膏を塗るような動作で撫でる。大丈夫、大丈夫、とあやすように。
亀頭で刺激するほうが楽だし、される側も気持ちいいだろうが、その前に快感を覚えさせておくのも悪くない。指が長いおかげで問題なく届くし、尻穴の奥が女性器のような性感帯に溢れていることをじっくり教え込むことができる。
大鳥は自分の太ももをギュッと強く抱きかかえ、顎を反らしてビクッビクッと何度も身体を痙攣させている。太ももが長く、縮こまると小さな顔が膝で隠れてしまいそうだ。
「ああぁ、かがみっ、あ、それ、それぇ、あぁあっ」
「はは、男前な、君でも……ポルチオでビクビク、できるんだね? たくさん気持ちよくなれて、いいね」
「あ、ここ…………それ、あ、やめ、やめ、かがみ、かがみぃ……ああぁぁ……っ。やめ、やめて……」
「出雲はポルチオ当てながら……このへん、かな?」
「ひあッ」
「そう、ここのヒダを揺すられるのが……大好きなんだけど、君はどうかな? さすがにここは……指、つりそう……ごめんね。挿れるの、楽しみだね?」
泣きそうな顔してる癖に、中がぎゅううっと狭く押し返して、甘イキしてるような動きをしてくる。
我慢汁はお漏らししたみたいに垂れ流しているが、精液は出ていない。腹に溜まった我慢汁を撫でて塗り広げると、大鳥はビクッと腰を引いた。
「お腹、気持ちよくなっちゃった?」
「ちが……加賀見、ちょっと待って、う、ヤバい、から……やばい、からぁッ! おれ、これ、もう、ひっ、イッ、いぁ、うぅぅぅッ」
「声……出しても、喋ってても、いいから。歯食いしばらないの。口開けて」
優しく頬を撫で、親指で下唇を引っ張り、口を割る。本当はあまり唾液に触れたくはないが、仕方なくそのまま親指を口内に入れたら、ガッと思い切り噛まれてしまい、痛みが走る。
犬歯が皮膚を破り、血が流れる……大鳥はそれを見て目をまん丸くした。快感が止まらないのに、僕の指を見て戸惑う顔は、目元に光る涙も相まって、とても憐れに映った。
快感の強い部分を撫でるのはやめ、入口の方まで指を抜いていき、入口を揉むようにしたり、抜き差しするだけに留まる。
「あ、悪い、俺…………加賀見、ごめん……」
「いいよ」
「血が……う、くぁ…………ごめんっ。でもやばくって……待っ、なぁ、待ってって言ったらやめてくれよ……」
「やだ」
「なんで……なんでだよ、やめろよぉ……」
浅い浅い、ゆるい刺激に、そわそわと腰を揺すっている。自分で気付いているのだろうか。もっと気持ちよくなりたいと強請っているようにしか見えない。
「ねぇ、君さ……」
「ひっ」
耳に顔を寄せ、その輪郭を舌でなぞる。
「ちょっと、イッちゃった?」
「は、はぁ?! してねぇ……」
「中の動きで、わかる。甘イキしちゃった? 僕の指に誓って、ちゃんと教えて?」
血の滲む親指で、頬を撫でる。
はっ、はっ、はっ、と大鳥は短く浅い呼吸を繰り返して、ごくりと喉を鳴らした。
「わかんねぇよ……わかんねぇ、だってイクって……射精じゃん…………わかんねぇよぉ……」
「ふぅん?」
「なんで、なんでそんな、いじめんの? 普通にサクッと、セックスすりゃいいだろ……? こんなん、無理……」
「心外だな……こんなに優しく、丁寧にしてるのに」
「ちげぇよ! いくら気持ち良くたって、これじゃ拷問だろ……っ? 加減とか、引き際があるんだよ! わっかんねぇの?! このヘタクソ!」
涙目で僕を睨む大鳥の顔を眺めていたら、過去に風俗嬢に全く同じことを言われたのを思い出してしまった。
なんでお金払って怒られなきゃいけないのかと初めは納得できなかったが、本番強要もしてないのにNG客にされ続ける理由が説教されてやっと理解できたという、苦い思い出だ(一日何人も相手にする彼女達にとって、僕のようなトークもイチャつくのも嫌いで時間の稼げない、さらには自分には触らせず、時間みっちり責め倒してくる客は最悪らしい)。
しかし、今回は自分の欲吐きの為ではなく、大鳥のためにちゃんと気持ち良くしてあげたいと思っただけなのに。一応の友人として。ちょっと悲しい。
入口を拡げるのだけ続けながら項垂れていたら、ぐずっと鼻を啜る音が聞こえた。顔を上げると、大鳥が手の甲で鼻を擦っていた。
「泣いてるの?」
「泣いてねぇよっ!?」
