ブルガリブラックに濡れる〜恋人の元・セフレ(攻)を優しくじっくりメス堕ちさせる話〜

松原 慎

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抱かれたくて堪らない僕だけにウケな君を絶対に抱けない看護の夜⑤

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「だって……!」

 何度も強く瞼を擦る手に自分の手を重ね、包み込むことで瞼から離す。その手は握ったまま、人差し指と中指だけ伸ばして代わりに涙に触れる。涙も熱い。なにもかも熱い。瞼は真っ赤になっていて、明日には腫れてしまうだろう。

「何度言っても、君は……わかってくれないな」

 涙は拭いきれなくて、マスクがますます湿っていく。これでは肌に良くない。
 カサついた不織布をついと引っ張る。

「とっていい?」
「んーん……や……」
「困ったな。君のこと、どう可愛がればいいだろう。雨粒が落ちて肌を濡らしてくみたいに、全部にキスしてあげたいのにね」

 指の背を、手の甲を、濡れた肌に滑らせる。キスの代わりに、余すことなくその皮膚を愛せるように。瞼を人差し指の関節が通る時、隼人は瞼を閉じた。

「ごめん、なさぃ……」

 そしてまた、ぽろりと涙をこぼすんだ。

「謝らなくていいんだよ」
「みなわのしたいこと、ぜんぶ、していいけど、キスはだめ、だから……嫌いになんないで……」
「またそんな馬鹿なこと言って」
「嫌いになんない?」

 自分を見下ろしている、ずっと上の方にいる僕を、大きな潤んだ目をして一生懸命に見つめてる。上目遣いのせいで綺麗な白目がよく見える。朝食に食べた目玉焼きの卵白みたいにツヤツヤだ。それはぱくりとしたくなるくらい可愛い。

「なるわけ、ないだろ。なりたくても……なれない。僕は君のこと、どうしたって大好きなんだから。前にも言っただろう?」
「でも、でも……でもさ、おれ。ごめんなさい、水泡のこと、うそつきなんて思ってねぇよ」
「うん。わかってる」

 僕が頷くのに呼応して隼人も何度も頷きながら、ぽろぽろといつまで経っても涙が止まらない。
 難しいね。何回安心したって、その時がきたらどうしたって不安になってしまうんだ。一生効き目のある魔法の言葉なんてありはしない。
 人を一生縛り付ける難しい言葉はたくさんあるけれど、安心させる言葉はむしろ単純なんだ。飾り立てる必要はない、ただ何回でも、何回でも、根気よく、納得するまで、たとえ一生納得できなくても、伝えてあげないといけない。
 しかしそれは、単純でわかりやすいのでむしろ僕の性に合ってると言える。根気は必要かもしれないが、嘘をつくわけでもないし、伝える度に君が喜ぶんだから安いものだ。

「何回でも、言ってあげようね。大好きだよ。君がどんなに僕に酷いことしても……嫌いになんか、なれないんだよ」

 何回でも自分の指先を君の涙で濡らしても構わない。泣いてしまうのは可哀想だけど、僕は悪い男なので君が僕のせいで不安になってしまう泣いちゃうなんて可愛くて仕方ない。
 心が痛むのと、めちゃくちゃにしてやりたくて胸がざわざわと落ち着かない気持ちが同時にやってくる。
 そんな気持ちを抑えるために、君を抱きしめて胸の痛みやざわつきを抑え込む。
 座る僕の太ももに重なっていた隼人の腰が持ち上がって、シーツに長い足のつま先がちょんとつくのにいかがわしい気持ちを抱きながら(だってこれはまるで正常位だ)。

「不安になっちゃう君もかわいいから、何回でも、教えてあげる。我慢しないで、嫌いじゃないか、本当に好きか、聞いていいよ。呆れないよ。嫌いにならないよ。大好きだよ。楽しみにしてくれてて、嬉しいよ。ずっと、大好きだよ」

 僕を抱き返す力もなくて、上に乗られるように、閉じ込められるように抱きしめられている可愛い隼人。
 抱き返す力はなくても、真横にある僕の頬に自分の頬を擦り寄せることはできるみたいだ。すりすりして、ふぅふぅ言いながらまたマスク越しにチュッとしてくる。

「ねぇ……マスク、いらないよ。キス、してほしいな」
「んぅ」
「マスク、濡れちゃってるよ?」
「もっと、好きって言えー……」
「うん?」
「おれ、みなわに嫌われたら、もう生きていけねぇの」

 僕の言葉なんか無視して君は甘えてくる。

「好きだよ」
「むねんとこ、触って」

 可愛いのと、切ないのと、いやらしいのと、全部ごちゃまぜにして甘えてくる。
 脇腹から羽でくすぐるみたいに五本の指を胸へ向かって滑らせていく。爪の先で、指の腹で、指の背で、角度を変えながら。あんあんと素直に甘えた声を上げて、胸の先を摘んだ時「あっ」と大きく背が跳ねた。

「あ、あっ、嫌いになんない、で……」
「ならないよ」
「ほんと、かー……」

 声を震わせながら、腰をくいくいと持ち上げながら、聞いてくる。僕のガチガチのおちんちんと君の半勃ちなのにぬるぬるのおちんちんがその度に仲良く擦り合わさって堪らないのだけど。もう。

「ならないよ……好き。大好き。本当にね、もうね、僕もどうしちゃったんだろうね。ン……わからないくらい、好きなんだよ?」
「嫌いになろうとすんの、やだぁ」 
「しないよ……」
「あっ、あ……嫌いに、なりたくてもって、言ったぁ……」
「なろうとしない」
「俺のこと嫌いになんないで、ンッ、嫌いになりたくなんないでぇ……っ! いい子に、ぁ、するから……あっ……ぁっ……」

 亀頭が擦れて絡み合って、くちゅ、くちゅと音を立ててる。いい子にするからと言いながら下から突き上げるように強く擦ってくるので、分かっててやっているのだろう。そんな気持ちよさそうな声出していい子どころかこんなのは。

「みなわぁ……? なぁ、おれいい子に……」
「悪い子でもっ……ならない……嫌いになりたく、ならない。マスク、とっていい?」

 キスしたい。キスしたい。君の中に少しでも入りたい。君の中を舐めたい。
 こんなに君にキスしたいのにまだ剥ぎ取らない自分を褒めてやりたい。
 だってほら、君はまた首を横に振る。

「水泡、死んだらやだから取らねぇの……」

 伝染らないし伝染ってもいいからと言う言葉を用意していたのに、それよりも何段階も飛躍した言葉が出てきてベットの端から転げ落ちそうになった。そしてふふふと思わず笑いが漏れる。本当に君ってやつは、普段は大人びているくせに子供みたいになっちゃった時はとことんだ。

「死ぬわけないよ」
「死んだらやだ……」
「死なない。何言って」
「死んじゃやだ、こわい。死んだら許さねぇもん、やなの、だめなの。死なないで」
「どうしたの」 

 お化けを怖がる子供をほっこりしながらあやす様な気持ちでいたが、やっと乾いてきた涙がまたじわりじわりとやってきそうな気配に身が引き締まる。
 隼人が「もっと触って」と言うので、胸全体を手で覆って乳腺を撫でたり、乳首を転がしてあげたり、うんと可愛がってあげた。隼人は甘い声を上げながらも半べそだ。

「からだ、弱そう……みなわ、ぁっ、やだ、やだよぉ。おっぱい、もっとしてぇ……ん、きもちい、さきっぽ、さきっぽきもちいいよぉ……なぁ、きもちいい……みなわぁ、ずっと一緒にいてくんねぇとやだぁ。熱出して死んじゃやだ」
「うん。僕はね……案外、丈夫。いなくならない」
「みなわ、おれのちくびすき……? いっぱい触っていいよ、ねぇ、さきっぽすき」

 さきっぽ気持ちいい好きって言ってと言うと、いつも恥ずかしがる癖に。僕の喜ぶ言葉遣いまでして媚びを売って縋ってくる。
 嬉しいけど、それよりも少し切ない気持ちになる。そんな気持ちは隠してたくさん触って可愛がる。

「うん、かわいいね。ちっちゃくてね、でもがんばって尖っててね、いっぱい気持ちよくなってくれて大好きだよ。いっぱい触るね」
「あっ、あ、あ、カリカリすき、おしりの奥、きゅってなる……あっ、あっ、おっぱいきもちいいよぉ、あっ、あっ、しょれ、あ、まんこにくるぅ……っ あ、あーっ……あーっ……」

 薄目を開けたと思えば、ビクンと瞼を固く閉じてを繰り返し、僕がぷっくりしてきた可愛い乳首を爪先でかすって、摘んで、伸ばすのにたくさん反応してくれる。気持ちいいよぉ、気持ちいいよぉって腰を浮かせて、きっとその奥では穴がヒクヒクと閉じて開いているのだろう。
 そこを舐めたい気持ちで、小さな胸の先に舌をつける。ぺったりと表面をくっつけて、ぐりぐりと押し付けて、今度は舌先でくりくりとほじくって。