鼻を鳴らしながら鼻声で言われても説得力にかける。でもさっきよりも元気を取り戻したように見える。
「気持ち良くない?」
「あっ」
ゆっくりと撫でながら、お伺いを立てる。
「大鳥? 僕、へた? 拷問?」
「や、だからっ、ちがくて……あ、ちが……」
「気持ちいい?」
「あ、あ……そう、じゃなく…………はぁ、あ、あんっ」
大鳥の口からとても……とても、可愛い喘ぎ声が上がって僕らは思わず顔を見合せた。大鳥は顔をくしゃくしゃにしてみるみるうちに頬を赤く染めていく。
「だから、もう…………サクッとセックス、しろってぇ……」
うん。これも何となく、大鳥の言いたいことが理解できてきたような気がする。
しかし、サクッとセックスしろと言われても、と頭を悩ませる。入るかなこれ。
「まぁ、でも……君がそう言うなら。挿れてみる? 後ろ向いて?」
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「するよ。汚い」
ゴムしろと言ってきたくせに僕の返事に大鳥は、さっきより威勢のいい蹴りを繰り出した。そして僕が避けるのを見届けてからごろんと寝返りを打つ。ベッドが広いからまだ何度か寝返りができそうだ。
LLサイズだが、ちゃんと入るだろうか、破かないだろうかと冷や冷やしながらコンドームを装着していく。
「ゴム、この三つだけ?」
「んん……? そうだけど。なんだよ、破いた?」
「ううん。三回分、か」
「三回もしねぇからな?!」
「四つん這いになって?」
大鳥の声に被せるように要求すれば、彼は大人しく腰を上げて犬のような格好になった。尻に手を添えるとビクッと跳ね、さらに身体がガチガチに強張っているのが手のひらに伝わってくる。
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「声出しても、うるさく話してもいいから、奥歯噛み締めちゃ……駄目だよ? もう僕に、血を流させたくないでしょ。君の歯並びは、嫌いじゃない」
「チッ……次は食いちぎってやるよ」
「うん。いいね。その元気で、始めようか」
まずは本当に鈴口だけ、カリは通過せず、先だけを挿入する。カリの上まで入ったら、動くことはせずにそのまま後ろから大鳥を抱きしめた。
「はっ、はっ、うっ……」
「大丈夫……大丈夫だよ。動かない。ね。大丈夫」
ちゃんと頷くので、今度は頭を撫でてあげた。こんなに頑張ってる姿を見ると、ちょっと愛おしくなってしまう。
呼吸が落ち着いてきた頃、そろそろ動くよ、と耳元で囁いたら首を縦に振ったので、ゆっくりゆっくり、引き抜いていく。
「あっ……あっ……やばい、違和感、すげぇ……っ」
抜ききらずに、またカリの上までゆっくり挿入。この短すぎる抜き差しを、ゆっくり時間をかけて、何度も何度も行った。
きつい入口がぎゅうぎゅうと亀頭を締めてきて、潰されるのではと心配になるほどだ。
多分今、大鳥よりも僕の方が痛い。輪ゴムをギチギチに何重にもかけられてる気分。
早くズボッと奥まで挿れてしまいたくなるが、そうすると傷つけてしまうことは必須なので理性で堪える。
「か、かが、み…………もう少し、もう少し、いれても、いけそう……」
「本当?」
「痛かったら、痛いって、言う……」
「分かった。ちゃんと言うんだよ?」
試しにぐっと押し進めるが、やっぱりキツい。狭すぎる。出雲の尻穴はふわふわなのに、初めてだとこんなに硬いのか。出雲の初めて欲しかったな。
大鳥も辛いだろうが、全然入る気がしない。それでもローションを足して、騙し騙し腰を進めていく。
「う、あああ……っ! 痛い、ごめ、ちょっと痛い……っ」
「わかった。抜く?」
「いや…………その、まま」
「がんばる?」
「うん」
気を逸らすために頭を撫で、耳に唇を寄せる。耳たぶを甘噛みしたり、縁を舐めたりしながら、そっと語りかけた。
「偉いね。よく、頑張ってる」
「うっ……べつ、に…………偉いとか、ねぇだろっ……」
「うん? そう? 僕のを挿れる為に、耐えてるんだし……僕は、そう思ってしまうな」
「……なぁ、あともう少し?」
「うーん……そうだね。カリは抜けれる、かな。痛くない?」
「痛ぇよっ……きっつ…………はぁ、はっ…………なぁ、胸……」
「うん? 触って、欲しい? やっぱりおっぱい、好きなんだね? こんなに小さい乳首で……気持ちよくなっちゃうんだ?」
「やめろって、そういう、あっ、言い方ぁ……」
「気持ち良くない? やっぱ、へた?」
「ううん…………すっげぇ、きもちい……きもちいい…………ンああッ!」
安心させるため、身体を解くため、ゆったりと会話を楽しんでいたら、唐突にずるん、と亀頭がカリ首まですっぽり収まった。
枕をぎゅっとして、そこに顔の下半分を埋めてた大鳥の顎が上を向く。痛みでまたぎゅっと力が入るので、上がった頭を抱き抱えるように包んでやり、よしよしとおでこを撫でる。
「痛い? 苦しいね。大丈夫。しばらく、このまま。動かない」
「は、はっ、はっ、う、うぅっ……はぁ、はぁっ」
「苦しいね……ちゃんと、馴染むよ。あとで……気持ちいいところ、擦ってあげるからね。頑張ろうね」
「かが、み……」
「うん?」
「お前っ……いつも、そんななの? よく、こんな……恋人でも、ないのに。はぁ、う、く……めんどくせぇっ、じゃん……」
大鳥の疑問に、はたと自分でも首を傾げてしまった。
確かに面倒くさい。出雲に出会う前も機会はあったし、挿入してみた、くらいのことはあった。
しかしサイズの問題ですんなり挿入できるはずもなく、かといってここまでする気にもなれなくて、出雲に出会うまでまともに挿入を伴う性行為をしたことがなかった。
相手の身体を弄り回して楽しんだら、自分で手コキすれば十分だとすら思っているほど。素股してもらったことはあるけれど、粘膜同士での接触はちょっと気持ち悪くて好きじゃない(出雲とはお互いの境界をなくすくらいしたい。この理由に至ってしまうと、もうサイズだけの問題ではない気がする)。
つまりは全くの未経験とまでは言わないが、童貞を出雲に捧げたと言っても過言ではないくらいの経験しかないのである。
「いつも……じゃない。優しくするって、約束した……から?」
「あぁ……? んだよ、はっきりしねぇ、な……」
「ううん……まぁ、でも……ここはこれから先、僕以外が入ることはないと思ったら……君の身体のここだけは、僕だけのものなんだから。大事にしたくも、なるよ。だからちゃんと、抵抗できるようになるんだよ?」
「ん…………あ、かがみ……あ、あっ……それ、もっとして」
指先で、爪の先で、乳首をくりくりと弄ってやりながら、耳やうなじに舌を滑らせていく。抱いている背中にぞくぞくと快感が駆け上がってるのが、ちゃんと伝わってくる。その度に中も締まったり緩んだり、僅かだがちゃんと動いてる。
リップ音と甘い声が、この無駄に広いスイートルームによく響く。せっかくこんなに良い部屋で、景色もいいらしいが、カーテンは締め切って、湿気に重くなったシーツの上で僕らはずっと身体をぴったりと重ねている。
「なぁ、そろそろ……ン、動け、よ。お前ずっとこんなんじゃ、辛い、じゃん」
「いいの?」
「いいっつってんだろ……」
いいと言いながら、少し体勢をずらしただけで驚いてビクッとしてる。まだ怖いだろうに。でも自分も挿入してる側だから、こちらの気持ちもわかるのだろう。
「じゃあ、動くよ? 中、掘ってくよ? 痛かったら、言うこと」
「わかってる。初めてだし、あんま気持ちよくさせてやれねぇだろう、けど……」
「そんなこと、いいから。たくさん、気持ち良くなって」
じっくり、じっくり、腰を進めていく。竿の上部も太いため、カリより滑りはいいだろうがまだまだ挿れるのは苦しいだろう。しかし、挿入していく過程で、腹の方をずり、ずり、と探っていたら、はぁっ、と大鳥が背を反らした。反った背を撫でながら、奥に進むのをやめ、そっとそこを亀頭で往復する。
「あっ、あっ、あっ、きもちい、かがみ、それ、はっあぁ……っ! やばい、やばい、かがみぃ……っ」
「うん、うん。気持ちいいね。ここ、しばらく擦ろうか」
「うん……は、はぁぁ……っ、う、う、ごめ、おれっ、声……ひくい、のに、ンッ」
「いいよ。興奮する」
「んッ……!」
囁くとまたビクッとして……可愛い。吐息混じりでしっとりした色気のある声も、我慢して喉を締める飲み込む声もいやらしくて、方弁ではなく興奮する。
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