「あっ、それもすき、きもちい、きもちいっ、おっぱいぺろぺろもっとぉ……っ。もっとしてぇ」 
「ん。いくらでも」
「あのな、みなわ、あの、聞いて」 
「うん?」

 力なく隼人の顔の両脇に投げ出されていた腕が、僕の頭を抱く。あっという間に汗が滲むくらい、熱くなった。

「俺ね、俺ね、熱出すといつも……ァ、あっ、もうっ、死んじゃうんだって思ったの」
「うん」
「一人で、部屋でずっと寝てて、飯も食えないの……苦しくて、からだ痛くて、もう死んじゃうんだっていつも思って、た……やめないで、もっと舐めて、きもちいいのして。あ、ぁん、ん、はぁ、あ……暗い部屋で、さ、ひとりで、苦しくて……本当はもう俺、ひとりぼっちで死んじゃったのかもって……」

 息が荒くなってく。隼人の腕の中は熱くて、もっともっとと胸を押し付けられて。
 ぼんやりとしてくると、真っ白い空間のとっても遠くにぽつんとベッドが見えた。顔は見えないけど、小さい男の子がコホコホと咳き込んでいる。

「みなわ、もっと触って、水泡の手すき、きもちいい、俺ここにいるよ、わかる?」

 うん。見えてるよ。 
 君はここにいるし、小さい君だって死んじゃいない。
 君は一人だったんだろうけど、ちゃんといるよ。僕が知ってる。

「アッ、吸っちゃ、や……ん、ちがぅ、やじゃない、ごめん、ちがくて、むずむず、して……おっぱい吸われるの、すき、ほんとはね、すきだよおれ」

 そんなに君が必死にならなくたって、僕は君と一緒にいる。

「セックスすると気持ちいいしよく寝れたから、体調悪い時ヤルのもすきなんだ、おれ……ちょっとしんどいけど、生きてるんだよ……ほんとうに使っていいよ、俺のこと」

 ――心細い病の夜に君が初めて誰かと一緒にいたのは、叔母さんにそれでもセックスを求められた時なの?

 この疑問は口にするまでもなくきっと真実で、僕はそれを聞くことはしなかった。
 君に触れるのは少しも嫌じゃないけど、こんなことしなくても僕は隣で君をずっと抱きしめてあげるのに。君を死なせはしないから安心して眠りについていいのに。
 でも僕はどうすれば君が一番安心できるのかわからないから、憎たらしい思い出がこうしないと誤魔化せないかもしれいから、うんと君を可愛がって甘やかして、気持ちよくしてあげよう。
 綺麗事言ったって、僕はこうやって君をとろとろにして、あやしてあげるのは好きだしね。
 泣きそうに、必死に、これしかないと……本当にこうしてあげないと寂しくて死んじゃうんじゃないかというくらいに縋って鳴く君はあまりにも愛らしい。

「使わせて、もらってるよ。ありがとう。たくさん、気持ちよくなって? 君の熱い肌、きもちいいよ。きみの声、すごく興奮する。ありがとう。大丈夫だからね。夜の間、ずっと、 一緒にいる」
「おれ役立つよ」
「うん。すごいね」
「あ、乳首伸びちゃうッ、や、あ、あ、や」

 摘んで、根元からきゅっと持ち上げて、ちゅーっと強く吸う。引っ張られるままに胸を張りながらも、ふるふると首を横に振る。
 そんな隼人を見つめながら、舌を出してちろちろと尖ったそこを舐め回す。こりこりとして舌に当たる感触がおもしろい。隼人のおっぱいおいしい、腰動いてちんちん余計に擦っちゃう。
 隼人は真っ赤な顔をして、涙目で、とても恥ずかしそうに眉を寄せてるのに、僕の舌の動きから目が離せないでいる。中で口が開きっぱなしになってしまっているのだろう、マスクがずり落ちてきて鼻先が出てしまいそうになっているのが可愛い。見せつけるみたいに舌を出して、ついついねっとりと乳輪ごと捏ね回してしまう。

「あっ、それ、だめっ……だめぇっ……あん、あんっ……」
「だめじゃないね。そんな女の子みたいな声出して」
「だって、だってぇ……ん、んー、ぁ、だめ、ぇぇ……みなわに触られると……どこ触ってもぜんぶ、けつ、きゅーってするぅ……みなわぁ、メスイキしたいよぉ」
「今日はおちんちんでイこうよ? 精液ぴゅーってするの、きもちいいよ?」
「やだぁ、射精いらねぇもん、ぴゅーしねぇもん、メスイキでとろとろーってしあわせなる」
「あー、君ね、もう、そんなこと言って」
「みなわいつもほるもん? で頭びしゃびしゃにしてくれんの、あれしてぇ、ほるもん出させてぇ……みなわぁ、きもちいのしてぇー?」


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